2023/06/07 のログ
ロスク > 酒の肴に揚げたじゃがいもなどをつまんだりして、ぼうっとしている。
こういうふうに何もせずに過ごす時間も悪くはないかもしれない、
そう思いかけた矢先に声がかかる。

「お、おう。好きにすれば?」

つっけんどんな返事。近づく相手の姿に若干おののく。
きれいな金色の髪、彫像のように整った目鼻立ちは貴族を思わせる。
ここにいるような人物としては少し浮いている気がした。

「あんたも冒険者?」

自分も暗にそうであると示し、何の気なしに問いかけた。

サウロ > 「ありがとう」

(驚かれたものの、嫌がられているわけではないようで穏やかに微笑む。
 店員にエールと軽い食事、お勧めの物を注文する姿は、貴族的特徴を持つ容姿ながら手慣れている様子。
 待っている間に声をかけられれば、軽く首を横に振る。)

「いや、僕は自由騎士だ。サウロと言う。君は冒険者なんだね。
 ……失礼ながら随分若く見えるけれど、大変ではないかい?」

(サウロが見下ろすぐらいの背丈だ。幼さの残す容姿に纏う装備は冒険者らしくはある。
 しかし年齢的には10歳前後に見られても不思議ではなさそうな彼に、心配そうに問いかける。)

ロスク > 「おれはロスキーリャ。ロスクでいい。
 言っとくけどおれ多分、あんたとそんなに歳変わらないよ。
 そういう出身だから……」

言ってから、あ、やべ、人間じゃないってバレたかな、と語末を濁す。
ロスキーリャの出身は見た目が幼い鼠のミレー族なのだ。
騎士を名乗る彼に露見すれば面倒な事態に発展する可能性はあった。

「コホン。ま、見かけで侮られることは多いけど……
 それ以外は不自由してないよ。結果が全ての職業だしな。

 自由騎士ね……この辺に来たのは警邏の一環?
 男でもあんたぐらい見ためがいいと、良からぬ輩に襲われそうじゃない?
 治安の悪さを助長してたりしてな~」

からかってニヤリと笑うと、身体に比して大きな椅子を傾けて
サウロの胸元を手の甲でこつんと叩いた。

サウロ > 「では、そう呼ばせて貰おう。
 ……そうなのかい?それは失礼した。見た目だけで判断してはならないね」

(そう歳も変わらないと聞けば、幼い容姿ながら成人済みなのかもと思い直し。
 外見が変わらない種族は人からすれば珍しいが、いないわけではない。
 エルフの血が混ざってるだけでも長寿の一端にはなるし、あまり公にはしないけれど
 ミレー族や魔族の血が流れている者も、幼い外見で年相応ではないと聞く。
 咳払いする様子には深く事情を話す気はないだろうと思い、頷くにとどめ。)

「確かに、エールを注文したら身分証を見せろと言われることもあるんじゃないか?
 ────ああいや、今日は非番でね。非番の日は大抵王都を散策するんだ。
 ……うーん、確かに貴族と間違われてカツアゲに合うことは結構あるかな。
 一般人が襲われるくらいなら、僕が狙われたほうが治安は維持出来ると思うよ」

(胸を叩かれれば、ただで襲われるつもりはないと笑って答えた。
 襲われる意味が普通に金銭目的であることぐらいしか考えていないようで。
 届いたエールと、芋と肉を焼いたものにチーズを掛けたつまみも届けば、軽く一口飲む。)

ロスク > 「“ちゃんとしたとこ”なら成人証明要求されることもあるけどね~。
 このへんはその辺無頓着だし。“まれびとの国”さまさまだね」

出身について詮索されないことに密かに安心し。
この国の人間としては、どこかのんきな返事にけらけらと笑う。
椅子を揺らしながらエールの盃を傾けて一気に飲み干す。

「あはは。襲われるっていうのはそれだけじゃないんだけど……
 殊勝だなあ! さすが騎士様だ。
 そういうことなら、おれがサウロのこと襲っちゃおうかな~」

椅子ごと近づいて、身体を寄せ、赤らんだ顔を近づけてくる。
どうやら酒で気分が大きくなっているようだ。

サウロ > 「一応、王国にも飲酒に関する法はあるからね?」

(何処の国にも未成年の飲酒を厳しく制限しているものだが、
 外見ではわからない時の確認を省く店は少なくない。
 生真面目に持ち出すも、酒の席で言うのも野暮かとそれ以上は黙して、
 代わりにフォークでチーズを伸ばしながら熱々の芋を口に運び。
 そうしている間にもエールを飲み干した彼が近づいてくればそちらを見下ろし。)

「あー……わざわざ僕のような男を狙う者もそういないと思うけれど」

(それ以外の、となれば少し考えれば彼の言わんとすることを理解して、苦笑する。
 赤くなった顔を近づけてくる様子には、酒に酔った冗談だろうと本気にはとっておらず、
 小さな彼の頭をポンポンと撫でて笑みを浮かべて。)

「僕より気をつけなきゃいけないのは君の方だろう、ロスク。
 もう酔ってるじゃないか、この後仕事はないのかい?」

(冒険者ならそこらへんは都合が付けられるだろうとは思うものの、
 どちらかといえば可愛らしい顔立ちをしている彼の方こそ襲われやすいのではないかと心配になる。)

ロスク > 「ま、どうせ襲うなら弱そうな女からなのはそうかもな……
 んーっ、おいこら~! こども扱いするんじゃない!」

頭を撫でてくる手に不平を垂らす声もどこかふわついている。
強く拒んだりはしない。

「今日はもう店じまいだよ~。雨も止みそうにないし。
 正直退屈してる。絡める相手が来て助かったよ」

指先でサウロの服の袖やら裾やらをたわむれにつまんでは引っ張っている。
酔っ払っていることを除けばこどもの仕草だ。

「サウロこそそのあとどうするんだ~?」

おれは部屋借りて寝るけど。と酒場の天井、宿になっている二階部分を指して。

サウロ > 「……この国では、女性や子供の方が犠牲になりやすいからね。
 そう言った人たちを守りたいとは思うよ。
 はは、すまない。つい。ほら、これを上げるから機嫌を直してくれ」

(トマトソースの味がよくしみ込んだ一口サイズのチーズが絡んだ肉を口元へ差し出す。
 熱いからね、と注意しつつ、外へと視線をむければまだ雨音は軽くなりそうにはない様子。
 退屈してる、と言いながら服の裾を摘まんだり引っ張ったりする姿は、
 子供扱いしてはいけないと思いつつも子供っぽさがあって、微笑ましくなる。
 弟がいたらこんな感じだろうか、と銀色の髪を撫でやり。)

「良い所に部屋を借りてるなぁ。それなら安心だ。
 僕は腹ごしらえをしたら、濡れるのを覚悟して拠点に戻るくらいかな。
 もう少し雨が弱くなってくれると助かるんだけどね」

(苦笑しながら、彼の借りてる部屋がこの建物内にあるなら、外に出て襲われる心配もなさそうで安堵した。)

ロスク > 「ほんとに絵本の中の騎士様って感じだな~。
 かっこい~惚れちゃう~」

頭を撫でれば、若く柔らかい髪質の手触りが応える。
本気でそうは思っていなさそうな、囃し立てる声。
口元においしそうなのが近づけられると、あむ、指ごと舌で舐めて口に含み、
それから機嫌よさそうに食べる。

「なんだ。じゃあ、結構すぐに行っちゃうんだ。
 もっとゆっくりしていってもいいのにな~。
 サウロいいやつそうだし、おれの部屋来てもいいぜ~?」

サウロの青い瞳をとろんとした眼差しで見上げる。
酔っ払いの絡みだ。適当にあしらってしまっていいだろう。

サウロ > 「褒め言葉として受け取っておくよ」

(何度か言われたことのある台詞だなと思いながら囃し立てる声に機嫌を損ねるでもなく笑って返す。
 匙ごと差し出したものが、指まで食まれれば流石にびっくりした。
 悪気なくやっているようだし、酔っているようなので怒ることはしないが、
 美味しそうに食べる様子にはつられるように穏やかに笑みを零す。)

「はは、魅力的なお誘いだが、またの機会にするよ。
 ロスク、だいぶ眠たげな顔をしてるよ。部屋までは送ってあげるから、水を飲んでから休むようにね」

(酔っ払いの相手は慣れているようで、柔らかそうな頬を軽く突いて見上げる視線に、年上っぽいことを言う。
 なんだかんだと結局子供扱いしてしまうのだ。
 エールと食事を取り終えて、代金をテーブルに置いたら立ち上がり、彼にも促して彼の部屋まで送るとしよう。
 このままでは鍵もかけずに寝そうだという心配からである。)

ロスク > 「はあ~い。わかりましたあ~」

夜更かしをしている子供さながらに、手を引かれて部屋まで連れて行かれる。
実際のところは言動が退行しているだけのただの酔っ払いだ。

「またなー、サウロ……」

部屋に入れば、ほどなくしてベッドに倒れ込んで寝息を立てはじめるだろう。
サウロの予想した通りである。
そうこうしているうちに、窓の外の雨も弱まってくるかもしれない。

サウロ > 「あ、こら、ちゃんと着替えてから寝なさい」

(手を引いて部屋まで連れていく姿は補導しているようにも見えるかもしれない。
 案内してもらい、見送ったもののそのままベッドに寝転がる彼に声をかけるが、
 あっという間に夢の中に落ちていった様子に苦笑して。
 せめてマントだけでも外してやり、そばに水差しとコップを用意して、起きたら飲めるようにしておき。)

「おやすみ。いい夢を」

(眠りについた彼にそう声をかけて部屋を出る。
 部屋の鍵は一度外で施錠してから、下のわずかな隙間から弾くように入れておこう。
 恐らくはきっと、起きたら気付く筈だ。もしかして踏んづけてしまうかもしれないが。
 そうこうしているうちに雨も弱まってきたようで、そのまま帰路へとついただろう。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロスクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にオウルさんが現れました。
オウル > ――冒険者ギルド。
平民地区に点在する冒険者ギルドのひとつ。
普段と変わらず冒険を終えたばかりの冒険者が酒のつまみに冒険譚を語らい、これから冒険に出る冒険者は依頼書を眺め、或いは新しいパーティーの仲間を探して声を張り上げている。

今夜も平民地区の住人と呼ぶには少々薄汚く、冒険者と呼ぶには少し陰り帯びた少年が一人で掲示板の前に立っていた。

「なるべく安全で安心で高給な依頼はないかなー?
 ないよなーあったら苦労しないよなー?」

開口一番はこれである。
自分の背丈よりも高い位置にある依頼書は眼帯をつけた眼と裸眼の眼を細めて睨むようにじーっと眼を細め、辛うじて読める依頼の内容を読みながら愚痴り、「次、次」と呟くと直ぐ傍に貼られた別の依頼書に視線を移す。

残ってる依頼はほとんどが高難易度か、1日で終わらぬ依頼かはたまたパーティー用の護衛の依頼とかで、ソロで受けるにはどれも難しいものばかりである。

臨時パーティー用……でもあればいいが、それもなし。
護衛で飛び入りが出来るもの……も全くなし。
あ、富裕地区のお屋敷の警護が……あるけど、ダメだ年齢制限と女性限定と書いてあった。

綺麗なお金を稼ぐにはこれしか手段を知らないのだが、何とかならないものか、若しくはパーティーに入れてくれる優しい冒険者とやらはいないのか、耳は喧騒に傾け、眼は依頼書を眺め、口は……思わず欠伸を噛み締めていた。

オウル > それから1時間くらいは睨めっこを続ける。
だが新しい依頼書が貼られる事もなければ、調度いい依頼も見つかる事も無く、両肩を落としてため息を吐きながら、踵を返して冒険者ギルドより立去るのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からオウルさんが去りました。