2018/01/21 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 「あぁぁあああぁ   サイッコー♪」

珍しく機嫌のいい声で、少年はため息を吐く。なにせ久々の温泉だ、気分も良くなるというものである
痩身の、銀髪の少年は、岩場に座り、半身浴の体勢でゆったりと脚を伸ばす。手には褐色の瓶
とはいえ、酒ではない。ただの葡萄ジュースだ。半分凍らせたそれを湯に軽く浸してから、溶けた冷たい葡萄ジュースを流しこむ

「くぅぅぅっ、うんめー!温泉でキンキンの飲み物とか最高だろ!」

グラスシエル > くぁぁ、と大きなあくび。温まって火照った身体で、温泉から上がる
タオルで乱暴に身体を拭ってから、いつも通りの紺の軍服を着込む。
それから、ふわりと宙に浮いて、街の方へと向かっていった

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にピッカさんが現れました。
ピッカ > 夕暮れ時、まだ客もまばらな大浴場の中を、ひとりの少年が歩いている。
髪油香るようなつややかな茶髪を肩まで伸ばし、揺らしながら。髪型や肌の白さは女子に見えなくもないが、肩幅等を見ればきちんと男子。
タオルを巻いて腰を隠しているが、その布の幅はへそ下から膝上までを隠すほどに広く、身体を洗うにしては大きすぎる。
普段は眼鏡をかけて過ごしているが、今は裸眼だ。軽い近視だが、風呂程度なら困らない。

「はぁ……。ったく、なんで僕がこんな大衆じみた風呂場に……」

小声で毒づきながら、大小さまざまに掘られた浴場の間を縫って歩いて行く。
その声色もまた男のそれだが、ボーイソプラノがかってわずかに甲高い。

ピッカは一応は貴族の血筋。ただ、妾の子であったり、その他諸々の因縁が祟って、家の中での立場は悪い。
今日は、家に備わった風呂の水の出が悪いのだという。正嫡の子らに譲るため、ピッカはわざわざ大衆浴場まで出向くハメとなったのだ。
もちろん、これは憎き父の指図。そうでなければ、貴族の誰がこんな俗くさい場所へ足を向けようか。
……というのは半分は本心でない。家や社会のしがらみに疲れたピッカは、こういった平民風俗に触れることを内心楽しみにもしていた。

「………………」

とはいえ、気は重い。こういった場所を、タオル1枚程度で歩きまわりたくもないのだ。
ではなぜその辺の湯に浸からないかというと……濁った湯を探していたためである。
残念ながら、今日用意された湯はいずれも澄みきった湯のようだ。しかもちらほら人影があり、先客のいる湯槽も多い。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にリンさんが現れました。
ピッカ > 広い広い、不自然なまでに広い大浴場を一通り見て回っても、結局濁り湯を見つけることはできなかった。
「はぁぁ~」…とわざとらしく大きなため息をひとつ吐いて、またとぼとぼと歩き始める。
そして、脱衣所や洗い場からは微妙に離れた位置に掘られた湯槽のほとりで足を止める。
湯はやはり澄んでいるが、先客はない。

「…………………」

ピッカは睨むように、左右へと視線を振らす。
衆目が少ないことを確認すると、湯の中に歩みを進め、白い足先から水面に沈めながら、タオルをはだけていく。
細い脚と脚の間には、第3の脚が生えていた……否、違う。ペニスである。
熱り立っておらず垂れ下がった状態にあっても、その長さは膝上まで達するほど。
第3の脚という喩えは言い過ぎかもしれないが、少なくとも彼の下腕と同等の太さと長さを有している。
遠目には女子にも見えなくもないシルエットには、あきらかに不釣り合いな一物。

きゅっと両脚を締め付け、その醜悪な肉塊を周囲から隠すようにしながら、ピッカは素早く湯に身を沈めた。

「うっわ……ぬるいっ……!」

冬場は熱い湯が多いと聞いていたのに、彼が選んだ湯はかなり湯温が低く調節されていた。
凍えるほどではないにせよ、温まるには程遠い。先客がいないわけである。
とはいえいまさら立つわけにもいかない。我慢して、肩口まで身を沈める。

リン > 「おお寒い寒い……」

ぺちぺちと濡れたタイルを裸足で叩いて、藍色の髪の少年が大浴場を歩く。
この旅籠の温泉での入浴はリンの健全なほうの趣味のひとつだ。
幾つかの湯を見渡し、特に深く思い悩むこともなく先客の少ない――
茶色の髪の少年のいる湯槽へと身を沈める。
彼ともし目が遭うなら、適当に微笑んで会釈するだろう。
そしてその湯の微妙な温度に、彼同様驚く。

「ひええぬるい。
 温度設定間違ってるんじゃないかなぁこれ……、……」

苦笑いして先客たる少年に同意を求めようと視線を向け、
そこでようやく脚では隠しきれない彼の異常に気づき、表情と声を固まらせた。

ちなみに隠しているわけではないリンのそれは、同年代の男の平均よりはやや下回っている。

ピッカ > 自分の男性器は他の男子と比較してもあきらかに大きく、そして不細工である。
そのことを、主に妹たちから執拗に揶揄され続けてきたピッカ。
大衆浴場に行くことを指示したのも嫌がらせの一環だろう。少なくともピッカにはそうとしか考えられなかった。
だからこうして人目を避けて隅っこの湯を選んだのだが……さっそく別の客が来てしまい、あからさまに渋面をする。

「……………………」

ちらと目が合えば、ピッカも仏頂面のままで軽く首を下げ、会釈。
どうやら年の頃は同じくらいの少年のようだ。瞬時視界に入った彼の男性器も、歳相応に小さめ。
……内心、羨ましさを感じる。
だが、こういった場でジロジロと下腹部を見るのは明らかにマナー違反。すぐに視線を逸らすが。

「………おい、何見てるんだよっ!」

後から来た藍色の髪の少年のほうが、こちらの股間を見て驚きの表情を浮かべている。
その様子を察すれば、さすがにピッカも腹が立ち、つい苛立った声を上げてしまう。
恥ずかしさと怒りがこみ上げ、さっそく顔が赤らむ。

リン > 「えっ、あっ、ごめん」

怒鳴られてようやく自分が釘付けになっていたらしいことに気づき、
バツが悪そうに視線を逸し、謝る。

「いや……でも、そんな立派すぎるの見ないでいるっていうのが
 無理、っていうか……?
 それ生まれつきなの……?」

苦笑いでもごもごと宣うが、どうしても気になるらしく
その視線をちらちらと茶髪の少年の身体へ向けるのを止められない。

ピッカ > 浅くぬるい湯の中で、ピッカは半ば腰を浮かせながら、目の前の少年に威嚇の表情を向ける。

「……チッ。謝るなら許してやるけどよ、もうジロジロ見てくるんじゃ……
 見るんじゃねえっての!!」

謝罪の言葉にはつかの間怒りも収まりかけるが、それでも構わずジロジロと視線を向けて来られれば、再び頭に血がのぼる。
つい声を荒げてしまい、あまり周囲の気を引きたくない状況であることを思い出して、焦りとともに周りを見回した。

「り、立派だと……フンっ、嘘つくなよ。どーせお前も僕の……こ、これが……気持ち悪いって思ってるんだ。
 あーそうさ、生まれつきだよ。悪いかよ」

立派というお世辞も、コンプレックスを抱えたピッカには揶揄に聞こえる。妹たちと同じ、身体の異常さをいびる言葉。
同年代と比較して高めの声もまたコンプレックスなようで、意識して声色を低くし、目の前の少年に威圧をかけようとする。

「生まれて、物心ついてからずーっと。こいつに困らされて来てるんだよ、僕は。
 それとも何か、これが『立派』だからって良いことでもあるのかよ、平民の社会にはよ。ん?」

自分を貴族、相手を平民と断定して、ピッカはあえて問いかけてみる。
……思えば、貴族社会の外の人間と話すのも久しぶりかもしれない。

リン > 「ヒエッ」

再びの怒声に肩を竦めるが、相手が年若い子供(股間のもの以外)なために
さほどの迫力は感じられない。

「うーん、気持ち悪いっていうか。確かにそんなでかいと普段は不便だろうねぇ……
 良いこと? いくらでもあるよ?」

彼の言葉にどことなく世間擦れしていないものを感じ取り、
へら、と表情を緩め威圧に構わず身体を寄せる。

「いやほんと立派だから。ジロジロ見てるのはリスペクトの顕れだと思って!
 大きいのじゃないとイヤだの男失格だのって女の子、結構いるんだよね。
 この間も酒場でナンパしたら短小って決めつけられて罵られたし。あれには参った。
 ……あ、君にはまだ早い話だったかな? まあ、そのうち分かるよ、ハハハ」

見た目大差ないが年上の余裕をアピールして肩をぺしぺし叩く。