2018/02/04 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフラストさんが現れました。
■フラスト > 昼下がりの午後。
晴れて青空がどこまでも透き通るような、少し冷たい冬の晴天。
「うぅ~さぶ。こんな日は露天風呂だよね」
透明な露天風呂に入りながら、お盆の上にある熱燗からお猪口に軽く注ぎ、口元まで運んでいく。
褐色の肌。鍛え上げられた肉体を一切隠すことなく、むしろ誇らしげに濡れた裸体をさらして見せる。
「ぷはぁ!いやぁ飲みすぎちゃうなこれ。気を付けないと。
危ない危ない」
だらしなく両足を広げながら、くつろぐように岩場に背を預けて首を傾けながら赤くなった顔を左手で撫でる。
■フラスト > 「ふぅ……飲みすぎたかな」
足元をよろけさせながら、立ち上がり。
お盆を片手に脱衣所へと向かっていった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からフラストさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージルーム」にスナさんが現れました。
■スナ > 入浴施設「九頭龍の水浴び場」に用意されたアメニティの一種、マッサージルーム。
適度に抑えられた照明と、さりげなく薄く焚かれた香の匂い漂う部屋に、ひとりの浴衣姿の少年が現れた。
短い銀髪はしっとりと濡れ、未だ湯気を帯びている。子供用にしつらえられた丈の短い浴衣からは白い素足が覗く。
手足の白い肌と比して、顔は頬を中心にかなり赤く染まっている。それは湯にあてられたからだけではない。
実はちょっとだけ酒も入っている。……見た目はどうみても少年なのに。
「ふぅ~~い……っと。やっぱり風呂の後はこれに限るよなぁ……ククッ」
抑えられた照明の中で、銀髪の少年スナは1つの椅子に視線を向け、喉を鳴らす。
……それは椅子と呼ぶにはやや大仰で、背もたれも肘掛けも大きく、どっしりとした印象を与える。
魔法によってさまざまな動きを見せ、座ったものの身体の疲れを癒やすという「まっさーじちぇあ」である。
人を呼んで丁寧にマッサージを施してもらうとなかなかの対価を要求されるが、この椅子は饅頭1個程度の金貨で誰でも使える。
しかし、たまに暴走するとかで、あまりリピーターはいないとか。実際いまもこの部屋には自分しかいない。
「ちょっと強く揉んでもらうくらいのほうが俺好みなんだけどな。さぁて、と……」
スナは一つ二つ首を横に折り、肩をもみほぐす仕草をすると、その玉座にどかりと背を預けた。
■スナ > マッサージチェアを使うのはこれが初めてではない。数少ないリピーターの1人である。
この機械がいわゆる「暴走」状態に陥ったこともあったが、背中を連続で殴られるような刺激が逆に気に入ってしまったようで。
「また暴走してくれんものかね、こいつ……ククッ。何かコツでもあるのかね」
ちょっぴり邪念を込めながら、スナは肘置きの横に付いた突起を指で軽く小突いた。
直後、ガコン!とお尻の下でからくりの動作する音が鳴る。いちいち操作するたびに不安な音を立てるのも不人気の要因のようだ。
ガキ、ガキ、とさらに金属質な悲鳴を上げた後、椅子の全体が静かに震え始め、同時に背もたれの内部から2つの突起が迫り上がった。
その突起は肩甲骨から臀部までを上下に往復しながら、トントンと小突くようにスナの薄い背中を殴打していく。
「おっ、ほ♪ これこれ、これじゃよ………ぁ……あ゛~~~~」
少年の容姿に似つかわしくない低い声がつかの間高く上ずり、少年の容姿に似つかわしくないジジ臭い喘ぎが部屋に響く。
機械がいい感じに「暴走」してくれるのを望んではいたが、まぁさすがに最初の数分くらいは普通に動いてほしいものだ。
……ちなみに、「暴走」のパターンにも幾つかあるとか。
「ぁーーー………ふぅ……」
普段から開いているのか閉じているのかわからない切れ長の細目をさらに深く閉じ、スナは全体重を椅子に預け、按摩を堪能する。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージルーム」にリンさんが現れました。
■リン > 漏れてきた喘ぎ声に気を引かれたのか、
同じく(似合っているかどうかは微妙の)浴衣に湯上がり肌を包んだ、藍色の髪を後ろでくくった少年が
瓶に入った乳飲料を片手にマッサージルームに入ってくる。
「それ、使ってるやついたんだ」
以前自分でも一度試したことはあるものの、今ひとつ胡散臭い挙動を示すのはまだしも、
不快に軋む音がどうにも耐えられなくて早々にギブアップしてしまったのだ。
「にしてもどんなオッサンかと思ったけど」
聞こえてきた声と実際の使用者のギャップに首を傾げながら、
使われていない寝台に腰掛け、瓶に口をつけながら何の気なしにその様子を眺める。
■スナ > マッサージルームに新たな人影が現れる。
薄く開いた瞼から銀の瞳をそちらに向けると……瓶詰め飲料を手にしたその少年もまた、こちらをまじまじと見つめてきている様子。
「………なんだい、若いの。見世物じゃねぇぞ」
だらしなく深々とチェアに腰を落としながら、スナはドスを効かせた低音を放つ。
リンに向けて「若いの」と呼ぶにはあまりにも違和感のある幼い風体、しかしその声色は冗談めいてはいない。
「ああ、声があっちまで漏れちまってたかの。それはまぁ……済まなかったな。
……ククッ。俺はオッサンだよ、若いの。色々あっての。見た目よりはずーっとオッサンじゃ。
つーか何じゃい? オッサンが按摩されて喘いでるところをわざわざ見に来たってのかぇ、お前さんは?」
眼鏡の奥で目を細め、口の端を吊り上げ、嘲笑するような声で問いかける。
「……すまねぇな、按摩の椅子は1台しかないからな。使いたいならちょっと待っとれ。
それともお前さんはあっちのベッドで女将さんに揉んでもらうコースか?
見に来ただけってんなら……まぁ、あまりいい客じゃねぇな……ククッ」
■リン > 低い声に肩を竦める。彼の声と見た目が一致していれば、
あるいはリンも心胆を寒からしめたかもしれない。
「こりゃ失礼。さぞかし見苦しいオッサンが見苦しい顔でよがってるんだろうなと、
怖いもの見たさで覗きに来たんだけど……アテが外れたね」
涼しい顔で唇の周囲についた白い汚れを指で拭う。
見た目年端もいかぬ少年が低い声で悶えているのに注視するなと言う方が難しいというのがリンとしての言い分だ。
「まあ、良い客じゃないのは確かだなぁ。
……それ最後まで使ったことないんだけど、どうなのおじさま?
率直に言って音は聞くに堪えないしマッサージはでたらめだし
愛用者の気が知れないっていうのが率直なところなんだけど」
愛用している当人の目の前で言うようなことではない。
この軽い口は今まで様々な災いを引き起こしてきた。
■スナ > 「カカカッ…! 怖いもの見たさかぁ……なるほどなるほど、合点がいく。
すまなかったの、若いの。当てが外れてのぅ……ククク。
喘いでるのがこんな眉目秀麗な美男子で、ほんとうに悪かったの」
蒼髪の少年の言葉に、スナは肩をゆすり、喉の奥を鳴らすような詰まった笑い声を上げる。
「……そうさ、悪い客さ、お前さんは。他の客をジロジロ鑑賞するのを趣味にしとるとは、あまり感心せん。
まぁ俺は心が広いんで許すがの。見てるがいいさ」
話している間にもマッサージは続いている。背中から体内に心地よく伝わる振動に、ふぅ、と一つ甘いため息を吐く。
「ん? お前さんもこの椅子を使ったことはあるんじゃな。
まぁ……お前さんの言うことはだいたいその通りじゃよ。何よりガチャガチャうるさいのは気に食わん。
でも『安い』ってのは良い点じゃないかね? 人に揉んでもらうのはどうも気を遣ったり遣われたりして好かぬし。
お前さんが飲んでるその牛乳1杯くらいの額面じゃし、たまには使ってやってもいいグフウウウウウゥゥッ!!?」
深々と椅子に身を沈め、のらりくらりとした口調で語っていた銀髪の少年が突如、詰まった悲鳴を上げる。
同時にその身体がつかの間椅子から跳ねる。背中を揉んでいた機械が突然、すさまじい勢いで腰骨の辺りを殴りつけたのだ。
「ホッ……オ、オオオオオ……これ、これじゃよ、若いの!
このくらい強い刺激のほうが湯上がりの解れた身体には効くってグアッ! オ゛ッ!?」
苦笑いを浮かべて、あからさまに強がってみせる少年。しかし、その細っこい腰は断続的に跳ね、全身を揺らしている。
ドスッ、と聞こえるほどに鈍い音が椅子から発せられる。あきらかに力加減がおかしい。
実際、大の大人が8割程度の力で殴りつけたほどの力が出ている。
「ふぐっ! あ、あーーーー、気持ちいいのぅー、これだからこの椅子はやめられンゴォッ!」
無慈悲な殴打音と、先程にもまして聞くに堪えない喘ぎ声が断続的にこだまする。
それでも、スナは何を強がっているのか、椅子を止めようともしない。
余裕ぶった笑みを目の前のリンに向け続けている。
■リン > 「まあ、眉目秀麗な美男子が喘いでるのを眺められるならそれはそれでいいしね」
どこまで本気かわからない調子で、銀髪の彼の形容を借りる。
真面目な話、その椅子を使っている人物がどれほど物好きなのか、
というところに興味はシフトしていた。
「確かに。安いのは何より重要――ってえぇぇ!?」
余裕綽々な彼の言葉に相槌を打ちながら見物していたリンが突然の悲鳴に総毛立った。
見ている分にも力加減が過剰なのに、実際に叩かれている方はさぞかし痛いに違いない。
……人体に悪影響は発生しないのか? ほっといたらもっと強くなるのではないか?
「ちょっと……これマッサージの域をはるかに越えてない!?
やめられんじゃないよやめたほうがいいよ! マゾなの!? 立てる!?」
楽しめてるのか単に強がっているだけなのかわからないままに、
マッサージチェアの暴走に顔を青くしながら手を差し伸べて、立ち上がらせようと試みる。
■スナ > 実のところ、このくらいの力加減がスナの好みなのだ。言われた通りにマゾなのかもしれない。
痛いことは痛いが、その中にくすぶるように気持ちよさも内包されているのを感じる。
打たれればどうしても声を上げてしまい、傍目に見ればその様子に不安(あるいは嫌悪感)を覚えるのも仕方ないが。
そしてもちろん、何分も続けるものでもないが……。
「ほぐッ! ……ば、バカもんっ! 違う! 逆じゃ逆っ!」
拷問椅子(そう、元は拷問器具なのだ!)からスナを起こそうとするリンに、スナは眉間にしわを寄せ、睨みつける。
「も、もう少しで終わるんじゃ、楽しませんかいっ!
起こすんじゃない、抑えつけるんだ! お前さんが、この俺を!
覆いかぶさって来てもええから、早く、早くっ! 美男子が喘いでるとこをもっと近くで眺めたいじゃろっ!」
がくんがくんと腰を跳ねさせ、額や頬に脂汗を滲ませながら、なおもスナは強がってみせる。
もちろん、もう少しこの過剰な刺激を楽しんでいたいという気持ちもあるにはあるが。
スナは差し伸べられた手を掴み、逆に引き寄せようとした。
■リン > 「えっ!? ええ~~~
責任持たないよ!?」
起こして立たせるどころか押さえつけろとは。
耳を疑ったがただの強がりではこんなセリフは吐けないだろう。
まあ、それぐらいなら、と引き寄せられるままに向かい合って覆いかぶさり、
相手の肩を掴んで恐る恐る椅子に押し付ける。
「っ、わ……すごい揺れる……」
不安定な姿勢のまま、相手の身体越しに激しい振動を浴びる。
……こうして見た目若い少年と薄い生地越しに汗ばんだ身体をひっつかせて揺らされていると、
なんだか変なことをしているような気がしてくる……