2023/07/11 のログ
ご案内:「早朝の冒険者ギルド」にオルティニアさんが現れました。
オルティニア > 「はぁ~、だっるぅ。大冒険からよーやく戻ってきたトコなんだし、しばらくお休みしたかったのにもー」

文句たらたら早起きして、あくびを噛み殺しつつ冒険者ギルドに向かうのは、『金が無い!』という実にシンプルな理由から
簡単な仕事を受けて王都近くの森に入り、雑魚モンスターを調子に乗って狩りまくっている間に深部に踏み込んでしまい、オーガの群に追われ、迷い込んだ洞窟内でローパーの苗床となり、ようやく脱出したと思ったら山賊共にとっ捕まってしばらくの肉便器生活を余儀なくされて、先日ようやく王都に戻ってきたという背景を考えれば所持金が底をつくのも当然と言えよう。

虎の子の宝石を売っぱらってしばらくの活動資金こそ手に入れた物の、購入したばかりのマイホームはローンの支払いが滞った結果解約されてしまって宿暮らしに戻ったことを考えれば、早急に金を稼いで生活を安定させる必要があった。
そんなわけで爆乳エロフはヒトの世の世知辛さを呪いつつ、朝っぱらから冒険者ギルドにやってきたのだけれども―――。

オルティニア > 「――――……は? なにこれ、なんかイベントでもヤッてんの??」

唖然。
スイングドアを押し開き、ギルドに入った途端クエスト掲示板前の喧騒がエルフ耳をびくつかせた。
このエロフ、これまでは早朝からクソ真面目にクエスト確認などしたことがなかった。
そのため年中金欠の駆け出し冒険者による早朝の恒例行事を見るのもこれが初めて。
しばしの間翠瞳の美貌をぽかーんとさせて今にも殴り合いに発展しそうなクエストの奪い合いを見ていたのだが、見る間に依頼票を剥がされて閑散としていく掲示板にはっとして

「だぁぁああっ! ちょっとこら、ニンゲン共! あたしにも見せなさいよぉ! エルフ様がっ! エルフ様がクエスト受けてやろうっつってんのよこらぁぁあっっ!!」

むくつけき大男共が形成する人垣に割って入るだけのフィジカルを持たぬチビは、せめて依頼票の確認だけでもと小躯の踵を伸ばしたり、ぴょんぴょん飛んだりするものの、見えるのはむさくるし男達のうなじばかり。
Hカップの爆乳がその跳躍に合わせてばゆんばゆんと激しく揺れるも、今はそんな事気にしている場合じゃない。

オルティニア > 「む、むりぃ……こいつらどんだけ仕事に飢えてんのよぉ……」

息が切れるほどにぴょんぴょんし、ついには爆乳をぐいぐい押し付け強引に押し通ろうともしたのだけれど、筋骨の織りなす人垣は非力なエルフにどうこう出来る物ではなかった。
エルフ耳をへにょんとさせて細っこい双肩をがっくり落とし、壁際のベンチに移動しへたり込む。

「―――まぁ、高貴なエルフ様は下賤なニンゲン共とは違ってあーいう低俗な行いに参加したりはしないのよ。そう、単にそれだけ。別に負けたわけじゃないし」

大変に分かりやすい負け惜しみで気を取り直し、掲示板前が落ち着くまではと切れ長の双眸を閉ざし――――気付けば寝起きのエルフは夢の中。
目覚めた時にはまともな仕事はあらかた消え去り、数本の串肉を買ったら報酬が無くなるようなクソ仕事しか残されていなかったというオチがつくのもドジエルフの日常である――――。

ご案内:「早朝の冒険者ギルド」からオルティニアさんが去りました。