2022/11/23 のログ
ヴァン > 手元の紙に書き終えたか、インクが乾くのを待って丁寧に二つに畳む。
封筒に入れると封蝋を施す。店の奥から出てきた店長に依頼を口頭で伝えると、店内へと視線をやった。

「この景色ともしばしお別れか……俺がいない間、あまり好き勝手しすぎないようにな」

店長に釘をさすと、露骨に不満そうな反応が返ってきた。苦笑しつつ、立ち上がる。
ゆっくりと店内を歩き、壁や備品を眺める。長い時間をこの建物で過ごし、感慨深そうな表情になった。

ヴァン > 「さて……眠るとするか」

名残惜しそうにカウンターテーブルを撫でると、男は階段を上っていく。
酒場にはただ一人、黒髪眼鏡の店長だけが残された。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に種喰らいの獣さんが現れました。
種喰らいの獣 > 暗がりに紛れてしまうような黒塗りの大型犬が、のしのしと路地裏を歩いていた。

久しく空腹を覚え、実績ある狩り場の路地裏を練り歩いているところ。
淫魔から頂いた力を用いて、取り込む価値ある雌をこそ誘う催淫の匂いを振り撒いて進む。
ただの町娘になど作用しない。一定以上の魔力だの、妙な能力だの。そんな因子に作用して、誘惑する。
そういった点では街とは上手く折り合いがついてると言えるのか。
ごくまれに何の能力もない駆け出しが引っかかることもあるようだが……。
それは恐らく『母胎』、『苗床』としての相性が故だろう。

狙われた雌にはたまったものではないだろうけれど。
獣はそんなこと気にかけるはずもなく。

すん、すん。
時折鼻を鳴らして。
探るのはやっぱり、若く、瑞々しい雌の匂い。