2021/09/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 本屋」にロイスさんが現れました。
ロイス > 冒険者の基本は、索敵と急襲にあるとロイスは考えている。
つまり、敵の位置を先んじて確定し、タイミングを見計らったら一気に攻める。
勿論、それができない事はままあるが、それが理想的なのは事実だ。

そして、これは何も戦闘に限った事ではない。
長距離の移動や学習、そして日常生活に至るまで応用可能な原則だ。

「(……今だ!)」

よって。
本棚が並ぶ平民地区の本屋にて。
男は、一瞬の内に目当てのエロ本を手にし、それを素早くマントの中に隠した。
その手付きは実に素早く、熟練のシーフさながらであった。

「よ、よし」

事前に、きょろきょろと辺りを見渡してまわりに人がいないか確認した甲斐あって、本をマントの中に入れた事は誰にも見られていない……はずである。
後は、本を受付に持っていき、会計を済ませればそれでいい。
此処で、会計をせずにこっそり本を持ち帰るという選択肢は彼には存在しない――あくまで、本を隠すのは、周りから見られない為である。

「い、行こう」

しかしながら。
男は冒険者ではあっても、役者ではなかった。
目が無意味にきょろきょろと辺りを見渡しており、しかもしきりに懐に手をやっている。
その姿は、周囲の目からは怪しさ満点としか言いようのないもので。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 本屋」からロイスさんが去りました。