2018/10/16 のログ
■アシュリー > ざぱー、と水中から(丁度浮袋を内蔵していたこともあり)仰向けに浮上して、どうにか溺死を免れる。
が、この運動音痴の化身のような令嬢はそこから復帰できない!
バシャバシャと水面を叩きながらどうにか立ち上がろうとするものの、滑る浴槽の床面はうまく立てずにどんどん泣きそうな顔になっていく。
「で、ですわ。子供は守られるものだと思います、思いますけど、ちょっと助けて下さいませ!」
色々台無しである。
■リクィス > 「…………ねーさん、やっぱこう……」
ご令嬢で、体動かすタイプじゃねえんだなあー……
まあ、上は頭脳労働がちゃんとできりゃいいし
この人みたいにしっかりしたひとが上ならいいけどさー……
にしても運動能力がスカタンすぎねえか!?
「あいあい、たすけますよーっと……」
『溺れる者を助けるには背面から』基本であり、鉄則である。
そうしなければパニックの人間に抱きつかれて救助者もろとも溺死する。
そして自分の色々な平穏を保つためにも必須である。
ということで、頭側から、両脇に手をさしこむようにして、座らせる。
■アシュリー > 「た、助かりましたわ……」
背後から抱き上げられるようにして座らされ、どうにか危機を脱する。
ぜぇぜぇと肩で息をしながら、くるりと振り返って少女に深く頭を下げ
「おかげで助かりましたわ。本当にありがとうございます」
本当に命の恩人ですわ、と髪に含んだ水気を絞りながら
恥ずかしい姿を見せたことをごまかし取り繕うように落ち着いているフリ。
■リクィス > 「や、まあ……うん……風呂で死にそうになる人間とか、珍しいもんみれた……」
このねーさん家で大丈夫か?たぶん貴族だろ?家風呂も広いだろ?
「まさか温泉で人命救助ができるとは思わなかった……アトラクションだな……」
すいー、とまた一定の距離をとって。
ありがとう湯けむり。ありがとう半分は隠してくれるお湯。
おかげで変なことになってない!!
あとねーさん何やってもごまかせねーからな?
■アシュリー > 「わ、忘れてくださいまし!」
風呂で死にかける人間。ご老人ならともかくうら若き花の乙女がそれは恥ずかしい。
少女が純粋に心配してくれるのもまた恥ずかしさに拍車を掛けるので、
ひとまず忘れることでこの恥ずかしさから逃れようと思う。
ハイ忘れた。今何もありませんでしたわ! お風呂気持ちいい!!
「ところでさっきから露骨に警戒されると傷つくのですけれど……
と思いましたけれど、そう言えば名も名乗ってませんでしたわね。
アシュリー=ロンディニアと申します。こっちに来て一緒にお話しましょうよ」
■リクィス > 「ん。風呂上がりの飲み物おごってくれたら忘れる」
こくんと頷きながら。たぶん、まあ、こんくらいが子供らしいんだろ。飲み物も欲しい。
「いや、警戒じゃねーんだよ。ホントに。あたしにも事情があるんだ。
警戒するような人間たすけねえし……
……アタシは、リクィス。姓はねえ。
んーー………… 抱きついたりしない。コレが条件。それでいい?」
■アシュリー > 「そのくらいでいいんですの?
ええ、あまーい砂糖たっぷりの果汁でも、はちみつ入りのミルクでも、なんでもごちそう致しますわ!」
ぶんぶんと首を振る。
失態を忘れてくれるならば、なんだっておねだりを聞いてあげよう。
「事情が……? そ、その。近づく人間が不審死を遂げるとかそういうのじゃありませんわよね?
なら問題ありませんわ。抱きついたりは……しないと思いますし!!」
こんなに愛らしい少女相手なら、感極まって――
が、無いとは言えないが広いお風呂で離れて二人というのも寂しい。
どうせなら二人でなるべくくっついたほうが暖かいですし、と手招き。
■リクィス > 「ん。果汁がいい」
普段は冷水だから、砂糖の入った糖蜜なんて贅沢品はあんまり飲まないから、ちょっと楽しみ。
……ねーさんとろくさいのに動きは大袈裟だな。
「ああ。事情。害はねーですよべつに。そんななら山奥で世捨て人やってるよ
うん。じゃあいいよ」
すい、とねーさんの隣にいく。とはいっても、となりのままあんまり、ねーさんの前側を見ずにだ。
ああ、うん、自己防衛大事。
「ねーさんさ、なんか、子供が危ないことすんのスッゲー嫌がってたけど……
教育関係のひと?」
ねーさんぽんこつでとろくさいけど、見た目と心はすごいきれーだから
そういう意味でも、まっすぐ見たらたぶんだめ。
■アシュリー > 「うふふ、いちごでもオレンジでも、好きなのを好きなだけ飲ませてあげますわ」
人に奢るのが大好きな性分の少女は、うきうきと肩を揺らして。
大袈裟と思われているとはつゆ知らず、やっぱりオーバーアクション気味。
「なら安心ですわ。うふふ、いい子いい子……」
事情はどうあれ、近くに来てくれて温かい。
いや、お湯はずっと温かいのだけど、心というか。
先輩がお風呂で裸の付き合いがどうとか言っていたけれど、こういうことなのかしら。
「いえ、わたくしは騎士ですわ……まだ見習いですけれど。
でもすぐに出世して、平民の皆をより良い明日へ導くのですわ!」
■リクィス > 「ふんふんふん……とはいってもこのサイズだからあんましはいんねーけど……」
うれしそーだな。子供好きなのか?
ていうかほんと動きがでかいなっ。体もでっかいしおっぱいもでっかいし!
「ん……むう…………。いい子なもんですかねー……」
誰かと隣り合うっていうのも、なかなかない。冒険者仲間の女性とか、それくらいか。
つっても、うーん。こうまで子供扱いされんのも久しぶり……
確かにあたしは子供だから、別に嫌じゃねー。
このねーさんみたいにまっすぐならな。
「……騎士。剣で、世の中って変わるのかな」
真っ先に思うのはあの光景。村落1つ分の人間の未来は間違いなく変えた。
それを明るい方向へかえられるのか。この国のごっちゃごっちゃを。
■アシュリー > 「いい子なもんですわよ。言葉遣いや振る舞いはちょっと要指導ですけれど。
優しくて素直ないい子だとわたくしにはわかりましたわ」
うんうんとしたり顔でうなずき、隣のちびっ子を慈しむ。
この子のような子がまっすぐのびのび生きられるのが、きっと誰もが幸せになれる世の中なんだろうなあ、なんて。
「変わりますけど、剣だけで変えちゃ駄目なんだと思いますわ。
剣ってやっぱり痛いですし怖いですし、それを振るって世界がいい方に変わったとしても、
結局何処かで痛い思いをした人は不満に思うでしょうし。
やっぱり話し合いも交えて変えていかなきゃだと思いますわ。どうしようもないときだけ、
剣を振るくらいで丁度いいのじゃないかしら」
■リクィス > 「やーですよーだー。あたしの言葉遣いっつっても、そのへんにゴロゴロ居ると思うし。
………………そんなもんなのかな……………」
すなお。やさしい。むーーー………恥ずかしい…………
湯船に顔を半分隠して、ぶくぶく。
「貴族さんたちが皆そういうふうに、誰かが嫌な思いするってわかってればいいんだけどな。
貧民を館に招いて火を放って「これで国から貧困はなくなった」っていう異国の昔話だってあるし。
食う側だから、食われる側を気にする価値はない。そういう奴だっている。
…………ねーさんみたいに、斬るのは最後の手段って、人は身分低くても生きてんだって解る貴族が多けりゃな……」
■アシュリー > 「じゃあゴロゴロ居るみんなを要指導ですわねー。
ちゃんと教育を受けてちゃんとお仕事して、
ちゃーんと生きれば貴族にはなれなくてもそれなりにいい暮らしが出来るって馴染みの商人さんも言ってましたわ」
だからお勉強頑張るのですわよー、なんて横を見てみれば頭半分沈んで溺れていた。(ように見えた)
真っ青な顔で慌てながら抱き上げてサルベージ。
「……び、びっくりしましたわ…………
ええ、そういうのがわからない貴族もまた多いのですわよね。
わからないならわからないなりに、不用意に民を虐げないで居てくれればいいのですけれど。
ていうかその昔話怖すぎですわ! もう、夢に見そうじゃありませんの……!」
ぶーぶーと口を尖らせて抗議。
■リクィス > 「そこは個性とかいうので許してもらえねーの……?
え。いや。あたしは一応冒険者でちゃんと仕事してるつもりだけど。
財宝狙いのダンジョン潜りもあるけど、流れの魔獣狩りもするし
後ろはしゃかいこーけんしてねえ……?」
ざばーとひきあげられる。むー。はずかしい。
「それよりも農民なんとかしてやってくんねえ?
食うもんショボいし、税金高いし、出稼ぎはある程度制限されるし、兵隊にされるし。
国によっちゃ酒場で飲むのも集まるのも時間制限。一揆防止ってさ」
だから、街に住む人間より、農村の人間はあっというまに死んでいく
ただただ、麦を作って死んでいく装置みたいだ。水車みたいだとあたしは思った。
「やっぱ多いんだ。どーすりゃなおるのかね。総とっかえ?
いーじゃん。そんくらいインパクトありゃ、大人にも子供にもわかるだろ?」
へへ、とちょっと悪い笑顔
■アシュリー > 「ゴロゴロ居るなら個性じゃありませんわねー教育不足ですわねー」
聞く耳持たず。
社会貢献は確かに偉いけれど、そういうのは大人の軍隊や冒険者がやること。
「なのでせめてあと10年はいい子にしててほしいですわ……」
引き上げた流れでさりげなくぎゅっと膝の上に抱えようとしてみる。
「それももちろんですわ。急にガラッと変えるのは無理でも、死ぬまでには少しは楽にして差し上げたい。
あと総とっかえは王族のどなたかが王様にならなきゃ難しいでしょうし、戦争とかになったら嫌ですわねー」
■リクィス > 「なんかこえーな教育って……」
型にはめられてでてくるパンみてえ……
あと、うん……褒めてくんねーのな。初対面の人にいってもあれだけど……
「ちょっ!?うわっ!? だ、抱きついたりしねーっていっただろぉ!?」
膝の上にのっけられると、当然、背中にあたって!
うわああああああああ、もおおおおおおおっ
「結局、貴族以外を食い物にしてるの、やめてくんねーと、目に見えるようにしてくんねーとわかんねえよ…
王族とか……もう、やなんだよな……たっかいところにあるお城からさ……」
■アシュリー > 「怖くありませんわ。いいですか。個性"だけ"あっても、土台がなければグラグラするだけ。
教育は土台を作ってくれるのです。先生が言ってましたわ。
レンガが同じ形で色々な色や模様があって、建物が美しく組み上がるように、
人もちゃんと組み合わさる形の中で個性をアレするのですわ。アレ!」
だから、多少型にはまるのも大事ですわよ、と。
膝の上の少女をぎゅむぎゅむと抱きしめていい子いい子しながら。
「でも大人に混じれるくらい強いのなら、いっぱい頑張ったのでしょうね。
その上でしっかりした土台を作れば敵なしではないかしら!」
リクィスちゃんがやたら抵抗するのを小首を傾げて不思議そうに。
「そういう風に思われてますのね……」
貴族に対する目は、やはり下の者からほど厳しくなる様子。
不当に弱者を虐げる貴族は、師団の皆とともに打ち倒そう。
けれど、それで全てが良くなるかと言うと、自信がない。
不当な力を排除できたとして、それはいびつな秩序が無秩序になるということではないのだろうか。
うーむ、難しいことを考えるのはわたくしの役目ではない気がしますわ。
「とりあえず出来る範囲でこのわたくしがなんとかしますから信じてくださいまし!
わたくしこう見えてもそこそこの貴族ですし! ですし!!!!」
■リクィス > 「実感がわかねーよ……あたし、自分の名前くらいしかかけねーし
読むのだって殆どできねー。店の看板のマークとか、中で何売ってるかだよ。
何年か生活費も出してくれて勉強させてくれねーと、たぶん、その綺麗な話をホントだって思えねー……」
やっぱり、生まれの違いが出んだなあ。知らないし、わからない事が多い。
コレをなくしてくれんのかな……
「ぅ~~~~~~~………………」
ねーさんのやったらでっけーおっぱいにむにゅむにゅ背中をさすられて
あたし自身もうなんか大変なことになってるけど
あんまり暴れたらこのねーさん、さっきみたいに風呂場で溺れる……
褒めてくれてるんだろうけど、けっこーこっちはこっちで大変だ……!
「思わないの無理だろ。入ったことあるけど、あれ戦争用の建て方におもえねーもん。
きれーなだけで、うえからみて。下には食うや食わずで殺し合いしてるやつもいる。
さっきねーさんがいってた土台ってやつが、そんななってるから
あんまり好きになれねえ……
………ほんとに?そこそこ?1から10でどんくらい?」
■アシュリー > 「例えばですけど、お勉強をして賢くなったあとも冒険者を続けるリクィスちゃんと、
いまのまま冒険者を続けたリクィスちゃんが居たとするでしょう?
ある日報酬ザクザクの大儲けが出来る仕事を見つけて、今のままのリクィスちゃんはやったー! ってそのまま飛びついて、お勉強したリクィスちゃんは契約書をしっかり読むでしょう?」
契約書に、実は経費を報酬から天引きするので手取りはものすごーく少ないですよ、って
書いてあったら勉強したリクィスちゃんは無駄な苦労や揉め事に出会わず済むのですわ、とわかりやすいんだかわかりにくいんだか、雑なたとえ話をして。
「でも、そうですわねぇ。生活費を出して子供にお勉強させるところ……
あったらリクィスちゃんは来ます?」
お父様や師団長閣下におねだり……もとい、相談する価値はあるかなあと、むむむ。
無意識にリクィスちゃんを抱きしめる腕にもきゅっと力が入る。
うー。結構理性的な「嫌い」ですわねー。
そこまで嫌われちゃうと、わたくしの敵は難物ですわね、と少し尻込みしそうになる。
「…………えっと……6? いや7、7か8くらいはある、と思いますわ多分!」
■リクィス > 「…………………そういうの無いわけじゃない。今まで。
まあ、あとで色々払ってもらうことにしてるけど……
でも、それができねーやつらも多い……」
簡単に言えば、影をつたってそいつらの家に入って
あたしの影のポケットに金目の物を粗方ぽいぽいする。
それを換金して、仲間に配る。……あたしには簡単にできるけどこの能力がないやつで、どれだけできるんだ。
「……………ずっと居ることはしねーとおもう。多分なじめねーし。
でも、読み書きは習いたい」
パーティーじゃ最年少で後ろついていってるだけでいい。年かさでピンはねしようもんならギルド内で爪弾きだって、先輩の1人がいってたから。
でも、そのうちそうじゃなくなる。それまでに習えるなら、習いたい。
うあーーーー!!!うあーーーーーーー!!!!だから!あたしのこの固くなるやつってなんなんだよーーーーー!!!
胸の奥からぐっとした感情もでるし、コレなんなんだよーー!!!
……王族が好きな平民ってこの国にいるのか?
それこそ、最初から市民で、最初から自立するだけの職を持ってる。
そういう一握りだけじゃねえのか?
「…………7か8…………ほんとにけっこーえらいんだ
……じゃあ、ねーさんが頑張れば、何十年かたてば、少しはましかもね……」
■アシュリー > 「でしょう? 文字が読めれば、そういう嫌な思いをすることも減ると思いますの。
お勉強ってそういうことですわ」
そうすれば、きっと冒険者のままでも少しは生活が楽になるはず。
この子に限らず、学のないまま仕方なしにいいように使われている子達もきっと生活が良くなるはずだ。
「……よく言いましたわ。
お姉さん頑張って、リクィスちゃんみたいな子のための学校を作ってもらえるよう言ってみますわ!」
ふんふんと鼻息荒く、がんばるぞー! と気合を入れる。
この子のやる気の火が消えないうちにどうにか。
難しいようなら、わたくしのお小遣いを使い、わたくしの先生たちにお願いして、どうにか。
「王族が嫌いですのね……わたくしもあったことありませんし、王様争いで迷惑ばかり掛けるような方は嫌いです。
嫌いですけど、そういう方が目立つだけできっと民を思ってくれる良い王族もいらっしゃるはずですわ!」
それに、けっこー偉い(家の、まだそんなに偉くない)お姉さんが頑張るから安心してくださいませ、と自信満々に。
■リクィス > 「ん……。あたしは、あたしの依頼な限り、後払いにしてもらえるけどもね」
足のつかない品を選ぶことには慣れている。あいつらに生かされていたころ、専用の商人が買うときの捌き方を覚えている。
あとで怒鳴り込んできても証拠不十分で帰らざるを得ない奴らの顔は結構胸がすく。
でも、それを出来ないやつが居る。
「……………マジですかよ?そんなことして……いや、できるの……?」
夢物語にしか思えない。自分の経済力は高い方だが、それだけにこの歳で人間一人分の値段くらいは解る。
生活費が出る、なんて聞けば、貧民街から殺到するに違いない。なのに。
「ああ、嫌いだね。そりゃ全員が悪人じゃないだろうけど、その地位にいるだけで責任あるんじゃねえか?
…………だから、ねーさんみたいに、やるっていう人のほうが好きなんだ」
■アシュリー > 「出来る――と言い切ることはできません。
如何に貴族と言えど、ただ生活にお金を出してあげるだけでは早々に破綻するでしょう。
ですから、勉強しながら当家のために働いたりしてもらう必要があるかも知れません。
生活も、慎ましいものになるかも知れません。
けれど、出来る限り「生まれのせいで諦めるしか無かった」なんて人が減らせるなら……」
わたくしは生まれだけいい未熟者ですからね。
生まれが良くなかったせいでくすぶっている優秀な方を探すことができれば、わたくしなんかよりずっと役に立つはずですもの、と微笑む。
「責任があるからこそ軽率に動けないのだ、ってお父様に昔叱られたことが……こほん。
でも、好きって言ってくれてありがとうございますわ。
わたくしもリクィスちゃんのことが気に入りましてよ。うちでわたくしと働きません? なんて」
■リクィス > 「…………そりゃあ、金持ちっつっても、袋にゃ底がある。その観念だけは、あたしはそのへんの大人に負けてねーと思う。
へっ? ねーさんちで、はたらく……? ちょ、ちょっとまってくれ。
冒険者は、やめたくねーんだ。あたしを必要としてくれる奴らが居るんだ。
今ものすげえ我儘で、勝手で、ばかみたいなこと言ってるのはわかってる……わかってるけど……」
諦めを減らしたい。それは、きっと、今まで聞いた中で凄く上にはいってくる、いい言葉だ。
年も、きっと20に満たないこのねーさんが、子供時代が近かったこのねーさんが
子供のことを考えてくれる。目線が似てるんだ。
だから、ふんぞり返ったオッサンがいうよりも、何百倍も信用できる。
「要がちょろちょろうごくと、周りが苦労する……戦ってて解る。
……あ、あれは、言葉の綾っていうか………………間違いでは、ないん、だけど……
っ………………冒険者はやめらんない。お行儀よくもきっとできない。
それでも、雇ってくれる? アシュリーお姉さん」
■アシュリー > 「もちろん冒険者をやめろなんていいません。
ただ冒険の中で見聞きしたことを教えてくれたり、民の目線で貴族の良い行い、悪い行いを見て知らせてくれたり」
そういう民の視点がきっと足りないのですわ、と。
上から目線で与えられた貴族の施しなんて、きっと信じてもらえないから。
少しでも民に歩み寄るために、貴女の視線を貸してくださいと頼む。
「も、もちろんですわ! リクィスちゃんありがとうございます!
わたくしきっとがんばりますから支えてくださいませね!」
感極まってぎゅーっと抱きしめ、後頭部に頬ずりを。
■リクィス > 「っ…………
うん……。あたし、口よくないから、凄くズバズバいっちゃうからね?」
自分の望むことを続けられる。自分のしたかったことをさせてもらえる。
なんて、夢みたいな話だ。夢みたいで、この温泉の湯気みたいに、すぐに消えてしまうんじゃないか、凄く怖い。
でも、凄く嬉しい。
消える夢だとしても、一時でも見せてくれたのだから。それだけでも。
「う、うん…………って!! アシュリーお姉さん!!あたしに抱きついちゃダメって最初にいったよねえ!!??」
自分の体はままならないままだけれど、人がここまで近いっていうのは……嫌じゃない。
嬉しい。温かいって思ったことは、きっと消えないんだ。
■アシュリー > 「ええ、承知のうえですわ。わたくしが泣いちゃわない程度にズバズバ言ってくださいまし」
こくんと頷いて、構わないと。
でも、口良くなくていいのはわたくしにだけですわよーって。
もしほかのお貴族にうっかりそんな口調したら怒られますものね。事前にちゃんと念押し。
「え? でももういいじゃありませんの手遅れですし!」
そういえばそんなことも言ってたなあ、なんて適当な具合に、ハグを繰り返す。
もういっそお膝の上でくるんと回して正面からぎゅーってしてあげたいくらい。
しましょうか。しよう。ぎゅーってしますわ!!
■リクィス > 「む、ぐ。お行儀良くはホント無理だから、だれか間にたてて!勝手にキレられたらボッコボコにしちゃうから!」
え。なに。お姉さんこれ、前から?前から抱っこする気配がするぞ?
まずいまずいまずいまずいやばいやばいやばいやばいこれはヤバーーーイ!!!
でも振りほどいたらお姉さんにケガさせる!それはできないから!!
要するに詰んでるんだなあたし!!!!
■アシュリー > 「間に……じゃあわたくしが間に立ちましょうねー」
もはや妹分も同然とばかりにパーソナルスペースをぐいぐい詰めて、可愛らしくも助けてあげたい少女を甘やかす。
こんな時ばかり器用さを発揮してお膝の上でクルンと回してぎゅーっ!
全身でいっぱいいっぱいの愛情表現!
■リクィス > 「それでいーです……それで……」
あんだけどんくさかったのに、何でこういう時は器用なんだよー!
くるっと回って、真正面にお姉さんで。つまり、これは、お腹に硬いのが絶対に当たる。
ああ、ぎゅーされた。ぎゅーされた。絶対コレあたってる……
コレが何なのかよく知らないけど、女の人の裸みたらこうなるってことは
絶対よくないものだ……。あああ。仲良くなってすぐさよならだー……
■アシュリー > 「……………………?」
ぎゅーっとしたらお腹になんかあたってますわ。
「…………………………………………ごりごり?」
うん、ごりごり。
「もー、リクィスちゃんはお風呂におもちゃ持ち込んでますの?
意外と年相応ですのね!!」
可愛いんですからもーっ、とニコニコ。
それがそういう状態になるモノ、なんて知識のない令嬢は、きっと持ち込んだ玩具かなんかだろうと。
刺さるような尖った感じじゃないしまあいっか、とリクィスちゃんを甘やかすことに専念することにした。
■リクィス > 「………………」
あーさよならあたしの儚い夢。新しい友達。
湯気どころじゃねえよ冬の息以下だよばかやろう。
「……………?」
え?おもちゃ? え?
…………お、大人でもしらないのかな?これ。
これは、うん。ええっと。あー……
「う、うん。バスタオルの中に、入れてて。えーと、あははははーー」
流れに乗れ!このままなんとか乗り切れ!お姉さんに気付かれる前に!!
…………真正面からだっこされるの…………ふわふわするな。きもちいい……
ご令嬢の想像を絶する性知識パラメータの低さに、窮地を助けられるのであった。
■アシュリー > 「そんなタオルの中に隠さないでも、子供が玩具で遊んでるくらいなんとも思いませんのにー」
恥ずかしがり屋さんですの? ってくすくす。
お風呂で棒状の固いおもちゃといえば水鉄砲かしら。
今度わたくしも買ってきますから、一緒にお水の掛け合いっこしましょうね、なんて笑って。
「暖かいですわねぇお風呂。いつまででも入っていたくなりますわぁ」
ぽかぽか、ぬくぬくとお互いの体温と柔らかさを感じながら、暖かいお湯の中をたゆたう
■リクィス > 「う、うん……………。そうなら、よかった、よ……」
恥ずかしがりって……恥ずかしいよー……
お姉さんのことで、遅いたいような変な気持ちになってます、なんて……
ああ、この人絶対、無邪気な子供みてるー……。ごめんねお姉さん、違うの色々……ていうかなんで気付かないんだろう……
「うん……あったかい……。だから、お湯好き……お風呂、すき……」
この場は大丈夫とわかった安堵もあり、ゆったりと、ゆったりと、湯の中で柔らかく抱きしめられ続ける
■アシュリー > 「うふふ、わたくしの下に妹が居たらこんな感じなのかしら。
さっき出会ったばっかりですけれど、可愛いリクィスちゃんが愛おしいですわー」
可愛い可愛い妹分(勝手に任命)を裸の胸に抱きしめ、背中をとんとんと軽く叩いてあやすように。
「…………何か悩みがあったらすぐ言うんですのよ?」
リクィスちゃんの内心に気づいてか気づかずか、優しく受け止めるように微笑む。
「わたくしもお風呂好きですわ……リクィスちゃんがうちで働く時はまた一緒にお風呂入りましょうね、約束ですわよ」
■リクィス > 「ん……いもうと……………」
冒険者仲間からも、妹分といわれたりすることはあるけれど
なんだかこう、もうちょっと、うん、もっと……柔らかい。
「うん…………いう………。だから……あがってから、お姉さんのお部屋にいってもいいかな?」
悩み事。自分の体。なんだろう。さっきは気付かれなかったけど、大人だし、きっと知ってるから。じっと見つめて。
「うん……その時は、約束……」
■アシュリー > 「ええ、かわいい妹ですわ」
かわいいですわ……愛おしくて、まもってあげたい。
この子はぜったいわたくしが幸せにするんだから!
「……と、ええ、構いませんわよ!」
早速の悩み相談。これは姉として格好いいところを見せなきゃ。
まさか専門外のジャンルからの出題とはつゆ知らず、自信満々に頷き。
「じゃあ、上がってジュースを買ったらお部屋に行きましょうか。
長湯しすぎてはのぼせますし、ね?」
■リクィス > 「…………えへ………」
面と向かって可愛いといわれては、その、照れる……
凄く自信満々な表情だけど、どうしたらこうできるんだろう……
「うん……お願い、ね」
大丈夫、きっと大丈夫。運動神経は全然だけど、頭の方は回る人だから
きっとコレがなにかも知ってる。うん、信じる。
「うん。何飲もうかな……」
自然と顔がほころぶ。なんだろう、嬉しいな。
子供って、こういうもの、なのかな。
そう思い、2人は手をつないで脱衣所へと――
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からリクィスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアシュリーさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 秋風の舞う、涼しい岩肌。その連なるところにある温泉。
ぬるめの透明な温泉を、独り占めする天使がいる。
天使と言っても、まだ幼い子供である。
気持ちよさそうに湯をかき回して、岩に座って半身浴
■シャルティア > 温泉で温まって、出ると、元気よく旅館へと向かう
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシャルティアさんが去りました。