2018/01/22 のログ
ピッカ > 「そうだよ、めっちゃ不便だよ。服もわざわざブカブカに作ってもらわないといけないしよ。
 そのくらい分かるだろ?」

家には嫡男たる兄もいる。歳が離れている分、服はおさがりを着れるはずなのだが、そうはいかなかった。
大きなブツを納めるためにズボンも下着も新しく繕う必要があった。
そのことで父から幾度となく苦言を聞かされることもあったし、服屋に事情を話すのもなんとも苦々しかった。
そういった、ブツにまつわる嫌な記憶を思い出してしまい、つい棘のある口調と言葉を吐いてしまう。

……しかし、青髪の少年がいう『良いこと』については、罵言も忘れ、耳を傾けてしまう。

「……う、嘘だろ? 女の子がそういうこと言うのか?
 女って、その……コレみたいに汚いモノ、大嫌いなんだろ? 僕はそう……言われ……続けてきたぞ。妹たちから。
 見るのも嫌、同じ風呂やトイレを使うのも嫌、とかよ。
 ……なんで、女がコレのこと……大きさとか……そういうのを評価するんだよ。わかんねぇよ。こんな汚いのをさ……」

自分の中の常識とはまるで異なる価値観を聞き、混乱するピッカ。
そう、おちんちんとはただの排泄器官。男子にしかついておらず、男子の身体で最も汚らわしい部位。
大きくて浅黒い自分のソレが、醜悪さに嫌われこそすれ、好評価につながるなどとは考えにくい。なぜそうなるのか。
……あきらかに、みるからに、ピッカは性知識に乏しかった。
狼狽し続けるピッカにリンが近づき、肩を叩いても、それを払うような素振りはない。

リン > 「ははぁ、なるほどねぇ。
 まだそういうのは教えてもらってないのかぁ……
 女の子はね~、むしろ自分の好きな相手のおちんちんならねえ、
 むしろ大好きなんだよ。ほんと」

何やら一人納得して、肩を叩いていない方の手をそっと湯の下に忍ばせて
ピッカの肉柱の幹にそっと指先で触れる。

「汚いなんて思わないよ?
 少なくとも僕はもっと触ったり眺めたりしたいかなぁ」

指を引き剥がしたり逃げたりしないなら、
くにくにと控えめな力でつついたり揉んだりし始めるだろう。

ピッカ > 「……ハッ。好きな男のお……おちんちん、ならか。
 それはその女が、好きな男の汚いとこまで許せるくらい好きってことなんじゃねーの?」

本で読んだ、あまりにも臭く抽象的に脚色された恋愛ドラマを思い出す。
好いた相手になら多少の瑕疵も気にならないという。恋は盲目、あばたもえくぼ。
歳近い女性への猜疑心が根付いてしまったピッカにとっては鼻で笑う概念だったが。
少なくとも、そういったたぐいの話であり、リンが言う内容は一般的な話には聞こえなかった。

それでも、もしかすると世間一般では……と、しきりに思考を巡らせるピッカ。
湯を掻いて手を伸ばし、自らの肉茎に触れようとする同性の手の気配にも気づく様子はなかった。
リンの指が、湯の中でぶらぶらと揺らめくペニスに触れる。刹那、静かな浴場内に湯柱が立った。

「んひゃああああああっ!!!?」

女子のように甲高い悲鳴を上げ、ピッカは全身を条件反射的に震わせて、その場から飛び退いた。
しかし滑る水底に脚を取られ、仰向けに転んでしまう。

「な、なに触ってるんだよおまえッ……! な、なんでそんな、僕の、こんな、あ、あああ……。
 つーか触りたいっておまえ、ま、まだ僕、ここ洗えてねーし、え、ええええっ……?」

溺れないように必死で水を掻き、頭を水面から出しながら、ピッカは狼狽しきった声でがなりたてる。
ここまでリンに褒めちぎられてもなお、ピッカには「他人の排泄器官に触る」という行為が理解できなかった。
というより、他人にこの部位を触られたのは、記憶あるかぎりこれが初めてである。
洗うにも注意を要する敏感な部位を触られ、当然のごとく、その肉棒は急速に鎌首をもたげ始める。
他人に触れられる鋭い感覚、異常な行動、勃起しつつある性器……ピッカは混乱の極みにあった。

リン > 「ぼくはさんざん小さいだのなんだのって不当に罵られてきたからさぁ~
 そんな立派なものを卑下されると悲しい気持ちになっちゃうんだよね……」

浴槽の中を飛び退いて逃げる彼に近寄って
身体を屈めて、そそり勃って来た雄茎を間近でしげしげと眺める。
とても“汚いもの”に向けるものではない、羨望と欲望の篭った眼差しだ。

「あ~、僕もそれぐらい大きいのほしいなぁ。
 女も男もそれでヒィヒィ言わせてぇなあフヒヒ。
 お子様についてるのはもったいないよ。一日でいいから貸してくんない?」

無茶苦茶言いながら、浴槽の底に沈ませた手で睾丸を裏側から軽くノックする。

ピッカ > 「や、やめろよ、お前……な、なんか気持ち悪いよ……」

指で触れられただけなのに、今や完全に勃起してしまった、ピッカの巨大な男性器。
自身の腕、肘より先よりも太く長い肉棒が弧を描いてそそり立ち、亀頭が水面から覗いている。
あまりにも醜悪な排泄器官。それを視界から逃そうとしながら、目の前の男子を気持ち悪いと罵ることに矛盾を感じなくはない。
それでも、コンプレックスの塊であるその部位をまじまじと眺める彼には、本気で嫌悪感があった。しかし……。

「……んっ!? ふ、くっ……!? や、やめろってば、おいっ! マジやめろって……」

異質なほどに巨大な肉棒、その根元には同じく巨大な睾丸が湯内に揺蕩っていた。握りこぶしよりも一回り大きい。
ペニスほどではないにせよ敏感なその部位にも指が這えば、ピッカは動転しきった仕草で水をかき、さらに逃げようとする。

「……んっぷ、ひ、ひっ……! た、頼むから、ちょっとタンマ、タンマっ!
 触るなっ! ……その、僕が思うほど汚いとこじゃないって話はわかるけど、触るなっ……!
 つーか、気安く人の身体に触るなよ! 常識だろ!?」

足掻き藻掻き、十分に距離を取ると、ようやく落ち着きを取り戻したのか、姿勢を正して深呼吸をする。
依然として勃起したままだけれど。

「……その、僕だって非常識だったかもしれない。
 でも、お前の言うことも突拍子もなさすぎて、理解がおいつかねーよ。
 貸してほしいってんなら……貸せるもんなら、貸してやりてーけどさ。返さなくてもいいし」

水面の下でびくびくと張り詰める肉棒を、憎たらしげな視線で見下ろすピッカ。

「……でも、よく知りもしない奴に貸すのも、触らせるのも、やっぱ嫌だよ。こんな汚い場所だしさ。
 名乗りなよ。……あー、一応僕から名乗ったほうがいい? 僕はピッカ・ハ……パークスゥだ」

リン > 「はぁ~~い」

大きくしながらも本気で拒否しているということを悟り、手を引く。
必死で逃れる彼を微笑ましそうに眺め、
それ以上詰め寄って接触しようとすることはしなかった。

「僕としては当然のことしか言ってないつもりなんだけどなー。まいっか。
 そうだよね、行きずりのよく知らん奴に触られる趣味はないよね。
 僕はただのリン。仕事は色々。どうかな? これでよく知らない奴ではなくなった?」

ニヤといまいち信用しづらいタイプの笑みを浮かべ、軽い調子で言ってのける。

ピッカ > 「リン、か。まぁ、よろしくな」

自己紹介も済めば、ピッカの警戒心も和らぐ。とはいえ先程のように不用意な接近は許さないけれど。
姓を名乗らず、身分や仕事も不明瞭、おまけに挙動も不審……とくれば確かに信用できない相手ではあるのだが。
それでも、ハーケイの家にいる人間たちに比べればはるかにフランクで……話をすること自体は苦ではなかった。
友達になろう、と言い出せるほど素直な人間でもないので、精一杯に気さくを装った声色で交わす。

「で、リン。その……一度にいろいろ教わると混乱しちゃうから、一つだけ聞かせてくれないかな。
 さっき、ええと、僕のコレ……お、おちん…ちん? さっき『貸してくれ』とか言ってたよな。
 実際にはできっこないけどさ。もし仮に貸せたとしたら。こんなでかくて醜いモノになったとしたら。
 リンはそれでどうするんだ……?」

よく知らない奴ではなくなった、ということでピッカは彼なりに最大限踏み込んだのであろう内容の質問を放つ。

リン > 「そこからかぁ」

イノセンスな問い。おそらくは本当に何も知らないのだろう。

「そりゃもうセッ……穴に入れるんだよ。
 おしっこ出す穴あるだろ。女に。あそこの奥に女が気持ちよくなるスイッチがあるの。
 そこをソレで突いてやるってわけだよ。……まあどっちにしろ君にゃあ早い話だが」

指で輪っかを作り、そこにもう片方の手の指を入れるジェスチャーをする。
相手が無知な同性の年下ということで、言葉選びは取り繕わない直接的なものになる。

「さっき触られてちょっと気持ちよかったろ? アレを女の穴に挿れるとそのメじゃないぐらい気持ちいいんだ。
 女の方も、大きいのを挿れてもらうと苦しくて……それが気持ちいいのさ」

ピッカ > 「女の子の……穴に」

想像する。女性器、というより女性の股間部がどうなっているかは見たことがないわけではない。
妹がいるため、アクシデントでその部位を遠目に見たことはある。当然その後で泣きたくなるほど殴られ、疎外されたが。
いい記憶ではないが、思い起こせば、綺麗な場所だと思った。男のように醜い棒が付いておらず、ただ一本割れ目が刻まれただけ。

その奥に、気持ちいい場所がある?
ペニスを、その中に入れる? 突く?
男の側が気持ちよくなるのはまぁわかる。女の側も気持ちいい? 苦しいのに?
というか……。

「ちょ、ちょ、ちょっと待て。僕は不勉強だよ。でもそんなの信じられねーよ!?
 あ、あんな狭っこくて小さいとこに、こ、こんなの刺したら……や、破れちゃうだろ!?」

肩を震わせ、湯を跳ね飛ばしながら、ピッカは叫ぶ。その顔は真っ赤だ。
リンの言う描写を脳内で想像してみたが、あまりにも無理がある情景だった。特に、ピッカの巨根では。
それをわざわざ借りてまでやってのけたいというリンの発言も非常識だ。
ただ……それを、女性器に差し込む行為をやることが、男性にとってはどれだけ気持ちいいコトであるか。
それを想像すると、興奮せずにはいられない。萎え始めた巨根が、数瞬ののちに完全に張り詰め直した。

「……り、リンは。それ、やったことあるのか?」

先程とは一転、消え入りそうな囁き声で問う。

リン > 「いやあ、案外なんとかなるもんだよ、ははは。
 結構、それ無理だろって大きさでも入ってしまうらしいし。人体の神秘てやつ?
 ……まあ君ぐらいだとさすがにやっぱ駄目ってこともあるかもしれないね!」

実際は都合の良い空想なんだから相手が裂けてしまったっていいだろう、
ぐらいには思っていたが、反感を買いそうな気がしたのでそれは言わず。
興奮を素直に表現する巨根に愛おしさを感じる。

「あるよ。それはもう本当に、いつも天にも昇るような心地さ。
 興味出てきた?」

ピッカ > 「そ、そうなのか……? いやまぁ、リンくらいに小さ……じゃなくて、普通のサイズの奴だったらいけるんだろうけど。
 やっぱ僕みたいな変にでかい奴だと無理だよな……うん、無理だよ。僕にだってそのくらいわかる」

寂しげな顔を作り、天井を向いてふぅと深いため息をつく。
結局今回もまた、自分の身体の異常さを思い知らされた。
リンの語り口から察するに、きっとこの行為は……セックスは、彼だけでなく多くの男女がやっているのだろう。
天にも昇る心地と言うその行為も、不適切なほどに巨大なペニスでは、きっと受け入れられないだろう。
……とはいえ。

「……ああ、うん。興味は出てきたよ。リンがそこまで気持ちいいって言うんなら。
 でもやっぱり僕、信じられないよ。こんな汚い部位を……その、女の子と合わせ合うとか」

やはりまだ、ピッカの狭い世界では、性の真実を信じきれなかったようだ。

「僕だってもうじき成人なんだ。常識は僕自身の努力で身につける。リンが言ったことも、ちゃーんと調べてみる。
 ……もし、リンの言ってたことがデタラメだったら、承知しないからな。何発か殴らせろよ!」

語気を強めて釘を刺すと、ピッカは立ち上がった。そしてザバザバと湯を掻き分け、上がろうとする。
未だペニスは硬さを保ったままだが、大きめのタオルを股間に押し付け、折らんばかりに力を込めて脚の間に押し下げる。

「じゃ、じゃあ、またな、リン。楽しい話をありがとよ。……ほんとの話だといいけどよ」

これ以上彼の話を聞き続けたら、ありやなしや吹き込まれ、騙されてしまうかもしれない。
すべてが真実であっても、それはそれで頭がパンクしそうだ。
一旦区切り、自らの力で調べ上げるべく、ピッカは逃げるようにその場を去った。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からピッカさんが去りました。
リン > 自分の言葉を受け入れられていない様子のピッカにそれもまあ仕方ないなと思う。
いくら言葉を尽くしたところで根深いコンプレックスはそう簡単にはどうにかできはしないだろう。
こと性交渉においては実際の体験に勝るものはない。

「はいはい、またね。
 あ、じゃあ間違ってないってわかったら、また触らせてくれない?」

手を振って逃げ去っていく彼を見送る。
別に彼のペニスに限らず色々触りたかったなぁ~という気持ちはあるが、
それを口に出すと余計にヒかれそうなので控えたのだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からリンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアリルネージュさんが現れました。
アリルネージュ > 少し物憂げな瞳のまま、そこを練り歩く。
先ほどまで踊っていたその場所では何人かの男女が恍惚とした表情で腰を抜かしている。
自分の踊りに囚われた者達である。従業員、客、対象は関係がない。

まぁ、それもいつもの事。
こちらとしては雇われて踊っているのだから非はない。はず。
それにしても男女問わず発情させてくれ、とはまた変わった依頼ねと少し考えながら、
ゆったりとした歩調で練り歩いていく。
報酬で1泊の逗留も許されているわけで。
今夜の相手を探すのも悪くない…。娼婦達が多いこの場所。
可愛い子がいればその子でもいいわね…とそんな風に考えながら歩く…もとい、物色を続けていた。

アリルネージュ > ふぅ、と一つ物憂げにため息。
なかなか上物の獲物は見つからないものね、と嘆息した様子。

しかしその後、相手を見つけ連れ立って部屋へと去っていった…。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアリルネージュさんが去りました。