2023/05/23 のログ
ご案内:「王都マグメール コランダム天蓋広場」にジン・ジャオファさんが現れました。
ジン・ジャオファ > 平民地区、コランダム天蓋広場。
六方の道の結合点にして王都の広場の中でも有名な名所の一つ。
空からの直射日光を遮る天蓋布は魔力性のある糸で織られているのだろう。
寒すぎず暑すぎず、心地よい風が広場の中へ流れてくる。
噴水を中心に周囲に多く並ぶテーブル席は、スクエア型にラウンド型、広場の外観に合わせてちりばめられ、周囲には出店屋台もあり、その他にも掲示板や舞台など、人々の寛ぎと休息の場となっている。
昼過ぎの落ち着いた時間帯、北側にあるラウンド型のテーブル席の一つに腰を掛け、手には煙管を持ち、紫煙をくゆらせる男が一人。
長い黒髪に、鬱金のように暗く妖しい双眸。露出部分のほとんどない帝国風の旅装衣裳。
テーブルにはアイスティーと竹で出来た鳥籠が置かれている。それには布が被せられ、中身を覗くことは難しいだろう。

男はこつこつと時折煙管で籠を叩く。
中からはシュゥと、掠れた鳴き声。動物の類ではなく、それを聞く者に知識があるなら蛇であると分かるかもしれない。
何をするでもなく、穏やかな午後を楽しんでいるだけの一般人──ただの旅行にきた観光客。

貴方がそれ以上の知覚能力を持つならば、明らかに外見と中身が一致しない、異様な存在であると分かるかもしれない。
ともあれ、男は煙管を咥えては煙を吐き、舞台に上がる楽団の奏でる音色に耳を傾けていた。

ご案内:「王都マグメール コランダム天蓋広場」からジン・ジャオファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ > 「――……ッたく、なんつうシケた仕事だ」

男は平民地区の片隅にある酒場でカウンターに腰掛け、今しがた依頼主から受け取った報酬の中身を確認していた。
無論、報酬の取り決めをせずに仕事に取り掛かることはない。
なので渡される額は分かりきっていたことだが、イロがついていないか多少の期待はする。

「まァ、客の溜まったツケを払わせてくれなんてガキの使いみたいな依頼じゃ、こんなもんか。
 相手がヤベェのじゃなかっただけ、幸運だったと思っておくかな」

本日の収入は微々たるものだったが、日々の暮らしに四苦八苦するほど懐が寂しいわけではない。

仕事を終えた後は、酒と女。
店内を広く見渡すことのできる位置のカウンターから、目に留まる相手がいないものかと視線を巡らす。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラッツィオさんが去りました。