2021/05/31 のログ
エレイ > 宿など選ばなければどこでもあるが、それでは面白みがない。
そんな理由で、男は宿を決めかねていた。

「うぅむ……今から一晩泊めてくれそうな親切な人とか現れねぇーかなぁ……」

串焼きをはぐはぐと食べ進めつつ、そんな都合のいい願望を呟きながらきょろりと周囲を見渡す。

果たして、そんな男の願望を叶えてくれるような人物はいるのだろうか。
男自身としても期待値はあんまり高くないかなあ、とは思いつつ、ふと目の前を通った
通行人の一人に声をかけてみることにした。

「あー……そこのお人。ちょいとエエですかねぇ?」

もしその声に振り向いたなら、眉下げた緩い笑みを浮かべながら片手を上げている、
口端に串を咥えた金髪の男の姿が見えるだろう。

エレイ > 果たして相手の反応はどうだったのか、男は無事今夜の宿を得られたのかは、また別の話──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。