2023/07/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラッツィオさんが現れました。
■ラッツィオ > その酒場に市民の姿はほとんどなく、冒険者や旅人といった自由闊達で気性の荒い連中が賑やかに酒を酌み交わしていた。
物好きな市民が混じっていないわけではないが、無用なトラブルは避けるに限るということだろう。
現に2階に宿屋、1階に酒場を備えた広々とした店内は、報酬の取り分や儲け話の真偽を巡って、あちこちでケンカ同然の揉め事が起きている。
揉め事の起きている隣のテーブルでは、別のグループが全く意に介さない様子でジョッキを片手に歓談しているのだから、いかにこの騒がしさが日常風景であることが知れるだろう。
男の姿も、そのなかのひとつのテーブルにあった。
冒険者であると自称することはない男だが、仕事がないときは冒険者ギルドの依頼を請け負って日銭を稼いでいる。
なかにはひとりでは受諾のできない依頼もあり、単独行動の苦手な男も、別の冒険者たちと手を組んで依頼に取り組むこともあった。
今日は大口の魔物討伐依頼を解決した帰り、パーッと呑もうと誘われ店へついていったのだった。
「――ったく、てめぇがビビって逃げ出したりしなきゃ、ゴブリンのケツを小一時間追い回すこともなかったのによォ」
これで依頼を失敗していたら大喧嘩だが、解決した後となれば憎まれ口も笑い話の一部だ。
からかわれた魔道士らしき男は悪びれもせず笑い、他の屈強な男たちも声を上げて笑いながら酒を傾ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラッツィオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」にダヴィデさんが現れました。
■ダヴィデ > 宵も頃合い、酒場が賑わう時間帯。
ガヤガヤと賑やかな酒場のテーブルに複数の男たちがいる。
その中には男たちの半分ぐらいの背丈であろうドワーフもいた。
大ジョッキとも言える木樽コップになみなみと注ぎ込まれたエールをごっごっごっごっと喉を鳴らして飲み干していく。
口周りの錆色の髭に白い泡をくっつけながら、空になったコップを高々と突き上げた。
「ぶっはぁあああ」
ダンッとテーブルにそれを叩きつければ周囲から歓声が沸く。
ドワーフと相対していた男が「もうむりだああ」とテーブルに突っ伏した。
どうやら飲み比べの勝負をして、軍配がドワーフの方に上がったらしい。
「がっはっはっはっ、酒で敗けるわドワーフの恥ってモンよお。おい姉ちゃん、追加だ追加ァ!」
まだ飲むのかよ、と笑いが起きる。
さして珍しくもない、ある夜の酒場の風景だ。
男たちは職もバラバラで友人知人というわけでもなく、面白そうだからと見学したり、勝負を挑みに入ってきて敗けて賑やかしが増えたり、というだけのこと。
「浴びるぐらい飲む酒ってのァ、なあんでこんなに美味ェかねえ」
ドワーフの男は、酒が沢山飲めてご機嫌である。