2020/02/27 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアエロリットさんが現れました。
■アエロリット > 九頭竜の湯で半身を浸からせ、身体を癒す少女の姿。
褐色の肌に長い銀髪が美しく映える。
しかし、その美しい姿とは対照的に、
右腕の肩から先が無く、その傷口は醜く潰されて歪んでいた。
先日闘技場で相手に切り落とされてしまったためだ。
過激な試合内容で興行はかなり盛り上がり、
報酬も莫大な額ではあった。
しかし、そのために失ったものは大きい。
「ん……うぅむ……。」
傷口の痛みを和らげるという温泉の効能を人づてに聞いてきたのだ。
だが、やはり傷は鈍く痛んで堪らない。
傷だけでなく、時折まだ腕先が残っている様に激しく痛み、
最近は夜もあまり眠れていなかった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「む…」
小鬼退治の依頼を終えて、傷と疲れを癒やすためと
湯治目的にやってきた、
この店に傷に効く湯があるのはわりと有名だ。
少し時間をみて来たつもりなのだが…先客がいる様子。
まずい。
耳はともかく尻尾は隠しづらいが…
「邪魔するぜ」
手ぬぐいを腰回りにまいて耳を寝かせて、ごまかしつつも湯に浸かるが…
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にソラムさんが現れました。
■アエロリット > 「………んむ?」
運よく風呂は独り占め……
と思っていたら、他に客が来た様子。
しかし大衆浴場だし、特に文句を言う筋合いも無い。
心なしか、聞いたことのある様な声の客だ。
湯煙のなか、ちらりと見える尻尾。
湯舟に入ってきたその人物は……
「………。
おぉ……ブレイドでは無いか、元気かや?」
奇しくも、少女の初めてのお相手では無いか。
元気か、と呑気に声をかけるが、
当の少女の方が無事じゃない姿になってしまっている。
■ブレイド > 先に湯船に使っていた人物は褐色の少女。
しかし、湯に浸かりぼやけている輪郭であったとしても
あまりにも不自然。
肩口からバッサリ、右腕が切り落とされている。
「…元気かやじゃねぇよ。テメーが元気じゃなさそうじゃねぇか。
依頼でミスったか?
この傷じゃ引退してもおかしかねーとおもうがよ…」
こちらはかすり傷だが、彼女は明らかな重傷。
何があったかしらないが…
「その様子じゃ、目的はオレと同じみてーだな…
ま、傷のデカさは比べようもねぇが」
彼女の切り落とされた腕、それに肩を並べる。
■アエロリット > 「うむ?元気ではあるぞ!」
などと笑って応える。
が、すぐに表情を暗く落とし……
「……と、強がっては見るがの。
腕一本無くしたのは、気が滅入るのぅ。
何かと不便じゃし。
……痛みもなかなか引かぬし。」
などと、弱々しい声で本音を吐露するのであった。
「ふふ……おかげで大金は手にしたがな……。
ところでその様子じゃと、貴公も怪我でもしたのか?
大事無いかや?」
■ブレイド > すぐに剥がれるようなカラ元気
強がるにはあまりにも損失が大きすぎる。
大きくため息一つ。冒険者であればそういう傷を負うこともあるだろうが…。
「たりめーだ。
腕一本で十全にやられたら、五体満足のこっちの立つ瀬がねぇだろ。
傷もあんま古いってわけじゃねぇ。
体のバランスも狂っちまってんじゃねーのか?」
重心の変化。使えたはずの部位の消失。
片手で戦うにしても、今までのようになどというのは
よほど鍛え直さなければ不可能だ。
しかし、気になるのは…大金を手にしたということ。
冒険者の依頼は危険手当込みだ。腕が吹っ飛んだからと言って報酬が増えるようなことはない。
この状況で成功を手にしたかそれとも…
「羽振りがいいってならいいがな。
オレはかすり傷。てめーに比べりゃ元気もいいとこだっての」
■アエロリット > 「……つい先日じゃ、傷を負ったのは。
闘技場でな、少々はしゃぎ過ぎた結果じゃ。」
闘技はその映像を記憶した水晶の取引も行われていると言う。
刺激の強い試合だったため、恐らく界隈では話題になっている事だろう。
「そうじゃな、剣を振るのにも違和感がある。
……早く慣れぬといかんのぅ……。」
舞う様な流麗な剣技を得意とするアエロリット。
その技は鋭いが、繊細でもある。
腕一本失くしたことによる重心の変化、感覚のずれは容易には補正し難い。
「そうか、かすり傷か。」
ブレイドの言葉に、安心した様にほほ笑む。
「羽振りは良いぞ。
次の満月くらいまでは、豪遊しても御釣りが来そうじゃ。
……いや、節約はするつもりじゃぞ、ほんとじゃぞ?」
■ブレイド > 「闘技場か。そりゃ羽振りも良くなるわけだ。
その様子じゃ、ひでーめにもあったみてーだがな」
記録水晶は見てはいないが、彼女の言葉から何があったかはだいたい予想がつく。
闘技場での催しでも、腕を切り落とすほどのダメージをおわせることはそうはない。
ショック死などしては意味がないからだ。
だいぶおひねりをもらえたことだろう。
「なんだよ。まだやんのか?
今度は腕じゃすまねーかもってのによ。
それとも、闘技場遊びが癖になっちまったか?」
腕を失ってなお冒険者に身を置く…というものもいなくはないが
だいたいが引退。
肩から、と成東でも使えやしないのだから引退率も高くなる。
それが彼女のような駆け出しならなおさら。
「なに笑ってんだ。
オレよか自分の心配しろって、腕、なんとかできるやつ探すとかよ」
彼女の途切れた肩に手をのばす。
治療を受けているであろうが、痛みは相当なはずだ。
まだ。
■アエロリット > 「……いや、闘技はしばらく遠慮しておく……。」
流石に、というか当然と言うか、
闘技場で見世物として戦う事は相当堪えた様だ。
「じゃが、剣の腕は磨かねばならぬ。
わらわ程度の腕前ではかなわぬ者もおると、身をもって知ったからのぅ。」
その剣は、いつか故国を取り戻すために。
片腕となっても、技の磨きようは幾らでもあるはずだ。
「……腕をなんとか、か。
しかしこのありさまじゃ、元通りに生やすのは無理じゃろな?」
潰された傷口はあまりにも醜く歪み過ぎている。
最高位のヒーラーと言えど、元に戻すのは難しいだろう。
「せめて、痛みくらいはどうにかなると良いがの。
あとは、腕の良い職人に義肢でも作って貰うかのぅ……。」
■ブレイド > 「たりめーだ」
この状況で闘技など。
街なかで裸で練り歩いたほうが同じような状況の再現をするなら早く済みそうだ。
「バカだな。かなわなかったってのはそりゃ当たり前だけどな…
今のテメーは更にそれよりも低いところだ。
んで、『アエロリット程度』にもどすまで今まで以上の時間がかかるだろうぜ」
暗に言っている。
冒険者は諦めろと。
国に戻るとはいっていたが、それこそ前に言っていたように
仲間を集めてからでもいいだろう。
彼女の代わりの剣を手に入れてからでも。
「トカゲでもねーんだからにょきにょき生えるわけねーしな。
人工の腕ってのも…それこそ魔道具でもなけりゃ見た目以上のかわりにゃなんねーよ」
彼女の傷に触れて、意気消沈している彼女にさらに残酷な言葉を投げる。
■アエロリット > 「くくく……。
わらわはこう言っちゃなんじゃが天才じゃ。超天才じゃ。
片腕でもそれなりの使い手程度にはすぐに這いあがって来れるわ。」
ブレイドの遠回しの気遣い、
それに気づかず、あるいは気づいていてもそうでない振りをしているのか、
前に会った時の様に高慢な、謎の自信に溢れた態度を見せるのであった。
「……ならば、そうじゃのう。
そなたの言う、魔法の義肢とやらを探すしかあるまいの?」
幸いにして金の手持ちは潤沢。
実物にしろ情報にしろ、手に入れる事は出来ないものか。
「……ん。
おお……なんとなく痛みが和らぐのぅ。
……差支えなければ、そのまま触れていてくりゃれ?」
歪んで傷にブレイドが触れる。
と、不思議と彼女を苛ませていた痛みがほんのりと和らぐ気がした。
■ブレイド > 「天才ってのは腕ちぎられたりしねぇよ」
呆れたように彼女の傷を撫で、手のひらでなぞり
潰れた肉の感触に痛みを想像して少し顔をしかめる。
彼女の肌の手触りをしっている分感触の違いを強く感じる。
まぁ、彼女かこういうのであれば、止まりはしないだろう。
「見つかったとしてもなれる時間もほしいだろうしな。
それこそ・・・そうだな…
子供に後を託すほうが早いかどうかってなりそうなもんだ」
痛みが和らぐという彼女の言うとおりに傷口に触れたままに。
確か子を孕まないような印が刻まれているとかなんとか。
だが、闘技場やら魔族やら…
その手の術を無効化する手段を持つものも少なくはないだろう。