2021/10/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラッツィオさんが現れました。
■ラッツィオ > 「クソっ、あッたま痛ェ――……」
男は安宿の薄い布団から体を起こすと、部屋のなかを見渡した。
見覚えがあるのは、ここに入った昨夜のことを記憶しているからではなく、たまに利用している宿だからだ。
隣にはこんもりとした盛り上がりがあり、布団にもう1人の人物が包まっていることがうかがえる。
髪すらも見えないほど頭の上まで布団を被っているのは、肌寒い空気のせいだろう。
尻尾を引きずりながらベッドを軋ませて床に降りるが、人間に比べたら厚い皮膚のせいで、床板の冷たさはほとんど伝わってこない。
衣服を何も身につけていないことは気にせず、窓辺へ向かって鎧戸を開けると、日が少し傾き始めたころだった。
「――さァて、コイツは誰だったか。
馴染みの娼婦か、酒場で引っ掛けた女か、はたまた……。
場合によっちゃ、起こさずにこのまま出てったほうがいいってこともありえる」
自分が先に覚醒したのは幸運だったのかもしれない。
人の形に盛り上がっている布団を剥ごうか、静かに出ていこうか、窓辺に腰掛けて逡巡する。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラッツィオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 宿付きの酒場」にロゼさんが現れました。
■ロゼ > 一緒に飲んだ男と酒場の宿で一晩を共にする。
女にとってそれはなんら珍しい出来事ではない。
昨晩もまたいつものように、"負ければ一晩"の勝負に惜しくも敗れ、泥酔のまま肩に担がれ一室に運ばれた。
寝台の上に放られて―――其処からの記憶はほとんどない。あるのは今もこめかみに響く二日酔いの痛みだけ。
「 ……ん゛ん゛…、」
酒と女の匂いが映ったシーツに鼻先を擦り付け、ずきずきと痛む頭と、寝すぎで節々が軋む体を億劫気に丸める。
乱れた布団の下でもぞめき、寝乱れた頭をもぞりとのぞかせて――しばし。
今は何時だろうかと窓の外を見るに、既に日は堕ちて暗い。階下からは酒場の喧騒が聞こえてくるから繁盛の頃だろう。
であればほぼ一日眠っていたのかと、ややうんざりしながら枕に顔をうずめた。
肌寒さは感じない。布団に籠る熱もあるし、思いのほかふかふかだ。
ベッドの周りには剥ぎ取られた下着や服、ヒールが雑に脱ぎ落されていて――傍の卓上には伽賃と言わんばかりの銭が置かれていた。
あの男はもうこの部屋に戻ってくるまい。律義だかそうでないんだか、それが可笑しくって。
「 勝ったんだから、要らないのに。」
誰に嘯くでもなく、眠たげに苦笑い。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 宿付きの酒場」にイーヴィアさんが現れました。
■イーヴィア > (――そろり、影が出入口にちらつく。
中の様子を窺う様に、一度頭が覗き込んで。
そして、室内の様子を窺うと――ぐ、と、少しばかり気まずそうな表情浮かべてから
一度引っ込んで、そして、また、暫しした後で。
こんこん、と、ノックの音と共に、男が姿を現す筈だ。
一足先に、出て行った筈の男。
明らかに、戻る心算は無いとばかりの様相を残して行ったと言うのに
また姿を現したのは。)
「――――――………忘れ物を取りに来たんだが…。」
(――酷く、格好の付かない理由、であった。
見れば、乱雑に散らばった衣服たちの中に、ひと揃えの職人手袋が混じって居るだろう
妙に手元が軽いと、部屋を後にしてから気付いた訳で
――女がまだ、眠って居れば、こっそり忍び込む心算であったが
既に起きているのなら――他に術もあるまい)。
■ロゼ > (ぎい、と微かに扉が軋むような音がした。
枕に蹲っているから見えやしないが、そんな気がする。
ぼうとした頭でそんなことを考えていると――次は確かなノックの音。
聞こえてきたのは―――未だ記憶に新しい男の声。
戻ってこないとばかり思っていたが――…、)
「 ………――――――なあに。」
(忘れ物を取りに来たのだと言う。
それも恰好が付いてなくって可笑しく、あいらしかった。
寝台の上、惜しげもなく裸のまま、羞恥に頬を染めるでもなく横合いに寝がえりを打ち、布団の裾に顔を出す。
男の手袋は、女の服や下着の下に埋もれている筈。
何しろ、女が服を脱いだ―剥ぎ取られた―のは彼が裸になった後だったから。)
■イーヴィア > (扉を開けて中に入れば、後頭部をがしがしと掻きながら部屋へと踏み入る
先刻出たばかりの部屋の中、寝台には、肌を重ねた裸の女
響いた声が、笑い飛ばしてくれなかった事くらいは、せめての救いだろう
女の顔を見下ろすや、ばつの悪そうに苦笑いを浮かべてから
室内を、女の衣服をゆっくりと、一つ一つ拾い上げながら。)
「………やれ、格好悪いったらありゃしないな。
あー…記憶が確かなら、その辺に転がってると思うんだが…。」
(くる、くる、拾い上げた女の衣服を軽く畳んでは、椅子の上へと乗せて行く
何となく――放っておくのも、と言う話。
手袋は、程なくして見つかるだろう。 拾上げて、其れをポケットに突っ込んで。
そうして、女の下着を、畳んだ衣服の上に、ぽんと乗せてから
――また、女の方へと顔を向けて。)
「―――――まだ眠たそうな顔だな。 ……酔いは冷めたか?」
(――何せ昨晩、あれだけ飲み惚けて、酒精の勢いのままに一晩、だ。
気分はどうだと、そんな事を改めて問いながら――寝台の傍へ、歩み寄る。
横たわる其の姿を、静かに眺めながら――叶うなら其の目元に、指を柔く這わせ様と)。
■ロゼ > (人の其れとは思えない程に屈強で、酒にも強く、まるで獣みたいに掻き抱かれた。
しかも物言わず銭だけ置き、女が微睡から目覚める前にそっと部屋を去ってさえ―――。
そんな男が気まずそうに部屋に戻ってきたのだ。”わすれもの”だと言って。
気だるさに顰めるばかりだった顔には、嘲笑とは異なる甘苦い笑みが浮かんだ。
おまけに服まで畳んでくれている。ほほえましいったら。)
「 起きてだれもいないベッドは嫌い。」
(たった一晩しか共にしていないが、今までの彼の性分を見るにきっと困ったように笑ってくれる気がした。
そんな顔も見たくって、かすれた声で意地悪を呟いた。
枕に頭を沈めたまま横合いに見上げると、男はもう寝台の傍。
伸びてくる指を素直に迎え入れ、触れてくれるの待つかたち。
ふに、と目元に落ちた指の腹が硬く、くすぐったげに小首を傾いで頬へ触れさせた。)
「 ……だいぶんね。 いくらかマシになったと思う、…ちょっと頭が痛い程度よ。」
(硬い指先がひんやりとして心地良い。自然と眉尻が落ちる。)
■イーヴィア > 「――――――……悪かった、覚えとくよ。」
(微苦笑して、観念した様に頷いた。
行きずり、一晩だけの、…そう言った形で区切ろうと思って居た時間だが
結局の所、こうして続いて仕舞って居る。
――今更、回収終えて、慌ただしく出て行く必要もあるまい。
目元に触れさせた指で、擽るように。 頬へと滑らせ、顎先を撫ぜて。
其の儘首筋に落ちる指が、掌が、鎖骨から肩を、柔らかく撫ぜ降ろせば。
今度は、其の背筋に触れて。)
「なら、大丈夫か。 ……酔い覚ましを持って来た。
もし悪酔いが重くなるようだったら、使いな。」
(ポケットから、取り出した小瓶を、サイドテーブルに置く。
何の変哲もない、良く売られて居る馴染みの物だ。
そうして、言葉と共に、緩やかに其の背筋へ、背骨の凹凸に沿って
そっと指を這わせ、腰元まで。 ――愛でてやる、様に)。
■ロゼ > (想像の通り、苦くはにかむ男の顔にも、声にも、母性をつつくような可愛らしさを感じた。
一度許した男の指を拒むはずがない。むしろ、体の内側に籠る、アルコールの悪い熱をまるで吸い去ってくれるみたいで気持ちよかった。
目元から頬へ移る唇が、女の輪郭を形どるように白い素肌をさらっていく。首筋に落ちると、女のまつ毛の先が震えた。)
「――――ん…、(鼻に抜ける息に酒の香が混ざる)」
(白く伸びた首筋を下り、深い谷間の入り口にある鎖骨から撫で肩、背へ。
眉間に浅く皺を寄せ唇をつぐんだのは、くすぐったさからくる笑い声を堪える為。
横向けていた身体をさらに彼側へ傾け、シーツの上にたっぷりと落ちる金髪を躍らせて。
――卓上にそれと分かるよう置かれた小瓶を見る。
やはり、律義なのだ。人好きのする、好い男である。
それにしても彼の指ったら、――ああなんて気持ち良いんだろう。)
「…ぁ――り、がと ……(背骨のかたちを辿る指、じりと痺れるような感覚) っん、
ねえ、もちろん、…飲ませて、くれるんでしょ。」
(飲ませて、とはその酔い覚ましをだ。
腰に手が落ちる頃には片肘を支えに上体を起こし、れ、と赤い舌を覗かせてせかす。
何も纏わない裸の乳房へ金糸がすだれまがいにさらと垂れる。恥ずかしくなどない。
どうか、私の我儘が叶ってくれやしないだろうか。)
■イーヴィア > (――触れれば、敏く応える身体。
まだ、酒が完全に抜けたとは言い難いのだろう、其の呼気には未だ微かな酒精が混ざる
くすぐったさを堪えて居る様な反応には、少しばかり悪戯してやりたくもなるが
けれど、女が体を起こし、その赤い舌を覗かせて強請るなら。
一寸瞳を瞬かせ、其れから、ふ、と口元に緩く弧を描いてから。
――テーブルに置いた小瓶を、再び、指が拾い上げ。)
「―――――……飲ませ方に、ご希望は?」
(まるで、戯言めいて、そんな言葉を返してから。
――もし、女から答えが在るならば、その通りに。
けれど回答を、あくまで己に委ねられているなら、其の時は
小瓶を開き、その中身を、くい、と自らの口に含んで。
――口付ける、唇を、重ねる。
伸ばされた女の舌先に、自らの舌先を繋いで、緩やかに絡めて。
舌伝いに、含んだ液体を、其の口内へと、咽頭へと、流して行こう、か
上体を屈ませ、寝台へと、軽く膝を付く。
触れる腰元を、柔く引き寄せて、互いの隙間を埋めながら
其の裸身を今一度、腕の中へと、抱き寄せたなら。 ――小さく、水音を。
絡めた舌同士を、柔く、絡ませる、その音を)。
■ロゼ > (さして賢い媚び方ではない。
薬をここへ運べと言わんばかりに覗かせた小さな舌で、飲ませ方を問う男の言葉にこたえて見せるなんて。
れろ、と舌鋒を揺らしてから、少しだけ眉を落としてはにかんでみせた。)
「―――ふ―――、…ん、(ちゅく、)」
「はじまりに、言葉は無かったように思う。
絡んだのは、小瓶の液体を口に含んだ彼の舌。
上から下へ伝い落ちる甘酸い薬を舌の平へ含ませて、一度浅く呑み込んだ。
二日酔いの嫌な気だるさがすっと溶けていくような味だ。だが今はそれもどうでもよいこと。
あやされるみたいに彼の其れが私の舌を撫ぜて行くのがとても、―――とても気持ち良い。
寝台が軋み彼の体が重たくベッドへ乗りかかるを許し、もっと深くへ沈んで乞いと、巣を張った蜘蛛の心地で鼻先を摺り寄せた。
ちゅ、――ちゅく、――じゅる、 女が男を啜る音が次第にねちこくなっていく。)
「……っふ――、…ん、―――― っぷぁ… 」
(息継ぎに呼気を弾き、間近にとらえた男へ頬を綻ばす。
体温が上がって白皙にほんのり赤い血色が混ざった。
熱い胸板に女のちぶさがまろくたゆませつつ、再び口づけを強請るため顎先を持ち上げ、キスする直前にみじかく囁く。)
「 ね…、わすれもの―― みつかった?」
(彼の仕事道具のことを言っているふうではない。
まるで、"わたし"だと言ってと強請るふう。空いた両の腕を彼のうなじで絡め、そうであればくれてやると体重の全てを男へ預けた。)
■イーヴィア > (――正解であったかどうかは、判らない。
だが、、絡まり合うしt同士が、決して離れようとしなかった、其れが
きっと、正解の様な物、か。
含んだ酔い覚ましの液体が、女の咽頭に流れ落ちて
きっと、其の内に、気分は大分益しになる筈だ。 頭痛も大分、薄れる筈。
けれど、其れはあくまで効能から推測できる事。 ――既に、薬が効くよりも早く。
そんな事は、もう、如何でも良くなりつつある、とは。)
「――――――……ん…、……ふ…、……、……ふ…、…。」
(口づけなのか口移しなのか、もう、判らない。
身体が、再び重なり行くなら、己もまた、其れを払い除けはしないだろう
招く様に、己が腕の中へ。 腰を下ろした寝台の上、自らの膝の上へと、其の身を抱擁しながら。)
「―――――……嗚呼、見つかった。 ……今度は、忘れたりしないさ。」
(――相手が望んだとおりの答えを、きっと、今度は、間違えずに囁き。
そうして――口付けを。 今度は確かに、触れあう為に、交わす為に、唇を、重ねた。
身に纏った衣服を剥がすのは、今度は、己の番。 一晩で覚えた女の肌に、己が肌が触れるのも、直ぐ。
豊かな乳房を、互いの合間で歪め、甘く圧し潰しながら。
深く、深く、繋がり合う。 ――酩酊にぼやけた記憶を、取り戻す様に。
今度こそは――女へと、忘れさせぬ、為に。 己が、忘れぬ、為に)。