2021/08/09 のログ
ゼロ > そんな一日――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からゼロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 訪れるお客のほとんどが変わった品物を探しに来る物好きな人か、家の中の不用品を処分したい人、仕事中に見つけた珍品に高値がつく事を期待した冒険者。任されているお店には、なかなか新規のお客がやってこない事が悩みの種で、その点を解消するため、自分なりに工夫をしていたりする。
今日は、通りから見える窓際の棚に、この季節にあいそうな商品を集中させるように並べてみたのだけれど。
基本的に持ちこまれた古物を商品としているから、北国の変わったデザインの木彫り人形とか、なんとなく見た目が涼やかかもしれない、透き通った鉱石の欠片くらい、読んでいるうちに精神的な涼しさは感じられるかもしれない怖い話を集めた古書みたいなものばかりが面積を取ってしまう。

「……あんまり涼しそうじゃない…かな…」

すこしは見た目がましになるようにと鉢植えの位置を変えてみたりと工夫するけれど、それでも窓越しの商品は怪しい雰囲気の方が強く出ているように思えてしまう。
発想は悪くなかった気がしたけれど、自分のところの品揃えでは実現が難しかったかもしれない。大体そんな結論に至ると、腰に手を当てて、外からお店を眺めながら、小さく溜息をこぼして。

ミンティ > 店先で難しい顔をしていると、不意に声がかかって、びくりと震えた。あわてて振り向いてみると、ときどき変わった品物を売りに来てくれるお客さん。今日もまたおかしな像を抱えているのを見て、お店の雰囲気を変えられるのは、まだまだ先になりそうだと思う。
もちろんそんな考えが顔に出ないよう用心しながら店内へと案内して、そんな風に今日も穏やかな一日が幕を開けるのだった…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > メイラが提示した三つの報酬
それは 巨人の蒸留酒 ≪赤琥珀のガルガンチュア≫
    金無垢のゴルドが詰まった革袋が三つ

ここまでは、メイラが鎧を待つ間に、イーヴィアへ提示した約束と思いつきからのサプライズだった
案の定、メイラの差し出したガラス越しに映る赤琥珀色の蒸留酒は、イーヴィアの喉に渇きを覚えさせ
胃にその熱を思い起こさせる

その逞しい赤髪の体躯がガルガンチュアを手に取り笑みを出す姿
ドワーフと酒という切っても切り離せぬそれは、なかなかいい画になっている
しかし最後の品は、おそらく三つの革袋を確実に超えるだろう金額になることを想定したメイラが
もしよければという気持ちで差し出したものだった

メイラ・ダンタリオの性質上 レアメタル よりも レアレザー こちらのほうが手に入る機会がある
狂獣の特性上、魔族国や国境 砦に出現することもありえた
故に、この黒毛赤斑という異色の虎の毛皮 血抜きと洗いこそはしたものの
これをどう使うかははっきりといえばイーヴィア次第

気に入らなければその辺の革卸にでも大枚と取り換えただろう
しかし、金属を打つ以外に革を仕立てることも、武器防具屋の筋に入る
毛皮は首を切り落としただけで済ませたほぼ全身が無事な状態
それをまじまじと見つめ、先ほどまでとは違い

       ゆ ら り  

という具合でこちらに振り向いたイーヴィアの表情には
メイラも少しだけ肩を持ち上げてピクンッと跳ねる程度には、覇気があったらしい

「え、ええ 思ったより喜んでくれましたわね。」

この革を欲しがるかどうかは、正直五分五分の賭けだったので
十二分な報酬になったのならよかったというところ
既にどう扱ってやろうかと 目の前の新しい素材に心躍る様子
服飾屋も高い生地や染料素材を前にすれば同じ反応を示すだろう

「蛮族鎧風も中々面白そうですし、全身を贅沢に使う革鎧も イーヴィアならマントでもいけそうですわね。」

真剣な眼で革と毛並みを見ては、まるで宝石でも扱うかのようだ
色々な選択があるだけに悩ましいだろう イーヴィアに使うのか 特別な客に使うのか
そのあたりはメイラにも興味はある。

イーヴィア > (金、を必要として居るのは、正確には自分では無い
この店を共に切り盛りしている従業員で在り
常に維持改善を必要としているこの店其の物、だ
個人の満足度としてはすでに十分な物を得ているが、当然
相手が提示してくれたそれらの報酬が、自分への評価に等しいなら
其れを受け取らぬ訳も無い。

―――ただ、敢えて言うならば。
根っからの鍛冶屋と言う生き方をしている己にとって
価値を感じるモノが何なのか、と言うのを、相手は良く判って居た様だ
当然店内には金属製品だけではない、数多くの革製品も陳列されている
そんな己に、良い材料を提供してくれると言うのなら――願ったり叶ったりだ。)

「―――――――――――そうだ、それだ。」

(独り言化、其れとも、女の言葉に反応したのかは若干怪しい声音。
けれど、非常にイイ笑みで、女へと一度振り向いたなら。
虎の頭と胴体を暫し交互に見比べ、其れから、早々に手測りで
凡そどの程度の広さの革が得られるかを計算しては

びしり、女を人差し指で指差し。)

「……狂獣の革で、マントを造る。
アンタが羽織れる様な物を、其の鎧に合わせた質の良い物を、だ。
シルクで作った品の良いマントが悪い訳じゃあないが…、……どうだい?」

(――どんな物を作るか、と言う計画を先んじて立てるのは普通の事だ。
けれど、今、間違い無く鍛冶師の口は、報酬である筈の狂獣の革で
目の前に居る女の為のマントを造ると言った。
依頼されたのは鎧、己も当然ながら、全てを鎧の為に注ぎ込んだ
だが、相手が騎士である事を目指すのであれば、必要な物はまだ有るだろう、と
――笑って。 勿論、其れは独断で決める事でもない。
果たして相手が、どんな反応を示すか次第だ、が。)

「うちは素材の持ち込みがありゃあ、其の分は差っ引いて売ってる。
こんな貴重な素材だってのに、マント一つ作ったって使える革はまだ在るからな。
――今回の依頼分にツけてやる。 ていうか、造らせろ。」

(金属と違って革の加工だ、狂獣の革自体、下手ななまくら刃なぞ通さない程の頑強さを誇るとは言え
己ならば、加工する方法など幾らでも持ち合わせているし、鎧ほどの時間もかかるまい
だから――作らせろと、これは、我儘だ)。