2017/10/07 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にジードさんが現れました。
ジード > どこか惚けたような気が抜けた声が岩風呂に響いく。
商品の仕入れの帰りに立ち寄った宿の湯に魅了されて数日、暫し足止めを食っていた。
あまり人のいない時間を教えてもらって狙い通り、ほとんど独り占めの状況で
湯船に体を浸して弛緩したように息を吐き出し肩を揉む。
全身がほぐれていくような感覚に自然と上機嫌になるのも無理なからぬこと。
年寄り臭い事を自覚しながらも周囲に人がいない分隠す必要もない。

「良い湯加減だ、こうやって体をいたわるってのたまにはいい物だなあ」

ジード > 「旅の途中に立ち寄るのもいいが、今度はこの楽しみの為だけに来てみるかな。
 あんまり店を開けないでいるとそれはそれで文句を言われそうだが」

薬類やらを扱っているだけにそれ専門に取引している相手もいる。
代替の全く聞かない物ではないがそれで客先を失うのも業腹だ。

「いっそここで店でも――いや、無いな」

薬、とりわけ麻薬類や媚薬類などを商うのが今の主なのだから風紀を乱す
だけのものを売りさばいていればたちまち目を付けられるのは想像に難くない。
もともとこの近辺の治安は驚くほど悪いのだから拍車をかけてしまいそうだ。

「たまに立ち寄るだけにして置くのが誰にとっても平和そうだな」

そう結論付けて体を大きく伸ばして湯に深く沈み込んでいく。

ジード > 「さあ、って。倒れる前に風呂からあがろうかね」

眠り込んだが最後目が覚めないまであり得そうな心地に体に鞭打って立ち上がる。
のぼせないうちにと脱衣所の方向へと足を向けるのだった。
最後に一つ強めに吹いた風にくしゃみが漏れたとか。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からジードさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシドさんが現れました。
シド > 鼻先を擽る甘いような酒香。安酒にあるような臭みではない芳醇なワインの香。開放感を醸す露天の風呂から白い湯気を
帯びとなって立ち昇る。
匂いを嗅ぐだけでも良いそうな濃厚さ。酒精に慣れていると自負するこの身にも、酩酊とした気分を与えてくれる。
気付けをしようと掬い上げて顔に掛けた湯も、また紅海のような真っ赤なワイン。再び襲ってくる
脳裏に絡みつくような酩酊気分に胴をまろく傾斜させ。

「これは……入るより。名物として眺めた方がいいな…… 
うわ。今日は一滴だって飲んでないのに。」

ふらり、と滑る湯縁から落ちそうになる背筋を今一度持ち上げて腕を湯の縁に確りと掴む。
後方から掛けられる声音は、注文した酒を運んでくる給士。酒風呂に酒を飲もうとした趣向は……
既に赤くなった目元で相手に首を振り。

「いや、悪いがキャンセルだ。ここまで酒の濃度が強いとは思わなかった。
まさかワインを其の儘使ってるんじゃないよな?」

含み笑いを残して去りゆくその者を軽く睨みつけながら……
さてあがろうか。どうせなら酔いつぶれるまで居座ろうか。
皺寄る眉間を指で掻いて考え込む。

シド > 「あー、やっぱり無理だ。もう上がろう。体の毛穴中に酒を飲まされた気分だ。」

熱湯風呂からあがるかに勢い良くあがればすぐにシャワーで洗い流す。
更衣室についたときはぐったりと。家路につくときはふらつき
――あとは悪酔いに悩まされることだろう。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシドさんが去りました。