2018/09/08 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にユリハさんが現れました。
■ユリハ > 「はふ、ふぅ……」
湯に浸かる一人の少女。
聞こえる溜息は湯の気持ちよさに思わず、と言う物とは少し違うようだ。
自分を抱くように体に腕を回しているが、もぞもぞと落ち着かない様子。
顔どころか全身が朱に染まっていた。
時折目を閉じ、切なげに眉をひそめながら上を向く。
同時に体をふるりと震わせ、くぅん、と甘い声で鳴いていた。
バイト用に備え付けられた砂時計を見て呟く。
「まだ、時間、全然……」
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にレイン・レジネスさんが現れました。
■ユリハ > 清潔で清浄な湯であるものの、何故か体に纏わりつくような粘度を感じて仕方ない。
手で湯を掬って肩にかけてみても、落ちる様子はただのお湯。
体に触れた瞬間、ぬるりと肌をくすぐる様な。
興奮作用があるとは聞いていたが、それがここまでとは思っていなかった。
自分の手で敏感な部分を撫でただけで声をあげてしまいそうだ。
寧ろそうしたいとさえ思ってしまった。
だが、バイトの様子は監視されているらしい。
流石にそんな状況では、と言う理性は残っていた。
そもそもここは開放されており、誰かが入ってくるかもしれないのだ。
一人で悶々と湯に耐えるしかない。
「んんっ……はぁ……」
■レイン・レジネス > 少女が一人、身の疼きに耐えていた時。
予感の通りと言おうか、また新たな客が訪れる――のだが。
その客は、ぺたぺたと歩いて湯船の縁まで歩いて来たかと思いきや、その縁に座り込んでしまった。
足の指先さえ湯に触れさせることない、その女が言うには、
「や。お仕事頑張ってる?」
まるでバイトの監視のような事を言う。
が、実際のところこの女は、宿の〝特殊なバイト〟の運営側とはまるで関係ない。
どちらかと言うと少女と同じ、仕事の為に雇われた側である。
しかしその女は、湯船の縁から少女の方へ手を伸ばし、いきなり少女の頬へ手を触れさせようとしてくる。
「声の我慢、結構大変じゃない? ここ、結構強いらしいしね……粘膜にも直で触れるし」
世間話のように持ちかける話題も、決して初対面の相手に言うようなことでもない。
■ユリハ > 「えっ……あ、は、はい……」
相手が何者かは分からないが、つい素直に返事をしてしまう。
湯に入らないという事はバイト仲間、と言う訳でもないだろう。
客だろうか?仕事のことを知っているという事は宿の関係者?
どうであれ、頑張っているのだから肯定してもいいだろう。
「ひゃっ……!そ、そうなんです、だから……」
だから頬に触れるのはやめて欲しい、と言うのを言外に含ませた。
じっくりと媚薬が染み込んだ体は、頬への接触ですら快感を覚える。
そもそもがかなり敏感な少女は、その触れる手から逃れるように僅かに身を引いた。
■レイン・レジネス > 少女が身を引くのを、女は無表情に見ていた。
無表情というより、表情筋が弱いというのだろうか。
少しばかりの変化はあるが、目を隠すほどに伸びた前髪の為に、それを読み取るのも難しいだろう。
が、よくよく観察してみたのならば、その髪の下の目は、湯面の下に向いている。
「このお湯、便利だよねぇ……体液を興奮作用のある成分に変えちゃうなんて。
ちょっとした永久機関って言うか……うん、凄い。一家に一つ欲しいなぁ」
変わらず世間話をするような、馴れ馴れしい口調――
と思いきや、突如、女の掌から、例えるなら巨大な蛸の脚のようなものが伸びる。
それは、まるで人間の腕のような器用さで少女の肩を抱き、湯船の縁に引き寄せようとするだろう。
冒険者には縁深い生物――触手が、女の体から這い出していた。
「君だって、ね……凄いと思うでしょ。どう、今実際に入ってて……気持ちいい?」
■ユリハ > 「そ、そうですか?一家に一つは要らない様な……」
こんなバイトをしてはいるが少女はそれなりに普通の感性をしている。
表情の良く分からない女に対し、思わず疑問の声をあげた。
その瞬間、突然何かが伸びてきた。
本来この場に存在するはずの無いモノ。
吸盤の付いた触手に抱かれ、抵抗する間もなく引き寄せられてしまった。
「きゃぁっ!?な、なに……」
突如触手を生やした女に驚きの声を上げる。
混乱状態であわあわと、触手の中で身をすくめる。
「す、すごいかも知れないけど、えっと……!は、はい……」
そんな状態でも普通に話しかけてくる相手に、思わず思っている事をそのまま口に出した。
つい体を触手にこすり付けてしまいそうになりながら。