2018/07/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」にスナさんが現れました。
スナ > 風呂屋にとっては掻き入れ時の時間。
広々として湯船も無数に用意された大浴場だが、いずれの浴槽にも入浴客の人影が伺える。いわんや洗い場をや。
露骨に声が上がってるわけではないが、睦み合っているペアの姿もちらほら。混浴状態の公衆浴場では珍しい光景ではない。

そんな中、浴場の隅っこ、3人も入れば窮屈に思えるほどの小さな湯船。
澄んだ湯が張ってある中に、スナは細い体をちぢこませるようにして浸かっていた。
その様子は、贔屓目に見ても「寛いでいる」ようには見えない。むしろ全身が緊張し、こわばっている。
湯温は39度、長湯に適した温度であるにもかかわらず、よく見れば肩は小刻みに震えている。
頬は紅潮し、額やこめかみから玉の汗がとめどなく滴る。鼻息も荒く、鼻の穴が速いペースで拡縮している。

「………ふーっ……ふーっ………こいつは、思ったより、キツイの……ぅ……」

ボソリとつぶやき、すぐにまた歯を食いしばるように口を結ぶ。
普段スナがこの旅館の湯を使うときは必ず自前の酒を持ち込むが、今回はそれもない。そんなことをする余裕もない。

たかが湯に浸かってるだけなのに、どうして今日のスナはこれほどに苦しそうなのか?
なぜならば、いま彼が浸かってる湯は媚薬の湯だから。
しかも、普通は金を払って入浴する浴場だが、今のスナは逆に金を「もらって」入っている。
つまるところ「バイト」だ。「媚薬の湯に2時間浸かる」という、お仕事。

スナ > ただ媚薬の湯に浸かるだけでなぜ金が貰えるのか? 理由はある。旅館の人が言うには、

『…イキそうになった場合には、湯の中でイッてもらって大丈夫です。
 湯船の魔力が、あなたの出した体液から精力を蒸留し、湯の薬効成分に変えるからです』

とのこと。つまり、媚薬の湯の成分を補充するための人柱というわけだ。
そのため、2時間まるまる湯の中で耐えねばならない。途中退出は……一応許されているが、報酬は減るとのこと。
2時間耐えれば2000ゴルド。見返りは悪くない……と、最初は思っていた。

「ふーッ……! ふーッ……っ! う、く………ううっ!」

突然、スナの肩が大きく震える。澄んだ水面に荒い波が立つ。
体育座りめいて組んだ太腿の向こうで、ガチガチに勃起して天を衝く男性器の先端から、精液が吹かれる……
…が、確かに尿道を駆け上がる熱い濁流を感じたにもかかわらず、湯の中に濁り汁が飛び出した様子はない。
射精して体外に放たれた刹那、彼の精液は『湯船の魔力』とやらにかかり、清水と薬効成分に分離したのだ。
そして、より一層効力を増した媚薬の湯の力で、イッたばかりのスナのペニスは一時たりとも萎れることなく、勃起し続けている。

「い、いま何分くらいかの……? 時間が来たら呼びに来るという話じゃが……」

絶えず全身を襲う異常な発情の熱に耐え忍びながら、それでも表情はなんとか憮然を保とうと努力しつつ、周囲を見回す。
スナが途中でズルをしないよう、宿側の監視の目もついているらしい。おそらくは遠視の魔術か、アイテムか。
痴情にあえぐ被験者の映像を録画して流布する可能性もなきにしもあらず。

スナ > 所詮は媚薬、ちょっぴり興奮が高まった状態で湯に浸かってれば終わる……と思い込んでいたスナは甘かった。
こうして指1つ動かさずじっと身を丸めているだけでも、自ずと射精まで達してしまうほど、湯の発情作用は強かった。
開ききった汗腺から媚薬成分が染み込み、全身の血流をとめどなく嵩増ししていくのを感じる。
もともと敏感な部位である性器が煮え立つほどに熱く脈打っているのを感じる。
そして性器以外の箇所までもがチリチリとこそばゆい感覚を帯び始め、まるで全身が性感帯になっていくかのよう。
刻限が来ても、自力で立ち上がれるかどうかすら怪しい。湯の中で体を動かせば、その部位が即座にイッてしまいそうな予感。
それでも、一応は長い時を生き精神的に醸成しているスナだからこそ耐えられている自信がある。
若い女子供がこれに浸かってしまったら、数分と保たずに喘ぎ、のたうち、もしかすれば発狂寸前まで至ることも想像に難くない。

「……ふっ、う………んんんっ……」

歯を食いしばり、眉間にわずか皺を寄せ、絶えず襲い来る絶頂の波に耐える。
それでもスナは極力、普段の仏頂面を保ち、バキバキに勃起したペニスも周囲から見えぬように脚で隠しながら、周囲を見回す。
2時間は2時間。いくら自分が置かれた状況が異常でも、ひとりで過ごすには長い時間だ。
誰か一緒にこの湯に浸かってくれる仲間……あるいは犠牲者というべきか……が来ないかと期待しているのだ。

スナ > やがて、時は過ぎ。

『……スナさん。ご気分はいかがですか? そろそろ約束のお時間ですが』

通用口から浴衣姿で現れた旅館の女将が、媚薬湯の中で固まるスナへと声を掛ける。
スナは体を丸めたままで首を動かすことすらせず……否、できず……しかし、即座に言葉を返した。

「……お、おう。もうそんな時間かぇ。
 その……すまんが、まんじりとも体を動かせん。湯が効きすぎて、手足の感覚すらない……。
 それと、休憩用の部屋も用意してくれるって話じゃったかの。
 最初はンなもん要らんとか言っとったが……前言撤回じゃ。使わせておくれ。あとそこまで連れてっておくれ…」

ところどころ喉で詰まり気味の、震える声が発せられる。さすがのスナも参ってしまったのだ。
女将さんはハイハイと2つ返事で、浴衣の裾を捲って湯に足を差し込み、スナの細く小さな体を引き上げようとする。
己を掴む女性の手の感触にすら、全身が反射的に震え、喘ぎ声が漏れそうになる。
ここに来てはじめて、スナの細目の目尻が下がり、あからさまに悔しげな表情を浮かべる。要介護状態となった自分が情けないのだ。
これまでにないほど固く太く勃起したペニスを周囲に晒しながら、浴場を女将に引きずられ、退出していくスナ。

その後、まともに服を来て自力で歩けるようになるまで、丸半日の安静休息を要したのであった。
しかし旅館を去る際、スナは「また今度やらせてもらおうかの」と事もなげに言い放ったという。

ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」からスナさんが去りました。