2023/05/26 のログ
■ヴァン > 館内は静かで、落ち着いている。
誰もがそんな時間を満喫しているようだ。困っている人は見当たらない。
男は満足そうに何度か頷くと、受付カウンターの奥、執務室へと引っ込んでいった。
文書・企画の作成、予算の捻出。困っている人達はこの部屋に集約されている。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > からんからーん♪
盛大に鳴り響くベルの音。
外部から冒険者ギルドの扉を開け放つ。
ずんずん人の行き来がそれなりにあるギルド内を大股悠然闊歩!
海千山千様々な人種種族年齢男女問わずごった返す坩堝の最中を渡り受付の方へとGO!
「すいませーん!資料室の利用をお願いしたいんですがー!」
スタッフサイドで忙しそうにしている受付さんの一人にへとそのまま声をかける。
背丈的にはデスクより少しばかり低い位置、にょっきり伸び出ている立派な角ばかりが揺れていたが。
そこに腕をかけてつま先立ちの背伸びをするようにして顔を覗かせる!
■テンドン > 間も無くして受付さんが来てくれた!
にこー!営業で慣れている愛想の良いスマイルを先手必勝に振りまく!
「お仕事お忙しい中ゴメンナサイ。手続きの方を…」
間も無くして受付さんは資料室利用に関する準備をしてくれる。
申請の為には、向こうの書類に名前を書く必要が有るのだ。
「あ、ボク文字の読み書き出来るんでえ」
代理を申し出てくれる親切な受付さんにめちゃドヤ顔を披露しながら、背伸びっぱなしの姿勢でさらさらさら。
借りたペンに黒インクの文字を羊皮紙に連なる利用者名の欄に自分の名前を一筆書き込んだ。
手続きは終了、利用時間の指定をされる、余り長時間屯していてはいけないのだ。
「有難う御座います!」
お礼をした後に回れ右、ギルド内に敷設されている資料室側にへとさあ向かう。
ぶんぶん長い牛の尻尾を振りたくりながら。
■テンドン > ギッ。
蝶番君などの調子が余り良くない軋みを立てて扉は開いた。
膨大な量の資料が保管されているギルド内の一室は知識の宝庫。
犇めく本棚がずらずらり、そこにいかにも賢そうな面々がテクテクしているのも見て取れる。
図書館の司書さんみたいな管理者も居るみたいだ、時折に利用者の質問の受け答えをしていた。
「…何処がいいかな」
きょろきょろ見回す。持ち出しは基本的には厳禁。閲覧する為のデスクが幾つか此処には準備されている。
先程までのギルド内の喧噪から転じて此の中は大分静かだ。
というよりも此処では静かにしなければならない、という圧力が満ち満ちている。
故に少しばかり立ち振る舞いは自然と抑えめになった。堂々と伸ばしていた背筋も少し丸め気味。
足音も殺して抜き足差し足忍び足…。
「って、これじゃ泥棒みたいだね。アハハ」
■テンドン > 移動中において書架を指差し点検、必要な資料を発見。
何と少しばかり高い場所に在る、背伸びでも届かない高さ。
「よっっっ!!」
膝にバネを溜めてジャンプ!
本棚に収納されている羊皮紙の束を一冊引っこ抜いた!
そのまま華麗に着地。
「……あ、返す時どうしようかな。司書さんにお願いすればいいか」
そしてさしてその場に留まる事もなく
適当な場所を見繕った、余り広々とは言えない空間内の片隅の席に到着。
■テンドン > 椅子を引いて、腰をかける。
「……うお」
丁度目の前に在るデスクの高さと椅子にかけた時の座高のバランスが良くない。
張り出す立派なお乳が邪魔になってつっかえてしまうのだ、邪魔!本読むどころじゃない!
「これじゃ駄目か。え、と」
さりとて周囲を見回しても別の椅子や塩梅良さそうなテーブルは無い。
きょろきょろ周囲を見回した後に書架の一つにへと足を運び直し。
「ちょっと失礼シマス」
ざくざくそこに収まっている本を幾つか手に取った。
特に本のタイトルや内容などは選ばない、読む為のものではないので。
■テンドン > 確保した本をばさばさばさ!先ほどの椅子の上にへと丁寧に積み上げた。
そしてそれを尻に敷く、身をゆすって安定を確認。大丈夫、ずれたりとかはしない、ちゃんとしてる。
「筆者さんゴメンネ」
此処には居ない本を作った関係者たちに小声で謝りつつも寛ぎ直す。
座高は塩梅も宜しく稼がれた。これで問題なし。
つっかえていた乳袋はデスクの上に勝り、張り出す胸井はずっしりと卓上にへと休める事が出来るようになった。
人心地の呼吸、ふひゅ。
その代わりに両足は地面に着かなくなりぶらぶら中空に揺れる。
若干不安定だが大丈夫、落ちたりしなければ。
「っし……」
準備万端。そしてテーブルの上に肝心の資料を広げた。
今度配達に行く地域周囲の地理情報筆頭だ。
手持ちのパピルス紙に携える筆記用具を用いて必要な部分の写本を始める。
読むだけではなく書く事も出来る識字の力よ。
■テンドン > 今は昼時、こっそりと先ほどの受付の目を盗んで隅の席に持ち込んだ飲食物。
温かいコーヒーに砂糖たっぷりとクリームを塗したドーナツ群。
油紙に包まれていたそれを卓上の片隅にへと広げる。
余りこの場所は採光されていないエリアの為に、ひっそりカンテラに灯す蝋燭の炎。
「ふーんふふーん♪ドーナツはどうして穴が空いてるのー♪それはボクが食べたからー♪」
鼻歌まじりに確保した資料を開きぺーらぺら。
片手にドーナツ、片手にペン、地図や文面を書き写しさーらさら。
仕事の為の前準備をちょっとだけ優雅に此処で費やす事になるのでありました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」からテンドンさんが去りました。