2017/10/29 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──ウェーイ……」
夜。
湯煙の立ち上る露天風呂で、熱い湯に身を浸して変な声を漏らしている金髪の男が一人。
湯船の縁にぐでりと背を凭れ、満悦そうな表情を浮かべていて。
「……うむ、毎度のことだが見事な湯加減だと感心するがどこもおかしくはないな」
ウンウンと一人頷きながら呟くと、頭に乗せていたタオルを手に取り顔を軽く拭う。
それからなんとなく仰ぎ見た夜空に浮かぶ月は朧。
数秒それを見つめたあと、ふ、と笑みを漏らし。
「ほむ。最近はカラッと空が晴れる日もどちかというと少ないが……まああこういうのも風情として楽しむのが大人の醍醐味」
なんて言いながら、タオルをぽんと頭に戻した。
■エレイ > そうしてしばらく温泉を堪能し、やがてふらりと去っていった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 日々の仕事が一サイクル終わり、締めくくりにご褒美をちょっと。
斯様な心地で足を延ばした先は、知名度も高い温泉宿。
気分屋であると自分自身も知っているせいで、逗留するかは分からぬがと前置きしつつ、部屋も一つ確保した。
軽く腹を満たし終えれば、次は本丸たる温泉に繰り出すのが道理で、こうして屋外の岩風呂に浸かっているという次第。
露天といっても、全てが全て雨ざらしというわけではないようで、この風呂については東屋のような屋根が付属している。
さもなければこの雨の夜、落ち着いて入浴などできよう筈もない。
「雨音を肴に一杯…というのも風情があるのじゃが、聊か雨足が強過ぎるのぅ。
これではしっとりと…とはならぬ故、今一つじゃな。」
花鳥風月に限らず、物事には其々趣がある…という趣旨なら雅な話ではあるけれど、呑んだくれの肴談義だ。
甚だ俗物の妖仙は、小さな身体を肩まで湯に沈めて暖を取る。
秋も深まっており、外気が冷えているせいか立ち上る湯気は濛々と。
誰彼か、他の入浴客が現れたとて、かなり近くまで近づかなければ存在に気付き辛いかもしれない。
■ホウセン > 湯船に浸かるまで腰に巻いていた手拭いは、丁寧に折り畳まれて湯を囲う黒っぽい岩の上に。
細い手足を伸ばし、息を張り詰め、そこから緩々と吐き出しながら四肢の緊張も解いていく。
川の水よりも少しばかりとろみを感じる湯は、適温と呼ばれる温度帯よりも僅かに下。
庭園の風景を眺めながらのんびりして欲しいという心遣いの賜物か、それとも源泉の温度を上げる労を惜しんでいるのか。
ともあれ、身体を清めるよりも、温感であるとか、浮力によって重力から切り離された浮遊感を堪能しようという客には丁度良い。
「是なら行儀が如何こうと窘められる心配もありゃせんし、中々に贅沢なものじゃな。」
屋根があるといえども、雨の中を露天風呂で過ごそうという逗留者は稀なのかもしれない。
大人が十五人から二十人は浸かれそうな広さであるというのに、此処にいるのは子供子供した妖仙一人。
独り占めできているという事実に、少しばかり優越感が擽られるようで、芯まで温められて薄っすらと上気した頬が緩む。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフェゴールさんが現れました。
■フェゴール > (あまり代謝が行われていない上に精密な障壁を常に張っている為、正直な所風呂は殆ど不要ではあるが。それはそれとしてお風呂は好きな方だ。公衆浴場があると聞いての気まぐれな来訪。スレンダーな体躯に白いバスタオルを巻いて、浴場の入り口で仁王立ちしていた)
『ふむ……温泉、とはこういうものか。
まぁ、考えてみれば……誰でも料金を払えば入れる浴場というのも。
産まれて数百年で初めてか……』
(湯気で視界は良く見えない。術式は特に行使していないため、先ずはどうするべきかと周囲を見渡す。身体を洗うには桶で湯をすくうべきかと湯船の傍へ、木桶を片手に)
■ホウセン > 湯気で視覚を、雨音で聴覚を阻害されているとはいえ、妖仙は何者かの存在を察知する。
強いて感じた物に名前をつけるとすれば、”存在感”だっただろうか。
近い。それに接近してくる。
十把一絡げの人間ではありえず、人外としても並の存在ではなさそうだ。
と、そこまで読み解くも、身体は弛緩させたまま。
「んぉ…客人かのぅ。
先に湯を頂戴しておるぞ。」
湯気の靄の先、湯船にぷかりと浮いている子供にしか見えない先客が、ザバリと水面から肘を上げて気安い挨拶。
特段に臨戦態勢を取っていないのは、単に敵意らしい敵意を感じていないからに他ならない。
■フェゴール > 『……邪魔をする。……』
(先客が居たかとそちらに視線を向けるも。さほど興味を示した様子はない。
というより、現在。超高速で自分の知識をため込んであるデータバンクから温泉の作法を導き出している最中だったからだ。知識量は多いが、多すぎて普段使わない知識は出てくるのに時間がかかる。)
『…………。』
(岩風呂の縁にしゃがみこんでのかけ湯。身体に巻いたタオルが肌に張り付き。身体のラインを浮かび上がらせるけれど。湯気が多いか。それから、それなりに距離を保ったままで、特に談笑でも、という雰囲気でもないまま。少女はタオルを畳んで湯につかるのだった。男性ではあるが、ぱっと見子供なのであまり気にしていない。というかそもそも気にしない。)
■ホウセン > 黒い瞳に、黒い髪。
この辺りに出自を有していない形質にも、こんな深夜に子供らしい存在が一人でいることにも興味を引かれぬ様子に、逆に興味が湧いてしまうという天邪鬼仕様。
客人のいる辺りまで少し距離が残るが、仰向けの身体を俄かに翻して滑るように湯の中を泳ぐ。
「斯様な夜更けに湯浴みとは、お主も物好きじゃな。
嗚呼、静かにゆるりと過ごしたいというのであれば、分からぬ話でもない…が…?」
無駄に良く回る舌が、少しばかり闊達さを欠く。
真ん丸な目を、幾度か瞬きさせて、筋の通った鼻をヒクつかせる。
鼻腔に充満するのは主に温泉の成分に由来する匂いの筈だが。
「お主、何ぞ知った匂いがするのぅ。
誰ぞか儂に縁のある者が身近におるやもしれぬ。」
魔力とか気とか。
その波形の残滓を、嗅ぎ取ったらしい。
■フェゴール > 『…………』
(むぅっと押し黙っている早速顔が赤い。温泉の暖かさを楽しむために、いつも温度調整している障壁の一部を緩めたのだが。年中適温の中に居る少女に。これは少し暑かったようで)
『ん?……ぁあ、そうだな。
今日は家族が誰も家にいなくてな。暇だったというだけだが。
天気も……余り気にしたことはないが。
物好きと言えば、そうかもしれん。』
(なんだか少し喋りづらそうにしているのは、風呂が熱いのを我慢しているからだ。ちょっと力んでいる)
『君と私に共通の知り合いがいるという事かな?
鼻の良い事だ。……だが、初対面のレディに匂いだなんだとは……
少々無粋だぞ?……異国訛りの坊や?』
(スッと人さし指を立ててチッチと諫める。こちらから逃げたりはしないけれど。少しお姉さんぶった感じに見えるか)
■ホウセン > 湯の中で潰れた四つん這いになり、ぴょこっと首から上だけを覗かせている。
黒髪の襟足が湯に濡れているが、その辺りはお構い無しだ。
理由は単に肩を出すと寒いから等と、横着極まったものなのだろうけれども。
「呵々、是は失敬失敬。
何分、感覚的なもの故に、こう表現するしか術が見出せんかった故の仕儀じゃ。
大目に見るがよいぞ、物好きな娘子よ。」
からからと笑い声を漏らす喉には、まだ男性特有の突起さえも見当たらぬ年代。
語り口を訛り扱いされても気分を害した様子は見せず、あっけらかんとした声色で返す。
「して、言いたいことは、お主の言うたとおりでの。
共通の知り合いがおる気がするし、なれば答え合わせとしゃれ込みたくなるのが人情じゃ。
嗚呼、その前に名乗らねばなるまいか。
ホウセンじゃ。主に商いをしておる。」
相手のお姉さんぶった仕草に便乗しようというのか、小さな身体を更に接近させる。
まるで膝の上に乗せよとでも言いた気な、我侭オーダー。
■フェゴール > (目を瞑る、数秒。体感温度調整。少し低めに。そこで目を開ければ、ほぅと。一息を付く。岩風呂の縁を背もたれに、両手を広げて尊大な様子。足は横座りになっていたが。目を開けると異国風情の坊やの距離が近くなっていた)
『フェゴール=フォン=ヴァイツゼッカー。
気づいているかどうかは知らないが、まぁ、所割人間ではない。』
(近い距離に思わず笑みを零しつつも好きにさせたままで、軽く首を傾げて)
『君はどうだい?どうも、君には一風変わった魔力の流れが見えるんだが。
そうだな、異国の……ホウセンという名から察するに、シェンヤン辺りのなにがしか、かな?』
(距離が近ければ、見つめている目がわずかに発行し、細かな文字が浮かんで高速で動いているのが見えるかもしれない。分析中だ。)
■ホウセン > 愛でよ、甘やかせ。
そんな事を、臆面なく主張する輩が、遠慮の二文字と身近な道理が無い。
横座りしている脚の上にちょこんと尻を乗せ、狭い背中を少女の側へと預けようとする。
「フェゴール…のぅ。うむ、覚えたのじゃ。
出自は当たらずしも遠からずといった所かのぅ。
あちらと此方では術式の体系も違う故、少しばかり珍奇に見えるのも致し方あるまいよ。」
問いには回答と、韜晦を。
何ぞ身の上を探られているらしいと察するも、知られて困るような事柄はあまり無い。
是が人間相手なら面倒ごとも想像するが、人外同士ならさして支障なかろうと。
「して、件の匂いじゃが、どうにも儂の知っておる冒険者のそれに似ておるようでな。
曰く、元男で…と主張しておる娘っ子なのじゃが。」
ゆるゆるーっと脱力した身体は、クッション代わりに丁度良さそうなお手頃サイズ。
そんな妖仙が”答え合わせ”に一歩踏み出す。
■フェゴール > 『確かに、摩訶不思議。私は、もう少し大柄で筋肉とかお肉とかたっぷりな雄々しい男性が好みではあるのだが。』
(気づくと、膝に乗った坊やに軽く両腕を回して抱っこしているのだった。可愛い系も綺麗系もさほど興味がないはずなのだけれど。恐らく、目に何か能力のようなものがあったのだろうな、と。けれども、そもそも何かに警戒や恐怖をするという概念を殆ど持ち合わせていない少女は、好奇心のままにそれを受け入れていて)
『冒険者なら星の数ほどいれど、ちょうど私の傍にいる冒険者が元男の女の子となれば、流石にすぐに思いついてしまうなぁ。
セイン=ディバンか?……アレはあれでも私の旦那だ、勿論、男の時に知り合ったんだぞ?』
(とか言いつつ、ホウセンの頭に顎を乗せてみたりする仕草で、もとよりスキンシップを好む性質なのは伝わるか)