2018/05/06 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にナナカマドさんが現れました。
■ナナカマド > 久々に羽根を伸ばしに温泉宿を訪れたナナカマド。
黒い噂などどこ吹く風、そんなものを知らずに意気揚々と露天風呂へ向かう。
王城の広い風呂場もいいがここは外の空気が吸える。
夜景を眺めながら開放的な雰囲気で湯に浸かれるとあって、
田舎者のナナカマドにとっては気に入りの場所だった。
鼻歌を歌いながら脱衣所でローブを脱ぎ、タオルを体に巻いて洗い場に入っていく。
以前は知らなかった作法もちゃんと宿の者から学んだのでそれを実践すべく
体を丁寧に洗い、かけ湯をしてから温泉に足先から入っていく。
「んんん、~~~~っ……!」
じわじわと体を登ってくる熱に心地よさそうなため息をつきながら
ゆっくりと体を沈めていく。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にスナさんが現れました。
■スナ > ナナカマドの浸かる湯船の傍に、ひとつの小さな人影が歩み寄ってくる。
くすんだ銀髪からは水を滴らせ、頭頂には雑に畳んだ布切れを載せ。
股間には無造作に男性器を垂らす。体格は少年のそれだが、股間の逸物はその年代にしては少し太め。
ナナカマドとは一度面識のある人物だが、かつて会ったときに生やしていた獣耳や尻尾は見えない。
「……おう? いつぞや森で会うた耳長がおるではないか。元気しとったかぇ?」
スナの方もナナカマドの存在に気付くと、溌剌とした声色で挨拶をかける。
そして湯船のほうへと遠慮なく歩み寄り…。
「隣、いいかね?」
■ナナカマド > ゆったりと湯船に浸かっていれば、湯けむりに紛れて客がもう一人。
風呂場においても体を微塵も隠しもしないその様にびっくりしたように目を丸くするも
あまりジロジロと眺めるのも失礼だろうから努めて視線を外す。
と、かけられた声に聞き覚えがあれば、びくんと肩を竦め、再度その顔を注視する。
「……す、スナ様? どうしてここに?」
びっくりしたような顔で現れた少年を見つめるも、隣をいいかと聞かれれば
ちょっと緊張した様子でこくんと頷いた。
どうしてこんなに緊張するかと言えば、以前会ったスナにちょっとしたからかわれを受けたせいで
またも同じことをされるのではないだろうかと思ってしまったからだ。
だが、根がいい人な田舎エルフは人を疑ってはいけないとすぐに思い直しにこやかに隣を譲る。
■スナ > 「どうしてここに、だと? 身体を清め、湯を楽しむためだが?
ククッ……俺のような野の獣が湯に浸かってはダメかの?」
相手のセリフに悪態で返しつつも、その表情はにこやか。どこか不自然さも伴う、張り付いたような笑み。
どうしてここに、と問われるのは予想外だったが、まぁ前回の別れ方が別れ方だけに狼狽する反応は致し方なかろう。
当然スナの方は悠々としているが。
相手が拒否の仕草を見せないことを確認すれば、スナは躊躇なく細い足を湯に浸ける。
洗い場でよく清めた身体を、静かに湯面へと沈めていく。あ゛ぁ~~……などと妙に老けた嬌声を上げつつ。
ナナカマドが隣を譲る仕草を見せたので、遠慮なく彼の隣へ。といっても、肩が触れ合うほどの超近距離だが。
「お前さんも身を清めに来たんじゃろ? ここは良い湯をたんと用意してくれとるからの。俺は常連じゃよ。
しかも混浴ときた、楽しい光景も出会いもしょっちゅうある。ククッ……。
……そういや、今は混浴じゃが、普段のお前さんは女湯なのかぇ? 男湯なのかぇ?」
隣に腰掛けたエルフの方をまじまじと見つめつつ、スナは興味津々といった表情で問う。
■ナナカマド > 「い、いえ。けしてそのような……。
そうですよね、お風呂に来てお湯に浸かる以外にはないですよね」
あはは……などと乾いた笑いを伴いながらも、体にまいたタオルをしっかりと確かめる。
本来ならば湯にタオルを付けるなど言語道断だが、作法を忘れたか、あるいはふたなりの体にコンプレックスを抱いて
隠しているためか、とにかくタオルは脱がないようにその裸身を覆い隠している。
妙に近い距離のスナに対し、どこか緊張気味のナナカマドはそわそわとしたまま。
「はい、わたくしも羽根を伸ばしに来たのです……。
え? お風呂の男湯か女湯か、ですか? ええと……普段は男湯です。
ナナは……巫女ですけれども体は男の人のものがついていますから……」
気後れしたようにそう答えるが、その顔はどこか憂鬱そうなもので。
幼少期からずっとふたなりだったためにエルフの里で軟禁され、
巫女として育てられた影響で自分の性別について堂々としていられないのだ。
だから、逆に堂々としているスナには羨ましいような、恥ずかしいような気持ちもあって
もじもじとタオルの裾をいじったりする。
■スナ > 「なるほどのぅ、そうかぇ。男湯か……」
ナナカマドの返答に、スナは尚もはにかみの笑みを保ったまま頷く。表情には出さないけれど、心の中ではちょっと渋面。
軽いセクハラ質問のつもりだったが、相手の「巫女ですけど」という接頭辞に、深刻な悩みの色を感じ取ったのだ。
ふぅむ、などと意味深な独り言を漏らして少し間を置いた後。
「……ちんぽがついてるとはいえ、お前さんは女でもあるんじゃろな、きっと。
女として、女湯にも入りたかろう。その気持ちはきっと間違ったものじゃないとは思うぞ。
その点、この宿は良心的じゃな。定期的に混浴風呂として浴場を解放してくれとる。
お前さんのような半陰陽への配慮かもしれんなぁ。王都には他にも半陰陽の者は居るようじゃしの」
隣に肩を並べたまま、スナは一時正面に向き直り、露滴る天井を見上げながら淡々と語った。
明らかに気後れした様子を見せるナナカマドに、精一杯彼を養護する弁を紡いで見せる。
……しかし、そのセリフからさして間をおかず、再びナナカマドの方を向き。
「……じゃが。ナナカマドよ。これはいかん。
いかに恥ずかしいとはいえ、湯に手拭いを浸けるのは重大なマナー違反じゃぞ。言われなかったかぇ?
湯は皆のためのものじゃ。身を清めるのに使った布で湯を汚してはならぬ。そうでなかったとしても大変紛らわしい。
ほら、取れ、取れ!」
語気を強めてまくしたてつつ、スナはナナカマドの腰に巻かれたタオルの端をつまみ、ぐいぐいと引っ張って見せる。
最初は軽くめくる程度だが、徐々にその引っ張る力は強くなっていく。
■ナナカマド > 「スナ様……」
スナの長口上にこちらを気遣ういたわりを感じたのか妙に心に染みて
彼を誤解していたのかも知れないと考えを改める。
それまで抱いていた居心地の悪さが少しだけ解されたような気がして
ぎこちなくナナカマドは微笑んだ。
(だが別に女湯に入りたいかと言われれば恥ずかしいから遠慮すると答えただろうが)
と、彼に指摘されしっかりと巻き付けたタオルがマナー違反だと分かれば
ええっ?! と焦ったように湯から立ち上がる。
「そ、そんな! でも、人前で性器を見せるなんて恥ずかしいですし……
あ、駄目です。そんなに引っ張ったら……!」
もじもじとしてなかなかタオルを外そうとはしないナナカマドに、スナの手が伸びる。
タオルの端をしっかり掴まれめくられ、ぐいぐいと引っ張られれば抵抗する力も自然と強くなる。
だがエルフの細腕、それで押し止めようとするのが無理だったのだろう。
タオルは自然と崩れて、ナナカマドの手を逃れるようにはらりと脱げてしまった。
「っわわっわわ……! み、見ないでください!」
慌ててその場でしゃがみ込み、自分の股を手で隠す。
少年らしい小ぶりの性器だったのが幸いして手のひらで覆えばすっぽりと隠れてしまう。
だが、これではその場から動けない。ふるふると恥ずかしげに長耳が揺れる。
■スナ > 「何を言うか、この耳長。ここは公衆浴場、裸の付き合いの場じゃぞ。恥ずかしがってどうする?
誰が誰のちんぽやまんこを見ようと文句は言わんわ。ほれ、ほれっ♪」
タオルを抑えようとする仕草を見れば、スナの顔に意地悪な笑みが浮かぶ。
そして、タオルを脱ぎ去ろうとする手の力を容赦なく強めていく。
抵抗虚しくナナカマドの腰からはらりとタオルが抜き取られれば、スナはそれを水面へと揚げ、湯船の脇でギュッと絞る。
水の切れたタオルを手早く4つ折りに畳むと、それをナナカマドの金髪の頭頂へと無造作に載せた。
「まったく……。湯に手拭いは浸けぬ。これは浴場を使う時に一番大事なルールじゃぞ。
チンケな羞恥心とかよりも、それこそ人命なんかよりもな……ククッ。
ほれ、その手もどけぃ。隠したままじゃリラックスもできんじゃろ。つーかよ、ナナカマドや……」
なおも股間を隠そうとするナナカマドに、スナは呆れたような笑みを浮かべつつ、鼻を鳴らす。
さすがにその手までも無理やり払いのけようとはしないが、かわりにスナは彼の長い耳へとおもむろに顔を寄せて…。
「……俺は一度お前さんのチンポを見とるんじゃぞ。そうまで恥ずかしがらんでも、よかろ…?」
エルフ耳の先端を唇と舌で舐めるほどに接近し、ささやく声でそう語りかけた。
■ナナカマド > そっとスナの手から湯を切られたタオルが乗せられると疑問符を浮かべながらもそれを受け入れる。
どうやらこのスタイルがここでのルールでありマナーらしい。
乗せられたタオルを片手で触りながら頬を染めていると、ふいにスナが近寄り
敏感なナナカマドの長耳にふぅっと囁きかける。
「ひゃ、っぅうううう?!」
びくり、とこそばゆさに大きくナナカマドの肩が揺れた。
スナの言うことは公衆浴場で言えば最もなことだが、解放的すぎるスナに対して未だ恥じらいがあるナナカマドは
まだがっちりと股間をガードしつつ、その場で固まっていた。
「す、スナ様っ! からかうのはおよしください!
その、あれは……あれは事故ですから! ノーカンというやつです!」
わたわたと慌てながら抗弁するが、果たして相手に届くだろうか。
と、上半身に風が吹き付けてぶるりと身震いしてしまう。
湯の中に浸かってしまえば直接見られるよりは恥ずかしくないだろう、
そう考えて静かに身を沈め、再び湯に黙って浸かる。
とはいえ、一度恥ずかしさで血の気が登ってしまったのか顔は赤いままで
ただ先程よりは股間のガードはゆるくなってきた。
「は、恥ずかしいものは恥ずかしいのです……。
これはナナの性分なのですから、お許しください……」
消え入りそうな声でそうつぶやくとスナから距離をわずかに取るように移動する。
■スナ > 「事故、ね……ククッ。そうじゃった、あれはとんだ事故じゃったの。
なぁに、俺はちっとも気にしとらんぞ。じゃからお前さんもあまり気にするな」
事故。以前会った時、スナの目の前でおもむろに排尿するというアクシデントがあったのだ。
ナナカマドに非はなく、スナの催眠術の仕業なのだが、未だそのことがバレてないとみればスナは平然とシラを切る。
「じゃがな、ナナカマド。俺は大真面目じゃぞ。からかってなどおらんぞ。
何度も言うが、公衆浴場というのは『そういう場』なんじゃ。
皆が股間を開いて湯に浸かってるのに、お前ひとりモジモジしとるのは、かえって悪く目立つぞ。
堂々とせい。ぶーらぶらと湯に揺蕩わせておけばいい。皆そうしとるぞ?」
ナナカマドが距離をとるような動きを見せれば、スナは無遠慮にその身を彼へと寄せる。
伏せた目の隙間から鋭く睨み、逃げることは許さないという威圧感とともに。
「まぁ、恥ずかしいという気持ちは分からんでもないが。
普段街なかではみな服を着とるからの。……たまに着とらん奴、着とらんも同然の奴もいるがの。ククッ。
じゃが、公衆浴場をこれからも使うなら、今のままではいかん。徐々に慣れるがええ。徐々にな。
その相手が俺でもよかろう。なんせ一度見たんじゃからな」
スナは湯船の縁にもたれさせていた背を起こし、半屈みの姿勢のまま湯の中で立ち、ナナカマドの正面に身を置く。
湯に浸かったエルフの顔と肢体を真正面に捉える位置で、彼の両脚を軽く跨ぐように。
蹲踞に近い体勢で、スナの股間にぶら下がった逸物はその柔らかい身をふわふわと踊らせている。
「ほれ、誰か別の奴が来たらちゃんと教えてやるから。いい加減、その手を退けてみぃ?」
なおも頬をひきつらせ、あくどい笑みを貼り付けながら、そう諭す。
■ナナカマド > 勿論以前会ったスナとのアクシデントはナナカマドにとって仕組まれた事などと分かるはずもなく。
ともすれば自分に落ち度があったのではないかと考え込んでしまうこともしばしばのナナカマド。
スナの言う公衆浴場での堂々とした立ち居振る舞いを教えられるにつれ
この少年の言うことの正しさはそれなりに理解できた。
理解は出来たが受け入れられるかは、また別だが。
悪目立ちしてしまう、との言葉に確かにそうだとは思うものの中々一歩を踏み出せない。
「そうはおっしゃいますが……、い、いえ確かに先程はルールを守らなかったナナがいけなかったとは思います。
その、堂々とすれば良いのですね? うう……」
スナに逃げ場を奪われてしまっては仕方ない。
股間を隠していた両手を恐る恐る脇にどけ、湯の中に性器を漂わせる。
意識は努めて股間を注視しないようにして、なるべく平常心を保とうとする。
まぁ一度やってみれば、恥ずかしさは変わらないが大したことはない。
スナと違って身を固くして無駄な力が籠もってしまっているが、
これでようやくナナカマドも普通の温泉客になれたのだろう。
「で、出来ました……! これで良いのですよね?」
そう言ってスナに褒めてほしいかのように彼を見つめ、ぎこちない微笑みを浮かべる。
が、屋根に登った湯気が冷えて露になったものが、ぴちゃんとナナカマドの背に降りかかると
それを誰かが来たのかと勘違いしてぴょんと飛び上がってしまう。
「や、やっぱり駄目ですぅうううううう!!
ごめんなさいスナ様っ! 出直してまいります!!!」
そう言ってスナの体の下からするりと抜け出るとまた股間を隠して浴場を走って逃げてしまう。
転んだら危ないとかそんな事をかまっている暇もないほどの脱兎具合であった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からナナカマドさんが去りました。