2019/08/12 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ウボァー……」

日の高い時間の露天風呂を独占し、変な声を漏らしながら寛ぐ金髪の男が一人。
この場は現在ちょうど日陰になっているが、周囲の景色の明るさが日差しの強さを如実に物語っていて。

「いやあ今日も日差しがギンギンですなあ……夏らしいといえば夏らしいが、
もうちょっと謙虚になってもいいのではないかな、まあ一般論でね?」

ワハハハ……と何が楽しいのか笑い声を漏らしつつ、頭に載せたタオルを手にして
軽く顔を拭っては、ぷぅ、と息を吐き出し。

「んんーむ……こんな時間帯に熱い風呂に入りに来る物好きは、俺ぐらいですかねぇ……?」

呟きながら、ちらりと出入り口の方を見やる。
こうした暑い時間帯は水遊場などのほうが人気だが、もしかしたら汗を流しに来る誰かが
やってきたりするかも、などとささやかな期待をしつつ。

エレイ > しかし今回は、流石にそう都合よく物好きは現れないようで。
やがて十分に湯を堪能した男は、ふらりと温泉から上がって場を後に。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にテリスさんが現れました。
テリス > 「あー…。」

ざぶ、と湯船に浸かりながら変な声を出す。
このクソ暑い中だったが、熱い湯も割と気持ちいい。
情報屋としての仕事は閑古鳥だったので、日雇いの仕事を探し、今日はこの風呂屋であった。
あらかた清掃も終え、ひと風呂浴びていきな、と言われたのはいいが、

「…混浴使えってどういうこったよ。」

他はどうなっているのやら。
店側の思惑もあるのだろうが…なんというか落ち着かない。
今この瞬間にも誰かが来る可能性だって大いにあるわけで。
早く上がっちまうか…そう考えながら湯船に浸かる。
あとちょっと、あとちょっと、というくらいには心地よく、結果的に少年は長風呂をしてしまっていた。
店側の思惑通り…なのかもしれない。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にルリルさんが現れました。
ルリル > 「うぶー……」

お湯の中に黒い藻の様なモノが漂っている。
良く見れば白い肉体がくっついていて頭部だと判明するだろうが、ぱっと見には黒い藻である

偶にはと思って風呂屋に入ったは良いが、少女ははしゃぎにはしゃぎ
のぼせた上に湯船に激突したのである。
時間的に他に人も居らず少女は助ける人間も居らずそのままであった

仰向けならまだしもうつ伏せだ。
何処からどう見ても水死体である。

注意深く見れば小さな気泡がぷくりぷくりと浮いてるのが見えるだろうが、呼吸は既に浅い

テリス > 早く上がろうか。どうしようか。
そうやって悩みながらダラダラと浸かっていると…。

「………!!?」

ばしゃり。
ぎょっとして思わず波を立ててしまう。
入った時には全く気付かなかったが、なんか黒いモヤモヤが浮いている。
しかし、そのちょっと先に白い物が見えるので……アレ、人だよな……。
っていうかこの熱めの温泉でうつ伏せに浮かんでいるとかどういうシチュエーションだ。
ほっとくわけにもなぁ…と少年は思った。

「…おいアンタ!」

一応声をかける。
が、おそらく反応はないだろう。しょうがない…と思ってざぶざぶと近づいていく。
いきなりとって食われそうな状況ではないと思うが、一応気を使いながら接近し、
ひとまず顔を湯船から引き上げる。
女の子か…と少年の呟きが漏れた。抵抗無ければ、ひとまず湯船の縁まで(引っ張って)誘導するだろう。

ルリル > 「うぁー…」

辛うじて息はあった。
声を掛けられても余りの激痛と湯あたりに返答が出来ないのだ

「…ぁーーーー…スマン、迷惑をかける」

湯船の縁までまで引っ張られ少しだけ意識は覚醒する。
引っ張ってくれたであろう少年に意識も朧気に返答するも魚河岸のマグロの様に身体が言うことを聞かない

「ついでだ、上げてくれぬか」

ホレ、と身体を少し浮かせて湯船から上げて貰おうと頼んでみる。
少女の身体は見た目よりも軽いだろうが

テリス > 「なんだ起きてんのかよ。」

てっきり失神でもしているのかと思った。
返答が帰って来たのちょっとため息交じりに呟いた。
だが、身体が動かないのだろう、ぐったりした様子なので、要求通りに縁に上がってから引っ張りあげる。
思ったよりも軽い身体に、へぇ、という感情を抱くが…。

「………ほら。」

足先くらいは浸かっているかもしれないが、きちんと湯船から引っ張り上げる。
ちゃんとそこまでやってから、少し顔を赤くしながら少女に背を向けた。
身長の割にグラマラスな体つき。思春期の少年には刺激が強すぎる。

背を向け、照れ隠しというわけではないが浴場の中で木桶に水を汲んでくる。
手拭を浸してから、額から目元を覆うようにかけてやった。
風呂場故冷水という事はないが、ないよりはマシだろう。

「……とっとと上がって部屋で休めよ。」

そう言ってから、少年は湯船の中に戻っていく。

ルリル > 「いや、気が付いた、と言うのが正しいな」

湯から上がればまた魚河岸のマグロの如くだらりと四肢を投げ出して

「すまぬのぅ…こうしていれば程なく回復するだろうて」

冷たい水が額を濡らし意識はハッキリとしてくる。
少年に視線だけを送り少しだけ指先を動かせばかき氷の様なモノが少女の頭を覆う

「声から察するに少年であるようだが、この時間に風呂か?親御殿はどうした?」

自分も見た目少女であるが頭にかき氷を乗せたままに少年に問う。
大きく呼吸をする度に少女の豊かな胸は大きく上下し

テリス > やたら古臭い喋りしてんなこいつ、と思った。
まぁ、こういう街だ。そんな事もあるだろ、くらいにしか思わなかったが。

「そうかよ。まぁ、意識があってよかったよ。」

死体と一緒に風呂に入ってたとか、夏だからと言ってそういう肝の冷えるものはいらないと思う。
その白く豊かな身体には視線を送らず、縁に背を預けて少女には背を向けたまま声を出す。
ジロジロ見る程無遠慮ではないし、そこまでの度胸はまだない。

「親はいねぇ、一人だよ。ここでちょっと日雇いしてから風呂。よくある話さ。
そういうアンタこそ。貴族か何かか?親がいるんじゃねぇの?」

こういう場所を利用するくらいのお金があって、
なおかつ身綺麗な上に、少し尊大で古風な喋り。
貴族の娘なんじゃね?と少年は思った様子で。

ルリル > 「いやぁ、久方振りの大きな風呂で思わずはしゃぎ過ぎてしまった」

大分意識はハッキリしてきたようで少女は軽く自嘲気味に笑う。
このまま誰にも見付らなければサスペンスドラマの出来上がりだったであろう。

「そうか、日雇い…その年で偉いな」

頭の上のかき氷をパサパサ落とすと身体が冷えている事に気が付く。
此方を見る事の無い少年に、偉そうにうんうんと頷きながら身体を起こすと足先を湯に浸ける。

「貴族?あぁ、この喋り方か?この喋り方は仕様というか何というか…まぁ、実際に偉いしな。妾。」

ざぶり、肩まで浸かりはふりと一息つく

「しかし、湯というのは気持ち良いのぅ…」

知らず、湯の温かさによる弛緩に少女の唇から甘く緩やかな吐息が漏れる。

テリス > はしゃいだ?泳いだりとかしたんだろうか?と考える。
それでプカプカ浮いてれば損はねぇなぁと内心少し呆れてしまう。
…大きな風呂ではしゃぎたくなる気持ちはわからんでもないのだが。

「次はもちっと落ち着いて楽しめばいんじゃね。
…偉いってこたねぇよ。そんなガキ、王都には腐るほどいるだろ。
働かなきゃ食えないんだから働くさ。」

仕事があるだけマシと少年は皮肉げに笑う。
働けないストリートチルドレンだってたくさんいるのだ。

「偉いのか? そりゃ知らなかった。
まぁ、そうだな。風呂は夏でも冬でもな。最近はちょっと暑ぃけど……。」

そこまで言って口ごもる。
やけに艶っぽい少女の様子に、どことなく少年は頬を赤くしてしまう。
正体を知らないのだから、歳なんて変わんないかちょっと上くらいだろうに、と思うわけで。

ルリル > 「いや、偉いじゃろう。例え、同じような境遇の者が何人居ようと、汝が頑張っている事には変わりないのじゃからな」

皮肉気な少年に少女は少しだけ緩い笑みを浮かべれば言い切る。
他も頑張っているとかそんなのは関係ない。
子供ながらに働く事は相当にキツいだろうと

「立場的なモノではなく力的なモノだがな。
暑かろうが何だろうが風呂は良いぞ?適度な温度の湯に浸かりながら食べるアイスとか最高じゃ」

相変わらず少年の表情は見えないが、少女は構わずに話を続ける。
雪見風呂とかコタツアイスとかも中々にオツであるとか何とか言いながら。

「アイス…食べるか」

思い出したら食べたくなってきたらしい。
少女が指先を少し宙へと滑らせるとお盆の上にガラスに乗せられたアイスがお湯の上に浮かぶ

テリス > 「そんな事言われたの初めてだよ。…まぁ、ありがとな。」

救われた、とは思わない。
この生活はずっと続くのだから。
もう少し歳を重ね、身体が大きくなればもっと別の仕事もできるだろう。それまでは。

「力? へぇ。…そんな腐には見えないけどなぁ。
風呂がいいのは賛成だよ。アイス?…あぁ、氷菓の事か。食った事無ぇなそんな高いモン。」

酒場でも多少気の利いた場所に行かなければ氷菓なぞ出していないだろう。
生憎とそういう場所には縁がない。故に、食べた事もない。

食べるか…ってだれか呼ぶのかね、と思う。
視界の外でぱっと手品のようにアイスを出している風景は見えなかった。
何せ視線はずっと少女の方を見ないのだ。
そろそろ熱くなってきたかな…と上がる事を考え始めているくらいで。

ルリル > 「驕るよりも謙虚な位が良いが、汝の辛さや頑張りは汝だけのものであるからな」

時に、誰かに預ける事も必要であるが…等と言いながらも、子供ながらに働かざるを得ない状況であれば
それもまた難しいだろうか。だが、言葉だけであれば幾らでも重ねる事は出来ると。
励ますつもりではないが、性根から偉いと思っているのだ。

「そう、力。何でも、妾を手に入れれば世界を手に入れられるらしいぞ?馬鹿々々しい」

それだけの力は有している。欲する人間も世界を割るほど居る。
だが、そんなモノも少女には意味がないとばかりに笑い飛ばし。

「無いのか?では食べてみるか?」

食べた事が無いという少年にきょとりと瞬く。
さぷり、と音も立てずに少年へと近づき後ろからバニラアイスの乗ったスプーンをその頬へと伸ばして

テリス > 「違いねぇ。わかってくれとかそういう事はあんま思った事ないしな。
そりゃたまには嫌んなる事はあるけど…どうにかなるもんでもなし。」

テリスにとってはもうすでに生活になっている事だ。
それを少女が偉いと思う事はそこまでピンとはこない。
…しかし、少年はそれなりに少女には良い思いを抱いた様子。

「なんだそりゃ。アンタは綺麗とは思うけど、世界ってなんだよ。」

魔道の知識なぞない少年にはそんなアイテムの話もわからない。
それが人の姿をとっているのなら猶更想像もできない。
なのでその話はチンプンカンプン。
だからこそ、少女と思って話しているのだろうが。

「え?んなものここに………ぅえっ…!?」

急ににゅうっと出て来たスプーンにぎょっとする。
どこから出て来たんだこれ、と思った。
いいのかよ、という視線を少女に向けそうになって、ちょっとキョドる。
少し迷ってから、ぱくり、とスプーンを口にした。

「…………甘い。旨いな。」

冷たくて甘い。すげぇ、と思った。世の中の偉い奴ってのはこんな旨いもん食ってんのか、とも。
ちょっと感動だった。少年の表情は旨いものを食べた驚きと嬉しさを含んだ顔をしていただろう。

ルリル > 「簡単に「解る」等と口にする輩などは一番信用ならぬな。
そうだな…こればかりは国が動くか己が動くかせねばならぬ。
周りがどうにもならぬ以上、流されるでもなく己で切り拓く汝は矢張り偉いよ」

本人にとっては日常で普通の事なのだろう。
けれど、流されるままに現状を受け入れ死んでいく者も多いのが実情。
矢張り、少女にとっては少年は凄いのだろう

「世界そのものだ。妾は魔導書であるからな。
星すらも砕きその気になれば世界を創造出来る」

話しても知識の無い者には理解できぬ領域。
だが、少女は緩く笑うと自らを「書」であると明かし。
「書」が風呂に居て良いのかどうかは二の次だ。

「…まだ、食べるか?好みの果物があればそれを氷菓にも出来るぞ?」

少しの逡巡の後に零された少年の感嘆の声。
少女は少しだけ笑うとそんな少年に甘く囁きかける。
スプーンを少し彷徨わせると少年の視線を誘導するように此方へと向けようとして

テリス > 「…やけに褒めるな。別に何もでねぇぞ俺。」

そこまで褒められてちょっと照れ臭くなってきた。
居心地が悪いという程ではないのだが…。うん、やはり少々恥ずかしい。
気に入られたんかな、と少し思う事はある。

「まどーしょ?…本なのか?  へぇ…そりゃまた大層な。」

星を砕くとか世界を創るとか言われても全然ピンとこない。
一般的な魔法的な知識のない、普通の庶民の反応であった。

「え?いいのか?………って、っ…。」

食べたくないわけがない。それくらい美味しかったのだ。
と、そう答えてスプーンに視線を誘導されてしまい、少女の方を向いてから……。

口ごもるようにして視線を逸らした。
思わず振り向いた瞬間に、少女の真っ白な体が目に焼き付いている。
耳まで真っ赤で、心臓が早鐘を打っている。
その刺激的すぎる光景に、ちょっとのぼせそうになってしまうだろうか。

ルリル > 「何でもないと言える事が既に偉いのだがな」

日常に出来ているからこそ凄い事なのだが。
照れる様子の少年にも少女はお構いなしに己の思った言葉を口にする。

「あぁ、まぁ、指先でこの国を吹き飛ばす位のモノだとでも思っておけ」

魔導に知識が無ければ反応の薄さは仕方が無い。
いや、寧ろ知識が無いからこそ軽々と口に出来るのだが

「…ふふ、やっと顔が見れたな?…どのような果物が好みだ?」

少年の顔が此方に向く。
少女は身体を見られる事よりも嬉しい気持ちが勝ったようで、思わず口調に似合わない柔らかな笑みを浮かべる。
バニラアイスをもう一匙掬い、少年の方へと向けながら

テリス > ベタ褒めなのでいよいよくすぐったくなってきた。
照れ隠しにと肩をすくめてしまう。

「なんだそりゃ。危険物じゃん。
…ん、じゃあなんだ。風呂でぷかぷか無防備に浮いてるとかやめとけよ?」

一応、女の子だしな、と小さく付け加える。
危険な書物である事もそうだが、少女姿というのもまた危ないと少年は思った様子。
どっちの意味でも、知らない誰かがお手付きにする可能性はあると思ったのだ。

「ん…えーっと。リンゴ、とか。あとは柑橘系とか。
けど、いーのかよ。初対面の男にこんなに親切にして。」

ちょっとは照れろよ、とぼそぼそと悪態(?)をつく。
男として見られてないのかもしれないのか、そもそもそういう羞恥心の持ち合わせがないのか。
はたまた書物だからこそなのか。いまいち少年にはわからなかった。
浮かべられた笑みには気づいていた。思い出せば、直視していれば見惚れていたかもしれないなと思う。

差し出されるアイス。それも少し迷いながら、誘惑には勝てずにぱくりと口の中に入れる。

ルリル > 「くは。用法容量を間違わねば良いだけだ。
…あー…まぁ、なんだ……こんな事は滅多に無いのでな?」

危険物だと言われれば、軽く笑い飛ばす。
何時の世も、力を際限なく欲するのは人間の方だ。
次の言葉には、気まずそうに口籠る。
自分でも情けない姿であったと思う位にはアレな姿であったと。
変な言い訳を募らせてみる。

「ふむ、リンゴに柑橘系な。どうせなら合わせてみるか」

少年の言葉にふむふむと頷くと指先を宙へと滑らせる。
空中で淡い林檎色をした液体と黄色い液体が混ざり合いシャリシャリと音を立ててグラスへと降り積もる

「美味く出来たと思うが…何だ?えっと…風呂では、裸なのが当たり前なのであろ?羞恥心を覚える事の方が恥ずかしい事だと……教わったのだが?」

林檎と柑橘とほんの少々の色々な甘味料。
それらが合わさったシャーベットを少年の口から抜いたスプーンへと乗せ、また少年へと差し出す。
だが、少年の余りの羞恥振りと悪態に徐々に少女は表情を不安げなモノへと変えていく。
何時誰から習ったのか分からないが風呂ではそういうものだと思っていたらしい