2022/12/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 裏路地」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > その日は静かな雪が降る夜。
先日は斜めを剥く半月が印象的だった日だったというのに。
そう、まるで吊り上がった左目 それを思わせるような半月だった。
それが今夜は、雪雲に覆われ、粉雪が静かに降っている。
鬣をファーに仕立てた馬革のコートを羽織ったまま、メイラはその長い黒髪をさらけ出すまま
黒髪の頭部にはうっすらと雪が積もるのが目立ち始める。
白い吐息と共に、貴族淑女ならあり得ない。
馬車も供回りもなく、平民地区の路地裏へと入り込んでいく姿は正に異常。
最も、メイラからしてみれば、貴族淑女からしてみれば気絶するような光景もメイラにとっては常日頃なこと。
ふらりと平民地区を出歩く事もあれば 食事すらそこでとることもある。
なら今ここで路地裏に入り込むような、表通りの死角に行くような真似はと言えば
それはきっと 理由があってのことである。
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平民地区 裏路地エリア
―――“ギィンッ!”―――
裏路地の明かりも乏しい中 周りには足跡すらなくうっすらと白が覆う裏路地エリア
メイラの足跡が黒く残る中で、他数人の足跡が乱れ奔る。
メイラが愛刀で鍔競り合う顔も隠れるローブ姿。
倒れ伏す杖持ちが赤を辺りの白に染み込ませて倒れ伏す中で、メイラはこの一時の襲撃に対して
そのギザ歯は三日月を描き、口角を描く。
■メイラ・ダンタリオ > 通り魔 不意打ち 暗殺 奇襲
色々な言葉が浮かんでは消えていく
戦場とは違う街中での闘争。
メイラに刃を向ける理由を持つ者は実のところ多い。
王以外には平等 王に 延いては国の為となり喜ばれるならばと全てを捧げ怪力を振るうメイラ・ダンタリオ
その縛られない 縛られすぎない在り方は肥え豚貴族らからすれば実に忌々しい存在。
死んだ英雄だけが良き英雄 とまではいかないが 度の過ぎた忠義は欲望に身を捧げた者らを曇らせる。
先日だって、優秀すぎる魔導士をアスピダ戦線が終わるまでの間引き抜いたばかり
しかしその引き抜きの期間だって、知らぬうちにきっと手元にずっと置いておこうとするだろう。
周りの武芸者の口添えや懇願でもなければ、バランスを維持するために力と力を分けることは必然なれど
メイラを納得させるものでなければ、メイラは手放さない。
手柄を横取りできる便利者だった魔術師がメイラの元で自由度を手に入れた。
それを好まない者らがこうして襲撃を企て、怪力令嬢には似つかわしくない
大鉈や大剣ではなくサーベル意識に思える刀を腰にしているときを狙った一撃。
しかし、銀閃 剣花 通りすぎる銀の線 交差する剣撃から咲き散る剣の火花 剣花
言葉などいらない 剣で放ち剣で応える時間
舌舐め擦りもなければおどけもしない 無味無言の剣は職人気質を感じさせるもの。
メイラ自身、獰猛な三日月の口元 ギザ歯を魅せながらも、片足を切り飛ばしてから
ガクリと体勢が崩れたそこへ、袈裟斬り 胴薙ぎ 回す片手逆手握りの柄頭を鼻先へと叩きつけて、倒れ伏す赤が広がる光景。
振れなくなった者は邪魔だと言わんばかりの、場外飛ばし。
ビシッと振りぬいた刀身から、赤が滑り落ちていき、弧月を描いて一番先が伸びて消える。
白い吐息が、より白く染まる光景の中で、襲撃者らと刀を握るメイラは、この雪夜の舞台
ジリ、ジリとお互いの場を埋めようか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 裏路地」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。