2021/06/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 王都マグメール、平民地区。
そこにある、小ぢんまりとした、そう目立たぬ公園。
そこに、少女の姿はあった。

日中ならば、木陰にでも居ないと、暑くてやってられないが。
この時間であれば、日も沈んで、それなりに涼しい。
どこに居ても、それなりには良い感じである。
…いや、一部はあれだ、熱気収まらぬ場所も、あるだろうが、そこは気にするな。

「………日が高いと、暑くて適わん。
日が沈むと、誰か来る事もなく、暇で適わん。
まったく、どちらにしても、あれじゃのぅ」

とは言え、それなりに涼しい、である。
気温としては、微妙なものと言えるだろう。
ぱたぱたと、手にした扇子で扇ぎ、涼を取りながら。
結局は、目立たぬ木陰から、じっと公園の中を眺めているのだった。

タマモ > 正直、場所が場所だし、時間も時間だし。
誰かが公園に来るかどうか、なんて微妙なものだ。
いやまぁ、微妙と言うだけで、来ないとも限らない訳だが…

しかし、少女は諦めない。
こうして、待つ事もまた、試練だと思えば。
………いや、試練は止めよう。
ともあれ、誰か来るかも、そんな期待に待つのも、それはそれで悪くない。
来た時の喜び、それがより大きなものとなるのだから。

「さて、とりあえず、と…」

もそり、袖の中から取り出すは、紙袋。
そこへと手を突っ込めば、がさり、出すのは手の平サイズのパン。
今回は、こうして待つ事を想定し、来る途中で購入してたのだ。
はむ、もぐもぐ、木陰に居るまま、食べ始めた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
少女が涼む公園に、かつりこつりと革靴の音。
人通りも少なくなった通りから、酒精と紫煙の香りを纏わせた少年が一人、幾分疲れた様な表情で公園へと足を踏み入れる。
如何にも、何処かのパーティ帰りです、と言った風貌の少年は僅かに疲労を浮かべながら木陰に近いベンチへと腰掛けた。

「………やっていられぬ、とは言わぬが…。しかしまあ、多少は肉体年齢を考慮して欲しいものだな…」

元より、悪意や敵意以外の気配など碌に察知も出来ない。
木陰でパンを頬張る少女に気付かぬ儘、ぐでー、とベンチに深く身を預けて溜息を一つ。

タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
その足音に…でなくとも、呟きもあるのだから、気付かぬ訳もないが。
その声と足音の主は、偶然か、己の居る側のベンチへと腰掛けた。

よし来た!とか、心の中で声を上げつつも、もぐもぐと、パンを食べる少女。
ごくん、うん、美味しい。
一つ目のパンを食べ終え、ちょうど目の前には獲物…獲物?
ともあれ、相手が現れた。
それならば、行動は一つ、である。
袖の中へと紙袋を戻せば、そろり、そろり、背後から足音を忍ばせ、歩み寄って。

気付いてしまったならば、開き直ろう。
気付かなければ、そのすぐ後ろにまで、やって来るのだ。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
他者には。大人には。
決して悟られぬ様に隠していても、それでも疲労は溜まっていくもの。
ごそごそと懐から取り出した煙草を咥えて、お気に入りの魔道具で火を付ける。
極小の火の魔法と、油に浸した綿の紐で何度でも火が付くとかなんとか。デザインが良い純銀製のソレを、結構愛用していた。
兎も角、火を付けた煙草から甘ったるい紫煙が漂って――

「……ふぁ……いや、いかんな。やはり、帰りは馬車を呼んでおくべきだったかな…」

そんな独り言を零す少年は、背後の気配に勿論気が付かない。
少しでも武術を齧っていれば良かったのかもしれないが、其処は政商で王族の御曹司。平たく言えばボンボン。
剣が無ければ大砲を使えば良いじゃない、な精神の少年は、背後から忍び寄る少女に全く気付かぬ儘――

タマモ > 聞き覚えのある声、その姿に見覚えは…ある。
が、いつもの通りだ、名前が出てこない。
何はともあれ、せっかくだ、相手をして貰おうと…すぐ目の前。
そこで、少年が取り出したのは、煙草。
己の居た地では、吸ってよろしくない商品である。
まぁ、そもそも、その煙草自体、己の居た地と同様のものか、なんて分からないのだが。

「おやおや、そんなもの、安易に吸うものではないのぅ?」

と、そんな言葉を、不意に耳元に唇を寄せて囁けば。
するりと伸びる両手が、少年の体を絡め取るように、背後から抱き締める。
…それに吃驚して、煙草を落とした、なんて事にはならないように。
もし煙草が手から離れたら、尻尾の一本で、絡め取っておこうか。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
突然背後に感じる柔らかさと、耳元を擽る声。
最初に抱いたのは、警戒心と己の迂闊さを呪う内心の苛立ち。
それは、思わず身を固くする事によって、少女にも伝わるだろうか。

しかし、その声にはどうにも聞き覚えがある。
聞き覚えがある、というだけで明確に敵か味方かの判別はつけられないのだが。
それでも、敵意はありませんという様に落としかけた煙草を艶やかな毛並みの尻尾が絡め取っていくのならば――

「………吸わねばやっていられぬ事もある。人の細やかな楽しみを奪うものではないよ」

降参だ、という様に小さく両手を上げれば。
僅かに顔だけ動かして、自分を抱き締める少女へと言葉を返そうか。
力は抜き、煙草を取り返そうとする訳でも無い。
先ずは、此方も敵意も警戒心もありませんよ、と示そうと言わんばかりに。

タマモ > 抱き締めた瞬間、少年から伝わる緊張感。
してやったり、な感じに、笑みを浮かべる。
とは言え、己が見知った相手、と少年も気付いたのか、諦めたのか。
体から力が抜ければ、ふむ、と軽く頷き。

「楽しみならば、こればかりが、楽しみでもなかろ?
もう少し、体に良さそうな楽しみでも、探してみる事を、お勧めしておくぞ?」

降参を示すように、上がる両手。
ふっ、と意味もなく、どこか勝ち誇ったような笑みへと表情を変え。
そう伝えつつも、抱き締める手は、そのままに。

「して、こんな場所に一人とは、危険極まりないのぅ。
こんな風に、襲われたりしたら、どうするつもりだったんじゃ?」

言葉をそう続け、問いながらも。
それを表すように、横から、少年の顔を覗き込み。
抱き締めていた手、片手で抑えこんだまま、もう片手で、すっと頬を撫でた。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
どうやら、解放してくれる訳では無さそうだ。
勝ち誇った様な笑みは、子供らしく無邪気だと思いはするのだが。
完全に背後を奪われた状態なのだから、ちょっと気分は複雑だ。

「どうかな。私の場合は、仕事が趣味の様なものだからな。
その合間の楽しみ、息抜きとなると、これくらいしかあるまいよ」

なんて言葉を返している間も、彼女の腕が離れる事は無い。
それどころか、己の頬に手が伸びて。その華奢な掌が頬を撫でていく。
その感触に僅かに瞳を細めながら、此方を覗き込む彼女の瞳と視線を合わせる。

「これでも多少の魔術の心得はある。それに、敵意や悪意の類には敏感なつもりだ。
まあ、背後を取られた状況で言っても余り説得力は無いがね」

ゆっくりと、此方も手を伸ばす。
行きつく先は、己の頬を撫でる彼女の掌。

「それでもまあ…そうだな。
襲われた相手が可憐な少女であるというなら、むさ苦しい連中が迫りくるよりは大分マシというものさ」

ゆるり、と唇を緩め乍ら。
伸ばした手を、彼女の掌と重ねようと。

タマモ > まぁ、すぐ解放も考えたが…気分的に、もう少し付き合って貰おうか、と。
複雑な相手の心境、それもまた、楽し気に。
細かくは、何を考えているか、までは分からないが。

「仕事が趣味…その年で、よぉやるのぅ。
妾には、とてもとても。
だからこそ、他に何があるのか、考えてみる訳じゃ。
可能性を狭めるのは、良くないぞ?」

仕事が趣味、その言葉には、うわぁ…なんて、そんな雰囲気を醸し出す。
そして、息抜きがそれしかない、に対しては、そう返し、ぷに、と頬を小突く。

「ほほぅ…つまり、敵意や悪意を誤魔化せる、そんな相手では…
こうなってしまう、訳じゃな?
とは言っても、そんな事、出来る者の方が少なかろうがのぅ?」

なんて言いはするも、今回、実際に敵意も悪意も無い、ただの悪戯だ。
…ある意味、悪意はあるかもしれないが。
実際に、それをやろうと思えば、出来ない事もない。

それはさて置き、視線が合えば、にっこりと笑顔で返し。

「ならば、それは受け入れるものと、受け取って良いんじゃな?
そうであるならば、妾としては、嬉しい限りじゃが…さて、実際はどうじゃろう?」

少年の手が、頬を撫でる手に、触れようとするが。
くすりと笑えば、背後からのまま、ぴったりと体を寄り添えた。
背中に、見た目以上の感触を感じさせながら、ちろ、と頬を舐め上げる。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「私に限らず、王侯貴族の子というものは似たり寄ったりさ。
一つ怠ければ、百の重石が圧し掛かる。その重石は、自分達の同輩が嬉々として背中に乗せてくる。
であれば、必然我々は出来損ないの大人の様に振る舞うしかあるまいて」

軽く引き気味の彼女の様子に、からからと愉快そうに笑う。
とはいえ、子供らしからぬその口調が奇妙なまでに違和感の無い事が、少年の言葉を信なるものにしているのだろうか。
…もっとも、頬を小突かれれば。何をするんだと言わんばかりに向ける視線は、年相応の少年の様であったのだが。

「そういうことだ。私はそこかしこに恨みを買っているからな。
心を無にして襲い掛かってくる、という様な連中には今のところ遭遇したこともない。
戦場を視察する時は、流石に自衛の策を取る。
であれば、今のところはこうして一人で闊歩するにも不自由はないというわけだ」

と、対抗の術を語りはするが決して強い口調では無い。
絶対的な自信と自負と、それに反比例する諦観。
自分の敵は踏み砕くし、出来なければ死ぬだけ。
仮に彼女が自分の命を狙った刺客であれば、抵抗の末に死が訪れたとしても――それを悔いる事は無いのだろう。

「……はてさて。戯れの様な悪戯だろうと思っていたが。
悪戯ではなく、火遊びが御所望かな。
それとも、魑魅魍魎の様に私の精気でも奪いに来たか?」

先程よりも強く、背中に感じる柔らかな感触。
そして、頬に感じる彼女の舌先は、濡れそぼっていながら確かな熱を感じる。
じわり、と躰が熱を帯びるのを感じながら、彼女に顔を向けて、唇を寄せて。
低く、囁いた。

タマモ > 「いつの世も、お偉いさまってのは、似たり寄ったりで、ご苦労様じゃ。
………ふふ、今のは良い。
お主も、そんな顔が出来るようで、安心したぞ?」

愉快そうに笑う少年だが、それを見れば、頬を小突いた指先で、ぽんっ、と頭を撫でる。
その言葉は、己の行為に対する、少年の反応も含め、示したもので。
それさえも、忘れる程であるならば、少しは心配してしまうものだ、とも付け加える。

「まぁ…油断大敵、とは言えども、どこもかしこも、そうでは気疲れするものじゃな。
今回は、そうでなくて良かったのぅ?
まぁ、本当に良かったかどうかは、別として」

その意気込みや良し、だが、手放しに褒められるものでもなく。
そんな少年の様子に、はふん、と軽く溜息を吐く。

「あー…まぁ、それでもそれで良し。
戯れであれ、火遊びであれ、何でものぅ?
妾は常に、何事も楽しみ生きておる。
とは言え…今回は、妾が襲う側じゃろうか。
望むのであれば、この先まで、妾が案内してやるぞ?ん?

もちろん、妾が共に居るゆえな、真の身の安全は、保障してやろう。
それ以外は、知らんが」

すぅ、と瞳を細め、少年の瞳を見遣る。
笑みを浮かべたまま、誘うように、そう伝えれば。
顔を向け、唇を寄せ、囁く少年。
それに合わせるように、己も顔を寄せれば、続く言葉を阻むように、唇を奪うのだ。

とは言え、その動きはゆっくりとしたものだ。
今、それを望む訳では無いならば、避けるのは容易いだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「……子供扱いして欲しいわけでじゃない。
それに、私とて人間なのだから、表情くらい多少は変わるさ」

何時もであれば、きっと彼女に不機嫌そうな態度を取ってしまったのだろうけど。
躰に溜まった疲労と、心配しているという彼女の言葉には、否定も拒絶の色も無い。
力無く笑いながら、軽く首を振るくらい。

「そうさな。気疲れ…それはまあ、否定すまい。
だからこそこうして、お前との会話に興じているというのもあるかもしれない。
気を張り続ける、というのは疲れるでな」

彼女が溜息を吐き出せば、それに応えるのは小さな苦笑い。
いやに慣れた様なその苦笑いには、多少の自嘲も含まれているのだろうか。

「…楽しみながら、か。良いじゃないか。自由気儘。気の向く儘に生きるというのは、羨ましくもある。
……だから、そんなお前に襲われるというのなら。…逆に、喰らい返してしまいたくもなる」

誘われる儘に、誘われる儘に。
ゆっくりと近付く彼女の唇を、拒む事は無い。
――拒まない。ただ、一つだけ。唇が重なり合う前に。

「……ギュンター。ギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハ。それが私の名だ。
互いに名も知らぬ、というのは不便なものだろう?
襲われる側故、先に名乗ってはおく。だから、私も知りたいものだな?」

と、愉快そうにクスリと笑みを浮かべて名前を告げて。
其の侭返事を待たず、唇を重ね合わせるのだろう。
拒まれなければ、彼女の熱を求める様に少しだけ舌先を伸ばして、彼女の咥内へ至ろうとさせて。

タマモ > 「ふむ…まぁ、そう言う事にしておこう。
むしろ、多少、でない方が面白味もあるが…その辺りは、仕方あるまいな」

扱いに関しては、本当にそうなのだから、それ以外に言いようもないのだが。
こう、勝手になんか納得したように、そう言うのだった。
続く言葉は、まぁ、余り気にしなくても良いだろう。

「うむ、そうして、素直に認めるのは良い事じゃ。
無理をし過ぎるのは、自身に良くないからのぅ。
ならば、今この時は、存分に気を緩めると良いぞ?」

それはそれで、逆にどうよ?と言われそうだが。
そう言いながらも、その苦笑に、軽く肩を竦めるのだった。

「ふふ…自由であるからこそ、何が起こるかも分からん、と言うのもあるがのぅ?
それもまた、楽しいものである訳じゃ。
おぉ、怖い怖い、返されては堪らんものよ」

少女にとって、良くも悪くも、変化ある事は、娯楽。
さらりとそれを、少年に答えながら。
唇が触れる寸前の、問い。

「おっと、お主は知らんかったか。
妾の名h…んっ…」

ふと、それを聞いて、思い出す。
王城内で、その名を聞いたのは、己の方だけ。
その場では、己は名乗ってなかったのだ。
そうして思い出せば、名乗り返そうとする、のだが。
そこで、唇が重なり、言葉が途切れた。

「ん、ふふ…」

求めるように、伸ばされる舌。
それを咥内で、絡め取りながら。
視線を軽く、周囲へと巡らせ、己の熱を伝えるように、少年の熱を受け取るように、口付けを続けるのだ。

少年に触れていた、その手が、再びするりと動き出せば。
首筋を指先で撫で、もう片手は、腰回りを、撫で上げる。
この先の行為、もちろん、踏み出すつもりだ。
それを少年が受け入れるならば、そのまま楽しもう。
そうでなくとも、まぁ、それはそれで、何かを考えるのであろうが。
その先、どうなるのかは…

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「……男の表情がころころ変わったところで、何が面白いのか良く分からぬが。
そういう事に関しては、私に期待せぬ事だ。少なくとも、朗らかに笑うのは大の苦手でな」

と、やれやれと言わんばかりの口調。
彼女が背中に抱き着いていなければ、肩を竦めていたかもしれない。

「…流石に私も、余り気を緩め過ぎるのは如何なものかと思うがね。
これでも、王位継承権を持つ身なれば、戯れにも多少気を張らねばならぬ時もあるでな」

まあ少なくとも。今の自分はそれなりに気を緩めてはいるのだが。
流石に存分にと言われれば、その言葉には苦笑いを深めるばかり。

「変化、或いは未知。それを楽しむという訳か。雅な事だな。
私は中々其処まで高尚にはなれぬからな。私は唯、望む儘に、思うままに。
噛みついて、喰らい付いて。自分のモノにしてしまう。
他の貴族達と何一つ変わらぬ、浅ましい愉しみ方だよ」

だから、彼女が名を返す前に唇を塞いだ。
名を尋ねておきながら、それを応えるのは自分の熱を彼女に伝えてから――と言わんばかり。
若く、熱く、傲慢な。そんな口付け。

伸ばした舌が拒絶されなければ、遠慮も何も無く彼女の咥内へ深く、深く。
舌を絡ませ合い、唾液を交わらせて。ぴちゃぴちゃと粘着質な水音が、聞こえる程に。
その一方で、己の躰を撫でる手を止める事も無い。ただ、周囲を見渡す視線もまた、彼女と同じ様に巡らせていたのなら。
同じ事をしていた彼女とぱちり、と視線が合って、そっと唇を離す。

「……ぷ、はっ。……考える事は同じ、かもしれんな。
良い宿を知っている。誰の邪魔も、好機の視線も入らぬ良い宿を。
互いの友好は、落ち着いた場所で深めるべきだと思うが…如何かな?」

そんな問い掛けの後。
彼女が拒まなければ、其の侭二人は公園を抜け出して少年の"お気にいり"の宿へと向かうのだろう。
少年と少女。男と女。そんな二人が宿に向かうという事は、まあ、そういう事になるかもしれない。或いは、そうならないのかもしれない。
どちらにせよ。二人が此の後どうなったのか。
知っているのは、草陰に潜んでいた栗鼠だけ――だったのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都内の宿屋を兼ね備える酒場。
冒険者ギルドの看板も掲げて、壁面の掲示板に依頼文が貼り出された酒場は、
一般人も含めた客で相席を求められる程の混雑を見せるも、何処か賑わいに欠けていた。

「はぁ、……全く、気が滅入る酒だぜ」

普段であれば周囲の客達を巻き込んで大騒ぎしている中年冒険者も、
酒場の片隅の卓に独りで腰掛けて、つまらなそうな陰鬱面で木製のジョッキを呷る。
愚痴を零しながら顔を上げた先、視界に捉えられるのは窓を叩く強い雨。
外ではこの季節特有の長雨で、悪天候が数日間は続いている真っ最中の有り様にて。

「こうも雨が続くと商売上がったり、だな」

冒険者達が不景気そうな顔で、酒場に屯するのは此の天候が原因である。
雨具の装備が増え、足場も悪くなる長雨の季節に好き好んで外への依頼を受ける者は多くない。
危険度も、疲労度も、極端に高まる中、リスクヘッジを考えれば依頼を受けないが最適解となるのは自然の流れだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からトーラスさんが去りました。