2018/08/27 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」にシャロンさんが現れました。
■シャロン > すっかり龍の麓に引きこもっていた少女が、珍しく王都の友人を訪れたある日の事。
平民地区に宿を用意していた少女だが、友人が気を利かせたらしく旅籠の部屋を予約してくれていたようで。
それならば折角の申し出の相伴に預かろうと、やってきたのが数刻前。
豪勢なお夕飯を食べ終えた少女はご機嫌なまま、にこやかに温泉へと洒落込んだ。
何でも今の時期は露天風呂が素敵とのこと――混浴らしいが、今は客もいないという。
であれば少しだけ――と、岩風呂の片隅で、ちょこんと乳白色のお湯に首から下を浸していた。
「んー……ふふ、良い湯ですね。肌がすべすべですよー?」
小さな手で湯を掬い、肌に伸ばすように撫でる。
それだけでしっとりと桜に色づいた肌が、すべすべとした心地を見せる。
夏の名残のほんのりとした蒸し暑さの中、見上げる空には星月が、ちらちらと煌めいていた。
■シャロン > 四半刻も入っていれば、頬もほんのりと朱を帯びて。
纏めた髪の下、項には僅かに汗が伝い落ちていた。
吹く風はそよぐ様なぬるいもの。それでも今は心地よい。
「はふぅ……贅沢ですねぇ、これだけ大きなお風呂が独り占めですよぅ」
ぽつりと独り言。これだけ風呂が広いと少し寂しい様な気もする。
旦那様はお仕事忙しそうだけど、お元気かしら、とか色々ぽわぽわ考えながら、夏の終わりの夜長は続く。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」にバルジリスさんが現れました。
■バルジリス > ぺた、ぺた、ペタと湿った床を歩く音が響く。
そこには、今日は執事服をまとっていないので、
サングラスを付けたチンピラそのものの見た目の男、バルジリスが混浴露天風呂へ入ってきて…
腰にタオルを巻き、頭に小さなタオルを乗せ、口は不敵に笑んでいる……
「ふぅ、たまにゃ広い風呂もいい感じだなぁ……
月も、夜空も綺麗だし……」
なんて呟きつつ、湯船へと近づけば……どうやら、先客。しかも、女性がいて…
「……っと、失礼。ご相伴にあずかりますよ?」
そう女性に言って、湯船に浸かろうか……
もちろん、図々しく近くに入るということはせずに、だが、あからさまに避けられている距離ではない、
ちょうどいい距離感を保って……
「良い湯ですねぇ……なんか、日々の疲れとか、解けちまいそうな…」
なんて、誰に聞かせるでもなく呟こうと……
■シャロン > 風呂に入ってから30分、程よく体の中までお湯の熱が入ってきた頃合いの事。
からからと遠くで風呂の引き戸が開く音。そしてぺたぺたと近づいてくる足音が。
ちらりと視線を向ければ、そこには青年が一人、こちらへと向かってくるところで。
すっかり忘れていたけれど、そう言えば混浴だったなぁ、とかぼんやり思いつつ。
「こんばんは――見上げると空が綺麗な良い夜ですよ?」
少しばかり恥ずかしいが、混浴なのだから意識しすぎる方がおかしい。
そう思いながら、少女もまた男に挨拶の言葉を返した。
近くにやってくる様子を見て、余りまじまじと見ては行儀が悪いと視線を外して。
「ん、えぇ、えぇ――お疲れ様ですよ?」
彼の呟きに応じる様に、少女は柔く微笑んだ。
■バルジリス > 「えぇ、そうですねぇ。見上げれば星々が煌めき、月明かりが俺たちを照らしている…
なんとも、良い夜の風呂だ」
何て、相手からの挨拶には返そうか。もちろん、此方から相手をじろじろするようなことはしない。
一昔前だったら、舐めるように相手を見て、どう犯そうか考えそうなものだが…
どうやら、かなり丸くなったようだと、自分でも思って。
ちなみに。今は執事モード。見た目がそんなにいい人っぽくないことは自覚しているので、
口調だけでも、男と女二人きりの恐怖感と言うのか、そういうのをい抱かせないように…
そして、お疲れ様です。との言葉には…
「えぇ、ありがとうございます。家には、元気な命が二つと、愛しい命一ついましてねぇ…
気持ち良い疲れが日々積み重なるんですが。たまには、一人で背伸びして。風呂に入ろうと思いましてねぇ…」
とくに聞かれもしていないが、風呂場と言うのは、ついつい口がゆるくなる心地よさが合って……
「お嬢さんは、温泉は好きな方なんですか?」
なんて、聞いてみようか…
■シャロン > 「ふふ、詩人みたいですね。これで風がもう少しだけ涼しければ、ずっと入っていても飽きなかったでしょうに」
この気温だと、あまり長く入っていると湯あたりを起こしそうになる。
頭寒足熱――東の方の健康に関する言葉だというが、確かに頭が熱くなると思考も散漫になるもので。
ほぅ、と吐く息が熱を帯びている辺り、大分体が温まっているのだろう。もう少ししたら小休止の頃合いか。
ちらりと彼の方を見れば、黒の眼鏡――サングラス、といったか、をかけて空を見ている様子。
こちらを凝視するような相手ではない、と言うのに安堵しながら、低めの岩を探しつつ。
「ん、そうなのですか?んー、素敵なお父さん、と言う感じなのでしょうか?それともお兄さんですかね?
であれば、日々の疲れを癒しつつ、羽を伸ばせるとよいですね。ご褒美ってやつですよ、ご褒美」
同じく一人で使っているのは寂しかったからか、少女も饒舌になる。
平時でも温和で人懐こいのが、今は上機嫌故警戒心はがばがばである。
そうしてようやく程よい高さの岩を見つけると、その元迄湯をかき分けて進みつつ。
「えぇ、温泉、というかお風呂全般大好きですよ?――あの、ほんの少しだけ、向こうを向いていてもらっても?」
湯あたりしない様に一度岩場に腰かけようと思うのだが、流石に堂々と体を見せられるほど垢抜けてはいない。
それ故か、頬を赤く染めながら彼に少しの間だけ、そっぽを向いていてもらえないかと頼んでみる。
駄目なら駄目で、意を決して岩場に腰かけ、二枚の手拭で胸元と下腹部を覆えばよいのだが、彼が紳士なら、という事にかけてみる。
■バルジリス > 「ええ、そうですねぇ。人間の体だと、湯あたりしそうな気温ですからね…
まあ、私は入ったばかりですから、まだ大丈夫なんですがね」
人間の体だと~と、普通なら使わない言葉を使ってしまうあたり、
まだまだ人間世界に慣れ切っていないのかもしれない蛇。
一応、元魔物なので頑丈なのだが、長湯はバルジリスも湯あたりするかも…
そして、素敵なお父さんと言われれば…
「……っへへ、そう言ってくれると嬉しいですね。あいつらの、自慢のパパになる。
そのために、今は今を必死で生きてるけど、羽を伸ばしたくもなるのですよ」
そう言って、軽く背伸び……
そして、ほんの少し向こうを向いてと言われれば、頷いて。
「では、大丈夫になったら、声をかけてくださいな」
そう言って、女性から視線を逸らし、女性とは真逆の方を向いて……
すっかり紳士風の動きが身についてしまった元鬼畜。
「そういうお嬢さんは、伴侶とかいらっしゃるので?」
なんて、会話を続けてみようか……
■シャロン > 「おや、人間の――という事は、どうやら貴方様は人間ではないご様子ですね。
まぁ、貴方様が何者であっても、この場では私のお話に付き合ってくれる殿方、と言うだけですが」
魔族であろうが人間であろうが、或いは貴族であろうが奴隷であろうが。
少女の善悪判断は、自分に害を為すか為さないかだけだ。そして彼は後者に属する。
ならば、どんな相手でもこの温泉で汗を流す仲間であり、敵ではない。
「ん、ふふ、良いですね、お父さん――素敵なお父さんがいれば、子供達も健やかに育つ事でしょう。
やっぱり子供を育むというのは大変ですか?……その、お恥ずかしながら、母親見習いなもので」
相手が子持ちとなると、気になってしまうのは子育ての事。
今はまだ膨らんでいないが、少女の下腹――その最奥にある子宮には、確かに赤子が息づいている。
半人半龍故、普通の人間であればとうに臨月、という月日が経っても特に変わった様子はない。
しいて言えば、食事量が多くなって、やたらと眠気が来るようになったくらい――成長期か、と突っ込まれそうな症状だ。
とは言え、嘗て聖女の称号を冠していた名残の法術で、確かに懐妊は確認済み。いつ生まれるか、と言うのを楽しみにするのが今で。
ともなれば、少しでもいい母親に慣れないかしら、と日々試行錯誤しているものだから、ついつい問いかけてしまいつつ。
「ん、ふふ、素敵な紳士ですね――それでは少しだけ……」
ざぱり、とお湯の跳ねる音がして、少女の裸体が月明かりに晒される。
ほっそりとしてしなやかな、ほんのりと桜に染まった肌を湯が伝う様子を一瞬見せると、胸元にタオルを回して縛って。
後は岩の上に腰かけると、下腹を覆い隠すようにもう一枚のタオルをかけて、準備が整えば。
「すみません、もう大丈夫です。ありがとうございます。
――ふふ、えぇ、こんななりですが、旦那様がおります」
問いかけに応える少女は、頬を朱に染め、どこかうっとりとしたような風情。
恋する乙女とはこういう物か、という様相を見せながら、夫の存在を彼へと伝えた。
■バルジリス > 自分が人間ではないことを見破られれば、しまったという表情をするも…
相手の敵ではないことは、相手に伝わっていたようで、ほっと一息。
そして、母親見習いだと言われれば、ふっと笑んで…
「ええ、大変ですよ?私の場合、双子ですからね。片方を泣き止ませても、
もう片方が泣いて、そして泣き止んだ方がもう一度泣いて…とか。
アイツらは、泣いて、寝て、母親のおっぱいを吸うのが仕事ですからねぇ…」
などと言いつつも、その表情はどこまでも穏やかで、苦になど欠片も思っていないかの様子。
この男にとって……子供とは、夢であり、未来なのだ。
どれだけ苦労しても、きっと……
「でも。大変なだけ、愛おしさとか、可愛らしさが引き立つんですよ。
穏やかに寝る表情、お母さんのおっぱいを吸う表情……どれも、たまらなく…ね」
そういいつつ、言われるがまま後ろを向き。
相手からの合図を待とうと……
そして、水音や濡れタオルの擦れる音が聞こえ…
合図があれば、其方を向こうか…
「へぇ、やっぱり旦那さんがいらっしゃるんですね。何て言うか……
貴方の雰囲気が、愛する人間のいる人間のそれだったから。
貴方に好かれている夫さんは、幸せ者でしょうね……」
そう言いつつ、岩の上に座る相手。彼女を見る表情は、どこか。親の先輩っぽいかも…?
「きっと、元気な子が生まれるんでしょうね……
貴方の子の未来に、幸が多からんことを…
まあ、私には、信奉する神様はいないんですがね」
なんて、苦笑しようか…
■シャロン > 「双子ですか……!それは、嬉しさも大変さも倍ですね!交互に泣かれたらお父さんもお母さんも大変でしょう?
でも、大きくなったらきっと、お互いを支え合ってくれる素敵な関係になりそうですねぇ、ふふ、双子さんかぁ……」
自分の中に宿った命は、まだ男か女かもわからない。一人なのか、双子以上なのかも。
それが分かる時が何年の後かはわからないが、半龍の永いスパンで訪れる子育てを、楽しめればよいと思う。
彼が語る子供たちの様子――それを自分に置き換えてイメージすれば、思わず頬が緩んでしまって。
「えぇ、えぇ……そうですよねぇ。お母さんが一生懸命お腹の中で育んで、その間お父さんはずぅっとずぅっと、待つんですものねぇ。
どちらもとっても大変で、だけどその結果生まれてきた赤ちゃんっていうのは、とっても素敵なのだろうなぁ、って、。
ん、私もいずれ、自分の子供にお乳を与えることになるんですね……ふふ、えへへ……」
無意識に自分のお腹を撫でるようにして触りながら、見つめる視線は穏やかなもので。
いつまでも待っていてあげるから、無事に生まれてきて欲しい。そんな願いと祈りを込めながら。
「私にはもったいない旦那様です。とってもやんちゃで強引ですが、私をいつも引っ張ってくれて、知らないものを教えてくれる人です。
――ん、だといいんですけれど、ね。私はとっても幸せだから、彼をとっても幸せに、出来ていれば凄く凄く、嬉しいです」
目の前、視線の合った彼は正しく先輩。尊敬の対象だ。
そんな相手に、少女はやはり柔らかく微笑みながら。
「そうですね、元気に生まれて欲しいです――ありがとうございます。
私も今は、神を信じておりません故、純粋な貴方様の思いをありがたく受け取らせてもらいますね?」
聖女をしていた時に、神は少女に受難こそ与えど、助けてはくれなかった。
今こうして健やかに笑みを浮かべていられるのは、偏に今の伴侶のお陰である。
そこから神を信じる事をやめた少女からすれば、彼の真心の方がずっと尊いものだった。
■バルジリス > 自分のお腹を触る相手。その表情は、まさしく、お母さんだったようにバルジリスには映った。
「ああ、パパの方も、ママの方も幸せになる……それこそ、本当の夫婦の幸せだと思う」
そう言いつつ、神を信じていないという相手、それについては深く追求することはしない。
そんなことをしても、誰も幸せにな張りそうもないから……
そして、自身の子おばをありがたく受け取った相手には、嬉しそうにふっと笑む。
やはり、パパ見習いではなく、パパになったからか。
まだ見習いであるこの女性が、とても好ましく映ったのだ。
そのまま、ゆっくりと湯船の水面が揺れるまま、バルジリスは風呂場で、雑談を楽しんだ。
自分の、新人パパとしての活動が、相手にとっての何かにつながる……
そうだったら、とても嬉しい。そんな思いのまま。
元鬼畜のパパは、先輩っぽく振舞いつつ、
風呂場での雑談を、のぼせない程度に楽しむことと……
■シャロン > こうしている時間がなんとも穏やかで好ましい。
寂しがり屋な少女からすれば、話し相手がいる方が気分的にも良いのだ。
「そうですね……子供も旦那様も私も、みんな幸せ、と言うのが一番素敵ですね!」
彼の言葉に満面の笑みを浮かべると、少女はほぅ、と息を吐く。
湯に入らなくても湯気と夏の暑さで体が覚める様子がないのだ。
これではもう一度湯船に戻るのはお預けかしら、と名残惜しく思いつつも無理はせず。
誰かの父親である真摯な彼と、由無し事をのんびりと話し、緩やかに過ぎていく時間を味わって。
「――っと、これも縁ですし、忘れる前に自己紹介位はしておきましょう。
私はシャロン。シャロン・アルコットと申します。もしよろしければ、今後も親の先達として、色々教えていただければと思いますよ?」
そう言いつつ、彼の方をとろんとした瞳で眺める。
湯あたり一歩手前、とも言える状態なのか、どこかふわふわとした雰囲気だ。
そろそろ部屋に戻るのも考える様な、そんな頃合いなのだろう。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」からバルジリスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」からシャロンさんが去りました。