2018/09/20 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にティネさんが現れました。
■ティネ > 浴場の一角。かけ流しにされている温泉、その注ぎ口の周辺で
ぷかぷか浮いては湯に打たれて沈んでいる小さな妖精がいる。
遊んでいるのだろうか。
「あっばっばっばば」
違う。溺れかけていた。
水面に浮かび上がるたびに滝の如き湯に打たれては水中に戻されてしまっているのだ。
手のひらサイズの妖精にとっては普通の浴場でも海のように深いのだ。
■ティネ > 「う――……」
数分して、なんとか強制滝行から脱出を果たす。
たっぷりと水を飲んでしまった。浴槽のフチでけほけほと咳き込む。
だばだばと口や鼻から湯が落ちる。
「はー、溺れ死ななくてよかった。
誰にも気付かれないまま温泉の出汁にされちゃう終わりは悲しすぎる……」
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
■エシル・アルトワーズ > 「お、なんだがらがらじゃねーか。貸切だな、こりゃ」
引き戸が開けられ、胸元にタオルを巻いた細身の影が一人。
男のような口調、あまりにも貧相な主張はともすれば少年のようにも見える。
適当なところで掛け湯をと歩いていれば、視界に入るは掛け流しのように口から鼻から湯を流す小さな影。
「なんだお前?溺れたのか?」
一人ごちるその影を覗き込むように問いかける。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエシル・アルトワーズさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
■ティネ > きちんとした格好なら可憐な妖精少女といえたかもしれないが、
全身濡れ鼠で口やら鼻やら垂れ流している現状はちょっと台無しである。
少年とも少女とも判断し難い入浴客が近づいてくるのを、ちょっと驚いた様子で見上げたあと、
自分の惨憺たるありさまを思い出して手で顔を覆う。
「……そーなの。ほら、ここのお風呂、大きすぎるからさー。
参っちゃったよ、ほんとー」
やりばのない怒りを表明するように水面を素足で蹴る。
背中の蝶羽根は濡れて重く、満足には動かなさそうにしている。