2023/02/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 今夜はやけに暖かい。

昼間が曇り空で地熱が空に逃げて行かないからか、風がないからか。
はたまた酒が入り、感覚が麻痺しているのか。

男は酒場の前に椅子と机を出し、一人くつろいでいた。
テーブルの上にはマグカップ。微かに湯気が立っている。
中身はコーヒーに男の地元のウィスキー、そして申し訳程度の生クリーム。
故郷の名にちなんで、男はそれをラインメタル・コーヒーと呼んでいた。
寒い中飲むには格好のアルコール飲料。特に空を駆ける竜騎兵に好まれるという。

一口、二口と口にしつつ、男は月を眺めていた。
どこかぼんやりとした目をしている姿は、みようによっては意識がないようにも見受けられる。

ヴァン > 熱い褐色の液体を飲み、長く息をつく。白い息はすぐに夜に紛れた。

この酒場が住宅街にあるからなのか、通りに人気はない。
夜も更け、酒場から三々五々客が帰路についていく。
彼等と挨拶を交わしながらも、男は動く素振りを見せない。
この酒場兼宿屋こそが、男の帰るべき場所だから。

「冬は乾燥するからエールを飲む、ってのもいいが。
温かい酒というのもまた定番だな」

屋内では男の酔狂な行いを店主が醒めた目で見つめている。