2022/04/14 のログ
ステラ >  
彼女は自分が選んだブレスレットを買うようだ。
適当に選んだのに申し訳なくて心が痛む。
彼女が代金を支払えば、店主の次のターゲットはこちら。
明らかに「買うの?買わないの?」と急かされている。
そこで買います、なんて言えないのがコミュ症である。
くるり、と向きを変えて。
が、もう一度彼女の顔を見て、

「――お詫び、……奢る」

きっと彼女にはそう聞こえただろう。
正確は『こわ、がらせた、ので、お詫びに、奢り、ます』なのだが、まぁ結果的には同じことだろう。
たぶん。
きっと。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステラさんが現れました。
ミンティ > とりあえず、これ以上ここに居座っていては営業妨害だと叱られそうだ。
自分がどいたら、隣の彼女もブレスレットを選びはじめる可能性だったあるのだし、と頭の中であれこれ考えながら、動きが鈍くなった身体ながらも、どうにか立ち上がり。
ふうっと一息こぼしていると、彼女がこちらに視線を投げてきた。もしかして、やっぱり邪魔な位置にしゃがみこんでいたんだろうかと思いかけた矢先。

「…へ?……え、と、……あ、ええ…と、……は、はい。わかり、ました」

選んでやったのだから奢れという事だろうかと頭の中が疑問符だらけのような状態。
たしかに選んでもらったブレスレットの方が自分にはあっている気がしたけれど、そのアドバイスを自分から求めたわけでもない。
新手の押し売りというか、タダ酒の飲み方だとか、だったりするのだろうか。考えても答えが出ないので、両省の意思を示すために、こくんと頷き。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からステラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステラさんが現れました。
ステラ >  
付いてきてくれるようだ。
人をごはんに誘うだけでもめちゃめちゃ緊張していたので、ふう、と安堵の溜息。
繁華街の通りの端の方を歩きながら、どこにいこうかと考える。
自分みたいな肉肉アンド肉と言う様な冒険者ではない、彼女のような普通の女の子が行くような店、どこか知っていただろうか、と考えながら歩く。
時折振り返りつつ、はぐれていないかどうかを確認しながら。
やっぱりオシャレなカフェとかが良いだろうかしかしあまりにオシャレ過ぎるとこちらが耐えられないしどちらかと言えばごはんも食べれる喫茶店の方がいいだろうかでももう夜だしそう言うとこは多分やってないだろうなレストランと言うかそう言う類のところを探そう、などと考えながら辿り着いた行きつけの食堂(早い安い旨い)の扉に手を掛け、

「……、――」

やってしまった。
ついいつもの店に来てしまった。
平民地区の食堂とは言え、大衆レストランじゃなくて飯屋に来てしまった。
ギギギ、と振り返り、扉を開けて「こちらでよろしいでしょうか」みたいな態度で扉を持ってない方の手を店の中へ向けた。

ミンティ > いきなり奢れと言われる状況の方がおかしいのだけれど、そこまで考えも回らない。
とりあえずこの場を穏便に済ませられるならと、臆病者らしい思考で、流されるままに行動してしまう。
ここからお店選びを任されそうな事態となれば、慣れない繁華街の中を無駄に歩き回ったりする事になったかもしれないけれど、とりあえずそんな事態は回避できたらしい。
彼女が先に立って歩いてくれる様子には、ほっとしつつ、やたらと高いお店に連れていかれるのではないかという不安も少々。
あまり落ち着かない様子で周囲を見回したり、そわそわ、きょろきょろ、している間に繁華街の雑然とした空気も薄れていって。

「……ここ、ですか?」

見るからに平民向けの食堂といった雰囲気。可能性はゼロとは言いきれないけれど、まず高級なお店でない事はたしかだろうと思えた。
そんなお店に案内され、エスコートされるように扉を開かれると、ぺこ、と小さく頭を下げて先に店内へ。
外から建物を見上げた時と、中に入ってお店の雰囲気を確認した時と、認識のずれはそう大きいものにはならないだろう。
自分が奢る側だと勘違いしたままだから、その点ではすこし安心できたりもして。

ステラ >  
彼女が入った後に店に入る。
いらっしゃーいと元気な店員の挨拶。
いつも通りにカウンターに向かおうとして、そう言えば彼女がいるのを思い出した。
カクンと進路を60度変更してテーブル席へ座る。
彼女も座ったなら、メニューを差し出す。
書いてあるのはいかにも飯屋!と言った感じのラインナップ。
特徴的なことを挙げるとすれば、やたらと肉肉しい料理が多いことぐらいか。
自分はいつも頼むものは決まっているので、彼女が決めている間に水を取ってこよう。
安い店あるある、水はセルフサービス。
コップ二つに水を入れ、右手を触手に変形させてコップを二つ持ち、左手はそのままピッチャーを持ってテーブルに戻り、右手の触手を伸ばして彼女の前にコップを置こう。

ミンティ > 活気にあふれた店員の声に、びく、と肩を弾ませた。
はじめてのお店で歓迎を受けると、大体いつもこの反応になってしまう。
変に目立たないように、なるべく人目につかないような席を自然と探してしまってから我に返る。
そういえば今は一人じゃなかったんだと、彼女と同じようなタイミングで思い出した。
ならば、自分よりはこのお店に慣れていそうな彼女の背中を追いかける形。案内されたテーブル席に身を落ち着かせて。

「あ、ありがとう、ございます。ただ、わたしはもう、夕食は済ませましたので、
 え、と、なので、…こちらはお気になさらず。なにか、なんでも、お好きなものを」

差し出されたメニューを受け取り、大雑把ながらも大体の料金設定を確認する。
このお店なら、多少の贅沢をされたところで、料金を支払えないという事にもならなさそうだ。

「っ……?!」

席を立った彼女の動きを視線で追いかけて、水を入れに行ってくれたのだと理解する。
その間に、ホットミルクかなにか、食事を済ませている自分でも頼めそうなものやデザート類を確認し。
頼むものを決めたところで、メニューを閉じ。同時にやってきた彼女に、水のお礼を告げようとして。伸びてきた触手に、びくっと跳ねそうな勢いで震えて。

ステラ >  
夕食は済ませた。
となると彼女が頼むものはデザートの類になるか。
今日はちょっと懐も温かいし、払えないことはないだろう。
彼女が人知を超えた大食いでない限り。

「あ」

そしてコップを置いてから彼女の反応に気付く。
ついいつもの感じで右手を触手に変えてしまっていた。
椅子に座ろうとした体勢でしばし固まり、やがてしゅるしゅると申し訳なさそうに右触手を引っ込める。
どうしよう、としばらく目を泳がせてから、

「――にゃ、にゃあ」

ぷにぷに肉球の付いたもふもふのネコの手に変えて誤魔化してみる。
誤魔化せるか。

ミンティ > 見間違いかと思って目を丸くしたけれど、コップを置いたそれはやっぱり軟体生物の触手としか見えないもの。
それが彼女の身体の一部であるという認識より先に、魔物でも紛れこんでいるのかと勘違いをして。あわてて自分の席を中心に見回してみるけれど、本体らしい姿は見つからない。
そして肝心の触手は、なんだか申し訳なさそうな動きで彼女の方へと戻っていく。
そこでようやく、彼女の手の形が先ほどまでとは違うのだと、理解が追いついて。

「……え、と、……あの、……っ」

この王都にはいろいろな人がいる。商人をしていれば、偶然そういった人と出会う機会も、日常的とは言えない稀な頻度で存在し。
不躾な態度を取ってしまったか、謝らないといけない、と考えている間に、触手は猫の手に変わっていた。
目の前で手の形を変形させる事そのものに、心臓が止まりそうなくらい驚いた。

「……っ。…あの、すみませんでした。すこし、驚いてしまって。
 …お気づかい、いただいて……ありがとうございます」

どうしてそんな風に形が変わるのかと、疑問は尽きない。
けれど、まずは謝罪を優先し。ふるふると首を振り、今はもう怖くないと示そうと。

ステラ >  
「あ、……んん」

手の形を元に戻す。
自分からすれば便利な身体ではあるが、確かに一般人から見ればいきなり触手が出てくれば驚くだろう。
そこに店員が注文を取りにやってきた。

「ぅあ、い、いつもの、で」

常連と言っていいほどよく来ているが、未だに慣れない。
どもりながら注文。
彼女の注文も聞けば、店員は厨房へ戻るだろう。

「え、っと。私、魔法生物、で。色んな生き物の、因子?を、混ぜられ、てて」

しどろもどろに説明。
その間に自分の右手の形を色々変えていく。
スライムだったり、龍のような爪だったり、鳥のような翼だったり。

ミンティ > 周囲の席でも、彼女の手の変化が騒ぎに繋がっている様子はなかった。
そもそも誰も、こちらを気にしていないだけ、という可能性もあったけれど。
驚いた瞬間から、まだすこし跳ねた鼓動が続いている胸をおさえて、気持ちを切り替えるように、ゆっくりと息を吐く。
ちょうどそのタイミングで、店員の人が注文を取りにきてくれたのに救われた思いで。

「あ、……わたしは、冷たいミルク、と。
 あと…、フルーツ盛り合わせの、小鉢のサイズを……」

このくらいなら今から食べても、おなかに負担がかからないだろう。
注文を終えると、去っていく店員に頭を下げて。視線を不思議な彼女の方へと移したら、また、さまざまな形に変形させている。平然とやっているようにも見えるから、自分が思うよりも大したろう事をしているつじもりもないのか。
ついまじまじと観察してから、これはこれで不躾な対応だと気がついて。

「ま、魔法生物……?え、と……なる、ほど。
 難しい事は、すみません、よくわかららないのですが、……痛くは、ないのですか?」

たくさんの生き物の因子を持つから、変形する事もできる。
納得できるような気がするけれど、そもそも魔術だとかに疎い自分には、ぴんとこないところもあって。
それよりも純粋に、自由に形を変える手の見た目そのものに興味を持った。自分の手があれだけ伸びたり縮んだりしたら、相当痛いだろうと思えtえ。

ステラ >  
「種族、がなにかは、わからなくて。気付いたら、いた、から」

気が付いた時には既にこの姿だった。
どういうことが出来るかとか、何になれるかとか。
左手をネコの上半身に変え、そのネコの顔でコップの水を飲む。

「え――ぁ、うん、痛いとかは、特に」

そう言われてみれば痛くないのが不思議だ。
何故だろう、そう言う生き物だからだろうか。
コップにしがみ付いてた左手ネコを、彼女の方に伸ばしてみる。
前足から後ろが長く伸びたネコ。

ミンティ > 普段、人と接する時には想定しないようなインパクトを前に、コミュニケーション下手ゆえの緊張も薄れていた。
気が付いたらいたという状況が、特殊な瞳を持っている程度で、ただの人間にすぎない自分には想像がつかないものの。
頑張って想像してみようかと考えていると、手が別の手に変わるだけではない、猫の顔への変貌に、ふたたび目を丸くする。
こうなると、今見ている彼女も真の姿ではないのかと思えてきて、目が回るような思い。

「……痛くは、ないんですね。……よかった。
 でも、こんな風にいろいろ…変わるのを見ていると、なんだか不思議、…です。
 え。……あ、あの、じゃあ、失礼、します、……っ…、本物、みたい、ですね」

考えてもわからない事ばかりで、呆気にとられた表情。
胴体が長い猫みたいな左手が、ぬうっとこちらへ伸ばされると、思わず身構えたりもしたけれど。
触っていい、という事なのだろうと判断し、おそるおそる猫の頭を撫でてみる。
普段、近所にいる野良猫に触れるのと変わらない質感に、ますます驚いたようにまばたきを繰り返し。

そうして知った彼女の正体には、驚く事ばかりではあったけれど、不思議と恐怖は感じられず。
そのまま他愛ない話に花を咲かせる事となったか。好奇心のままに、あれこれと聞いてしまったか。
緊張感が抜けた分だけ、スムーズに会話できるようになっていた事だけはたしかなはずで…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ステラ >  
「流石に、叩かれたりしたら、痛い、けど……」

そう言うことが出来る、と言うだけだ。
彼女の手に撫でられたり、それにじゃれついたり。
左手をネコの因子で固めているから、ある意味本物のネコと言っていいかもしれない。
そうこうしている間に料理が来る。
こちらの食事は分厚いなにかのステーキと、パン。
それを食べながら彼女と色々会話して。
こちらは彼女ほどスムーズには出来ないけれど、それでも緊張するというほどではないだろう。
支払いの段になって二人とも財布を取り出してちょっとパニックになったかもしれないけれど、多分お互いの勘違いに気付いて笑い合う、なんてこともあったかもしれない――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からステラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」にピーターさんが現れました。
ピーター > 「ハァ~っ、ひと働きしたあとの酒は格別だわな!」

冒険者ギルドの窓口も兼ねた酒場の片隅で、金髪碧眼の美丈夫がジョッキ片手に飲んだくれている。
本人の言の通り、依頼を一つ完了させての報酬で買った麦酒であり、今回は無銭飲食ではない。そもそも仮にも冒険者の身分でギルドの窓口の真横で無銭飲食なんてしない。

「けどま、スライム駆除なんざもうしばらくやりたかねーけどな!ハッハッハ!」

新人冒険者用に張り出されていたスライム駆除の依頼、並みの冒険者であれば報酬額の少なさに目も向けないような物だったが“とりあえず酒代が欲しい”と請け負ったのが半日前。
スライムの動きは以前に地下下水溝で学習済み。
あれよあれよという間に規定数を討伐し、意気揚々と凱旋。報告してそのまま酒浸りになって今に至る。

麦酒と一緒に注文した串焼きの肉を頬張りながら、さて明日はどうしようかと考えを巡らせている……ように見えて、実のところなーんにも考えちゃいない。

ピーター > 「後はこれで佳い女の一人か二人侍らせられれば言う事ないんだがよ。」

そうボヤいてぐるりと辺りを見回す。
この場に居る女性客は一通り声を掛けてみたが、色よい返事をしてくれる相手は居なかった。大半は依頼を受けに来た冒険者だったし、受付嬢は仕事中を理由に断られている。
“こっちの姿”ではただでさえ効果の薄い魅了の瞳術も効果が半減の半減、四分の一くらいにまで落ち込むので中々思う様にはいかない

「後はこれから来る子に期待ーってか。はぁ。大人しく色街にでも繰り出した方が……って金、ねーんだったわ。」

青々とした溜息を溢して酒を呷る。
典型的なダメ人間ムーブ。いわゆる社会生活不適合者。
黙っていれば美丈夫ではあるものの、口を開けば御覧の有様だった。

ピーター > 「ッはぁ……何だよ、女の子どころか男すら来ねえたぁどういう了見だ、ったく……」

ごん、とテーブルにジョッキを置いて、半眼になった翠の瞳でぐるりと周囲を見渡す。
厄介な酔っ払いが居る、と判断されたのか若干距離を置かれているような、そんな気配。
こんなイケメンが一人酒してるのに厄介な酔っ払いたぁ酷い話だ、とブツブツぐちぐち。まさに厄介な酔っ払い。

「まーったくよう……おかわりー!」

他のテーブルへ料理を届けて戻る給仕を捕まえ、空のジョッキを押し付ける。
そんな調子で呑み続け、気付けば支払いが手持ちを上回っていた。
嘘、スライム狩りの報酬、低すぎ……!?と酔いも醒めて若干青ざめる。
まさかぼったくりか、と疑いもしたが伝票を確認したら間違いなく非は金髪の青年にあった。

「………」

苦虫を噛み潰したような顔でしばし空のジョッキと積み上げた皿を睨む。出来れば飲み食いしなかったことにして消えてくれないかな、と期待しつつ睨む。消えるわけが無い。

ピーター > 「………よし、とりあえず有り金置いて逃げるか。」

むん、と決意を固めて静かに席を立つ。
先の依頼報酬をそっとテーブルに乗せ、それじゃあごっそさーんとそそくさと退散しようという目論見だったが、席を立った直後すごい力で肩を押さえられた。
あ、やべ。これ逃げられんやつ。と思いつつにこやかに肩を掴む相手を見れば、厨房担当らしい筋骨隆々の男が居る。

「………お皿洗いでどうにかなりませんかね?」

何か言われる前に自ら提案。不本意の所持金不足であることを主張すれば、情状酌量の余地もあるだろうと踏んで。
今回は大目に見よう、とはいかないかもしれないがワンチャン軽作業で許して貰えるやも。


そんな期待を抱いていたピーターだったが、現実は甘くない。
結局のところ皿洗いにピーク時のウェイター業と床掃除が上乗せされ解放される事にはすっかり夜も更けていたという――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」からピーターさんが去りました。