2023/04/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるため出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラリーさんが現れました。
ラリー > 「…っと」

ふと、手を滑らせて文庫本を床に落としてしまった。
緩慢な動作で立ち上がってそれを拾い上げ、ぱっぱっと埃を払ったところで
来客を告げるドアベルの音が響いた。
わずかに目を細めながら改めて椅子に腰を落ち着け、これから店内に現れるであろう
客の姿を見定めようと視線を向けて。

ラリー > しばらくして、店の扉には『閉店』の看板が掛けられ…
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラリーさんが去りました。