2020/05/25 のログ
■ユースルヴェグ > 浴槽のへりに腰かけ、女は脚だけを湯に浸けた。
しっとりと湯気を吸い、貫頭衣が肌に張り付く。
そして、脚からじわりじわりと伝わる熱が…女の肌を温める。
首筋を汗が伝い、背筋、胸元はもう、白い貫頭衣をぴっとりと張り付かせていた。
こうして、湯に全身を浸からせずとも、じんわりと汗をかいてゆくという入浴法もあるのだと、昼間に奴隷から聞いたのを、女は早速試している、という風情…。
■ユースルヴェグ > 満ち足りたように吐息を零し。
女はゆっくりと立ち上がる。
まとめていても湿気を含んで重さを増した髪が、幾筋が流れて貫頭衣と共に肌にぴとりと張り付いている。
そんな姿のままに歩を進めて、女は浴室を後にして…。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からユースルヴェグさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にリシェさんが現れました。
■リシェ > -お約束待ちです-
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にブレイドさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にブレイドさんが現れました。
■リシェ > (外に出られるように、なった。とは言ったものの。訪れられる場所など、そう多くはない少女。
まして、誰かに付き添われたり、連れ出されたり、でない以上。ますます、候補は限られてしまう。
…考えて。考えて。捻り出す事が出来たのは。お金さえ出せば、泊めてくれる筈の、温泉宿。
予約など無い、飛び込みで。それでも、受け容れて貰えたのなら。
そこまで来て、やっと。緊張に汗ばむまま、ずっと、握り続けてしまっていた、彼の手を離して。
二人で、宿の奥の方。決して立派ではないが、そこそこ、落ち着けるだろう、和造りの部屋へ。
………そして。)
「………っ、は、…ぁ…。…………ぅぁー………」
(物凄く。らしくない、声が出てしまっていると。其処は自覚しているものの。
人間、強張りが抜けた瞬間は、どうしても。こんな風なのだと思う。
所謂、連れ込み、が横行している事も有り。
扉を閉めてしまえば、部屋の中で、誰が何をしているかも。そう簡単には、漏れてしまう事が無い。
それについては、後から思い出したものの。結果として、きっと、好都合。
ぺたん。タタミという、余所様のお国に合わせた、床の上に。座り込んで。)
■ブレイド > 手を引かれ、連れてこられたのは馴染みの温泉宿。
このような場所を彼女が知っているのは意外だが
それを茶化すような空気でもない。つなぐその手は僅かに汗ばんでいるようで
城を出る前からどこかしら必死さを感じたから。
流石に鎧のままではと城を出る際に常時つけているフード付きマントをかぶったが
この宿であれば、怪しまれることはなかっただろう。
そして、たどり着いた部屋。
喧騒と隔絶された…異国風の部屋で、リシェの吐息だけが響いた。
「……大丈夫か?」
抜け出したことの緊張…いや、それだけではないようにも見える。
マントをはずせば、彼女の傍に膝を付き、その背中をさすり落ち着かせようとしてみる。
■リシェ > (以前、仲の良い別の友人に、連れてきて貰った時とは、また違う部屋。
もっとこじんまりとして、鄙びた風情。
とはいえ、その方が落ち着ける筈…というのは。まだ、感じる余裕がなく。
背をさすって貰えると。此処まで、早足になりすぎて、ばくばく、跳ね続けている鼓動の音が。
少しずつ…少しずつ。落ち着いてくるようで。)
「ぁ………り、がとう、御座います…ブレイド、さま…
…それに。…ちょっぴり、驚かせて……しまい、ました…」
(だから、申し訳御座いませんと。今になって、頭を下げて。
そこから、さて、何をどう、説明したら良いだろうと。もう一度、悩んでしまう。
自分でも、自分を抱き締めるようにして。落ち着けるようにしながら。
意識してゆっくりと、長い、深呼吸。…二回、三回、と繰り返し。
たっぷり、時間を置いてから。やっと、もう一度口を開く。)
「…やっぱり、怖いので…逃げて、しまい、ました。
いつもと……違ったんですね。…少しだけ、思い出せましたので……
ブレイドさま。あなたさまのような、方々…が。今、お城では、酷い目に……」
(ぎゅ。其処まで口にして、眉を寄せる。両手を、掌に爪が食い込む程、握り締める。
淡い記憶に引っ掛かっている、その人達の痛みも、また。この場所に有る…かのように。)
■ブレイド > 言葉にならないような声から
徐々に声に意味がやどり始める。
背中に触れているだけで伝わる、彼女の血流。
心臓も早鐘を打っているのだろう。それが徐々に落ち着いてくるまで
その背に手をおいたまま
「いや、べつにいいぜ。急ぎ、だったんだろ?
そりゃ多少は驚いたけどよ」
城で抱きしめられてから感じる必死さ。
彼女が思い出したことは、おそらくだが…自分にもなにか関わるような
なにか恐ろしいことなのだろう。
でなければ、こんなところまで逃げる理由はない。
彼女自身もそう言っているが…いつもあそこでひどい目にあっている彼女が恐怖を覚えるなにか。
それを思い出したのだから、言葉が出なくなるのも仕方ない。
「…オレのような?冒険者、じゃねぇよな?ミレーか?
…ってなると、あの…なんだったか。城で聞いた噂はホントだったってことか?
ミレーの魔力をぬいてなんかに使ってるっていう…
つか、リシェも同じことされたってのか?大丈夫かよ」
心配し恐怖する彼女。実際同じ目にあったと言うならば、彼女自身も平気ではないはず。
なにかを抜かれたようだと先はいっていたが…それ以上になにか異変があれば大変なことだ。
少女の手を握り、表情を曇らせて。
■リシェ > 「…少しでも。早い、方が。良いのかと…思いました。
……お友達になって、下さるって。…言って頂けたのです。
そんな方に、累が及ぶと。考えたら……」
(どうしようもなく、怖くなってしまった。
自分が、苦しかった事は。当然、他の人も、苦しい筈だから。
想像するのも、また、怖い。なまじ…薬のせいで、不透明にしか、思い出せない分。
何をされていたとしても、おかしくない、とも。考えてしまうから。
もうすっかり、汗ばむ程の季節なのに。撫で摩られる背は、きっと、嫌な汗で湿っている。
それが申し訳なく、感じるのだけれど。それでも、肌と肌が触れ合う、温もりが。優しくて、心地良いのも、また事実。
…やっと。鼓動も、呼吸も、落ち着いてきたのなら。ぽつぽつ、記憶と言葉を、辿り始めて。)
「…はい、ほとんど……ミレー…の、方々、でした。
後は…お城に出入りする、魔術士の方や…わたしのような、魔族…
自覚、無かったのですけど…わたしにも。魔力…という物、有る、そうです。
そして、こうすれば、魔力が手に入るから、との事でした…けど……
たくさん、たくさん、お薬が使われて。きかい?を、つけられたりもして…
……それで、わたし、他の方と。…ミレーの方々、等と。
…されるだけ、じゃ。ありませんでした。……わたしの方から、して…犯して、しまったりもして…
それを望まない人、耐えられない人…おかしくなってしまう人。いっぱい、居ると…
…誰より、わたし、知っている筈なのに……」
(快楽が。絶頂が。魔力を、放出させる。
だから、正気を奪われた者達が、滅茶苦茶に交わっていた…多分。
彼の言う、酷い目。それを、される側でなく、する側でも有った、だろう事が。
今、少女が平静で居られない、一番の理由なのだろう…
ほとんど忘れて、けれど、焼き付いたように、消えないのだから。
快楽と苦痛に、苦し気に歪んだまま、無理矢理自分と交わらされていた…彼のような…ミレー族の、誰かの眼差しが。)
■ブレイド > 落ち着きを取り戻し、思い出したことをとつとつと語りだすリシェ。
その背は汗に濡れていたが、ひやりと冷たくも感じる。
息が整って、鼓動も落ち着いて
それでも背に触れ、手を握り、彼女の傍でその言葉に耳を傾ける。
「…ヒデェことしやがる…。
オレはまだバレてねぇからいい。んなことより、リシェだ。
魔力抜かれて、やなことさせられてよ…」
彼女が使われたことに関してはもちろん怒りを覚える。
彼女にではなく、そうさせた魔術師…どこのだれだかしらないが、それを命令した王族貴族にだ。
むしろ無理矢理に交わらされた彼女に対しては慰めるように
握る手をつよく、背に触れていた手は肩に。
その体を抱き寄せて。
「オレにも魔力はある。魔術だって多少は覚えたしな。
でも、使い方にそれほど詳しいわけじゃねぇから…どうやりゃその魔力をお前にわけてやれるかはわかんねぇ」
彼女も魔力や魔術にそこまで詳しいような語り口ではなかった。
ミレーたちのことも気になるが、ひとまずは目の前のリシェのことだ。
■リシェ > 「…酷い、ですよね。……そう思い…ます。
そうしなければ、いけないと。…戦に負けて、この国が、もっと酷くなるかもしれないと。
理由が有る分、ますます、どうしようもなくて。
…だったら、仕方がないじゃないか、と。…そう言い出す人も。きっと、出て来てしまいます…から。」
(だから、話は、きっと複雑。
お城の地下での、酷い事は。今現在、戦場となっている砦でも、同じように、起きている筈で。
一方を責めて、もう一方を許す、というわけには。いかない筈。
…その中で。人一人に出来る、それだけの許容量として。
少女は、未だ無事な友としての、彼というミレー族を助けようとした。
彼一人を連れ出すのは。未だに、地下に囚われた者達は、見捨てる事。
それもきっと。酷い事だから。痛い胸の上、ぎゅ、更に強く、手を握る。
その手と一緒に、身体全体。抱き締めて貰えたのなら。
背中だけではない、もっと広くで感じる、人と触れ合う温かさに。
やっと。血の滲みそうな両手から。力が抜けてくれる筈。)
「…ですよね?……ミレー族の人は、って。そういう事だった、みたいです…し。
………大丈夫です。きっと段々、戻って来るのだと…思います。
……でも。…こうして居て、下さっても。…宜しいですか…?」
(ゆっくり、此方からも、腕を回して。彼の背中を抱きながら。ぽつ、ぽつ。言葉は続く。
現実問題、使い捨てられて、死んでしまう…なら。効率が悪すぎる。
体力と同じように。徐々に回復するのだろう……それはそれで、戻って来る度、搾り取られる、という事を。
未だに囚われている者達は、続けられている、と。そういう事になりそうなものの。
本当に。考えれば、考える程、嫌になる。
……いや。一番、嫌なのは。自分自身かもしれない。
怖い、苦しい、其処から放り出された後なのに。
まるで口実のようにして、今もそのまま、彼に…縋り付いてしまう、狡い自分が。)
■ブレイド > 彼女の言葉には、少しばかり渋い顔をする。
ミレーにとって、この国という存在がそれほど重要なのかと言われば…
土地や人ではなく『国』というものの話であれば…
むしろ滅びてしまえと思っているものも少なくはないだろう。
自分たちを追い詰め、苦しめ、踏みつけにするような国と宗教。
そんなものを守るために自分たちがまた利用されるなど…理不尽にもほどがある。
だが、目の前の少女は違うし、街で出会った…多くの人々、言葉と情を交わした者たちもそうなのだ。
だから、彼女の言葉にはなにもいえなかった。
彼女はそういう…王族側の立場もありながら、自分を王城から連れ出した。
助けようとしてくれたのだから、それを伝えたところで困らせてしまうだけなのだ。
「そう、だな…。でもリシェはよ…ミレーであるオレに、それを教えてくれたんだな。
ありがとよ」
そう伝えるのがやっとだ。
心中は複雑なものの、彼女の行いに関しては感謝しかなかった。
抱きしめたままに、彼女に体を預けさせるように
大きくため息をつく。自身も、彼女も落ち着かねばなるまい。
とりあえずは。
抜け出したといえ、彼女はまた城へと戻るだろう。
そして同じようなことをさせられるだろう。
なにか、どうにか、できないだろうか?その知識がないことを悔やむ。
「もとに戻るってならいいが…今は疲れてるっつーか…喪失感?みてーなもんがあるんだろ?
こうしておちつくってなら、いくらでもしててやるから…
なんか、あったらいえよ?」
彼女の心中を汲み取ってか知らずか、すがるように身を寄せるリシェの髪に触れて
より深く、強く抱きしめて。
■リシェ > (そもそも、少女自身が、半分魔族という、お荷物扱いで。
ミレー族の人達のような扱いを、受けていて。…それでも半分は、矢張り人間で。
だから、どちらかにだけ、着くというのは。きっと、永遠に出来ないだろう。
人でも、ミレーでも、それ以外でも…関係なく。
城の中だけという、生まれついての鳥籠を、少しだけ拡張した少女が。知っている範囲の者達。皆が心配。
ただその範囲が、どうあっても、城から。国から。拡がらないから。知らず知らず、彼を、傷付けてしまう。
…気付く事が出来たなら。それにもまた、自責を感じてしまう筈…だけど。)
「…………はい。
ブレイドさまは、幾度も、お城に来られて…わたし以外の、知っている方々も、居られるのでしょうけど。
……そういう方々は、あなた様の、味方なのでしょうけど。
それでも、心配な物は、心配……です。から。」
(大丈夫だと、思えば思うだけ。信じれば信じるだけ。…裏切られる事が、有るのだと。
手酷い責めや、狂おしい行為を、散々命じられてきたから。良く知っている。
普段知っている場所が、いつも普段通りだと。そう思っては、いけないのだと。
万が一を警戒するのは。だから、間違っていなかった筈だと、自分自身に釈明しながら。
…もう少しだけ。抱き締め返す力を、強くする。
確かに。何も言わず、出て来てしまったから。きっと、お仕置き確定。
或いは、直ぐにもう一度、地下に連れて行かれる…かもしれない。
それでも。戻らなければいけなくなる、それまでは。)
「足りないというか。…ぼうっとして、熱が足りないような、錯覚がして。
……有るべき物が無いような。理解出来ない、不安……が。ずっと、離れてくれません。わたしの…中から…」
(抱き締められれば、それだけ、温もりを意識するのは。
心の寒気が、延々、続いているから…かもしれない。
だったら……と、考えてしまう自己嫌悪に。それでも、今は、見て見ぬフリをして。
縋り付いた体勢のまま。顔を合わせず、耳元へ…)
「……ブレイドさま。…ブレイド、さま。
…ですから、満たして……温めて、下さいますか…?
そうしたら、わたし…大丈夫です。…怖く、なくなれます、から…」
■ブレイド > 自分の考えはあくまで庇護を受けていないミレーとしての意見だ。
奴隷としてでも満足の行く行き方をしているものもいるだろう。
ミレーであってもこの国と向き合って上手くやってるものもいるだろう。
価値観という意味では、ミレーのためとか、ミレーとしてではない。
自分としての話だ。
彼女よりも狭い、個人の意見でしかない。
彼女の臆病さと、既知のものに対する優しさに比べればちっぽけなものだ。
「そんな多くねぇよ。王城の知り合いなんてな。
だから、まぁ、バレる前に教えてくれたのは助かる。
アンタに会いに行くときも、そこのところ気をつけていけば、そうそうバレることはねーだろうしな」
彼女の腕に力がこもるのを感じつつ
すこし冗談を交えて。
冗談ではあるが、また白に戻るであろう彼女が心配なことは事実。
彼女は自分が城に近づけばそれだけ心配するだろうが…。
「ん…おう。不安もこえぇのも、なくなるってならな。
お安い御用だ。
リシェ。今日連れ出してくれたお前にすこしでも恩返ししたいしな」
だからこそ、彼女の求めには素直に応じる。
心配も不安も恐怖も…それで打ち払えるのならば安いものだ。
満たせば、彼女の力も戻るかもしれない。
希望的な観測はともあれ、彼女の唇を奪う。
■リシェ > (自分も、彼も。
届く範囲、知っている範囲、考えの範囲。どれも、広くない…のかもしれない。
これが、一人辺りの、限界と。
当たり前の事を、改めて、認識させられるだけでも。
…少しだけ、前進する事になるのだと。思えたら…良いと。思う。)
「…お友達、も。でしょうか?
でしたら…ますます。……わたし、あなた様と、仲良く出来る事を。自慢…出来そうですね?
……また。…はい、是非、また…おいで下さい。そして……」
(へにゃ。と、表情を、声音を緩めながら。
また、掠って欲しい。きっと、そう言おうとしたのだろう。
ただ、今の状況のお城に、彼がやって来るのは。矢張り、とても危ないから。
叶うとしても、最低限、砦の方での問題が。解決してから…そう、考えるべき、かもしれない。
偉い人達が、味を占めて、同じ事を続けるなどが。無かったら、だけど。)
「………はい。……は…い、有り難う御座います……
怖く、なくなったら。……ちゃんと、耐えられますから…ね…?」
(そうしたら。彼が、城へ戻った後の事を、心配するのも。少しは、減ってくれそうだから。
応えて貰って、ぎゅ、と後一度、強く背中を抱き締めてから。
瞼を落とし、顔を上げ…そっと。ではなく、最初から深く。唇を重ね合って…)
■ブレイド > リシェは自慢できるというが…ミレーの一兵士。
しかも普段はただの冒険者だ。
王城に住まう、王族の彼女が関係を持ったところで
汚点にはなれど、なんの自慢にもなりはしないだろう。
それでも少女らしい柔らかな笑みを浮かべるすがたに、こちらも緊張していた頬が緩む。
「まぁ、王城に友達ってのはいねーな。リシェ以外にはよ。
流石に他所でアンタのことはいえねぇが、アンタがそう思ってくれることが俺にとっちゃ嬉しいこった。
だから…なんつーか…また、こんどはオレから拐わせてくれよ?」
彼女の意思を読み取ったというわけではないが…
リシェと会うのであれば、鳥籠の中よりも外がいいと、自分でもそう思っている。
危険なのもあるが、外に出たリシェはいつも以上に少女らしさを見せてくれる。
そんな気がする。
少し汗を吸い、冷たさを感じるドレスに手をかけて、彼女の肌を晒しながら
唇を離し、その体を抱き寄せて
「おう。それまでは、いくらでも甘えろよ?」
自身もマントを落とし、鎧も脱ぎ捨ててリシェに体を晒していく。
■リシェ > (種族は、関係ない、と。
立場上、口外出来なくても、そう思うから。
ミレーである事、兵士でしかない事、そういった事は、問題でなく。
……お友達だと、頷いてくれた事。それが、一番大事な、価値観。
当然、自慢出来るというのも、自分の中でだけ…に、なってしまうものの。
それでも。とても大事な物を、得られたと思えば。
自然と、残っていた緊張の欠片も、溶けていくという物で…)
「…そう、ですね。あまり、言えませんけれど……秘密の、お友達、ですけれど。
それでも良いんです、わたしには。
……ふふ…?はい、たくさん…また、知らない事を。教えて、下さいませね…?」
(やっと。今日初めて、声に出して、微笑む事が出来た。
確かに、それは、あのお城から。外に出て来られたからだと思う。
後で、どうなるとしても。自分の意志だけで、外に出て来た、冒険の報酬として。
充分な……いや。やっぱり、もっと。欲しかった。
触れ合う唇の心地良さに。押し付けた胸が、また、とくんと跳ねる音。)
「ん…ふ、ッ……ぁ…ふぁ…ブレイド…さま…」
(ちゅ。ちゅ、る。脱がされていく合間にも、唇は…離したく、ない。
自分が、脱がされて。彼が、多くを脱ぎ終えたなら。直ぐに、もう一度、唇を求めていく。
濡れた音を、伴い、舌と舌を、触れ合わせて。更に、深く、口内へ導きながら。
するする、背中を滑り落ちていく、手。背中から、腰へ。僅かに、尻尾の付け根を、くすぐってから…
その指先は、前へと回り、男としての、少年を求めるように……)
■ブレイド > 腕の中で少女らしさを取り戻していくリシェの姿は
とても可憐で、白銀色の花が咲いたかのよう。
彼女が大切なものを得たと思うのと同じように
自身もまた、得難い絆を結べたことに
結んだ絆を確かめるように、リシェを求めてしまう。
「そんな賢いわけじゃねぇけどな。
知ってることならいくらでも、だ。
だから、オレにも教えてくれよ。リシェの好きなこととか…やりてーこととか…」
それは雑事のことでもある。
だが、情事のことも含まれている。
彼女を抱くのならば、彼女を悦ばせたい。自分ももちろん、その欲望をぶつけるが
彼女にもそうしてほしい。
おそらく、王城ではそうはならないだろう。
犯され、嬲られるだけ、使われるだけだ。
ならば、自分はそうしない。
だからこそ、はなれた唇を彼女が求めれば受け入れるように再び重ね、舌を絡め合う。
「リシェ…ん、ぅ…は……もう、ほしいか?」
彼女が滑り落ちていく感触。それだけで、指先が股間にたどり着く頃には
熱さと硬さは少女の求めるにふさわしいものになっていただろう。
その求めに応じるように、彼女の身体に指を這わせ、同じように秘裂を探る。
■リシェ > 「…きっと。…っ、ん…いっぱい、…有るべきだと。思うんです……
普通は、したい事とか、好きな…事、とか……ちゃんと、知っているもの、なのでしょう?
…思いつける程、わたし、物を識りません…から……」
(それこそ、情事の事ばかりしか、知らない、教わっていない、玩具でしかない少女。
犯され、嬲られる、使われる、そういう事でしか、他人と触れ合えない…とすら。最近まで、思っていた。
だから、問われた事に、直ぐ、答えられないのが。もどかしくて。
ますます。人としても、足りない物を、自覚してしまうから。
与えて欲しい、と、言うように。更に何度も…何度も。口付けの温もりを、求めてやまず。)
「はふ、っん、んう…ふ、あ、ぷぁ…!
……ですから…好きに、なれる事。…やりたい事…探すのが。…わたしの、望み、です……
…っふ…んぅ…ぁ、一つ…お友達と、お泊まり、したい……それは。叶いました…よ…?」
(一度だけ、経験の有る、その思い出を。もっと、重ねたい。
彼という、新しい友人と。一つ、願いが叶ったと思う。
…そして。誰かと共に過ごすなら、その中で、こうやって、王城では出来ない形で…
悦びたい。悦ばせたい。きっと、それも。願う事。
辿り着いた先。確かな硬さに、触れたなら。始めは軽く。徐々にしっかりと。握り込み、擦り上げるような、刺激を加えて。
同時に、彼からも。触れられていく、秘裂に。ぴくん。肌を震わせてしまう。
…徐々に。それでも、確かに。潤いを感じさせて。)
「は…っぁ、ふ、ぁ、ふあ…欲しい…です、いっぱい…
身体中、全部で、ブレイドさま……を…」