2018/11/08 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアデラさんが現れました。
■アデラ > 夜の女湯での出来事である。
この日はたまたま入浴する者が少なく、少女が訪れた時点で他の客は数人。
そして湯船に浸かってしばらくしたら、その数人もそれぞれに上がっていってしまい、全く貸し切り状態だったのだ。
広々とした空間を占拠できる心地よさに浮かれて、手足をうんと伸ばして湯に首まで浸かり、時々は軽く泳いでみたり浮かんでみたりしながら――かれこれ一時間。
「……あつい……あついわ……」
当然のように、のぼせた。
少女は今、湯船の縁で仰向けになっている。
身体の上に一応はタオルを被せているが、湯気でぺたりと身体に張り付いていて、かえってボディラインを際立たせる役を果たしている。
「お風呂は泳ぐ場所じゃないわね……」
少々の熱さなら寧ろ心地良いと、長居したのが敗因であった。
■アデラ > そうして暫し身体を休めると――程良く身体が冷め始める。
そうなるとこの少女は、また何やらを思いつく。
さっきまでの、高い温度の湯を耐えるのは中々苦しくて心地良かった。
もう一度、少し身体が冷めた今こそ再挑戦してみるのはどうだろう。
「……………………」
身体を起こし、いそいそとタオルを畳んで頭へ乗せ。
滑り落ちるように、再び湯船の中へ。
「熱っ――ぅう、熱い、熱いわ……絶対温度設定間違えてるわよ……」
天然の温泉である。設定も何も無いのだが。
文句を言いながらも首まで湯へ沈めた少女の顔は、再び赤く染まり始める。
苦痛を快感に出来るのなら熱さもどうだろう――という、ろくでもない好奇心が故の行為であった。
■アデラ > そしてまた暫し後――
「ふっ、ふぅ、ふー……っ、ふふっ、く、ふっ……はぁあ……」
湿っぽい息を零しながら、再び湯船の縁でくったりと倒れ込む少女の姿があった。
その白肌は総身見事ゆであがったかのように赤く染まり、もはやタオルを身体に乗せる事さえ厭う始末。
体内の熱を逃がすかのように繰り返される荒い息に、どこか艶めかしい響きが混ざるのは――
「な、なかなか……良かった、わ……っふふふふふ……」
湯船の熱をも快楽の糸口として、愉しんでいたが故である。
……尤もその代償は、中々に大きかったようでもあるが。
少女はタオルを枕にして、しどけない姿で横たわっている。
■アデラ > 「ぜえ、ぜえ……ふ、盲点だったわこれは……」
息を荒げながらむくりと起き上がった少女は、枕代わりのタオルを拾い上げた。
そろそろ予感がある――これ以上はちょっと危ない領域に入ると。
流石に被虐趣味の少女とて、まさか湯あたりで死ぬような情けない目には遭いたくないのだ。
良い経験を得たと満ち足りた顔で浴場を去る少女。
普段の数倍の長湯が為、その夜は肌の具合がやけに良かったとか、なんとか。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアデラさんが去りました。