2017/12/10 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシドさんが現れました。
■シド > 「ふぅ、こんな夜も良いか。」
部屋は平民用の手狭なものだが旅籠に備えられた温泉は我が家にもない広々としたもの。
皇帝に拝謁し既に領地に戻りて今頃は自室で休んでいる頃合――なのに馬が足を痛めて立ち往生。
どの宿も既に利用者であふれかえる中、ここだけは丁寧に招き入れてくれた。不満などあろうものか。
気を利かせて運ばれてきた酒精を片手に月を仰ぎて湯を楽しむ。
冬の透き通る空気に其れは琥珀の輝きを持ちて美しく天穹に君臨する。
心無しか眺める葡萄色の眸も澄み渡る心地。
汗で張り付く後ろ髪を纏め上げて、岩縁へと深く背筋を預け、今少し偶然がくれたこのひと時を楽しもうと唇を酒精で濡らしていく。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
■カイン > 周囲を木の柵で整えられた共用の露天の岩風呂の中只、
初秋の涼やかな風を上半身に受けながら湯に浮かべた板の上に酒瓶を置き、
片手にグラスを手にした男が機嫌よさそうに湯の感覚を楽しんでいた。
鼻歌を交えながら少し弱めのワインを煽りながら酒気を帯びた息を空に吐き。
「はあ、こいつ中々いいもんだ。早々経験できるもんじゃねえな。
酒を用意してもらって正解だったかね」
店主には止められたのだがどうしてもと無理を言った甲斐はあったと、
笑いながら山を見下ろす形に作られた宿の外に見える風景とそれを照らし出す満月を眺める。
■カイン > 「ずいぶん昔はこんな所に宿なんてなかった気がするが、
ゆっくりできるようになってるってのは良いこったな。
正直マメさに関しては人間の真似事ができる気がしないが」
こんな所にわざわざ宿を作って運営するなんて早々に空きそうである。
埒もない事を考えながら酒を煽り、熱っぽい息を吐く。
と、手元のグラスが空になったのに気が付いて渋い顔で脇に置き。
「替えを持ってきてもらうか、それとも取りに行くか…
どっちもしたくなくなるくらいに居心地がいいってのも考え物だなあ」
上がりたくなくなるとすっかり惚けた様子で、両手を湯の中に引込める。
■カイン > 永らく湯船につかっていたものの酒が底をついてしまう。
名残惜しそうに用意してもらった物を湯船から風呂のふちに引き上げて湯を上がる。
あがったら別にもう一杯酒を飲もうと決めながら浴場を後にした。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイグナスさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 久々に風呂に入りに来た。それはいい、それはいいのだが。
――がら、っと混浴の露天のドアを開けはなち、ほうと漏れ出る白い呼気。
「さ、…さむ――……さ、むい…っ。」
がくがく、って震えた。腰に巻いた大きなタオル以外は全裸で、この寒風。
風呂はともかくとして露天はするべきじゃあなかった。
そんなバカみたいな後悔は後の祭り。
急ぎ足で岩でできた浴槽に辿り着けば、流し湯もほどほどにじゃぼん。
ようやく、生き返らせるような温さを感じ取って。
「ぅ、あー…………はー……。」
そのままずぶずぶって風呂の中に沈み込む。
なんというかようやく、人心地がついたという感じ。