2021/08/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。

食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせ、雨に煙る住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。

エレイ > やがて小さな公園の前に差し掛かれば、歩く足を止めて少し思案。
然る後、おもむろに公園の敷地内へと足を踏み入れる。

周囲には見える限りではやはりというか、誰の姿もなく。
フンス、と小さく鼻を鳴らしながら、公園の片隅にある東屋へと足を向け、
その屋根の下に入り込んでゆく。
そこには木製のテーブルと、それを挟むように同じく木製のベンチが設置されていて。

「──ふぃー。ここでちょいと一休みにしましょうかねぇ」

なんて独り言ちながら、傘を閉じつつベンチに腰掛け。
テーブルの上で頬杖ついて、変わらず雨模様の周囲の景色をボケェー……と暇そうな顔で眺めていって。

エレイ > やがて男は再び傘を指し、振り続ける雨の中を歩きだして──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にソルさんが現れました。
ソル > 少年は、人けの絶えた路地裏で頭を抱えていた。

「あー、またやっちゃった」

その手の上には、膨らんだ財布が乗っかっている。
少年のものではなく、先程通りの人込みでぶつかった酔漢の懐から抜き取ったものだ。

「これじゃ僕、まるでシーフだよ。そろろろ、この癖もなおさないとね」

向こうからぶつかってきたのに頭ごなしに怒鳴りつけられ、こいつ、と思ったその時にはもう手が空中を走っていた。
まだ旅に慣れていない頃、この手の技で食つないでいたのだが……
昔取った杵柄というより、単なる悪い癖だ。
ちょっとした仕返し自体は反省するつもりはないが、昨夜も似たようなことがあったので、流石に反省する点もあり。

「ん。まあ、いっか!」

なんにせよ、反省すべき点は反省したので、ころっと気分を入れ替えて、
この臨時収入をどう活かすか考え始めた。とりあえずは、夕食か。