2023/01/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 夕暮れ時、夜が間近に迫った時間帯。
昼間は晴れていた空が曇り、あまつさえ雨すら降ってきた。
冬の雨は骨身に染みる。銀髪の男は周囲を見渡すと、進行方向とは別の場所へと歩き出す。
数分後、辿り着いたのは小さな教会。家一軒分のつつましい造りで、庭すらない。記憶が正しかったことに満足そうに頷く。
鍵はかかっていなかった。扉を開けて、すぐ近くにある長椅子に腰掛ける。風雨を凌げるだけで暖かく感じ、ほっと息をついた。
司祭なりシスターなりが現れたなら、入ってきた目的ぐらいは説明しよう。
神殿騎士団の所属を示す聖印はあまり歓迎されないだろうが、軒先を借りるだけならば許容してくれるだろう。
座ってから建物に人気がないことに気付く。がらんとしており、しばらく使われていないようだ。
立ち上がり、祭壇へと向かうと張り紙が目に入った。教区の合併でこの教会が使われなくなったことが書かれている。
では、なぜ鍵がかかっていなかったのか。不思議に思いながらも、男は雨が止むまで外に出る気はなさそうだ。
首を傾げながら、扉にほど近い長椅子に再び座った。