2020/01/02 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場/岩風呂」にカインさんが現れました。
カイン > 「ふう、寒いだけあってよく身に沁みるな。
 天にも昇る心地ってのはこういうのをいうだろう」

宿の一つにあるに設えられた露天風呂、
大きな湯船の中に1人身を浸して心底しみじみと言った調子の声を出す男。
体が芯から温まっていく感触に息を吐きながら、体を大きく伸ばし。

「この時期は傭兵家業も上がったりだからなあ。
 おとなしくゆっくりしてろってことなんだろうが。
 ま、酒が大盤振る舞いされるのは良いことだけど」

湯船の縁に連なるように並べた酒瓶。そのうち強めの醸造酒の瓶を一つを手に取り、
コップに注いでクイッと煽る。
普段は酒を風呂に持ち込むことにいい顔をされないのではあるが、
傭兵家業とは裏腹に大忙しの宿泊業。こっそり人目を盗んで持って入ることなど造作もない。
当然のように誇れるような話でもないのだが。

カイン > 「とは言え折角この時期のために数ヶ月前から部屋を予約していたんだ、
 これくらいの贅沢は許してほしいもんだがね」

言いながら視線を向ける先は入り口の脱衣所、
引いては奥の宿そのものである。わざわざこの状況を当て込んで、
こっそりと用意を進めていたらしい。
妙な所でマメさを発揮しながらクイッと酒を煽って酒気の強い息を吐く。

「これで雨がふらなかったことだけはお天道様に感謝かね。
 後足りないのは晩酌の相手くらいだが、こればっかりはどうにもな」

顔なじみを誘うには少々癖の強い贅沢である。
肩を揺らして喉を鳴らしながら、宿から漏れ聞こえる宴席の雑音を肴にコップを傾ければみるみる減る酒。
それも半ばを超えれば継ぎ足すを繰り返していき。

カイン > 「まともな人間とは体の作りが違うおかげで、
 こういう無茶が効くことだけは生んでくれた親に感謝してもいいかもな。
 顔も見たこと無いしそもそも存在してるのかも謎だが」

魔族の種族の中には生き物としての大前提を無視したような誕生の仕方をする輩もいると聞く。
自分の種族がそうかどうかは知らないが、
今まで全く考えたこともなかった身の上なんてものの事をなんとなく考えるのは正月だからだろうか。
坂便を一つ空にして別の瓶を手に取りながら、
ふと空を見上げて見える星空にほうと息を吐く。

「…酒の肴くらいは用意しとくんだったな。
 そう言えば何も持ってきてなかった」

当てになるようなものくらい宴席に行けばいくらでも転がっているだろうが、
それはそれで面倒だ。すこしの思案の後にやっぱり面倒だとさじを投げて酒を煽り直し。

カイン > 「…ん。酒がなくなったか」

暫し一人酒を楽しんでいたのだが、
あまりにのんびりしすぎたか酒のほうが先に底をついた様子。
居並ぶ酒瓶にすこしだけげんなりした表情を浮かべるものの、
律儀に全部回収してから立ち上がり。

「立つ鳥後を濁さず…といえば聞こえがいいが、
 出禁になるのはゴメンだからな」

片付けくらいはしておこうとぼやきながら荷物をまとめ、
浴場を後にしていくのだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場/岩風呂」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 濛々と立ち込める湯けむりの中、ばしゃっ…と桶の湯を被り、客人が身を清める音。
しかし、水浴び場の温泉区画を訪れた小さな人影は、ちょん、と湯船に足首までを浸しては、すごすごと脚を戻して退散するのを繰り返して。

「あっつ…!うーっ…あっつい! 
…けど、湯船にはいらないと冷えちゃうし…」

と、幼い柔肌には熱すぎる湯を選んでしまったのか、
なかなか一思いに湯に浸かる決断に踏み切れない。
しかし、浴びせ湯に濡れた肌もこのままでは冷えてしまうのでどうしたものかと、
徐々に徐々に、足先を足首に、足首をふくらはぎに、
熱さに慣らして沈めていける範囲を深めて、いずれは半身浴にいたろうと奮戦して。

「うう、う~~~っ…あつくない、あつくない…~~~っ。」