2020/08/04 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「~♪」
ピーヒョロロとイマイチ上手く吹けてない口笛で、外れたメロディを奏でながら
大股でのんびりと露天風呂にやってくる金髪の男が一人。
手慣れた動作で桶を拾って湯舟に近づき、掛け湯を済ませれば湯に足から浸かってゆき──
その近くで、湯に浮かぶ何かが視界に入ると男は軽く瞬きした。
「……ン? なんだ誰かの忘れモンですかねぇ。酒持ち込むのは構わんがちゃんと片付けろという顔になる。
ってゆーか、まだ結構残ってるんだが……」
それは徳利とお猪口の乗ったお盆だった。
眉顰めて文句を言いながら徳利を軽く持ち上げてみれば、ちゃぷ、と鳴る水音。
まだ半分ぐらい入っているのも手に伝わる重みで察することができてはて、と首傾げ。
実はまだ持ち主が近くにいたりするのだろうか、と考えれば軽く周囲を見渡してみて。
■エレイ > しかしそれらしき誰かは見当たらず、やはり単なる忘れ物かと肩すくめ。
その後しばらく湯を堪能してから、場を後に。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にスバルさんが現れました。
■スバル > 九頭龍の水浴び場と言う温泉宿の中は、少年にとって広大であった。
様々な道があり、いろんな場所へと続いている迷路のよう、さもなくば、これが一つの国といって良いだろう場所。
子供が一人で来るには不適格だと思うけれど、彼は、水浴び場の無料パスポートを手に入れたのだ、父親があまり家に帰れないからか、皆で入る様にと家族用のそれを送って来てくれた。
ただ、母親も姉も見当たらないので、まずはと少年は自分一人で下見をして、母親や姉を案内しよう、そう思って居たのだけれども。
先の通りに、広すぎて、目が回りそうである。
「ぅう……。」
少年は引っ込み思案で、余り人とうまくしゃべることができない、大人の人は怖い。勇気を出して、受付の人とお話しするのにも10分はかかった。
パスポートを見せて、脱衣所に荷物などを置いて、戸棚の鍵を閉めて、温泉のある場所に来たのだけれども。
様々なお風呂があり、其処に行くための順路がある。家族連れの為のものとか、恋人同士で行くものとか、将又、性的な行為をするための場所、等。
しかし、案内板がないので、何処が、何処に繋がっているのかが判らない。
受付の人曰く、適当に行けばいいんです、と言うのだけれども。本当なのだろうか。
幾本もの通路を前に、立ち止まってばかりはいられないから、少年は進むことにする。
人が、殆ど居ない―――否、見えないこの旅館の和風の道は、だからこそ、恐怖を覚える。
お母さんの生まれた国は、こんなに怖い所ばかりなのかな、と。
■スバル > 木製の床は、少年が歩くたびに、きしり、きしりと音を立てる、それもなんか妙に怖いな、と感じてしまうのは少年の気質か。
髪の毛は今現在も下ろされていて、周囲の視線から自分の目を隠す簾の役割を果たしているけれど、それは逆に自分の視線も遮るものとなっていた。
足元は見えるが前は少し見づらくて。それでも、自分の目を見られるのが嫌だから、少年はそれを容認して、進んでいく。
幾つもの障子の扉があり、その上には、華の湯、白草の湯……など、名前が付いているのだけれど、そもそも、男湯なのか女湯なのかすら、書いてない。
どうしよう、と思いながら、幾つか進んでみるも、埒が明かない事に気が付く。
それなら――そうだ。取りあえず入ってみればいいんだ、恥ずかしいし、怖いけれど、誰かいれば教えてくれるだろう。
「――――よ、……よ、し。」
決意を固めるまでに15分ほど、扉の前で、あーうーと悩んだり困ったり恥ずかしがったり。
いよいよもってはいるしか、と、少年は気を引き締める。
股間を隠すタオルはちゃんとまかれているか、再確認してから、少年は意を決して。
そうっと、ゆっくり、障子戸を開いていく。
勢いよく入るなんて芸当は出来ないから、恐る恐る、覗き込むように障子を開き、浴場を眺める。
清潔感のある木の板張りの浴場が、見えてきた。浴槽や湯舟はまだ、見えない、湯けむりがすごかったのだ。
■スバル > 誰に咎められることも無く、誰かに声を掛けられることも無く、障子戸は開いてしまった。誰かいないのだろうか、少年はゴクリ、とつばを飲み込んでから、ゆっくり浴室へと入る。
一歩、二歩と、恐る恐る、周囲をきょろきょろ見まわしてはいる姿は不審者だ、大人であれば、直ぐに憲兵などを呼ばれてしまうだろう。
少年であっても、子供であっても何此奴と言う視線で見られるような挙動不審は、そもそも恐怖からのもので。
普段よりも、頼りないのだ、その身を守る物が、何一つない、から。
「お邪魔します……?」
小さく言いながら、檜の良い香りを漂わせている温泉の中へと少年は入って、周囲を見回す。湯気で見えにくいが誰も居なさそうな気がする。
ふう、と安心したような、寂しいような吐息を一つ吐き出してから、少年は温泉に入る事に―――。
「あ。」
そうだった、温泉など、お風呂に入る前には、マナーとして体を洗ったりしなければいけないんだった。
少年は慌てて浴槽から離れて、視線を巡らせる。洗い場は何処だろう、と。
そして、直ぐに見つけるのは、湯桶と、シャワーと、椅子のある場所、あそこが洗い場なのだろう。
少年は近くに行って、其処に置いてある石鹸を手にとって、湯桶に湯を汲んで、石鹸を泡立たせる。
とても甘い、良い匂いのする石鹸だな、と。
■スバル > 泡立った石鹸を体にこすりつけて、さらに泡立てて全身を包み込んでいく。泡に包まれて、全身をきれいにしていく感覚はとても心地がいい。
家にはこんなに泡立つ石鹸はないし、良い匂いもしないから、良いかもしれないと思うのだった。
多分こういうのは高級品なんだろうな、と石鹸を眺めて考えて、元の場所に戻して、頭を洗い、顔を洗い、タオルで体を磨いていく。
丹念に磨いていけば、躰は綺麗になって、良いにおいがする、石鹸の匂いだ。こういう匂いは良いな、と少年は小さく笑う。
それから、自分の体にかけ湯をして、泡を洗い落としていく。ざば、ざば、と何度もお湯を流す贅沢に、ぷるり、と身を震わせた。
それが終われば、少年はお湯につけて洗ったタオルを絞り、顔を拭いて水気を取る。
すっきりしてぷぅ、と息を吐き出してから、泡の残りが無いことを確認し、少年はお湯に入るために湯船に向かう。
「んー……。」
湯船は、浴槽は、一寸大きかった。大人用のものだから仕方がない。だから、少年はゆっくりと浴槽の縁に上り、湯船に足を付けていく。
しっかりと浴槽の縁をつかみ、足を下ろすのは、足が付かなかったときの為。
一応泳ぐことは出来るから、もし、足が付かないなら、諦めることができる……はず。
暖かなお湯に包まれて、浮遊感を感じながら、少年は肩まで浸かっていく―――。
「深い……。」
足はついたけれど、立ったまま入る形になってしまった。お湯で体が軽く感じられるから辛くはないけれど、座れない。
ちょっと困ったな、と髪の毛の下で眉を落として。
それでも、少し入っていないといけない、体を温めないと、と。深呼吸をする。
一寸、泳ぎたいな、とか思ってしまう。
■スバル > 「――――……。」
泳ぎたいと思う心を必死に我慢する少年。泳ぎたい、でもそれはダメ。子供だからこそ、ダメだという事には我慢が必要なのだと自分に言い聞かせる。
それから暫しの間の時間必死に我慢していたら体がすごく熱くなってくる。
泳ぎ隊を我慢している間に十分に温まったのだろう、少年はぴょん、と飛び上がって湯船から出る。
そうじゃないと、湯船の縁が高くて上がれないので。よじ登り、出て、そのまま少年はお風呂場から出る。
うろうろと道に迷いながら、脱衣所に戻り、服を着て、帰るのだった―――
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からスバルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフィアランさんが現れました。
■フィアラン > 「んんっ………はぁぁ。……気持ちいい」
独り占め状態の露天風呂に浸かっているのは、すらっと長い両足を投げ出すように身を沈める長身の女。
その豊満な肢体を、半身浴で半ば露わにしながらぼんやりと夜空を眺める…
「久しぶりに来たけど……ほんと。毎日来たくなるくらいだよねぇ」
ちゃぷん、と水の跳ねる音。
二の腕や太腿を片手で擦りながら、ほう、と何度となく吐息を零す。
一人でも十分ではあるのだが、誰かが傍にいてくれるとなお楽しいのだろう。
そう思いつつも、女は期待せず戯れに両足を揺らして、お湯をかき混ぜていた。
■フィアラン > そのまましばらく一人で露天風呂に浸かっていた。
身体をしっかり温めたところで、ふらっと立ち上がり去っていく――
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からフィアランさんが去りました。