2022/07/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/バー」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 日付も変わった時刻、男は薄暗い店内に入ると軽くバーテンに手を振った。
店内には客はいない。入口から一番遠い席に腰掛ける。
「ここに来るのも久しぶりか。……はは、まだくたばらんさ。
最近、学院の仕事が増えて忙しくなってね。若い子と話ができるのはいいんだが。
そうだな……スタウトを頼む。あと、フィッシュアンドチップス」
にっと笑ってみせるも、あいにく暗い店内では表情すらも伝えられない。
注文を終えると、軽くため息をつく。普段の飄々とした顔はどこへやら、物憂げな表情を浮かべている。
懐から取り出した指錠を、右手でくるくると器用に弄ぶ。楕円形に穴が二つあいた、手の平サイズの金属。
■ヴァン > 黒い泡立つ液体が注がれた大き目のグラスが男の目の前に。
適度に冷えたそれを左手で掴むと、ぐ、ぐ、と呷り、3割ほどがあっという間に消える。
「……はぁ。酒はいい。疲れた身体と心に染みわたる。
バカ騒ぎして気の合う奴等と飲むのも悪くはないが、ここみたいな落ち着いた場所で飲むのもいい」
バーテンに話しているのか、独り言か。料理が作られる様をどこか沈んだ瞳で眺める。故郷の伝統料理。
ぱちぱちと油の音を聞きながら、再度スタウトを口に。右手は金属製品を弄りながら、ぽつりと呟く。
「いい夜だ。隣に女の子がいれば、もっとよくなるが」
■ヴァン > 芋と魚を油で揚げた料理。酢と胡椒を振って口にする。
「よくこの料理はまずい、と言われるが……食文化が違うんだと実感するよ。
一般的には料理というものはシェフが味付けして完成品を出すものらしいが、故郷では最後に食べる人が好きに味付けをする。
半製品と言うべきなのかな。味付けせずにこれを食べたら……油の味しかしないんじゃないか」
なおもバーテンに語り掛ける。料理と酒が少しづつ減っていく。
相変わらず、表情はすぐれない。目が死んでいる。
■ヴァン > 食事を済ませ、席を立つ。
「おやすみ。よい夜を」
夜の濃い闇に消えていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/バー」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクレイさんが現れました。
■クレイ > 「少しサボるとこれだよ」
ハァとどこかの店内で溜息をつくのは1人の男。腰に剣をぶら下げながらも鎧を身に着けず、そもそも座りかたもマナーがなっていない。
手には依頼の紙。フリーの傭兵だとパッと見ればわかるような風貌の男。
手にはバサバサと何枚もの紙を握っている。
「とりあえずこれはパス。これはパス……これは……うーん」
悪そうな依頼や明らかに罠でこっちをハメ殺そうとしているようなのは弾く。
それでも残る。かなり残る。
顔をしかめたその面は見方によっては体調が悪そうにも見えるし機嫌が悪そうにも見える。
■クレイ >
「おい酒頼む。強い奴な」
と店員に注文して依頼書を見比べる。
あるのはどれもこれも高い依頼。1番下で数万、上を見れば6桁の大台に突入する依頼だ。
だが、その分危険度も高い。数万の依頼は全部簡単にクリアできるだろう。だが6桁依頼はそうではない。信頼できる相手なので殺しに来る依頼ではないんだろうが。
「……ほぼ1人で砦守れって事だよなこれ……?」
流石にそれは死ぬ。なんでも一時的に新兵ばかりの時間になってしまうタイミングができるとかで、その時間に防衛に入ってほしい。とのこと。
無茶だ、守りは有利といってもそんな状態で防ぎきれるなら砦は何度も取られちゃいない。つまりこの依頼の真意は。
「……この報酬内で傭兵を雇えって事か」
そういうこと。それなりの腕利き傭兵を5人雇って1人辺り20人の新兵を世話する。そうすれば手元に5万程度は残る。
と、そこまで考えて机にドシャっと崩れ落ちる。
「それあんまり旨味ねぇよなぁ」
高くはある、だが危険度と報酬のつり合いが取れない。
■クレイ >
少し待っていればお酒が届く。そしてそれを口に運ぶ。
「はぁ……ったくしゃあねぇなぁ」
結局懇意にしている相手を袖に出来ないのがフリーの傭兵。この仕事を受けざるおえない。
かなりの難依頼ではあるができないわけではない。それに報酬もそれなりに高い。
もらった酒をグイッと一気に呷る。
「良い酒だった、支払い置いとくぞ」
とお金をその場に残して彼は店を後にする。
向かう先は情報屋。目当ての傭兵にコンタクトを取れるように依頼する所からだった。
まったく、面倒な依頼だ。そういいながらもこの依頼を彼は完璧にこなしたという。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にナータさんが現れました。
■ナータ > 「んっ……ん-んっ……よい、しょ、っと……」
こんな時間に起きてしまった―――
まあ、仕方ないか。
今日は仕事がお休みだった。
なので……惰眠を貪ったから。
幾らか気温もマシだったのだろう、風が部屋に入れば
―――何しろ隙間だらけの安宿なのだから―――
死ぬことはなかった。
なのでのんびりと。
とは言え、寝直すには目が覚めすぎてしまっていた。
「散歩、行こ、っと……」
少女は一張羅―――何しろ全財産だ―――を羽織ると
夜の街へと歩いて行った。