2022/03/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。

食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。

エレイ > そのまま男の姿は遠ざかり、雨に烟る景色に紛れていって──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にナータさんが現れました。
ナータ > 冬の終わりは一雨ごとに暖かくなる―――
誰が言ったか知らないが、昔から言い伝えられている言葉
その通り、春の気配が濃くなった夜。
少女は定宿の安宿への道を進んでいた。

安い賃金に安い食事に安い宿賃
全てに安い、が付くけれど、路地に小さくなって丸まり
凍えそうな身を屈めて冬を過ごした過去に比べれば天と地の差。

今の自分の境遇は満足ではないけれど、不満はそんなにない……
何処どんよりと曇った空を一つ見上げて、少女はまた歩き出した。