2023/06/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にテンドンさんが現れました。
テンドン > お昼頃の王都マグメールの平民地区内。
加工工房が数多く在る区画内。
それなりに人の行き来が散見される時刻。

「げほ、ぶあああ…地獄…煙突が詰まったからって清掃とか聞いてないし、もう」

そこに煤塗れで闊歩する。
普段の装いとはちょっと違って、幾らでも汚れても良いツナギの様な作業着。
分厚い手袋を嵌め込んだ手に布の切れ端を握り締め、自分の顔を少し拭った。
たったそれだけで顔中にこびりついている煤がべったりと布に張り付き黒く染まった。
けほけほ肺に吸い込んでしまった塵芥の一部が吐き出す涎や痰に混ざって黒いゼリーみたいになる。
辟易とした面持ちの歩みの背中には萎れた牛の尻尾がずるずる舗装された歩道に引きずられた。

テンドン > 「水、水、水……」

辿り着いた場所にある公共の井戸の所で井戸水を汲み上げる。
といっても滑車を用いた人力で引っ張り上げるタイプではない。
魔導機械を用いてポンプ式だ。
錆どめの赤い塗料が剥げ掛けている付設された機械のレバーをがちゃがちゃ力いっぱい押し引きし。

「ずさー!!!」

そのまま蛇口状になっている出水口の真下にへとスライディングのようにうつ伏せに入り込む。
ばしゃばしゃばしゃ!!!
忽ちにおいて怒涛の勢いで噴き出る水!水!水!!
完全無欠に綺麗!とまでは言えないし、飲用したらきっとお腹壊す奴だが、生活用水としては十分な程度。
日射の及ばない地下を経由する水の流れを滝のように浴びる。

テンドン > 「っ~~~っぎもっちいいいいい…っっ!!」

全身にまとわりつく煤や油の汚れが濯ぎ落されて行く。
洗い流された水は真っ黒に染まって水捌けの良い石面上に流れ、
そのまま設けられている排水溝の上にゆるい水たまりを作って、渦を描きながら吸い込まれていった。

「っっ~~っっ!!!」

そのまま膝を着くようにして起き上がりぶるぶるぶる!!
全身を獣のようにうち震わせて水を飛ばし。

「ぎゅ~」

長い髪の毛もすっかり水を吸ってしまっているのでその一房二房を手に取る。
そして雑巾を搾るみたいにして排水したものがびしゃびしゃと流れ落ちた。
ついでにまだ滴り落ちている水を口の中に含んで嗽もする。
がらがらぺっ。

テンドン > 「はー、人心地」

びっしょびっしょに水を吸ってしまった手袋を脱いでから手をぱたぱた。
晴天快晴だというのに豪雨に出会った直後みたいになって体に張り付いているツナギ衣装のポケットに素手を突っ込む。
引っ張り出した掌の上には駄賃に貰った貨幣がちゃりちゃり。
そのままぐるりと回れ右をするようにして区画内に店を出している屋台の方にへとステップを踏んで。

「おじさん。パンちょーだい。後そこで焼いてるハンバーグも。岩塩ある?胡椒も出来たら」

昼時の労働者たち相手に料理を販売している所に話を持ち掛ける。
鉄板で温めるように焼いていたバンズを二枚に、大人の握りこぶしぐらいは在るハンバーグを購入。
薬包みたいに塩コショウを小さな紙切れに。さらに購入したパンと肉を煤けている大判の紙に包んで貰って受け取った。

テンドン > 「っよっ」

そのまま工房の一つの壁際に立てかけてある梯子を使ってがちゃがちゃ屋根上にへと登攀する。
比較的に台形状の形状をしている屋根の端っこを腰かけ代わりにとすんと座して。
揃えた膝の上に買い付けた昼ご飯の紙を広げ。自前でバンズの間にデカいハンバーグを乗っけて挟み込む。
湿気を孕んだ岩塩を指先で潰してぱらぱら。胡椒も少々ばかり。
シンプルな味付けだ。塩が多めにしてあるのは滅茶苦茶肉体労働で汗かいたから。

「……今日もいい天気だー」

かけている場所からはそれなりこの区画内の景観を眺め渡せる。
雲の少ない青空の下にごちゃごちゃ犇めいている玩具みたいな町並。
あちこちの路で忙しなく色々な人や馬車とかがぞろぞろしているのが見て取れる。
高所に吹き付けて来る風は少し埃臭い。
乾いた空気の流動に湿っていた髪が自然に乾燥して行く。

テンドン > 「いただきまーす。はぐ。んぐ。むぐ……」

大きな口を開けても入り切らないハンバーガーを口いっぱいに頬張る。
野菜とかない。肉とパンだけ。シンプルに美味い。
ぱたぱた気づけば勝手に長い尻尾が揺れている。

「風があったかいっていうか、暑い、って感じになって来たよね。これからまた夏到来になるのかなあ…嫌だなあ…今年のおてんとうさまは手加減してくれるといいなあ…スイカとか早く出てこないなあ、店頭に」

一人の食事は気楽なものだ。邪魔の無い屋根上でもりもり呟きながらパンをかじっている。
先程まで狭い場所に潜り込んでいた両手足を労わる為にのびーと思い切り両足を前にへと放り出し。

テンドン > 「ん、ごちそーさまっ」

ぺろぺろ手指についたしょっぱいパン屑を舌で舐めた後に、ぱんっと手を打ち合わせる。
休み時間を終えて梯子を下りて、労働従事のバイト中の工房にへと向かうのだ。

「午後もお仕事だ~」

水分補給に果実を搾った水を一瓶買い付け、仕事にへと戻るのでありました。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からテンドンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にロスクさんが現れました。
ロスク > そろそろ新しい仕事を見つけないとな、と思っていた矢先の雨。
雨を凌ぐために飛び込んだ酒場で、冒険者ロスクは足止めを受けていた。
いつ止むだろうかなどと考えながら、窓の外、憂鬱に雨の降るのを眺めている。
テーブルに置かれたエールを、ちびちびと飲みながら……

「ひょっとして今日は一日こんな感じか……?」

せめて内職でもできればなあ、とため息をつき。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサウロさんが現れました。
サウロ > (降り出した雨を避ける為にそこかしこの建物に駆け込む人々が見える。
 サウロもまたその一人で、近くにあった酒場に入り雨風をしのぐ。
 折角の非番に街を散策していたが、休息するにはちょうどいいかと思うようにして。
 店内を見れば同じように雨宿りにきた人で席がほとんど埋まっており、店員が相席をと願えば、それに頷いた。
 先にテーブルで一杯、エールを少しずつ飲む小柄な姿を見れば、その席へと足を運ぶ。)

「どうも。ここの相席、いいかい?」

(他にも席はあったが、どう見ても未成年──小柄な少年に見える彼がこの場にいるのが気にかかったという理由だ。)