2017/10/24 のログ
イグナス > 身をゆだねて暫く。うとうととしてるのに気づく。
は、と体を起き上がらせて、慌てて出てく。ゆざめして風邪をひいても、ばからしい――

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にヴェオフラムさんが現れました。
ヴェオフラム > 住む場所も決まったのだから、久しぶりにお風呂に入って薄汚れた身体を綺麗にしよう。
そう思い立ち、以前から噂に聞いていた安く入れるお風呂へと訪れた獣娘は、入って早々人間世界の慣習に狼狽していた。

「―――……っ!!?」

受付のお姉さんに金ピカコインを渡したら、銀色と銅色のが沢山戻ってきたのだ。
たった1枚、しかも薄汚れてて、端っこの方は欠けてたのに、これは一体どういう事なのか。
もしかして自分は、お風呂に入るつもりで自分を身売りする危険な建物に入ってしまったのだろうか。
幼気なオレンジの瞳をまん丸にして、小さな両手に乗せられた沢山のコインと受付嬢の顔を行ったり来たり。
自分は奴隷になるつもりはなくて、お風呂に入りに来ただけなのだと説明したいのだが、人の言葉は良くわからない。
必死で頭を捻って言葉を選び

「ちがう、ちがう。ふらむは、ごしごしぽかぽか。これ、ちがう。」

受け取ったコインを一端カウンターに置いて、空いた両手で己の細首をぎゅっと締めるジェスチャーで奴隷の首輪を表現する。
その際、苦しげにんべーっと舌を伸ばした表情がツボにハマッたのか、お姉さんはこらえ切れずに噴き出して忍び笑いを漏らすばかり。
………困った。
そんな寸劇の最中も、常連と思しき男性客が一枚のコインを置いてさっさと廊下の奥へと消えていく。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「うむ…やはり、風呂と言えばこういう場所が一番じゃろうて」

うんうんと、自分の意見に自分で頷きながら、お風呂セットを片手に入ってくる。
別に風呂なんてものは、富裕地区にある己の式の邸宅にも、それなりに立派なものがある。
なのだが、どうも、そういう風呂場と言うのは慣れないもので。
こうして、必要も無い金銭を払い入るこの風呂場にやってきたのだ。
機嫌良さ気に耳を、尻尾を揺らしながら、受付に来るのだが…

「………して、これは新手の芸か何かかのぅ?」

受付前で何やらやっている少女を前に、受付の女性へと問うてみた。

ヴェオフラム > 背後より不意に届いた声音に、獣娘の大きな犬耳がぴくっと跳ねて顔を向けた。
幼気なその表情に浮かぶのは、受付嬢と同じ困惑の色。
最も、受付嬢の表情には忍び笑いが消え残っているのだけれど。

ともあれ、相手は己と同じく獣人族。
狐と犬、種族は違えどニンゲンよりは話が通じるはず。
そんな一縷の望みを持って彼女を見つめるオレンジ色の瞳。

とはいえ、状況説明をするのは受付のお姉さんである。
一番安い浴場の使用料は銅貨3枚。
フラムが出したのは型こそ古いが大振りの金貨であるため、相応のお釣りを渡したのだが、どうにもそれが通じていないらしくて困っているのだと狐少女に説明する。
受付嬢もまた、獣人同士ならば意思の疎通も容易いのではと、狐少女に期待を向けているようだ。

「フラム、ごしごし、ぽかぽか、する、したい。なのに、こんな……なにゆえ?」

小さな両手にずしりと重い銀と銅の釣り銭を、己と同じく小柄な、それでも頭一つくらいは大きな彼女に見せて問いかける。
小首を傾げて眉尻垂らした困り顔。
ふさふさの獣尻尾もへろーんっと垂れている。

タマモ > よく見れば…いや、よく見なくても、少女の方には獣の耳と尻尾が見えていた。
その少女からの視線が、思っていたようなものと違い、かくん?と首を傾げる。

が、なるほど、受付の女性からの話を聞けば、何となく状況は分かった。
ふむ、と軽く考える仕草。
少女の言葉に関しては、まぁ、普通に風呂に入って暖まろうとしているんだろう、程度は理解出来た。
…前にも似たような少女が居た、多分、金銭の価値がいまいち分かってないのだろう。
さて、どう説明したものか…考えている。

「フラムとやら、風呂に入りたいんじゃろう?それは分かるから安心せい。
それと、それはそれで合っておるのじゃ」

したい事の理解は教えておき、その手にある銀貨銅貨も合っている事は、まず伝えておく。

「この金貨は、この銀貨がこれだけの分だけ強い」

ちと金銭を借りるぞ?と受付の女性に断りをいれ、金貨と銀貨と銅貨を手に取る。
最初の説明と共に、金貨を一枚見せ、金貨一枚分の銅貨数枚を次に見せる。

「で、この銀貨は、この銅貨がこれだけの分だけ強い」

同じように、銀貨一枚と、銀貨一枚分の銅貨を見せた。

「フラムは一番強い金貨を出し、ここに入るのは弱い銅貨を3つ分だけ使うから、フラムにこれだけ戻ってくる訳じゃが…分かるか?」

とりあえず、分かり易く強弱関係を持ち出して説明はしてみた。
まぁ…理解出来るかどうかは、少女次第である。