2022/09/15 のログ
アキラ > 「何がまずいんだ?……子供も家族もたくさん居たほうがいいだろう?……あ、もしかしてあれか?内蔵とか血とかそのままってのが気になったという話か?大丈夫だ僕は上品だから流石に大腸と小腸は抜いてから焼く。それで洗って血と内蔵でソーセージとか作ったりな」

(おぶられながら耳元で質問ラッシュが始まる。頭の回転が変な方に速いのでいまいち会話が噛み合わないかもしれない)

「君には恩もあるし君の子供の2~3人くらいなら全然産んでもかまわないと思うんだけどな?」

(店に入ってからもその調子で質問を続けていた。)

「僕の場合というとあれか?帽子とか脱いでも構わなかったりするのか?」

(肉がでかいとか味が良いとか言われると尻尾を振りたくなる。あといい加減窮屈なのだという主張)

クレイ > 「そっちの話じゃねぇよ!? ガキが出来ても面倒みれねぇし、そもそも家がねぇしって話だ! 食い物の話なら内蔵も気にしてねぇよ」

 色々と混ざってんぞ!? とツッコミを入れる。
 その後の話には、周りの傭兵らしい奴や冒険者らしい奴が水を拭きだしたりしてこっちを見てくる。
 言われた本人は額に手を押し当てて少し唸る。

「こういう店の中でその手の話題はやめような……!!」

 振り回される様子を見れば周りのやつらも少し笑って元の世界へと戻っていく。流石に揶揄ってくる相手はいなかったようだ。
 ふぅと胸をなでおろすが。
 帽子に関して聞かれれば少し首をひねる。
 そして顔を寄せて小声で。

「ん、あー……まぁ問題はないぞ。ただミレーって事にした方が良いかもな」

 厳密には違うのかもしれないが、仮にも魔族。流石に堂々と魔族ですと言うのはまずい。幸いにしてミレーとも言い張れる種族ではあるので外すならそういう事にしておけと。
 実際魔族だといってもここにいる連中なら制圧できるし気にしねぇみたいなのもいるかもしれないが。大部分がそうとは言えない。

アキラ > 「馬鹿にするな、僕にも子育てくらいできる、弟や妹の世話だってしてたんだぞ?……家くらい作ればいいだろう……あぁ、君らは買うのか?……なんだ金がないのか?」

(もういない家族の話をしたりしているのにしんみりした様子はない。なんでこの手の話題が駄目なのかは理解できないようだが頷いて、帽子を外して、スカートの下に隠れていた尻尾を伸ばす。席に付けば靴も脱いでしまい、椅子に胡座をかいて、料理が来るまでは伸ばした黒いふさふさ尻尾をなでたり口でハムハムしたりして手入れを始める。)

「あぁ、それくらいはわかるぞ?似たようなのが近場で売られたりしてたからな……いわゆる差別されているんだろう?ミレー族は……だからそういう意味で外していいのか聞いてたんだ」

(帽子で隠していたのもそっちの理由だろうとはわかっていたようだ。そういう意味ではずしていいのか聞いたのだと。)

「じっさい似たようなものだろ……別に気にしないし」

(見た目で言えば本当に似ていると自分でも思うので気にしては居ない。それより足を伸ばしたり尻尾の手入れのほうが先出し、料理が待ち遠しいし)

クレイ > 「今日はあっち明日はこっちの宿って感じで宿をめぐる生活が気に入ってんの。後家なんて持った日には火つけられそう。それなりに恨みも買ってるもんでね。てか、なんだ? なんかモヤモヤしてるのか?」

 家族もいただろうが、そういう意味で家族というものに何か思いがあるのだろうか。先ほどのおんぶもそうだったし。と何となく思ってしまったりして。
 わかってたと言えばそうなのかと。うなずいて。

「まぁ別にミレーだから店禁止とか、殺して良いって訳じゃないしな。そもそも……その指輪ある時点でお前は俺のってことだ。その場合は別に普通に近いぞ。まぁ変な目を向けてくる奴はいるが」

 と少し周りを見る、たしかにそういう目をしているのもいるかもしれないが。

「ま、気にするな。どうせ何もできやしねぇし。銀鷲のクレイに喧嘩売るような無駄好きな奴はこの店にはこねぇからな」

 と堂々と言い放つ。力に自信があるが故の言い分だ。実際わざわざ敵対するような弱い存在であるつもりはないわけで。
 と、話していれば肉が来る。
 注文していた通りデカい肉。骨付きでありながら手の平より大きなそれは香ばしい香りを放つ。

「な、滅茶苦茶デカいだろ。だからガッツリ良い肉食いたいならこの店なんだよ。まぁ値は少し張るが。その値段には見合った味だ」

 と言えばナイフで切って食べ始める。
 肉は柔らかく、味もしっかりとソースの味がする所謂良い肉であった。

アキラ > 「なるほど人間だな……」

(恨みと聞けば毛づくろいをやめてため息一つ、すぐ再開するけど。要は恨みつらみで利益にならないことをする非合理を嘆いているらしい)

「……変な目?……」

(ちらりと周囲を見渡す。最初から匂いでなんとなく気づいていたがなるほど)

「そういう性癖というわけか、僕の見事な尻尾に見惚れてしまったというわけではないんだな、それは残念……」

(モテる獣魔は尻尾の毛並みがいいとかそういう話も後ほど聞けるかもしれない。実は割とおしゃれさん)

「ふむ……なにやら複雑ないい匂いのする……タレがかかってるな……」

(料理が来ると毛づくろいはやめて、いい匂いに尻尾をふる。こちらは手づかみで骨を持って、匂いをかいだりソースをぺろりと舐めたり。それから)

「………いただき、ます……」

(がぶりと口を大きく開けてがっつく。がじがしと強い歯と顎で肉を引き裂いて。それから、ゴリゴリボリボリと派手に骨まで咀嚼する音が店内に響きわたるだろう。獣魔は顎がとても強い。名物料理の丸焼きは文字通り骨も残らないのだ)

「……やふぁふぁふぁいしあふぁものっふぇふへほふぃふのふぁひはふすいんだな(訳:脂も乗ってるし柔らかいけど、肉の味が薄いんだな)……おかわり」

(咀嚼しながら喋るので何言ってるかとても分かりづらい。それで一通り素直な感想を述べて、あっさり空になったソースまで舐めた皿を差し出し言うのだ。足りないと)

クレイ > 「ああ、まぁそういう訳で、家はもたねぇのよ」

 と言って手をヒラヒラと振るった。
 性癖がどうのというその後の話には少し笑って。

「ミレーはそういう目的で持ってる奴も多いし、いわゆるそういう店にも多い。だから反射でスイッチ入る馬鹿はたまにいるかもな」

 その手の奴は女なら誰でもみたいなのも多いが。
 だが尻尾を言われればふむと頷いて。思わず見てしまう。

「でも、たしかに綺麗な尻尾だな。俺が知ってる中ならトップだと思うぞ」

 しっかり風呂に入ってという姿で見たのは初めてなので思わずそんな感想を。
 さっきの毛づくろいの様子を見ても相当フカフカしていそうだ。そういうのが好きという人もいるが、なんとなく気持ちがわかる気がする。
 なんて尻尾を見てしまっていた結果か、否か。
 少しだけ怪訝な顔をして。

「なんだって? お代わり以外聞き取れなかったぞ?」

 今なんて言った? なんて言いながらも。
 少し考えて。

「……同じの1つと、鳥も持ってきてくれ。後俺には酒」

 と店員にオーダー。
 しばらく待っていれば同じステーキと、小さな鳥を丸一匹焼いたようなサイズの鳥肉が出てくる。
 こちらはタレではなく潮だけで焼き上げた物と匂いでわかるだろう。川はパリパリとしていて中はしっかりと柔らかく焼き上げている。

「どうせ1枚じゃ足りないと思って追加で取っといた。俺も少し食うからな」

 と言えば自分の肉を食い終わって。鳥を自分の分を切り取る。
 そしてそれを肴に酒を飲む。本来なら子供の前では飲まないが、彼女の場合は部下のようなものだし構わないという考えであった。

アキラ > 「君なら特別に触らせてあげてもいいぞ?タダで……といってもまぁ、近所のおじさんとかも気軽に触ってくるけどな……」

(尻尾を触らせることに特別な意味はないということだろう。)

「あぁ、人間の料理は味がうすいなと思ってな血の味も内蔵の味もしない肉だけの味だ…これがお上品ということなのか?…ところで骨食べないならくれ、君らの顎じゃ食べられないと聞いたぞ?脳漿と骨が一番旨いのにかわいそうなことだ」

(もぐもぐバリバリ、まるで骨をスナックでも食べるようにサクサクと食べてしまいながら鳥も骨ごと食べてやっぱり薄味だとかぼやいている。飲んだこと無いらしく、お酒が来ると匂いを嗅いで顔をしかめたりと、アルコールのキツイやつは苦手のようだ)

クレイ > 「流石に店の中で堂々と尻尾撫でまわしてたら変な目で見られそうだから後でな。どうせ宿も使ってくだろ?」

 自分で取ってたら違う宿にもう入ってたはずだしと勝手に当たりを付けて。苦笑い。なんだかんだそれを認める辺りは甘いのかもしれない。
 骨をそっちの皿に移して。

「まぁな、もっと火通して砕けば食えなくはないが。流石にこういう店のは無理だ」

 店からすれば本来食う場所じゃないのになんて感じだろうが、別に食べた所で文句を言われる部位でもあるまい。
 顔をしかめたのを見れば少しだけ笑って。

「酒は苦手か? 俺達が骨が食えないのがかわいそうとか言ってたが。俺からすれば酒が飲めないのがかわいそうだ」

 前後不覚になるまでは飲まないが、やはり少しでも酔うというのはいい気分だ。
 とはいえ、別に無理に勧めたりはしない。嫌いな奴に無理して進める必要性を感じない。支払いは自分だし。

「味付けに関してはまぁ……あれだな。今度はもっと下町の店に案内するよ」

 そっちの方が味が濃い。だからその府が気にいるかもしれないななんて思ったり。

「そういえばどうだったよ、仕事の感想は。困った事とか無かったか?」

アキラ > 「君がどんな性癖だろうと構わんが、人が見てないところで撫で回そうとは意外とスケベなやつだな……」

(少し眉をひそめて頬を赤らめた。異文化の感覚の違い、説明すると長くなるしこっちも人間の文化をいまいち理解していないので今はまだ説明できないだろう)

「というより女はあまり飲まないものだと言われていたからな、そもそも女自体が少ないんだが……それに、僕が知ってるのは果物で作ったたぶんもう少し酒が薄いやつだ。その酒はなんていうんだ?」

(アルコール度数1~2%の果物の酒ならあったが本格的な蒸留酒や醸造酒はなかったらしい)

「いやまずいというわけじゃない、食べたことのない味というだけで……たぶん、人間の味付けってやつなんじゃないか?……血も食べないと栄養が足りないような……ああそうか、人間は穀物や野菜も多く食べるのか……」

(いちおうある程度おいしいようで慣れていないから違和感という程度のものらしい。)

「そうだな、靴と服が窮屈で、石畳は歩きづらいなと思ったくらいかな……そのうち慣れるだろ……道はこのあたりなら大体覚えた」

(それ以外には困ったことはあまりないらしい、匂いで場所もある程度覚えられる上に。移動力がすごいせいか、仕事の合間に無駄にぐるぐる徘徊して行ける範囲は覚えてしまったらしい)

クレイ > 「絶対に勘違いしてそうだが、俺はいたって普通の性癖だからな? んな尻尾で興奮するような奴じゃねぇよ?」

 違うからな? とそこはしっかりと説明。とはいえ、理解できるかは別の事だろう。
 言葉もだが、そういうのを説明するのが先かもしれない。
 酒に関して聞かされれば。なるほどなぁと。

「そういう文化の場所もあるわな。こいつは穀物の酒だ。果実酒もあるし、もし気になった時にはそっちから飲むのもありかもな」

 それならまだ飲みやすいかもしれない。
 問題点を聞けばふむふむと何度かうなずいて。

「石畳と服はどうにもならねぇが。靴は何とかなるかもな。サンダル……ああ、まぁ話の上に紐でしばりつけるような靴があるんだが。それなら少しはマシかも?」

 それなら良いかもしれないが、問題は長距離だったり早く歩くのには適していないという点。
 どちらが良いかは彼女次第だろう。

「てか、服が窮屈って。なんだ? 裸で生活してたのかお前」

 そういう部族だったのか? なんて酒を飲みながら。

アキラ > 「そうじゃなくて、人目がないほうがとか良うからさ……」

(さすがに「どんな変態プレイをされるのかと思って」とは言い切れない。色んな感覚の違いで話が噛み合わないかもしれない)

「細かい文化の違いだな、勉強しないと……」

(一通り食べ終えるとテーブルの下に潜って、クレイの隣に座る。距離感が近いのはそれが普通だからで他意はない、単にお酒の匂いを近くでもう一回嗅いでみたかっただけだ)

「裸足のほうが歩きやすいかな靴だと壁も登れないし……服は来ていたけどな、なんか布が多いというか下着とかも締め付けが強いのが多いというか。……いちおうそれでも緩めなの選んだんだけど……」

(当たり前の顔で隣で話すのだけど、それはもうカップルがいちゃついてるくらい近い。危険のない身内と認めた相手にはこれぐらいで普通ということだ。)

クレイ > 「……ああ、そういう。なんとなく理解した……うん」

 お前意外とそういうのに興味あるんだなとか、思いついたがそれは飲み込んだ。流石にこんな場で言うような言葉ではないだろうと。

「勉強か、まぁそうだな。がんばれ。俺も時間が合えば教えてやるから。まぁ俺も俺で色々歪んでるけどな」

 傭兵としてずっとそういう世界に生きてきた。所謂一般人とは常識がゆがんでいる自覚はある。
 まぁだが自分の助手ならそれでも問題は無いのかもしれないので教えれる事は教えるつもりだが。
 服に関して聞けば少し考えて。

「なるほどなぁ……たしかに壁は靴じゃキツいし、慣れてないと締め付けられてる感覚も苦手かもな。なんかいい感じの服とか探してみるか。シェンヤンの方とかならもしかしたらあるかもしれねぇし」

 向こうの方はここと服の文化も色々と違う。もしかしたらあるかもしれないと思いついて。
 と言うが、かなり近い距離に座られれば。
 少しだけそっちを見て。

「……てか、だいぶ近いけど。平気か? この酒の匂いあんまり好きじゃねぇんだろ?」

 家族の話とか、時々出してくるので甘えたいのだろうか。そんな事を考えて態々突き放したりはしない。
 だが、顔をしかめていたので平気だろうかというその点だけが心配だった。

アキラ > 「隠れて交尾するのはひどいことされててもわからないから駄目らしいよ。子供も見てやりかた覚えるし。」

(どうも結婚とかがないオープンな乱交文化らしい、まさに野生の獣である。それで、裏の意味で、人目のないところではすごいことするからとんでもないド変態プレイとかになるらしいとかなんとか)

「そういえば教師だったな、昨日読んだ本は面白かったけど。たまにわからない単語があるから色んな本が読めるところ教えてくれ…それで勝手にやる」

(そう言ってクレイの腰に尻尾を絡める。人との距離が近すぎる文化なので単にスキンシップが当たり前で、そんなに家族がどうとかそういう思い出で甘えてるのとは違うし、家族の話は当たり前に話題として話しているだけなのだが、クレイにはどう映るのだろうか)

「……こう、複雑な……穀物といったがまるでナッツや、あと木?なめした皮?みたいなわけがわからないくらい複雑な香りがするものだなと思ってな……クセになる……一口くれ。」

(そう言って顔を伸ばすのはお酒を飲みかけたクレイの顔の横に割り込む感じで、だ。)

クレイ > 「なんというか、すごい村だったんだな」

 色々と常識が違う村のようだ。その話を聞けば少しだけ唸る。
 だがそれはそれとして何となく興味がわいてしまう。もう無い村なので行く事は不可能なのに。

「科目は戦闘学でそういう知能面じゃないけどな。まぁ文字とかはわかるからいつでも聞いてくれ。それこそ宿で寝る前とかに教えるから」

 というか、自分の業務的に文字は覚えてもらった方が助かる。
 最終的には書類整理とかもある程度手伝ってもらいたいのだから。流石に戦場での休憩時間に書類の分類分けをするのはもう御免だ。
 甘えているのかスキンシップなのかははわからないが、別にその程度なら普通に受け入れる。少しだけ回りの目が痛いが、それこそ勝手に目を向けさせておけという考えだった。

「ホントちけぇよ。まず口で言え口で」

 危うくキスをしかけるような距離感になっていたのでそこは流石に苦笑いをするが。
 ほら、とそっちにコップを向けて。

「慣れてないなら無理するなよ」

 それなりに強い奴だからと言って。
 教師としては止めるべきなんだろうが、彼はそれ以前に傭兵。傭兵の世界では子供だろうが飲むのは当たり前だ。自分だって10歳の時にはもう飲んでいた。

アキラ > 「だいたいのお腹の中で子供育てる生き物はそうでしょ?……」

(人間とか魔族の高等なのとかそういうのが特殊なんだと異種族目線。動物もみんな同じ生き物という認識らしい)

「ご飯のときはみんなで分け合いながら仲良くするもんだよ?」

(近いと言われて首をかしげる。四角いテーブルで向かい合ったりするとこっちは喧嘩でもしているような距離感に感じるらしい。とはいえ差し出されたコップから一口、酒精を口に含んで)

「―――――!!!?」

(一瞬で吹き出した。クレイの顔に向かって。その後咳き込みながら離れて椅子に四つん這いになって咳き込む)

「毒じゃん……」

(振り向いた顔はよだれを垂らしながら、すげぇクレイ毒飲んでるよみたいななんか輝いた眼。知的好奇心はすごいが変に子供だ)

クレイ > 「まぁ俺は人間の基準でしか知らないが。そういう風に普通に見える環境でやるのはあんまりいないぞ」

 まぁ結果的にそうなる事はある。というか自分もしたことがある以上何とも言えない顔を浮かべているが。
 仲良くと言われれば少し笑って。

「そりゃ違いねぇ。けど、あんまり近寄りすぎるなよ。人間の場合そういうの勘違いする奴も多いからな」

 俺は何となくわかってるから良いがと付け加えるが、本当の意味を理解できていないのは何とも言えないすれ違いであった。
 鶏肉を食べようとしたところで。

「……」

 横から吹きかけられる酒。ポタポタと顔から雫と滴らせている。
 グイッと袖でぬぐって。

「お前、いきなり吹きかける奴がいるか! というか、舐める程度にしとけよ最初は!?」

 と思わず全力ツッコミ。
 周りも思わず笑いが起きる。周りから見ればミレーにぶん回される傭兵の構図だ。
 はぁと一息吐き出せば。

「当面穀物の酒は禁止なお前。果実の酒でまずは慣らせ」

 また噴き出されたら大変だと。
 それだけ言えば鶏肉の残りと酒を飲み干す。

「それで、腹一杯になったか? それなら部屋に行くぞ。ほら文字も覚えないとだし……ここで話すと色々と目立つ。1部屋でいいな。わざわざ2部屋とるのもなんだし」

 初対面の傭兵仲間ならともかく、彼女の場合は同じ部屋でも問題ないだろうと。
 店員に部屋を1つと言えば店員は一瞬困惑する顔を向ける。店員視点で見れば奴隷に酒を拭きつけられても何も罰を与えない男という少し不思議な構図だから。
 そして鍵を受け取る。

「とりあえず鍵は貰っといたから、食い足りないならもう少し注文するが、どうするよ」

 

アキラ > 「だって毒飲んだら吐き出すでしょ!?」

(でも人に吹きかけはしないと思う。)

「……う~んでも……うわやっぱりまっず!?………なんか匂いで頭クラクラしてきたし」

(困った顔で顔を近づけて、クレイの頬を軽くペロと舐めると失礼なことを言った。舐めてきれいにしようとしたけど無理みたいだ)

「いや、十分。お腹いっぱいだよ……眠いし……」

(少し顔が赤いけど足取りはしっかり、酔っているほどではないようだ。店の中なので、もう靴はいいかと両手にもって裸足で尻尾で帽子をくるくる回しながらクレイのあとについていくだろう。)

クレイ >  
「まず毒じゃねぇし、だとしても他人に吹きかけんな。地面に吐き出すか後で解毒しろ」

 まったくと言いながらも別に本気で怒っている様子は無い。
 舐められればはぁと息を吐いて。

「お前、まずは色々とこの辺から教えた方が良いな」

 普通ならばいい雰囲気になるのかもしれない。だが酒を吹きかけられた後ではそれよりも何とかしなければという方向に行ってしまうのであった。
 彼女の様子を知れば了解といって立ち上がって。

「じゃ戻るか。ああ、騒がしくして悪かったな」

 と少しだけ多めに店員にお金を握らせて部屋へと向かう。
 軽く湯で頭などを流して、自分も眠る事だろう。
 基本放任にするつもりだったが、ある程度しっかり物事を教えた方が良いかもしれないなんて思いながら。

アキラ > 「だから本読めるところにつれてってってば……」

(特定の人物から教わると個人の主観が入った間違った知識を覚えてしまう場合があるとか、知識としては覚えても実感として理解できるかは別だとか長々と語る。獣魔族、常識は色々違っても数学や語学、あと哲学関係の部門は優秀らしい。あと口八丁は個人的に得意のようで)

「ところで仕事早めに終わったら町の外でご飯探してきたりしてもいいの?クレイも食べるでしょ?」

(とか言いながらしっぽを振ってついていく。寝るときはワンピースは脱いで、インナーシャツと明らかに男性者の下着をズボンがわりにクレイのお腹のあたりに丸まって眠ろうとするだろう。寝る前に「ところで交尾しないの?」とか歯みがかないの?程度の気軽さで聞いて来て、何もしないなら「ふ~んそっか」くらいの感じで寝てしまう)

クレイ >  
「本だけじゃ学べない事もあるんだよ。まぁとりあえず本のある場所な、図書館とかあるだろどっかに」

 自分はほとんど使った事ないのでどこだったっけ。なんて考えているが。どこかにあるはずだ。
 仕事の後に関して聞かれれば。

「勿論。問題ねぇぞ。ガチガチに縛るつもりもないしな」

 それこそ副業をしたって問題ないぜなんて言いながら足を進める。
 交尾を聞かれたら「今度体調が良い時にな」というだろう。慣れない酒を飲んで顔が赤い相手にそんなことをするのは流石に少し気が引けたらしい。
 眠る場所に関しては特に気にしない。そのまま軽く背中をポンポンと叩きながらこちらも気が付いたら寝ている。そんな夜だろう。
 それはそれとして尻尾を軽く撫でたりはしたかもしれないが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアキラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区『公園』」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > ────少しずつ秋めいてくる風を感じて、目を細める。

場所は、王都にいくつかある開かれた場所。
煉瓦敷きの遊歩道、丁寧に刈り込まれたトピアリー。生垣の迷路。

街に住む人々が思い思いに足を運び、憩いの時間を過ごすその場所に女もまた足を踏み入れていた。

遣いの合間の余暇を過ごすのに幾度か足を運んでいるその場所で、移ろう季節を肌身に感じながら、遊歩道の上を静かに歩んでいた。
それなりに広さのあるその場所を、今日はどのあたりまで赴こうか、を思考するように道行の先を眺めながら。

「どこか、木陰にでもお邪魔しましょうか──……」

しずかに独り言ち、進める歩み。
渡る風が心地よいから、木陰で時間を過ごすのもいい。
思考と同じように徒然に、歩みを重ねた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『公園』」にジェイクさんが現れました。
マーシュ > 修道女以外にも、そうやって思い思いに楽しんでいる人はいるようだ。
それゆえ、というわけではないが、少し人の流れから外れた場所へと向かってゆく。

煉瓦敷きではなく草地に変わったその場所の、程よく木陰が日差しを遮ってくれる場所に居場所を定めることにして。
柔らかな下生えの上に腰を下ろすと、背を樹木にもたれかからせる形で身を寄せた。

ジェイク > 街の人々の憩いの場となっている公園。
思い思いに穏やかな日々を過ごしている住民達の日常を、
明確な悪意を持って打ちのめそうとする悪漢が、この王都には存在する。
悪い事にそれ等の輩が、街の後ろめたい部分を司る犯罪者ではなく、
本来ならば、街の治安を護るべき衛兵にも居るという事だ。

公園内を複数名にて徒党を組みながら、練り歩くのは革の軽鎧を身に着け、
腰に剣を佩き、腕には身分を示すための腕章を巻いた街の衛兵。
通り掛かる通行人にちょっかいを掛けては煙たがられる彼等が、
不意に目を付けたのは木陰で樹木を背に休息中の修道女。
一人が、目敏くその姿を見付けると、互いに顔を見合わせて嗤い、彼女の許に近付いていき。

「あー、……すまない。先日、この辺りで発生した事件の捜査で少し話を聞いても構わないか?」

修道女の前に3人の衛兵が近寄ると、先頭の黒髪の男が声を掛けた。

マーシュ > ────人々が楽し気に行き交う景色を、目を細めて見やりつつ、隠し取り出した古ぼけた書を紐解こうとして、その手を止めた。

「────?」

数人の物々しい出で立ちの男性が歩み寄ってくるのに気が付いて、訝しそうに声をかけてきた男を見やる。

女は白布で髪を包み隠し、額を出した僧形。
だからこそ怪訝そうな表情もまた隠されることはなく晒されていた。

「───事件、ですか?」

困ったように鸚鵡返しに嘯く。
己はここに日参しているわけではない。少なくとも以前訪れたときは騒ぎらしい騒ぎはなかったように記憶しているのだが───。
ともあれ、腕章をつけ、街の守りを担う彼らの言葉には耳を傾けねばならないだろう。

「かしこまりました。どのようなことを聞きたいのでしょうか……?」

ただ、と付け加え、期待に添う答えができるかどうかはわからない、と穏やかに重ねた。

ジェイク > この街で一番気を付けなければならない存在は、刃物を持った犯罪者ではなく、
懐に賄賂を蓄えて我が物顔で立ち振る舞う腐敗した兵士や騎士である。
広く知れ渡っている彼等の悪評を、まるで知らぬかのように、
投げ掛けた問い掛けに応じる彼女の反応にほくそ笑み。

「御協力に感謝する。俺は見ての通り、衛兵のジェイクと言う。
 まずは、貴女のお名前と、所属している教会の名前を聞いても良いだろうか?」

左腕を彼女の前に差し出して、その腕章を見せながら丁寧な口調で名乗りを挙げる。
彼女が、この街の衛兵の悪質さに気付いていないならば、まっとうな兵士の態度に見えた事だろう。
だが、幾ら装った所で、彼等の中身が真っ当である可能性など存在せず。

「実は先日、とある男性が恋仲になったと思っていた修道女を偽った女に、
 結婚の為には修道会に多額の寄付が必要と金を巻き上げられる詐欺事件が発生したんだ。
 気を悪くしないで欲しいのだが、貴女の身の潔白を示すためにも、また、参考意見を聞く為にも、少し時間を貰えるか?
 そちらの奥に四阿があるので、宜しければ、そちらで話を聞きたいのだが、……」

そう言いながら、彼女の腰掛ける樹々の奥、屋根付きの東屋を指差して移動を促す言葉を掛ける。
彼女が承諾の意を示すならば、人気が少ない公園奥の東屋へと連れ込もうとする事だろう――――。

マーシュ > 知らない、と言えば知らない。
出向して、街の地理には馴染んだとしても、女がかかわる部署以外の人の顔触れや名前が紐づくほどにはまだ、知識が足りていない。

それが街中であれば、周囲の反応から察することはできたのかもしれないが──。
少し離れた場所だったのが災いしていた。

「私は、マーシュと申します。出向しているのは王城の礼拝堂。所属しているのは主教の分派の───」

仕草も街の衛兵たちと遜色はない。
問われるままに女は己の名前と所属を答え。

「────………」

続いた言葉にはわずかに眉宇を潜めた。
主教は別に聖職の婚姻を咎めはしないが、だからと言ってそんな手法で寄付金を集めたりはしない。
男が言うようにそれは違法な行為だからだ。

「…………疑われている、ということでしょうか」

言葉を濁し、奥の四阿へ場所替えを促す言葉に僅かに思案した。
抵抗しようにも、逃げるにも囲まれていては何もできないと判断すると、修道女は静かに腰を上げて。

「疚しいことはございませんし、構いません」

男の誘導に今この場は従って見せるだろう。 

ご案内:「王都マグメール 平民地区『公園』」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区『公園』」からマーシュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にジュリーノさんが現れました。
ジュリーノ > 「ありがとうございました!」
カウベルの鳴る音かろやかに去りゆく客を見送って大きく息を吐いた。
疲労に帯びた体で急ぎ床に転がる酒瓶をトレイに乗せ、汚れたテーブルを懸命に磨いていく。
休む間もなく厨房の裏に入り込んで油汚れを懸命にスポンジで擦り水滴一つ逃さずナフキンで拭った。
今宵のバイトは接客から掃除に後片付けと大変。
賑わしい酒場の熱気も薄れて客足が途絶えたときには壁に凭れ掛かりずれ落ちそうな三角巾を手で抑えた。
「ちょっと疲れたかな……」
くるりと周囲を見渡して、客も、店主も、今は店に目を向けてないことを良いことに椅子に腰を下ろし。
「まだ店は開いてるけれど、ちょっとだけ……休憩。」
両手を上に、背筋を大きく伸ばしてから、力尽きたようにテーブルに突っ伏した。

ジュリーノ > 肩を叩かれる刺激に勢いよく体を起こした。
此方を見下ろす店主の無言に小さく舌を出して。
「ごめん。お客さんいないから眠ってた。
 でもちょっと元気が出たから大丈夫。」
立ち上がろうとした肩を強く押されて立ち上がれない。
閉店まで休んでいろ……酒焼けした声で呟くと消えていく店主に瞬いて。
「ありがと。」
大きく手を振って感謝を述べて。
厨房より小さなコンロとポットをテーブルの上に置いていく。
火打石が鳴って小さく立つ火の上にポットを置いて。
コトコト……小さく音を立てて湯が湧く様に目を細めた。