2022/10/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にローウェルさんが現れました。
ローウェル > 「ねぇ、そこのオネーサン、今から軽く1杯引っ掛けに行かない?
 え? これから山のほうまで賊退治?
 いやーオレはちょっと今日、肩の具合がよくなくてさ、せっかくだけどまた今度ってことで」

青年は冒険者ギルドで好みの女性を見つけては、ナンパをしていた。
だが成果は芳しくない。
それも当然のこと、依頼を見つけて仕事に出ていく者が大半だからだ。
しかしなかにはちょうどよい仕事が見つからなかったり、依頼の失敗を報告に来たりなど、鬱憤の溜まっている冒険者もいる。
そういう冒険者を引っ掛けて、宿にしけこもうという魂胆だったわけだが。
よそ見をしていたせいで誰かと衝突し、さして体格のよくない青年は少しばかりふらついた。

「おおっと…! ごめんごめん、ちょっと前見てなかったわ」

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からローウェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアナベラさんが現れました。
アナベラ > 今日ものんびり、仕事が休みであるので昼間でだらりと過ごし
夕方には酒場へとやってきて飲み始めていた。
金だけはあるので、色々な酒を飲みながら、マスターに絡んだりと
一人の時間を満喫しつつ。

「あー…だっり…今日も帰んのがだりぃ」

来るのはいいのだが、帰り、飲み始めて帰るのは何でこうもだるいのだろうか。
大きなため息を吐いては、グラスを呷り、ボトルから直接酒を注ぐ。
完全に女として終わってんな、とか思考を回す。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヨハンさんが現れました。
ヨハン > カランカラン、とその酒場へと来客する者が一人。
きょろきょろと、この店に来るのは初めてなのかその青年は店の中を見渡して。

「(うん、なかなかいい雰囲気……だけど、結構お客さんいるな)」

混んでいる、というほどではないが、中々人がカウンターに座っている。
見れば、空いている席はちょうど右端の最後の一席だったようだ。

「お隣、失礼しますね」

そう左隣にいる、背の高い恐らくは年上の女性へと軽く声をかけながら。
マスターに適当な今日のおすすめを聞いて、それを頼むこととする。
ふぅ、と疲れたような一息を吐いて、お冷を一杯呑む。

アナベラ > 「失礼されるわー」

失礼しますとか言うので反射的にそんな言葉を漏らし
グラスを傾けていれば、マスターにおすすめを聞いたので
今日もどうせローストビーフだろうなぁ、と思考を巡らせていれば。

「あん?」

なんか聞いた声に、顔を横に向けてみる。
黒髪に青い瞳にその横顔は見たことがある、というか見知った顔であった。
彼をじぃっと眺めた後、グラスを置き、頬杖を。

「よぉ、ヨハン。挨拶は"失礼します"で合ってるかぁ?」

チンピラのように絡み始めたが
隣りに座った彼は、奇しくも幼馴染である。
その幼馴染が自分に気づいていないので、ひくりと口角が引きつった。

「ずいぶん久しぶりだからしょうがねぇかぁ? あぁ?」

叶うならば、その彼の首筋に片腕を回し、酒臭い息を吐きながら顔を近づけるだろうか。

ヨハン > 軽い返事を頂きながら椅子を引いて座る。
おしぼりでその顔をぬぐうと、その顔はまぁまぁ整っている青年だった。
髪の色は黒、短めに揃えられており、瞳の色は深い海を思わせる碧をしている。
服は黒と紺色でまとめられており、背丈は彼女より少し上、という程度だろうか。

「ん……」

自身を見つめる視線に気づいて、その顔を隣の女性へと向ける。
彼女もまた短めに揃えた金髪であり、顔は少しキツめで瞳は赤い。
何よりも目を引くのは、まるで男を誘惑するような服装と体だろうか。
しかし……。

「えっ、あっ、アナ姉ぇ?」

その顔をよくよく見た瞬間、青年の顔が女と同じように引きつった。
不器用な笑みを浮かべて、とてつもなく困惑したような声と共に。

「ご、ごめんって!つか酒臭っ!もうそんなに飲んでるのかよ!」

首に彼女の腕が回されて、ちかづく彼女の臭い―――など一切なく。
あるのはアルコールにまみれた酒の臭いのみで、一気にこの店の雰囲気が消し飛んだ。

「気がつかなかったのは謝るけど、おぇっ!くっさ!顔近づけないでよ!」

アナベラ > 正直、好みの顔だとは前から思ってはいたのだけれど
久しぶりに見てみれば、成長して、更に男らしくなっている。
ずいぶんと育ったのだな、と気持ちが暖かくなる。
そして、無事でよかった、とも。

「おぉ? 覚えてんじゃねぇかこらぁ、あぁ? 俺と会えて不満か? おん?」

だから、テンションが上ってチンピラのように絡んでしまうのも仕方のないこと。
けれど、自分を見て顔をひきつらせて、困惑した声に不満そうな顔つきとなり。

「わりぃか? こちとら夕方から飲みっぱなしじゃおら」

ついでだから酒のおすそ分けでもしてやろうと酒臭い吐息をさせる
その顔を近づけたら物凄い失礼な言葉が飛んできたので
額に青筋浮かべて思いっきり端正な顔に息を吐きだしてやる。

「はぁー……キスしてほしいって? しょうがねぇなぁヨハンはぁ!」

ぶちゅう、と思い切り頬へと口付けたのならば。
顔を離して、顔を近づけさせたままにニマニマと、玩具を見つけた顔へと変化した。
どうやって困らせてやろうか、どうやって楽しもうか、という魂胆が顔から分かるようだろう。

ヨハン > 久しぶりに会う姉貴分の顔は、そう―――とても残念なものであった。
再会の余韻なぞあったものではない、ただただ酒にまみれたその息と顔。
真っ赤になってこちらを見る顔は、ただの酔っぱらった顔に過ぎない。
しかも酒臭い息を思い切りこちらへと吐きつけて来るではないか。

「不満じゃないけどさぁ……。もっとこう、あったじゃん!やっぱり不満だよ!」

髪の毛を搔きむしって、シチュエーションもクソもない再会の仕方が実にショックだ。
こう、もう少しロマンティックな再会は出来なかったものか。

「セーブもせずに飲み続けたのか?もっと体労われよ!今だともう30になるだろ?」

そんな風に、気安く扱いつつも酒気の帯びすぎた吐息にさらに顔をゆがめる。
物凄い失礼なことをした覚えがあるがこれは当てつけにしてもひどすぎではないだろうか。

「は?」

反応する間もなく、頬に彼女の唇が当たった。
柔らかな女の肌―――そんなロマンチックな表現など一切なく。
ただただ不愉快な感覚が頬に走って顔をしかめて。

「はぁ~。再会がこれって、マジ……?」

そう額を抑えて、頭が痛そうにうつむく。

アナベラ > まぁ、今の自分がとても残念な感じであるのは分かる。
完全に酔っ払いであるし、久しぶりの再会がこれだと、確かにあれかもしれない。
それをすこし考えたけれど、面倒、の一言で脳裏で切り捨て、
髪を掻き毟る様子をゲラゲラ笑いながら眺めるのだ。

「ひっひっひ、こんなもんさ。俺はもう汚れきっちまったんだよヨハン」

シリアスなことを言っているものの、顔は思い切りニタニタとしており
ボトルを横にしてグラスを傾けている様子はもう飲兵衛。
けれども、年齢の話になると、小さく吹き出して。

「はー 年齢の話してくる。はぁそう…ふーん? あんなに必死に腰振ってたお子様がそこまで言えるようになったか。
 お姉さんは嬉しいねぇ? 泣きそうだよ。えーん」

あの時よりエロいだろ? なんてグラスを置いて、片胸をゆっさゆっさと揺らす。
まるで女の体におっさんの精神が入っているようである。
控えめに言って酷い。

「ヨハンの美味しいほっぺたいただきましたぁ!」

唇を離したのならば、満足気にグラスを手に取り
殻になっていたグラスにボトルから酒を注ぐ。ケラケラ笑いながら。
顔をしかめている彼のことはまるで気にしていない。

「いいじゃねぇの。こういうのも。小さい頃を思い返すようだぜ」

そんな事を言うが小さい頃はボトルを片手にはしていないし
グラスをぱかぱかと呷ってもいない。

マスターが、気の毒そうな視線を向けながら、
肉塊かと思えるほどのローストビーフを置いてくれただろう。

ヨハン > ゲラ笑いをしてすっかり酔っぱらっている彼女を見て、あぁ、そういやこんな女だったな。
などと昔の記憶を引き出す。ガサツで、乱暴なのは村から抜けてここに来ても変わらなかったらしい。
むしろこうやって酒癖が出来たことでひどくなっているかもしれない。

「汚れきってるのはわかったけど、せめて綺麗になる努力はして欲しかった……」

彼女の笑顔とは対照的に、青年の顔はどんどん沈んでいく。
項垂れて、彼女が首に手を回していなければカウンターに突っ伏していただろう。
それほどまでに一気に疲れてしまったのだ。

「お子様って言うけど……あの時、指名されなくて困ってるって言ってたのそっちじゃん……。
いっそ泣けアナ姉ぇ。そうしたら僕の胸がスッとするから」

ゆさゆさと、下着を着けていないのがわかるほどチュニックの上から大きな乳房が見えるが。
普通ならそれに多少は興奮するだろう。実際今もしな、しな……無理だ。
酒臭すぎて集中できない。酷すぎる。あんまりだ。神はなんでこんな女に作ったのだろうか。
いっそ魂から作り直されてこい。

「デカイ声でそういうの言うの良くないと思う。本気で」

彼女が満足げに離れた瞬間、片手で両目を覆い、天を仰ぐ。
神よ、今日ほどこんなに自分の姉貴分がひどいと思ったことはありません。
というか再会するたびに最上の「ひどい」を更新してくるのはどういうことだろう。
色気があるはずなのに感じられないのマジで勘弁してほしい。萎える。

「小さい頃からずっと会うたび会うたび「最悪」を更新してくるのホントやめて欲しい。
ぶっちゃけ前よりもちんちんが動かなくなっていくもん……」

目の前に置かれたローストビーフを、ナイフをとって切り分けて食べ始めながら。

アナベラ > 村から売られ、確実にひどくなっている自信はある。
何でか余計に女らしさから遠のいている気はする。
逆に、彼は相変わらずで安心するし、見ていて心が落ち着いていく。
それはそれとしてからかうのは辞めないのだが。

「はぁー? きれいになる努力なんざ昔にさんざっぱらやりましたー
 だから今も綺麗なお姉さんなんだぜぇ?。お分かりかなヨハンくん」

なんか、自分が盛り上がる度に彼が沈んでいくのが面白い。
彼の首から腕を離して彼を開放し、分かっていないな、とニヒルに冗談交じりに笑って見せる。
テーブルに再び頬杖をつき、彼を開放した手でグラスを傾ける。

「はぁ? 言って…たな。でもよぉ、俺の体に夢中だったのは事実じゃね?
 またまたぁ…そう言って嬉しいんだろぉ? おぉん? 照れんな照れんな。くるしゅうない」

ユッサユッサ揺らしていたのだけれど、彼の視線が冷めているような気がして辞めた。
なんだろうか。普通の男なら興奮するというのに、と。
彼の股間へと視線を下ろして"もしや勃たなく…"と物凄い心配そうな視線を向けたのだった。
ビンタされても文句はいえまい。

「え、なに…俺がおかしいやつみたいじゃん。そういうのやめようぜ」

なんだろうこの弟分は、何かを物凄く嘆いている。
そんな姿も可愛いから、真顔で注意を一つした後にゲラっゲラ笑う。
ついでにその姿を肴に酒でも飲もうとしたけれど、ボトルの中身が少ないのに気づいて直飲み。
グラスを使うことすら辞めた。

「んぐ…ぶはぁ…! はぁー? 俺と出会えて嬉しいんだろぉ?
 ちんちんも絶対おっきくなってるだろ。俺は分かるぜ」

そう言いつつ、彼のイチモツをつかもうと手を伸ばした。
掴めて、本当に勃っていなかったら"こいつマジ?"と一層心配そうな視線を向ける。

ヨハン > あの頃は可愛かった……可愛かったか?
変な木の実食わされるわ、手掴みで虫を掴んで見せつけてくるわ。
僕の親父の盆栽を事故とはいえ壊して僕のせいにされて散々な記憶がよみがえる。
それでも、一度は昔に彼女を抱きはしたのだが……。

「おっさん臭すぎるのは綺麗じゃないと思う。
職業を抜きにしても、汚れ方がひどすぎて僕はもう恥ずかしいよ……」

せめてここまで酔っていなかったらマシであったかもしれないというのに。
なんでこういう場所で再会してしまうのか、運命を呪ってしまう。
しかしやけに滅茶苦茶いい笑顔してんな。めっちゃ腹立つ。

「事実は認めるけどさ。いろんな意味で「これはないだろう」ってことがいつも起きてるの本気で萎える。
別に照れてねぇよ。お前の残念さに毒吐いてんだよ。素直に受け取れバカ」

ついにはガチものの悪口すら吐くが、酔っている彼女には一切効く事はないだろう。
……そこに、自分の股間へと視線が落ちているのに気づいて。

「おかしいっつってんだよ!そういう素直じゃないところとかいらんからこの言葉届いてくれ!」

思わず声を荒げるが、店の空気のおかげで目立つことはなかった。
マジでこうしていつも僕に突っ込ませるのやめてほしい。
本気でこのアバズレを誰か矯正してくれ。金は払う。無理だな。
ボトルごと酒を飲むような女を矯正させられる奴などいないだろう。

「……なぁ、そんな目で見るな。誰のせいだと思ってんだ」

自分の股間に手を当てられて、それに対して抵抗することも恥ずかしがることはなく。
しかしその股間はまったく硬くなっておらず、フニャフニャであった。
……勃起できないのは、決して自分が不能だからではない。
というか僕をおかしいような風に見るのやめろ。

「なんでそんな目で見んだ。酒臭すぎて興奮どころじゃないだけだよ!」

アナベラ > 今もからかい甲斐はあるが、昔はもっとよかったな、と
おままごとでは、泥団子をガチで食わせようとして引かれたし
余りにも食べないから泥団子を思い切り投げつけたり。
彼の家のものを壊したら大体彼のせいにしていたことも思い出して、可笑しそうに一人笑う。
彼にしてみればトラウマかも知れないが。

本当に、昔っから可愛い。

「いいんだよ。今はオフだから何したって。それに今は娼館の用心棒だし。
 おやおやぁ? 恥ずかしいって言ってくれるんだなぁ? へぇー? ほぉー? 脈アリー?」

飲み始めた頃にあっていればマシだった。
もう少し真面目に話もできたし、こうやって彼をからかうことに生き甲斐を見出していなかった。
そしてなんか、殺気みたいなのが飛んできたので、話題を変えるように、娼館を辞めたのだと告げる。

「萎えんなよ、男ならどんな状況でもおっ勃てろよ。極上の体が目の前にあるぞおい。
 "お前"って、おい……ヨハンは昔っから照れ屋だからなぁ! しょうがねぇやつだな!」

効かないかと思えば、真顔になった。瞬間にまたゲラが入る。
視線は彼の股間に向けられたまま「テント張ってないな」とか呑気だった。
流石に酔っ払い過ぎだろう。

「どしたどした、大声出して。ヨハンの言葉はしっかり胸に届いてるぜ?
 だから大声出すなよ、他のお客に迷惑だろ」

お前が言うなとツッコミが入るだろうセリフを吐きながら、
彼の言葉はしっかりと届いてる。と、胸に拳をトントンと数回当てた。
格好つけているのか、ニヒルに笑っているがボトル片手である。
からのボトルをテーブルに置き、ゆっくりと息を吐く。
そうして、呆れたような視線を彼へと向けられた。

「……えぇ、いや…流石に、勃ってねぇのは不自然ってか…ヨハンなら俺相手だといつでも勃起してるイメージあるし」

自意識過剰にも程がある。
が、真顔でそう告げながら頬杖をついて彼の肉棒をむにむに、恥ずかしげもなく揉む。
ふむ、とその大きさを確認し、顔を彼へと向け。

「大きくなったな! お姉さん嬉しいぞ!
 しかし、酒臭くなかったら勃起するって言ってるようなもんだぞおい。
 よし、俺の家行くぞ、シャワー浴びる」

揉んでいた手を離しては、何かを決めたように頷いた。
彼が一緒のなのは当たり前のようだ。

ヨハン > 「……はぁ」

しかし、やはり自分にとっては大切な姉貴分だ。
どんなに見た目やカラダはエロくても、頭が残念で息が臭くて毎回ひどいを更新しても。
やはり自分にとっては姉貴分であり、そして一度抱いた女なのだ。
こんなに酒臭すぎて吐きそうでも大切な存在には変わりない。

「とりあえず、お酒はそのボトルで最後ね。ほら、僕のローストビーフ食べて。
このお冷飲んで頭冷やして。そのままだとただでさえ馬鹿なのに余計に馬鹿になるから」

などと言いながら、脈アリなどと揶揄ってくる彼女に、冷えたおしぼりで彼女の額を冷やし始める。
手慣れた手付きで”いつものように”そうして、少しずつ彼女の酔いがマシになってくれるだろうか。

「へぇ、娼婦やめられたんだ。……よかった、おめでとう」

どこか、心底安心したような顔でそう祝福をする。
ずっと旅の中の胸のつっかえだったが、それがようやく晴れたような顔だった。
はにかむような笑顔で彼女の顔を見つめる。
それを空気を読まずに下ネタをぶつけてくる彼女にやっぱり「こりゃダメだ」と思う。

「大声出させてるのはそっちだろうに……はぁ、アナ姉ぇは変わらないな。
いや、いろいろと変わりまくってはいるんだけどさ」

昔は貧しかったせいで、体付きも貧相であったというのに。
今ではこんなに豊満に育って、見違えるほどで……その顔は見違えることはなかった。
美人なのは間違いないというのに、本当に……。

「……他人が見てるかもしれない場所でちんちん触るのはやめてくれない?
というかいつでもアナ姉ぇ相手に勃起してるわけないだろ。場面があるわ場面が」

揉まれても、まったく抵抗していないのは諦めているからだろうか。
まぁ、抵抗しても無駄だと思っているのは間違いないが。

「は?……いや、いいけどさ。宿屋もまだ決めてなかったし。
でも僕が食べ終わるのを待ってほしい。すぐに食べ終わるから」

頬杖をついて、諦めたように微笑み。
揉んでいた手を離されれば、それが離れきる前に自身の手を伸ばして掴む。

「……ちゃんとシャワー浴びてくれるならさ。
毎日抱いたって飽きないどころか、こういう場面じゃなければいつでもシたいしね。
アナ姉ぇはちゃんとしてればいつだって美人なんだから」

にこり、とそう言って微笑みかけるのだった。

アナベラ > 「何だそのため息ー おるぁ」

かわいい弟分の頬をむにむに突く。
素直じゃないし、たまに反抗的だがいつもかわいい弟分。
見ていて癒されるし、喋っていると愉快なのだ。
にぃ、と華が咲くような笑みを浮かべ、改めて再会を喜ぼう。

「はいはーい。ヨハンいるからもう酒はいいや。ありがとなー
 水うめー、ヨハンが飲んでたら間接キスだったんだけどなー
 ――ふ、これでも一般教養は姐さんたちに仕込まれてるぜ?」

酒は暇つぶしに飲んでいたから、彼が居ればもうそれで飲む理由は消え去った。
そして水をもらったら、一気の飲み干して、残念そうにグラスの縁を見つめてみせたけれど
"いつものように"手慣れた手付きでお世話してもらったら嬉しげに、双眸を緩めるのだ。
懐かしくて、ずっとしてもらいたくなる。

「まぁなー 今は気まぐれでやってるレベル。メインは用心棒な」

彼からの祝福、それはどんな人よりも嬉しいものであった。
心がどんどんと暖かくなるのを感じながら、可愛い笑顔を見据えてみせる。
まぁ、我慢できずに酔ったまま下ネタを吐き出すのだが。

「ふっはっはっは! 精神面はちいせぇころのままだぜ?
 だから永遠に若い。わかるか? だから30とか細かいことなんだよ」

年齢は案外気になっていたようで、根に持っていた様子。
女を捨てているとは言っても、そこら辺は気になるお年頃。
けれど、昔と比べて、可愛さよりも男らしさが勝り想っていた通り端正になった。
後ろを無邪気についてきていた彼を思い出して、少しだけ、寂しくなった。

今はもう、自分は必要なさそうだ、と。

「やーだね。弟分の成長具合をみるのは姉貴分の務めだ。
 ほー、じゃあ場面に酔っては勃起すると、嬉しい言葉だなぁおん?」

お世辞もうまくなりやがって、とか言いながら、お冷をお変わりして
彼のペニスを揉みながらぐいぐいっと。
ただ、まだ根無し草を続けているのだと分かると少し呆れたような視線を向けるのだが。

ゆっくりと、手を離そうとしたら掴まれたので少し驚き。

「……んなっ…! あ゛ぁ…ったくお前は、何人の女を落としてきたんだか。
 アナベラお姉さんは心配になってしまいます」

そんな、そんな事を言われてしまったら、本気にしてしまう。
彼の性格を知っているから余計に。
だから、顔の赤みは別の色を帯び"離せこら"と顔をそらして掴まれた板腕を振りほどこう。

「さっさと食え……暫く家に泊めてやる」

彼が遠慮するならそれでもいいけれど、姉貴分としては弟分の面倒をみないと、とか
色々脳内でこねくり回し。彼が食べ終わったのなら、さっさと立ち上がり彼の腕をつかんで、代金を支払って家へと向かうはず、だ――

ヨハン > 「やめいやめい。そんなことしても何も出ないし謝らんぞ」

突っつかれてもモチモチの肌が動くだけで。
唇を尖らせながらローストビーフを食べ進めていく。
先ほどから悪口は多いが、別に本気で嫌っているわけがない。

「酒を飲むか僕かレベルなのか……いや、再会のおもちゃだからなんだろうけど。
僕がいる間はあんまり酒浸りはしないでよ?本当に嫌だから」

一気にお冷を飲み干すさまを見てから、その緩めた双眸を見つめて。

「それでも一般教養僕にはどう見ても負けてると思う。
……へぇ、用心棒か。それはすごいね、昔から腕っぷりは良かったしね」

興味深そうにその話を聞きながら、先程までのイライラしていた様子が霧散していく。
やはり、自分はこの姉貴に敵うわけがないのだから。

「細かいことならそれをほじくり返さないのが普通じゃない?やっぱり気にしてんじゃんアナ姉ぇ」

ぐさぐさと遠慮なく言葉の矢を放ちながらも、しかしそこには決して悪意があるわけでもなく。
むしろ、この姉貴分が結婚していない様子で非常にホッとしている自分がいた。

「うん、するよ。いろんな意味で今日はひどかったから興奮なんか出来なかったけどね」

臆面もなく、素面のままそう言い切って。
自分はあなたに欲情も興奮もすると宣言する。
こういう素直すぎる部分が昔からあったのは彼女も知っているだろう。

だから、こうして素直にアナベラの悪口も言えば―――アナベラを褒めたりする。

「落としたなんて人聞きが悪い。
ちゃんと人は褒めるべき点があるならなんだって褒めたいだけだよ。
例えばこうして再会して”昔から変わらない”スキンシップをしてくれたアナ姉ぇのことは相変わらずで残念な気持ちだけど。
だからこそ変わらないアナ姉ぇのことが大好きだし嬉しい。
いろんな意味でセックスの誘いが雑だけど、いろんな意味で遠慮しなくていいのが助かるし。
―――下着を着けないでセックスアピールするの、僕は好きだよ」

先程までの姿はどこへ行ったのやら。
すっかりと姉貴分の自分から見ていいところを褒めちぎっていく。
やはり、彼女の無事な姿を見て嬉しさを隠しきれなかったから。
自分の中で感じたことをそのままぶつけて。

「ん、じゃあ居候させてもらおうかな。
昔はそう言えばお泊まりだけはしたことなかったっけね。ふふ、アナ姉ぇと過ごせるなら楽しみだ。
それじゃあ行こうか」

そう言って食べ終わると、掴まれた腕の、その手をさり気なく握りながら彼女についていく――――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からヨハンさんが去りました。
アナベラ > 【お部屋移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアナベラさんが去りました。