2018/11/09 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にサーラさんが現れました。
サーラ > ピンクの小花模様の可愛らしい着物と臙脂の帯、其れに前掛け。
袖が邪魔にならないように襷掛けをし、裾を端折って帯の下へ入れ込んだ格好で、
柄の長いデッキブラシを握り締めた己の、今日の仕事は岩風呂の清掃作業だった。
濛々と立ち込める湯気の中、長い髪をお団子に纏めて気合を入れ、
いざ、と洗い場をブラシで磨き始めたが―――――

「こういうところへは、やっぱり、お客様として来たいですね…。
 のんびりお湯に浸かったら、きっと、とても気持ち良さそうです」

溜め息交じりにそんな台詞が洩れてしまうのも、仕方の無いところであろう。
頬は紅く上気しており、お端折りの所為で素足が膝の直ぐ下辺りまで露わになっているが、
風呂の入り口には先刻、清掃中、の掲示をしておいた。
誰かが悪戯をして掲示を取り去りでもしていない限り、他人に見られる心配は無い―――筈だった。
誰にも見咎められないであろう気安さからか、ブラシをリズミカルに動かし始めると、
いつしか広い露天風呂には、少女の鼻歌が響き渡っており―――――。

サーラ > 真面目に掃除をしているうち、すっかり逆上せあがってしまったようで。
ブラシを脱衣所の片隅にある用具入れへ片づけた後、廊下へ出て行く己の格好は、
お端折りも其の侭、髪も肌もほんのり湿っていて、極めつけにぼんやりした表情であり。

覚束無い足取りでふらふらと廊下を行く女性従業員の姿は、
もしかすると擦れ違う客人に妙な誤解を与えたかも知れず―――
あのバイト従業員は簡単に『使える』なんて、不名誉な噂が立った、とか。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からサーラさんが去りました。