2019/07/26 のログ
■エレイ > しかして特に誰かが来ることもなく。
やがて男は温泉を後にして──
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にネコさんが現れました。
■ネコ > 『……』
九頭龍の水浴び場、大浴場。
隅っこの方で、静かに湯に浸かる少女一人。
本日は暗殺者の仕事が終わり。体の汚れを落としに来た。
『……あぁ、しんどい。
休み欲しいなぁ……』
これは【アサブロ】と呼ばれる行為だ、とは。雇用主の教えだが。
そのアサブロを堪能しながら、休暇が欲しいとぼやく少女。
慎ましい胸を張りながら、う~ん、と伸びをしつつ。
朝風呂ゆえの客の少なさに感謝感謝、であった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にジーヴァさんが現れました。
■ジーヴァ > 頭に手拭い一つ乗せて、彼は静かに大浴場へとやってきた。
夜を徹して行われた秘薬の調合が終わり、疲れを取るには九頭竜の水浴び場が一番と聞いたからだ。
「この時間なら少ないとは聞いてたけどよ、女の子とはなぁ…」
異性とかち合ってしまった自らの運の悪さを呪いながら、身体の汚れをしばし落とした後に
湯船へと漬かっていく。湯煙であちらの身体は見えないが、かすかに聞こえた声は可憐なものだった。
「……休み?そっちも夜になんかしてたのかい?」
誰もが眠る夜に、何をしているのか。ふと興味が湧いて、彼は湯煙の向こうにいる少女に話しかけてみた。
■ネコ > 『……あん?』
かすかに聞こえた音に、少女は警戒モードに入る。
なにせ、この宿の大浴場っていうのは……そういう盛った人たちの人気スポット。
もしかしたらやっかいな相手が入ってきたか? と思いつつ、息を殺すのだが。
意外にも聞こえてきたのはこちらへと、普通に話しかける若い声で。
『……まー、ちょっと仕事をな。そっちも、ってことは。
アンタも仕事明け?』
ややぶっきらぼうな物言いで返事をしながら、湯に肩まで浸かる少女。
しばしの間の後。少女は、大きく息を吸い。
『……言っておくけど。まだほかに客はいねーから。
乱交とか目的なら、アテは外れてるよ?』
なんて、牽制の様に言う。
■ジーヴァ > 返ってきた返答に、彼は静かに応じた。
暖かな湯が身体をほぐしたのか、先程よりも柔らかな声で。
「秘薬の調合だよ、毒弾きと呪い返しのやつさ。
依頼で必要だってんで作ったんだが……あー眠い」
ふぁああ、と一つ大きなあくびをして、
足を延ばしたところで少女の挑発めいた牽制に思わず身体が跳ねた。
その拍子にお湯が喉に入り、彼は急いで吐き出そうとしてむせてしまう。
「乱交!?朝っぱらから何言ってんだ!
ここはハイブラゼールじゃねえんだぞ!」
ゴホッゴホッと咳を荒く続けながら、湯煙の彼方にいる少女へ
向けて語気を荒げてしまう。性経験はないわけではないが、それらへの耐性は彼にほとんどないのだ。
「大体そういうのは好きな人どうしでやるもんだろが……理解できねえ」
ぶつぶつと呟きつつ、顔を赤く染めて彼は湯に沈んでいく。
■ネコ > まだ姿が見えない相手の声に、少女はフ、と小さく笑う。
この国には、色々な人がいる。それこそ、夜中に仕事をするような人も。
『ふぅん。アレ? 冒険者ご贔屓の薬を売ってる薬売りさん?
……あぁ、そうだ。もしかしてさぁ。依頼したらアタシの希望の薬も作ってくれたり?』
相手のあくびが聞こえ、クスッ、と笑う。
なるほど、言葉に嘘は無く、眠そうだ、と笑いつつ。
相手が急激な反応をしたのを感じ取れば。
『ケハハハハッ! 何? アンタしらねぇの!?
ここはそーいう宿だよ。ま、アンタみたいに知らないで来て……。
餌食になる客も多いみたいだけどねぇ』
ゲタゲタと笑いながら、ばちゃばちゃと湯の中でバタ足をしてしまう少女。
どうにも、ウブな反応ですこと、と思うと同時に。
相手への興味とイタズラ心が芽生えてしまい。
『……なぁアンタ。ちょっとこっち来いよ。
面ぁ突き合わせて話しようぜ。
それとも、裸の女は怖いかい? ボ~ヤ』
さてさて。相手はこの言葉。どう受け止めるだろうか。
■ジーヴァ > 「薬の希望だぁ?それなら材料よこせばそれなりの値段で……
ってマジかよ!風呂なんてここぐらいしかやってねえから来てるのによぉ……」
まさか色狂いの連中御用達とは思わなかった、と内心彼は愚痴りながらも
相手のからかうような『坊や』の一言に彼の眉がぴくりと動いた。
「あぁ?魔術師相手に挑発たぁいい度胸してんな、
裸なら術を使えねえとでも思ってんのか?」
ばちゃばちゃと湯船に波を立てて見えざる少女の元へと進み、
やがてうっすらと姿が見える距離まで近づく。
「お望み通り来てやったぜ、真っ向から話してやろうじゃねえか」
女性の裸ぐらいなら見慣れている、とばかりに自信満々な表情だが、
その股間はわずかに反応し始めていた。
■ネコ > 『なんだよ、材料必要なのかよ。
まぁ、落ち着けって。
こういう時間なら、そういう客もいねぇんだしよ』
相手の落胆したような言葉に、少女はくすくすと笑う。
そうして、相手をわざわざ挑発してみれば。
『ハハハッ。得物無しでも魔術師なら遅れは取らないって?
それならこっちだってそうさ。
暗殺者ナメんなよ?』
相手の怒りを耳にしつつ、笑う少女。
おまけに、自分が暗殺者だと打ち明ける。
もちろん、信じる信じないは相手次第なのだが。
『ハァイ。よく来れまちたね~。ボ~ヤ♪
……さて、話ってのはさ。その依頼したい薬の件なんだよね。
……見ての通り。アタシ、コレなもんだからさぁ。
中毒性の低い、鎮痛薬を定期的に供給して欲しいわけ』
相手の股間が膨らみ始めているのを見つつ、からかうように笑う少女だったが。
相手に、すっ、と右腕を見せる。そう、肩から先の無い右腕を。
にぃっ、と凶悪に笑いつつ。そんな薬は作れるかい? と目で問う少女。
■ジーヴァ > 挑発の応酬に同業者かと彼が構えて応じれば、
どうやら暗殺者、もしくは後ろ暗い者の類らしい。
肩にあるべきものがなかったのを見せられたとき、彼の真紅に輝く瞳は少年から魔術師のそれに変わっていた。
「これは……そうだ、呪いは持ってるか?何らかの持病は?
神様や精霊の類に喧嘩を売ったことは?」
痛みを抑え、なおかつ中毒になりづらい。そんな効果を持つのは
薬草や木の実といった自然界のものから調合したものだ。
もはや先程までの怒りは収まり、目の前の問題を解決するべく彼の頭は動き始める。
傷口を見るために顔を近づけ、腋に吐息がかかるほどの距離でじっくりと眺めた。
「俺は医者じゃねえから生やしたり繋げたりはできねえが……
あんたの要望には応えられる」
ただし、と一旦言葉を区切り、彼は一呼吸置いて続けていく。
「もちろん報酬はもらうぜ。タダはダメだ。
身体でとか言い出してみろ、その頭に風穴開けてやるからな」
そう言って彼が呼び出すのは、宙に浮かぶ一本の氷槍。
湯気が漂うこの室内でも溶けることなく、鋭さを維持している。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からジーヴァさんが去りました。
■ネコ > 【中断。後日継続予定】
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からネコさんが去りました。