2021/10/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド-酒場-」にコルボさんが現れました。
コルボ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド-酒場-」にロイスさんが現れました。
コルボ > 冬を前にして玉石混合の依頼が増え始める中、冒険者や依頼の申請をする者がごった返す冒険者ギルド。
王都の中でも比較的大きく、併設する宿や酒場も多い施設は
料理も酒も評判がいいのも相まって、座る席が少ないほどに賑わっていた。

その中で、先んじて一仕事を終えて夕方から悠々と酒を飲んでいたチンピラ風の男。
相席で飲んでいた冒険者の少女を見送って、即座に空いた席を占めていた食器類が片付けられているのを見つめつつ。

「……まーた、誰か相席になるかね」

駄弁る相手が、また相席で案内されるだろうかと期待しつつ

ロイス > 街道警備の仕事が終わり、一週間ぶりに街に戻ってきた男。
家に帰る前に、一杯ぐらいと思って店に寄ったら、どうやら折悪く、満席らしかった。

相席なら大丈夫なんですけど、と申し訳無さそうに言う店員の少女に、「いいよいいよ、それでお願い」と笑って、案内された席に向かうと、言われたとおり、若い男が一人。

「やあ。相席良いかな?」

と、取り敢えずにこやかに笑って、向かいの席を手で示す。

コルボ > 「ん? ああ、あんたは……。」

 程なくして案内されてきたのは一人の男性。その顔には見覚えがあった。
 長年の冒険者家業を五体満足で生き延びた熟練。
 特異な生い立ちも、特異な技能も、魔術さえ行使することなく、
 しかしこの腐敗した国にあるギルドで高い依頼達成率を維持する指折りの腕利き。

「ああ、構わないよ旦那。ずいぶんくたびれてるけど仕事帰りかい?」

 貴方から遅れてすぐ、追加で運ばれてくる料理、その中でスープを貴方の方に差し出して

「よかったら奢るっスよ。昼中暑いったって暮れてしばらく歩き詰めならそろそろ冷えてくる頃でしょうや」

 何か飲みます? とウェイトレスを捕まえて。尻を撫でて、目の前でトレイの角で額を殴られつつ。

ロイス > 「んん?」

何か、自分を知っている風なリアクションをする青年に、ちょっと首を傾げる。
何処と無く切れ者らしい顔だが……。
しかし、自分の方には心当たりはない。
世話をした覚えもなければ、仕事で一緒になった事もない。

「まあ、そんな所。一週間ぐらい、街の外にいたんでね。
一応、鎧は拭いたけど、多少の土埃は勘弁してくれ」

そう言うと、差し出されたスープを「ありがとう」と受け取る。
「お、温まるね」と、警戒する素振りもなく一すすりする。
そして、スープカップを置くと、

「こらこら。あまり女性に失礼なことをするのは頂けないな……と、お説教は置いといて。
奢って貰う前に、まずは名前を聞いていいかな?
名前も知らない人に奢ってもらうのもね――なんとなく、気がひけるからさ」

「あ、会った事があったらごめんね?」と手で謝罪のジェスチャーをしつつ。
どうやら、敵意はないようだが、しかし相手だけ自分を知っているというのもむず痒かった。

コルボ > 「んな短期間拘束で汚れるって、外回りの警備かなんかッスか?
 つーか大丈夫ッスよ。潰しが効くこの稼業でむしろそこまで気に出来る人のほうが珍しいんスから。」

 元々冒険譚に憧れたり都会で一旗あげることを望むものが多いが、
 それでも他に仕事がないから、と転がりこむ者も多いのが冒険者で。
 その事情の中では気遣ってくれるだけ上等なのだと。

「ん? ああー、いや、はは。大丈夫ッスよ。あいつとはこの間寝たばっかなんで。
 旦那は口固い方だろうし言ってもいいかなって。

 あいつぁ器量が良いし面倒見もいい。良い男を捕まえりゃあ
あの感触を楽しめることもなくなるんですがね」

 ただならぬ、というにはどこか軽い様子で、しかし将来の幸せは案じているようで。
 寝た割には自分が幸せにする輩ではないと、出会って早々隠しもせずに。

「ああ、俺ぁコルボってんです。見ての通り、ひょろいスカウトでしてね。
 普段は調査や収集とかの依頼メインにやってんスよ。

 その中で、旦那の、ロイスさんの名前は耳に刻まれるほど聞いてますからね。
 ここで相席に慣れたのも何かの縁って俺ぁ嬉しかったりしますよ」

 勇猛を誇るでなく、大きな成果を上げるでなく、
 しかし、冒険者という仕事の本当の代表格を多くこなす先達。
 故に一目置いていたと、ごめんねとまで言われたら苦笑しながらそう明かして。

「ここは奢らせてくださいや。旦那とお近づきになっとくのも悪くないし、
 俺みたいなモヤシはオフェンスあってこそッスからね」

ロイス > 「長期の街道警備でね。盗賊の調査を兼ねた野営前提の依頼だったんで、身体を拭くぐらいしかできなくて。
それじゃ、お言葉に甘えて。偶に気にする人もいるもんだから」

そう言うと、多少身体の力を抜いて寛ぐ姿勢に。
いやだと言われたら、素直に帰るつもりだったので、有り難いという気持ちだった。
冒険者で、この辺を気にする人も珍しいは珍しいのだが――どうにも、性分だった。

「ああ、その辺の機微を"弁えてる"タイプか。
なら、俺が五月蝿く言う必要もないかな……いやまあ、良くはないとは思うけどもね、うん」

お互いが合意――とは行かずとも、納得ずくの関係ならば、本来口を挟む必要はないのは、男とて理解している。
冒険者は、その独特の境遇から、男女の仲が複雑になるのも、同じく。
それでも、一言言ってしまうのは、不要な真面目さというものだろう。

「コルボ、か。確かに、見た所軽戦士だとは思ってたけど。
っていうか、俺そんなに有名?いや、冒険者ギルドとは仲良くさせて貰ってるけども」

大体、冒険者ギルドの便利屋というか、若手や、自分より腕が上な冒険者ののバックアップというか。
そんな感じの自己評価であるし、それで大体合ってると思うが。
とはいえ、相席になれて嬉しいと言われれば、悪い気はしない。

「それじゃ、有り難く頂こうかな。
えーと、タラの干物を焼いたのとバケットの切り落としと、クルトン入りのシーザーサラダ。後はフルーツワインを一杯貰おうか」

自分が何時も頼んでいる晩酌セット。
中堅どころの冒険者としては安すぎるぐらいだが、なりたて冒険者には高く感じられるぐらいの微妙なラインの値段帯である。

コルボ > 「あー、あいつ等もそろそろ溜め込まなきゃならない側か……。
 つか、街道沿いなら泉もないッスもんね……。

 いっそ家帰る前に”風呂”行ったらいいんじゃないスか?」

 大衆浴場ではなく、別の風呂を差しつつ、なんでかサムズアップ。

「んー、弁えてるっつーか、野郎なんざ結局女に気持ちよくしてもらってる側ッスからね。
 ヤッただけの関係って、なんか面白くないでしょ、色々な意味で。

 下手にパーティ組んで人間関係でグサグサになるよか、割り切った関係のがいいッスからね。」

 パーティの最大の敵は人間関係。バランスこそ取れるが好き嫌いのバランスまで割り切れようはずもなく。
 そもそもそんなことを良識に則って割り切れる人種が冒険者などという体が資本の稼業に来ることも少なくて。

「鎧だの大剣だの、向いてないんスよ。それよか先に上がれる仕事のほうがいいやって思っちまいましてね。
 ……有名ってか。それ本気で、ああいやロイスさんそんな人なのか。」

 問われれば、んー、と言葉を切って

「将来有望だの、伝説に残るだのって言われた奴がある時ぽっくり逝っちまう。
 人は言うんですよ、運がなかったって。

 ……でも、運も含めて仕込みするのが、体が資本の俺達でしょう?
 ロイスさんはそんな中で生き残ってる、経験値も高い。
 何より前衛の仕事に熟練以上の人がついてくれてる。

 仕事も十全以上、客先からの評判が良いのもでっかいプラスっスよ。
 まー、俺が臆病だから腕っぷしだけの奴等の言葉より、客先の言葉をありきにしてるのかもしれませんけどね」

 ある者は竜を討つ。ある者は一人で大軍を制す。ある者は未踏の地を踏破する。

 けれど、町に生きる人々にとって、名前を憶えて、顔を覚えるのは、自分たちの生活を支えてくれる人で。
 その中でも、長く記憶に残る貴方の名を、彼は長く聞いていて。

「意外と小食ッスねロイスさん。肉行かないんです肉? 一仕事終えたらヤりたくなんないッスか?
 精つけなきゃ」

 対して目の前のひょうひょうとしたスカウトは肉多めのラインナップ。
 しかし脂肪分少な目。……体が資本の熟練であれば、意識して”チンピラ”が体づくりをしていることが伺えるだろうか。

ロイス > 「もうすぐ冬だからね。……っていうか、その言い草、もしかして……いや、これは此処で言う事じゃないな。
風呂は……その、君が言う方は、どうにも"割り切れ"なくてね」

流石に、盗賊と繋がりがある?と冒険者ギルドで聞くほど馬鹿ではない。
そして、風呂の方に話が移れば、額に皺を寄せて、それを揉む。
偏見はないつもりではあるが、女性を買うという行為に忌避感を感じてしまう質故に、今まで一度も行った事がない。
とはいえ、流石にそれを明け透けに言うのは流石に躊躇われたが。

「成程、そういう価値観か。
俺は女性相手だと、公私ともに"距離を取りすぎる"方だから、そのバランス感覚は凄いと思う。

パーティ間での人間関係は怖いからねえ……。俺はソロ中心だから揉める事は少ないけど、この手の縺れは後々まで"祟る"からね……。」

利害のトラブルは仲裁人が間に入ることで解決できるが、感情面のトラブルは仲裁自体が逆効果になる事もままある。
この辺を理解した上で、敢えてそういうムーブができるのは、一重に人間関係のバランス感覚が上手いのだろう。
三十歳の自分より、よほど世渡りが上手い。

「(やっぱ、年齢より経験だよなあ)」

男女間のトラブルは、この子に相談してみるのも良いかもと心のなかでメモしておく。
しかし、そうなるとますます、自分の様な"仕事しか取り柄のない"人間を覚えているのかがちょっとわからなかったが。

その辺を聞いてみると、少しどころかとんでもなく高評価だったのを聞いて少し面食らう。
しかも言ってる事自体は間違ってないのがまた、何というか。

「あー、いや。そう言われれば凄いんだけども……いや、普通に照れるな。普段、そういう方向で褒められる事ないからさ」

仕事上、助かった、とは言われる事は多々あるが、凄いと言われる事は少ない。
個人的にはそれで良いというか、実際自分のことは凄いとは思わないので、それで良いのだが、こうも真正面から言われるとちょっと困る。
実際、生き残ってるのは、頼まれた仕事を受けた結果、不要なリスクを取らずに生きてきたというのもある訳で。

「まあ、冒険の名を負う職らしからぬ、とは思うんだけど、頼まれると断れなくてね。ハイリスクハイリターンなのは、大抵若い人が持ってっちゃうから。

でも、そういう意味じゃ、君も俺と似た価値観っぽいけど」

女の子へのスタンスはともかく、冒険に対するスタンスは、同じ。
つまり、冒険を仕事の一部として見る、という意味で。
そういう意味では、確かに自分はコルボにとって有用な人材なりうるだろうと思う。
自分も情報屋スタイルの彼をコネとして持てば、慣れない情報収集をしなくて良いという打算も働く。
だから、その上で、

「まあ、正直、戦闘能力は並だし年齢的にもそろそろ曲がり角なんで、純粋なオフェンスとしては難を抱えてはいるけど。
それでよければ、いつか仕事をしてみるかい?」

もう三十。そろそろ、冒険者としてのピークも過ぎる頃だ。
なので、彼が仲間にするには、やや年重が行っている方だが……それでも、経験やコネという面についてのみで言うなら、そこそこ力にはなれると思う。
なので、此処は彼の思惑に乗るのも有りかと思い、誘ってみる。

「いや、肉も食べるんだけど、この時間の肉は脂肪になりそうでね……。
三十代だしその辺気をつけないと、贅肉付くのが怖い。
後、自分の場合、筋肉を付けると、敵に余計な警戒心を与えちゃうから、できるだけ身体を絞っておきたいってのもあるけど」

運動量はある方だと思うが、それでも念には念を入れて、である。
それに、自分のようなソロ冒険者にとっては、魔物にはできるだけ"舐めて"貰った方が良いというのもある。
その方が奇襲もしやすいし、逃げる際も身体が軽いので逃げやすくなる。
まあ、かくいう自分も、若い子には良く食べさせたりするのだが。

「っていうか、君もまた、随分としっかりとした食生活を……。
ただ、もうちょっと野菜摂った方が良いとは思うけど。野外[ウェルダネス]だと、病気への抵抗力も大事になるし」

年長者に良くありがちな、野菜食べた方が良いよ的な説教をしてみるが。
しかし、ヤりたくならないのかと言われれば、男は「うーん」と首をひねる。

「いや、そりゃ性欲は昂ぶるけど……エロ本とかで解決できるからねえ……。
何というか、女性のお世話になるまでもないというか……」

あれ、もしかして今自分、つまらない先輩になってないかとちょっと心配になるが。
しかし、女性経験を騙ると後々恥を掻くのは実体験として知っているので、此処は正直に応えるのだった。

コルボ > 「? あ、あー、いーや、逆逆。俺は直接動向調査する側だからさ。」

 街道ではなく潜伏地の調査。割り出せれば万々歳だが、ある種の追跡調査で長いこと潜伏が必要になってくる上、
 冬ともなれば引きこもる、雪でも降れば足取りが掴みにくくなる。

 なので、そちらの仕事はオフシーズンになるころ合いだと思い出したらしく。

「てか、そうか。でもさ旦那。ああいう仕事、好きでやってる奴もいるんだよ。
 それどころか助けになる奴だっている。
 今日び淫紋だのなんだの、珍しくもなくなってきた嫌な界隈だし、定期的にやらないと駄目ってのも、いるからさ。」

 全部が全部理由あってとか淫売じゃねえのさ、と。

「そうは言うが、世の中の半分はそれぞれ男と女だぜ大体。
 片方半分なしにしちゃあ世界も狭くなってつまらなくなるもんさ。
 だからバランス感覚っていうか、楽しんでるっつうかね。

 まー、実際俺もソロっスね。定点調査ならともかく、動き回るとなるとね。
 実際女関係もマンツーマンすよ。複数絡むからややこしくなるだけで。
 旦那だって荒事になって複数相手にする時、一旦逃げて通路とか狭いところで複数を一人ずつ相手するとかやんないです? あんな感じ。」

 難しく考えず、単純にシンプルに。最初からそう動いてるから糸がからむことはないのだと。

「まー、旦那が目立ちにくいのは浮名がないとか、パーティ組まないから情報の伝達が弱いからってのが一番スからねぇ……。
 つっても俺、この間駆け出しのヒーラーに、信頼できる前衛欲しかったら、どうしてもなら、って
 旦那の名前出しちゃいましたけどね。」

 アカリってシェンヤン風の衣装の子なんで、と軽くお願いしつつ。
 実はこの場を奢ってるのも、お願いから目を反らせないようにする打算からもあり。

「実際同じッスよ。だから同じ目線で自分より先を歩いてる人に目が行くのは普通でしょうや。
 ハイリターンよりハイリスクを問題視する、着実なリターンを手にするのが堅実。
 そうでなくても、ある時突然他人にとってハイリスクでも自分にはローリスクでハイリターンな仕事だって転がり込む。
 それなら、普段は自分を大事にする、てのは不思議じゃないッスよ。」


 実際、自分がこの手の仕事をしていて、彼の名を聞くことは多い。先を越される意味でも。
 そこで沸くのは嫉妬ではなく敬意。
 自分より先を進む人がいる道は、間違ってないのだと自信を持てたから。

「え、いいんスか? 目が効く旦那と組めるなら簡単になる仕事も結構あるんスよね……。
 ……ああ後、駆け出しの冒険者とかも誘って、情報の大事さ叩き込んでやるのも面白いかもしんないッスね!」

 貴方の目線は普通の前衛とは違う、年と経験を重ねたが故の配慮が折り重なり、堅実さも相まった堅牢な物見櫓のような存在。
 所詮自分のような斥候は盤石な拠点がなければ疲弊は速い。

 そういう意味では願ったり叶ったりだし、自分達のような情報を整理して仕事を効率化する立ち回りを見せれば、
 彼のように生き残りやすい冒険者が増えるかもしれないと。

 ……実際、隆々な肉体を誇らず、なめてかかってほしいと筋肉量を調整している人など初めて出会ったわけで。

「俺の場合、結構女とヤるのもあるっスけど、鍛えこむ部位が部位ッスからね。
 鍛えきるまでよく食わないと駄目なんスよ」

 と、指を自在に動かして見せて。鍛えこむのは前腕から指先まで。
 軽業師のように細くしなやかに、しかし強靱に鍛えこんだ体は潜伏や潜入の為で。

「普段は果物類も食ってるにゃ食ってるけど、うん。船乗りの女から壊血病?
 そんな話聞いた時はくそヤベエってタマがヒュンてなりましたなありゃ。」

 肌を重ねた別家業の知識が自然積み重なって知識量が増えていくタイプで。

「エロ本……、マジっすか……。持ち歩いてるんスか……。
 え、今あります? いや、ほら、逆に場当たり的にヤりたいって話はしても、
 こういう”ヘキ”って話にならなかったりしません?」

 つまらないどころか、意外な切り口で盛り上がれると嬉しそうに、
 あろうことか真向いの椅子を近づけて距離さえ詰める有様で。