2022/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/夕方の市場」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 夕方の市場をぶらぶらと歩く男が一人。
食べ物を出す屋台を見てはうーんと唸り、通り過ぎる。
数時間前のこと。昼休憩の直前に客が押し寄せ、受付には若手一人。地獄を経験させるにはいい機会だったが、その地獄から永久に逃げられてはかなわない。
手伝ってやるうちにいつしか閉館時間。家である酒場で食事もいいが、軽く腹に入れたい気分だった。
サンドイッチ、パイ、焼きポテト、プディング、ケバブ……。どれもお気に召さないようで。
「あぁ……コーヒー。いいね、一杯もらおうか」
金を払うと鞄の中から水筒付属のコップを取り出し、注いでもらう。
コーヒーに口をつけながら食べ物を何にしようかと、市場の通りをきょろきょろ周囲を見つつ歩きだした。
そう注意散漫では、誰かとぶつかりかねないが――。
■ヴァン > カップを口許に運びながら、男は雑踏を歩いていく。
注意散漫なように見えて、人にぶつからないような足運び。ぼんやりとした目は、視界全体で周囲の人の動きを確認しているようだった。くん、と鼻がいい匂いをかぎつけると焦点をあわせ、その源を探す。細長いパンとソーセージが目に入る。
「ホットドックかぁ……エールが欲しくなるが、我慢しよう。
2つか……いや、1つで十分か?」
露店の前で立ち止まり、いくつ頼むか悩む。腹は減っているが夕飯前。ややあって1つを注文。店の脇に立ち、ものができるのを待つ。
少し落ち着いたのか、コーヒーを飲んで溜息。軽々とやっているようにみえつつも、人混みを縫うように歩くのはそれなりに疲れるようだ。空を眺めると、少しづつ夜が迫ってくるのがわかる。何事もなければ、まだ明るいうちに戻れるだろう。
「帰ったらスタウトでも飲んで、泥のように眠るか……」
やや思索にふける姿は、平民地区の市場といえどいささか無防備にみえる。
■ヴァン > さすがに両手が塞がっている状態では歩きづらいのか、ホットドックを露店の前で食べ始める。
「次の休みは富裕地区のホテルに行こう。レストランでアフタヌーンティーが割り引かれるのは今月いっぱいだったよな、確か。
後で確認しておかないと……富裕地区は知ってる連中に会いそうなのが嫌だけど、仕方ないよな……」
少し渋い顔をしながら、もそもそとホットドッグを頬張る。冷めてきたコーヒーで喉を潤す。数分かけて食べ終わると、また市場を歩き始めた。少しづつ陽はかげり、間近でないと知人ですらも判別できないほどには暗くなるまで、そう時間はかかりそうにない。
明るさと比例するように、人通りも少なくなっていく。安全な昼間はそろそろ終わり。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/夕方の市場」からヴァンさんが去りました。