2017/08/14 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にセラさんが現れました。
■セラ > 浴槽と言うには大きく、深く。
水風呂と称されて満たされた水が満たされたそこは実質プール。
「海水浴もいいが、クラゲなどがいないぶんこちらもいいな」
浮輪の中心に腰かけ、ぷかりと水面に漂い浮かびながらのんびりと水に浸る人影ひとつ。
普段はどのように使っている機能なのかは知らないが、ぐるぐると巡る水流が作られて、ぷかぷかと浮かんでいるだけでゆっくりと水面を流れて周回していく。
屋内施設だけあって、気温も快適。水温も快適。
水から上がれば、売店だの臨時屋台だので飲食その他も充実。
隣のサウナや普通の湯で体を温めては冷やして楽しむのもあり。
夏の期間限定改装とのキャッチフレーズに誘われて足を伸ばした甲斐があったと機嫌はいいが、不満があるとすれば独り身の寂しさか。
なんとなれば、ちらほらと目につく他の人影にはカップルが目立つ。
いちゃついて、甘い雰囲気なんか出しているのを見るとぐぬぬという気分が湧き起こる。
幼いカップルならば、ひと夏の想いでかと微笑ましく見つめるが、年頃カップルだと目の毒。
「…………」
リア充とはあやつらの事かと、ぷかぷか漂いながらプールサイドを眺め。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフェロ―さんが現れました。
■フェロ― > 何時も通りに温泉に入りに来ただけなのに、気づけば期間限定の改装仕様。
でも気にせず入れば良いかな?と何も考えずに裸にタオルで行こうとしたら、当然の様に止められた。
そればかりでなく、男用水着のみで行こうとすれば止められもして―――珍しく倫理に厳しいものだと首を傾げてしまうのは、どちらがおかしいのだろうか。
取りあえずはパーカーを上から被り、これなら問題あるまいと、余り勝ちな袖をプラプラさせながら中へと入り。
そこはもう、温泉と言うより、プールだった。
そこかしこにおわすカップル達。わぉ、と驚いたように口元に手を添えながらきょときょとしながら歩いていると、ふと視界の端に浮かぶ人影が。
浮輪でのんびりと漂っている相手と、プールサイドに居る自分。はたと視線が合うと、あれ?と小首を傾げ。
「うん?…んー………うん、うん……あぁ!」
思い出した!と手をぽんと叩き。
以前、押し倒してしまった人だと思い出す。大してお話も出来ずに去ってしまい、申し訳なく思っていた人。
どうしようかな、どうしようかな、と迷う様に身をもじりと揺らしながら。
視線は合ってしまったので、曖昧にはにかんだような笑みを見せていた。一歩が踏み出せそうにない。
■セラ > 浮輪に乗ってぷかぷかと、くるくると水流に流されるままにプールを巡る。
それにあわせて流れゆく視界の中で、流れる人影のひとつと目が合い。
「……む?」
何やらこちらに心当たりがあると言わんばかりの反応。
だが、あまり記憶に引っかかるモノが無いなと首を傾げる。だが、なにやらもじもじと迷う仕草を見せるあたり、向こうにはしっかりと心当たりがある様子。
こちらは知らなくても、あちらが知っているという事もあるかもしれない。警戒や敵意が見えないあたり、接触しても問題も無さそうだとみてとり。
手で水を掻いて、水の流れから外れてプールサイドへと上陸すると、そのままてくてくと無造作に歩み寄っていく。
「失礼。以前に、どこかで会ったことが?」
記憶をひっくり返しながら、相手の顔を覗き込むようにして訊ねかける。