2022/02/15 のログ
アルヴァニア > 中指の爪に感じるひとの肌の感触はほんの一瞬で。
相手に痛みを与えた分だけ、自分の指にも残る衝撃に掻き消える。
追撃はせず、双眸を薄めて柔らかな弧を描き、家名を抱く笑みを浮かべたのも束の間の事。
相手の表情と、続けられた言に金眼がはつりと瞬いた。

彼の趣味は、年月の空白はあれど己も知る所。
言葉の意味を頭の中で咀嚼すれば、幾度か瞬きを繰り返した後、喉の奥で小さな笑み音を転がし。

「私が困る時なんて、余程の事よ?
その時に手を伸ばされても、取れるか分からないわあ。」

そもそもが、困難を困難と思わぬ質。
その条件では、恐らく一生手助けを乞う機会は訪れないのだろう。

ふ、と眦を弛め、相手の方へと上肢を僅かに傾けた。
真横に座る彼との距離を一層縮めれば、密談でもする様に彼の耳許へ顔を寄せ。

「もっと魅力的な条件を出してくれなきゃ、いやよ。」

擽るよな、吐息を多分に含んだ甘やかな声音で嘯き。

セリアス > 自身の額を指先で撫でる様を見せながら、探るようにと告げた言葉。
どうやら、それの意味するところは相手に伝わったらしい。

けれども、解呪を楽しむとまで豪語した相手に、困りごともそうは無いらしい。
それを、彼女の言から再確認しながら、額から手を離して、

「……出来得る限り、此方からお手を掴ませていただきますよ。
 旧知が減るのは、生きる上での彩りを失うに等しいものですから」

例え、彼女が進んで助けを求めることが出来なくても、気付けたのなら助けると。
勿論対価は頂きますが、等と茶化して答えるけれど、知人を失うのが本位でないのは、確かなのだろう。

覗く相手の眦が楽し気に変わり、直ぐ傍に座る彼女の身体が、触れそうなほどに近づく。
すぐ耳元で聞かされる声色に、ぞくりと。わずかに背筋を震わせて。

「……では、もっとアルヴァニアを識るところから、ですねぇ。
 通りに、私の商会があります。其方で、飲みなおしませんか?」

懐かしい出会いに感けていれば、すっかり温くなったエール。
それを無理矢理飲み干せば、平民街の大通りにある自身の棲家に、彼女を誘って。

アルヴァニア > 「頼もしいわあ。」

ふふ、と吐息に混ぜた笑み。
かろい声音ではあるが、本心からの言だとは柔く綻ばせた表情が物語るのだろう。
おどけたよに紡がれる対価についての言葉も、さもありなん、と言った様子。
タダより高い物は無いのだと、身に染みて知っているが故。

寄せた上肢は紡いだ音の余韻を残す様にゆっくりと、然し直ぐに離れて元の位置へ。
悪戯が成功したとばかり、機嫌の良さそな表情を浮かべつつ、

「―――よくってよ、」

傍らから受ける誘いに、睫毛が揺れる。
愉し気に細まる瞳と、持ち上げられた口角が、戯れめいた音で応えを返して。
同じ様に、カップに残る温くなったエールを干せば、丁度此方へと向かってくる看板娘。
一緒に頼んでいた肴を運んで来てくれていたらしい。
彼女に奢る態で食べてくれる様に頼み、支払い諸々を済ませれば、
相手の案内を受けながら其の住まいへと共に向かう事になるのだろう―――
【両者退室】

ご案内:「王都マグメール 平民地区/とある酒場」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/とある酒場」からアルヴァニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「なんかえらく賑わってんな……。」

 明日から冷え込むのもあって暖かい食事にありつこうという者も多いのか、
 その日の酒場は客が多くごった返していた。

 普段ならすれ違いざまに尻を触るウェイトレスも、客の対応に追われていて心なしか殺気立っている。
 うん、今触るとぶん殴られるやつだ。

 スープにパン、よく焼いた肉がバリエーション豊富に数皿。
 テーブル一つ陣取っているが、そのうち相席を言われるだろうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクルサオルさんが現れました。
クルサオル > 「そうだねぇ。なんか大きな討伐対象を仕留めたパーティがパーティを開いてるんだってさ」

なんて言いながら、一人の中性的な冒険者が対面に座る。
黒い眼帯と包帯でほぼ顔の半分を覆った、白を基本に紫色の長髪を持っていた。
傍らには布で包まれた両片手剣が置かれる。

「相席いいかい?」

なんて無邪気な顔で提案すると、ウェイトレスに適当に食事を頼む。
その声もまた、男か女かの判別が付きづらかった。

コルボ > 「ん? ……あぁん。それでか。」

 言われてみればテーブルを寄せて酒盛りをしているグループがいる。
 複合パーティによる編成なのだろう。

 異なるパーティ同士とはいえ折り合いがいいのか、今日の酒場の主役とばかりに賑わいの大きな渦を造るようにして
 異なる雰囲気の者達が話を弾ませている。

 その喧騒から離れるようにして陣取っていたのもあるが、

「ああ、かまわねえよ。あんたもやかましいところから離れて選んだ口かい。」

 チンピラ然とした男はへらへらしながら片手をあげて。

クルサオル > ありがと、と短く礼を言いながら水とパンを受け取って。
ついでに卵スープとゆで卵とスクランブルエッグもお願い、と追加で注文をすればウェイトレスの額に青筋が浮かんだ。

「んん?うん、まぁ、僕には関係ないしね。それに今は別の仕事を探してるところだし。
なんかいいクエストない?」

卵スープに固いパンを浸らせて、柔らかくしながら口に入れる。
チンピラ然としているが、そんな男がこの空気に嫌気を持っているのなら
それにあやかったほうが自分にも都合がいい。

「僕はクルサオル。斥候や前衛が主だよ。君は?」

コルボ > 「卵多いな。肉食わねえの?」

 ここラムチョップ旨いぜと言いつつ。

「ま、そりゃそうなんだがな。それでもあいつらがいい気分になりゃご相伴にあずからせてもらえるかもしんねえしな。
 良い顔だけはこういう時しとくもんさ。」

 今日は主役でも明日は棺桶。そういう仕事だからぱーっとやるのだ。
 ……そのうち皆に酒が振舞われ出すだろう。

「仕事? 探してる毛色によるな。どんな手合いがいいんだ?
 斥候、なら……、まあ今の時期は待ちが多い分冷えて人気ないからな、
 報酬弾む奴は色々あるけどよ。

 俺ぁコルボだ。見ての通り前衛向きじゃない中衛よ。
 偵察から罠の解除からそういう類だな」

クルサオル > 「肉も好きなんだけど、卵のほうが好きなんだよね」

ゆで卵の殻を剥きながらそう返事して。

「そうだねぇ。君、世渡り上手なタイプだね、僕はそういうのはいいや。
どうせいい顔しても、誘われるわけでもないしね。誘ってくれるならそれだけでうれしくなるけどさ」

頬杖を突きながら、綺麗に剥いたゆで卵をそのまま口に入れて咀嚼する。
淡白な味をパンで誤魔化して食べる。

「戦いは事欠かないけど、まぁ簡単な護衛が今はいいかなぁ。
時期が時期だからみんな溜め込まないといけないしね、人間は冬眠はできないし。
ま、仕事がもらえるならなんでもいいよ。ちゃんと支払いがあるならね?

ふぅん、結構器用そうだね。
ダンジョンには重宝されそうだね。危機感知も得意そうだし」

コルボ > 「体に気ぃ使ってんのか? まー人のこた言えねえか」

 余計な肉、というより脂身を嫌う手合いは女子の中でも無駄な肉を削ぎ落す速攻型、それも東方の武法を嗜む者に見る。

 ……否、知り合いの貴族にもそういうのがいた。

「黙ってへらへらして片手挙げてりゃ勝手に奢ってくれんだ。
 そりゃやるだろ。

 誘われるっていうか、あれじゃねえの、どっかで誘われたくないって気があるんじゃないかね。
 なんかこいつ違うなってなったら、来ねえしさ」

 無遠慮に距離を詰めてくる奴もいる。だが、結局大体の奴は自分本位で、というより自分があるからこそ
 フィーリングが合う者に誘われるわけで。

 ……というより、言葉がどこか浮世離れしているのが原因だろうかと、思いつつ。

「護衛だったら山越える行商の依頼が何件かあったぜ?
 人間は冬眠出来ないなら山賊もそうだしな。
 大体こういう時襲ってくんのは無計画なアホだが、
 それでもこんな時に動けるような商人からすりゃ対価に色つけて盤石にしたがる。

 誘われんのが好きなら、なんならつるんでやるか?
 ちょうど、顔出したい方向にある仕事もあるしな。」

 人が冬眠出来ないのは道理だが、だからこそ冬でも動かないといけない人間がいるのも道理で。
 護衛も基本馬車に乗っていればいい。……危険な箇所以外は。
 そうでないところもすでに目星をつけて先んじて動くつもりでいる。

「ダンジョンなんざ競争相手多すぎて頼まれてもいかねえよ。
 危機感知はなぁ、やっても話聞かねえ馬鹿もいるし、そういうのと絡むと面倒なんだよな。」

 便利な扱いをするくせに責任を全部押し付けてくる無能な脳筋共には充分凝りていて。
 ……ああそれでも目の前の”斥候”ならそういう点ではうまくやれるだろうかと

クルサオル > [別にぃ?好きなものを好きなだけ食べてる。それだけさ」

ふふ、とどこか女性的な笑みを見せて。
少なくとも、目の前のこのクルサオルと名乗った者はそういう武術を嗜んでいるようには見えない。
しかしその体はそこそこバランスがいいように見える。

「なるほどねぇ。お酒が好きなのかい?僕は嫌いじゃないけど、昼間から飲む気にはなれないなぁ。

そういうものなのかな。なかなか難しいもんだね、やっぱり自分から行かないと、かな」

そういいながら、今度は殻をむかずにゆで卵をそのまま口に入れて、飲み込んだ。

「山を越える、かあ。駄目じゃないけど結構日数とられそうだね。
となると保存食の配給とかも期待できるかもしれないな、まぁ望み薄だけど。

お、いいのかい?山分けは僕が7でそっちが3なんてどう?」

と、冗談めかして言いながら、もしそちらが切り上げようとすれば慌てて訂正するだろうか。

「競争もそうだけど、もう漁られてることも多いしね。
実をいうとダンジョンを潜ったことはないけど、ほら。
やっぱり、一攫千金ってロマンあるじゃん?一回は挑戦してみたいよね。
まぁ自分の命を投げ捨てるようなことはしたくないけど」

コルボ > 「卵大好きすぎかよ。……美食家ってんじゃねえよな。
 ドラゴンとかコカトリスの卵に興味があるとか。」

 ダンジョンに興味がない、飄々としている雰囲気。
 まあよそ者なのだろうがなんで人里に及んでいるのかと考えつつ。

 バランスがいいというか、中性的でも女性寄りに思えるというか。

「いろいろ勢いはつくし、昼間から酒飲むような”相手”とも話せるしな。
 まー、なんていうかルーはニュートラルっつうか誘うのも誘われるのも違うっていうか、なんだろなこれ」

 速攻であだ名つけつつ。

「護衛任務なんて報酬の半分は依頼料みたいなもんだから諦めろ。
 飯が自前か保存食か、それとも豪華になるかは交渉次第さ。
 分け前折半なら優雅な飯付きに話持ってってやるぜ?」

 ニヤニヤ笑いつつ

「人の足が届く範囲は大体な。まー、それでも古代文明だのってなら、
 史跡研究してる奴と話してりゃ、目星が付くけど当たりとも言い難いしな。」

 ダンジョンを探索してくれと目星をつけて依頼される話のうちのいくつかはそれで、
 実際はガラクタも多いことを思い返して。

「最近はたまに”迷宮化”ってのがあるっぽいな。
 無銘遺跡の派生だかなんだか知らんが、洞窟だの放置された遺跡がダンジョンになっちまう。

 そういうのを見つけられりゃ浪漫はまだ転がってんよ」

クルサオル > 「美食家なんてのじゃあないよ、普通に卵が好きなだけさ。
でも興味はあるよ?そういう卵を食べたら、自分の力になるかもしれないしね」

と、苦笑しながらも正直に答えて。
そういうのを食べたらなんかこう、ステータスでもアップするかなぁ。なんて考えつつ

ちらりと、青年の視線を感じて、そっと微笑みを浮かべる。

「なるほどね。僕は酒は嫌いじゃないけど、どっちかというと飲ませるのが好きだからなぁ。
んぅ、そんなこと言われても困るなぁ。いつの間にかいるのが普通、みたいな?」

よくわからないような顔をしつつ

「悲しいなぁ。まぁ護衛は多く雇う必要があるわけだしね。
交渉は苦手なんだよね。一番早いのは”お願い”をするのが簡単だし」

そっと、女性的な仕草で、まるで誘うように横目で視線を送る。

「だいたいハズレが主だしね。けど、だから発見があったらおもしろいよね。
その発見から学者さんからのコネクションも手に入るかもしれないし」

ダンジョンで手に入るものはあくまで副産物。メインはコネクションでもあると伝えて。
まぁそれはそれとして、お金や報酬は確かにあればいいんだけど、と付け加えて。

「でもそういうのを見つけてもそのまま突っ込むのは愚行じゃない?
ちゃんと準備をして報告しないと。大体は欲に目が眩んでそのまま死にそうだし」

コルボ > 「実際お前さん何者なんだ? こんなどんちゃん騒ぎに目もくれず、ここに座ったしよ。」

 ……ややあってそう言う。意図的に人を避けてる、酒は好きだがのんびり飲んでる。
 奢られるにしても店全体、あくまで風景の一部。
 そこに来るのは、物好きか変わり者か、どちらにせよ”繋がるにしても面白い”類という状況を作っていたつもりで。

 同時に自分が見た目通りのチンピラではないそぶりで明かして。

実際、いつの間にかいるのが普通という言い回し自体そうそうただの人間が使うものでもないが。

「ま、俺もそっち側だよ。飲ませた後のお楽しみってな。
 組んだらお前にもそうするかもしんないぜ?」

 げらげら笑いつつ。

「悲しい言うな。雇われ仕事は相手の意図を汲んでこそだよ。
 それにそこを、詰まんねえ仕事をどう面白くするか考えるのも楽しみさ。

 商人だったら一晩相手させられんぜ? それこそ拘束時間が長くならぁな。」

 肉をかじりながら騒ぎが大きくなり、その中で俗世から離れたように二人で落ち着いて食事する様は浮世離れもしていて。

「学者よかバックのパトロン狙いか。学者は穴でも遺跡にしか興味ないしな。

 実際そんな変わんねえってか、どっちかっていうと住み着いてる魔物の生態を把握するために潜ったほうがむしろ手っ取り早かったな。
 罠にしたって、そもそも罠って”人を陥れるもの”だろ?
 だから人が嵌るにはどうしたらいいかって逆算して看破する分には生成される迷宮もそんな変わらねえんだわ」

クルサオル > 「何者でもいいんじゃない?少なくとも、こんな場所で話させるのは野暮ってもんだよ」

咎めるような視線を送った後、もらった酒をちびちびと飲んで。
自然と赴いていたこの席は、他からの空気に充てられることもなく、他から気にされることもない。
不思議な空間となって、自分たちだけかと見まがうほどに。

「それなら今度楽しませてもらおうかな?
もちろん、お題はいただくけどね」

くすくすとその笑いに返して。

「面倒くさいなぁ。でもそういうものだって最近ようやくわかったよ。
けどそれはそれとして、面白い仕事を先に探したくなるものじゃない?

別にいいさ。それは僕の”体力回復”にもなるし、ね」

スプーンをもってスクランブルエッグを楽しみ。
食べる仕草は庶民的で、これは演技でも何でもないのだろう。

「そゆこと。結構こういう考え方って建設的だと思わない?

ふむふむ、そういうものか。
確かに、”相手”の気持ちになって考えればそうすれば意外とわかるんだね。
まぁ僕は”相手”の気持ちを考えるのが苦手だから、人に任せたほうが早いんだけどさ」

コルボ > 「それもそうだなって大体話してるじゃねえか」

 どこか飄々とした道化師然とした振舞い、言い回し、挙句体力回復と来て。
それもここに生まれている場の空気、周りの注意から欠落しているが故なのだろうけれど。

「今度と言わず小旅行の間に相手してくれりゃ退屈な護衛もちったぁ楽しめんだろうよ。

 ま、暇つぶしがしたくなったら俺んとこ来いよ。
 俺と組むもよし、誰かと組む流れ作るもありだ。そういう風に持ってってやるわ。
 面白い仕事探すにしてもそこに至れなきゃ意味ないだろ?」

 その前に自分と組んで色々推し量ったり覚えてもらうこともありそうだが。

「建設的、てか普通最終的にそこに行きつくはずなんだけどなぁ。
 目の前の毎日だけ見てる奴がどこでも多くてな。

 出くわせることが意外と少ないのよ。

 ……いやお前斥候だろ。ちょっとは相手の気持ちを覚えて役に立つようにしな?」

 肩を竦めつつ。

「まあー、それはそれとして、行くか?
 ひりついた感じの仕事がいいなら、襲撃の可能性が大きいルート通るところ選ぶけどよ」

クルサオル > 「あははは、確かに」

てへっ、と自分の頭の裏に手をまわして笑みを浮かべる。
やっちまった、とでも言いたげだが、そこに別に後悔の念は滲んでいなかった。

「時間と余裕があるなら別にいいよ?っていうかバッチコイ!

ん、そうさせてもらおっか。コルボだっけ。
じゃあ頼むよ、でもキミのほうが基本的に面白そうだし。なにより危ないことをわかってくれそうだ。
キミについていかせてもらうとするよ」

試すようなことをさせられても、別に構わないと言外に伝えて

「ここにいる人は基本的に刹那主義者だろうしね。
僕もどっちかといえばそっちだけど、長生きはしたいからさ。
こんなことをやってて長生きもクソもないんだけどね。

相手の気持ちなんて表面上、あるいは自分がそこに立った時にどう思うかまでしかわからないよ。
そこから相手がどう動くか、までの予想はできなくってね」

はぁ、とため息をついて

「ん、じゃあ行こうか。ちょうど食べ終わったし。
好みはそっちに任せるよ。むしろ君の好みをまずは知りたいしね」

そういって剣を背負い、立ち上がる。

コルボ > 「一ついいこと教えてやる。相手を試すだの何考えてるか分かるかだの、
 自分が理解してる側だって思ってる人間とつるむのが一番つまんねえんだよ。

 そういう手合いに出くわしたら煙に撒いて退散しとけ。そういうの得意だろ?

 まともな人間は相手を見たら理解するし、相手が理解するように話すもんだ。」

 言外の意図を察した上でそんなことは時間の無駄だ、そうするぐらいなら面白いことをしたほうがいいと。

「刹那主義ってのは、ルーみたいに先が見えても尚やる奴のことを言うんだよ。
 瞬間を通してその先を見てんだから意外と死なねえよ、そういう奴ぁ」

 予想できない、と言われれば頭を掻いて

「そんなん、きちんとまともに考えてるって、まともに考えてない奴に対して思い込むだけで難しくなるぜ?
 毎日食って飲んで犯して奪ってる盗賊なんざ、きちんと明日を考えて生きてると思うか?」

 そう言いつつ立ち上がって会計を済ませて。

「好みは穏便に、だけどな。ずっと暇なのもつまんねえだろ。
 ……それに上手く引っかけられりゃ、ちょっと気に入らねえ盗賊団もついでに潰せて賞金首ももぎ取れるだろうしな。」

 路銀の足しに格下を潰そう、などとおっかないことを言いながら二人して店を後にする

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクルサオルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からコルボさんが去りました。