2020/10/24 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にポチさんが現れました。
ポチ > 深夜の労働はお金がもらえる。
お金がもらえれば美味しいご飯が食べられる。
と、気合が入っている少年は水浴び場の湯をかき回したり、声を掛けられお願いされればそれに答える様に言い含められ、混ぜ棒を渡され送り出された。
外の秋の寒さとは異なる柔らかくも絡みつくような湿度の高い浴場を混ぜ棒肩に担ぎながら鼻歌交じりに湯気や、温泉で温められた温かく濡れた道を進む。

「とりあえず、ここでいいかな?」

誰もいない白濁した湯で満たされた浴槽の縁に立つと、混ぜ棒を沈め攪拌する様に混ぜ始める。

程なくして浮かぶ汗がただでさえ透けた湯浴み服を透けさせ、少年の柔らかい体にぴったりと張り付いてくるが、それでも投げ出さずによいしょ、よいしょと力を籠め混ぜ棒を手繰り湯の温度を調整していく。

「熱めと温め、どっちが良いんだろう…」

等とかき混ぜる手は手目無いままに悩んだりもしつつ。

ポチ > 「まぁトロトロの御風呂だから温めがいいかな。」

自分が入るにしても温めの方が好きだしと、内心付け加えながら混ぜ棒を手繰り続けていく。

回数は数えていないが、混ぜ棒を手繰れば粘度の高い湯は絡みつき中々の重労働である。
その上媚薬交じりの湯気を体にため込んでしまえば体は内側からポカポカを通り越して熱くなってくる。

白い肌に浮かぶ汗の玉は大きくなり少年の体が流れ落ち、体からふんわりとした甘い香りが漂い始める。

「はっ、はっ、はっ、ふぅ…」

疲れてきたがまだ熱いと、足先に掛かる湯の温度を感じながら混ぜ混ぜ、腕だけではなく体を使って混ぜ棒を動かしていく。

ポチ > 「ふぅ…、ふぅ…」

温度がだいぶ下がったところでようやく一息。
鉛のように重くなった腕で混ぜ棒を抜き、一度汗を流そうと、洗い場の方へと消えていった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からポチさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ぶえぇ~い……」

昼下がり。
太陽の下、変な声を漏らしながら露天風呂で湯に身を浸して寛いでいる金髪の男が一人。

湯船の縁の岩に背を預け、濡れて張り付いた前髪をかき揚げざま、頭に載せたタオルを手に取り
軽く顔を拭っては、ぷぅ、と息を吐き出し。

「……うむ、今日もいい湯だなと関心顔になる。ここの風呂のクオリティの安定感は圧倒的にさすがって感じですなあ……」

ハッハッハ、と何が楽しいのか笑い声を上げながら、タオルを頭に載せ直し。
そのまま湯を堪能しながら、やがて音程の外れた鼻歌なんかも響かせ始める。

そんな男の近くでは、なにやら小さな物体がプカプカと浮かび、湯面が波打つのに合わせて揺れている。
それは銀色のボディに赤いつぶらな瞳の、アヒルのおもちゃだった。目的は不明だが、男が持ち込んだものようで。
陽光を照り返すそのアヒルに時々ちらりと視線をやりつつ、男はのんびりと湯を楽しみ続けていて。

エレイ > やがてアヒルを手にして湯から上がり、のんびりと場を後に……
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。