2021/05/20 のログ
■エレイ > しかし特に何も目に留まるようなものもなく、軽く肩をすくめながらふらりとギルドを後にして──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 外はすっかり明るくなったけれど、このお店の中はいつも薄暗い。この商店街が裏通りにあたるような静かな場所にあるのと、窓から取り入れている太陽光を商品棚が遮ってしまっているのが、その理由。
かびっぽくならないように清掃には気をつけているけれど、それでも、すこしじめっとした雰囲気は拭えない。迷路みたいに並んだ商品棚には、よくわからない品物が並んでいたりする事もあって、はじめてのお客さまには不気味な印象を与えてしまうかもしれない。
「……ふあ」
それでも自分にとってはもう慣れた店内。カウンター向こうの椅子に腰かけながら、来客があるまでは読書で時間を潰していた。
読みかけだった本のページをめくりながら、静かな朝の雰囲気につられて思わずこぼれた欠伸を、片手を口元に当てて噛み殺す。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > カララン♪
軽やかなドアベルの音が、薄暗く、じめついた店内の雰囲気を一時的に掻き消した。
「へぇ~、古臭い感じやけど、なんや雰囲気あるなぁ……」
などと歯に衣を着せぬ感想を口にしながら店内に入って来たのは、褐色肌の長躯を下着姿と大差のない、むしろそれ以上に扇情的なデザインの黒衣で覆った猫娘。
くねくねと猫尾の揺らめく形の良いお尻を突き出すかの様に、棚の中頃に置かれたオルゴールをつつき、おそらくは遠く離れた異国で作られたのだろう何かの動物を模したと思しき木彫りの小像を手に取り観察する。
そのうちの一つが気に入ったのか「おおっ!? こ、これは……これは掘り出しもんやでぇっ♥」とこぼしながら手に取ったりもする。
そんな風に気儘に店内を歩きつつ、陳列された商品の数々を物色していた黒猫が、薄暗がりの中で爛々と輝いて見える金瞳を、ふとカウンターに向け
「――――おぉっ! 誰かと思えばミンティちゃんやないか! 奇遇やなぁ! なんやミンティちゃん、ここで働いとるん?」
丸くした金眼を嬉しそうに笑み細め、尻尾フリフリ少女の元へと馴れ馴れしく近付いていく。
■ミンティ > ページをめくるたびに紙が擦れる音くらいしか聞こえてこない店内。商店街だから周囲にも何軒かのお店があるけれど、そこが賑やかになるのは、もうすこし時間が経ってから。すっかり静まり返った環境で店番をしていると、時間の感覚も曖昧になってくる。
そんなところにドアベルの音が響いたから、ぴくっと小さく身震いをして、あわてて時計を確認した。読書をはじめてから時間はあまり経っていない。
「…いらっしゃいま――」
時計からお店の出入り口に視線を向けて、挨拶をする。
自分の背より高い棚ばかり並んでいるせいで、すぐには来客の姿を確認できない。顔を覗かせるように斜めに身体を傾けてみてもだめだったから、しばらく待っていようか、腰を上げて応対しようかと悩む。
その間も聞こえてくる賑やかな声に聞きおぼえがある気がして、ん?と小首をかしげたところ。
「……っ?!
っ…ぁ、ぁ、…は、はい、…えと、い、一応、店主、です。…や、雇われ、ですが」
カウンターから見える位置までやってきた女性の姿に、今度は大袈裟なくらい大きく、びっくうっと身を震わせた。
自分のテリトリーともいえるお店の中で再会するとは思いもしなかったから、返答はしどろもどろ。すこし頬が熱くなるのを感じながらも、ぺこりと頭を下げて。
あいかわらず、すごい格好だなあと、つい女性の装いをまじまじ見つめてしまう。
■キルシュナ > 「にゃはっ♥ そない可愛らし反応されたら、ついついいじめたなってまうやん♥ にしても店主かいな。まだちっちゃいのに、もう一国一城の主しとるっちゅうのは大したもんやなぁ」
顔見知りとの出会いに驚いたのだろうが、それにしても大仰な反応に思わず笑いが零れた。ほんのりと赤く染まった頬は、しばらく前のカフェでのあれこれを思い出しての物なのか、はたまた痴女呼ばわりされて憲兵に引っ立てられて文句の言えぬエロ装束に気恥ずかしさを覚えたがためなのか。
どちらにせよ、可愛らしい少女の初々しい反応を好む猫としてはまさにクリティカルヒットとも言うべき所作だった。
そんな少女が雇われと言えどもこの店を切り盛りしていると聞けば、再び金眼を丸くして「えらいなぁ、ミンティちゃん。えらいなぁ♥」しっかり自立している少女に対しては失礼とも思える気安さで、桃色髪の頭部を撫でくり撫でくり撫で回した。
八重歯も剥き出しな大口をニカッと開いたその笑顔には、悪意やからかいの色はまるで見られないのだが。
「―――あ、これちょーだいな。いやぁ、まさかこない下町の店でこんな掘り出し物が手に入るとは思っとらんかったわぁ。これ、冒険者から手に入れたん? それとも結構遠くまで行く行商人辺りから買い取ったん?」
そうしてひとしきり少女の桃髪を乱した後、カウンターに肘をついてトン、と少女の眼前に置いたのは、何とも珍妙な置物だった。
捻じれた樹木とも、奇形の蛇とも取れる形状のそれは、木材と思しき、その癖すべらかで艶のある表面構造が特徴的な品。円柱状の底面に解読不能の文字が刻まれているのが、何ともいわくありげな雰囲気を醸している。
木彫りの小像などと同じ場所に置かれていた事と、遠い異国の物という事で幾らか上乗せしているのだろうが、それでもキルシュナからすればかなりのお買い得品。
何かしらの魔眼を備えていると思しき少女をしても看破しきれなかったそれは、古今東西の淫術に精通している変態猫だからこそ正体を見破る事の出来た古代の遺産である。
■ミンティ >
「そ、そんな、とんでもない、です。
…たまたま任せていただいた、だけで…っ、まだ不勉強なところも、多いですし…」
ぶんぶんと首を横に振りながら、あわてた口振りで謙遜する。桜色の髪をふわふわ舞わせたその動きも、頭の上に手を乗せられると、ぴたりと停止。
いろいろと思い出すところもあって頬の赤さはそのままだけれど、明るく、堂々とした振る舞いは変わらず憧れる部分もあった。そんな女性に偉いと褒めてもらえるのは、満更でもない気分。
なかなか一人前になれないと自覚している仕事について評価してもらえているのも嬉しいから、顔を伏せがちにしながら、緩みそうな口元を、なんとか引き結んだ形に整える。
「……あ、あ、はいっ。…え、と、これは……」
しばらく撫で回されたあと、髪を整えながら、ぽーっと浮かれた雰囲気。
つい気持ちが緩んでしまっていたけれど、カウンターに商品を乗せられると我に返り、あたふたしながらも、引き出しの中から帳簿を取り出す。
値札自体は商品そのものや、あるいは棚か、どちらかに貼りつけているけれど、一応鑑定した時のメモとも照らしあわせておく。
提示された彫像は、なにかしらの力が秘められているようだという事までは読み取れていたけれど、なかなか鑑定にも流れてこないような珍しい術のようで、査定に困っていたのを思い出す。
結果として彫刻の細かさや素材の質、物珍しさを基準に、すこし高めの値段設定をしていたのだけれど。
「…え、と、これは…、黒尽くめの、ちょっと変わったお客さまが、持ちこまれたもので。
…まだ、経験も知識も、足りなくて、はっきりとわからなかったんですけど…そんなに珍しいもの、なんですか?」
正体不明の人物だったから、そもそもプライバシーに触れる事もないだろうと考えて、査定のメモにあわせて書かれていた、この商品を売りにきた人物の特徴を明かす。
そんな話をしながら、算盤を弾いて、あらためて値札どおりの金額を提示。珍しいものだとわかったとしても、後出しで値段を吊り上げるつもりもなく、商品の梱包をしようと紙袋を取り出して。
■キルシュナ > (ちょ、この生き物ホンマ可愛ええっ♥ このままお持ち帰りしとぉなるわっ!♥♥)
無造作な髪撫でに嫌悪を示すどころか、むしろ嬉しそうに、しかも、その嬉しさを顔に出さないようにきゅっと口元を引き結ぶ様の愛らしさと来たらもう、衝動的にぼふっと抱き締め、滅茶苦茶に可愛がりたくなる魅力にあふれていた。なのでヤッた。
「もぉホンマにミンティちゃんは可愛らしなぁ!♥ ええ子やええ子やぁ♥♥」
頭撫での動きから頭部に巻き付いた褐色の細腕が、それは見事な不意打ちで少女を引き寄せ、身を乗り出したカウンター越しの抱擁で、小顔をたわわな褐色乳に挟み込む。
鋼糸製と思しき編み帷子はどういった構造になっているのか、少女の頬に食い込む事もなく、爆乳の柔らかくも弾力に溢れた感触と、梅雨の湿気にしっとりとした肌質、そして柑橘を思わせる猫娘の体臭をほんのりと香らせる抱擁拘束で、小さな店主をこれでもかと言わんばかりに可愛がった。
――――さて、そんな予定外の一幕を挿しはさみつつも、掘り出し物の購入である。
「にゃるほどにゃるほど。せやったらまず間違いないなぁ。セレネル渡って来た南方人やろ。おっしゃ、お姉さんが可愛い可愛いミンティちゃんに、特別にレクチャーしたるな」
言いながらヒョイと飛び上がった長躯が、カウンター上に乗せた豊かな尻を拉げさせ、爆乳をぽゆゆんっと弾ませる。
行儀悪くカウンターに座した長躯が上半身を捩じって少女に上体を向け、それなりの大きさと重さを有する黒木の置物を手に、ベージュの唇を開く。
「これは南方にあるプラーガいう国の、めっちゃ古い時代の物やねん。ミンティちゃんの目ぇならこれになんや仕掛けられとるっちゅうとこまでは見抜いたんちゃうかなと思うけど、最近の術式とはまっきり別の組み方しとるからな。普通に考えたら子供の落書きみたいな意味のないもんやと思ってまうんやけどもぉ……」
キルシュナの猫尾にも似たくねりと、丁度それと同じくらいの太さの径の主幹とし、その付け根付近から受け皿めいた形状の太く短い枝を伸ばした奇怪なトーテム。
主幹は蛇の頭部にも似てエラを広げ、分枝の上部には球状の突起が無数に突き出している。
そんな正体不明の物体を彼女の眼前で振りながらの語り口が、少女から古物商ならではの好奇心を引き出そうとする。彼女がそれを梱包してしまおうとするのを褐色の手の平でぴたりと止めて
「――――……せやねぇ、どうせやし、実際にちょいと試してみよか♥」
にふっ♥ と円弧を描いた大口は、毛虫のたかった木枝を背後に隠した悪戯小僧と同じ雰囲気で少女に嫌な予感を感じさせる事だろう。
■ミンティ > ようやく頭を撫でる手から解放されて、にやけてしまいそうな表情を引き締めるため、頬に両手を添えて、むにむにと顔の筋肉を調整する。そんな風に落ち着きを取り戻そうとしていた最中だったせいもあり、いきなり伸びてきた腕は完全に不意打ち。
「――ゎふっ…?!」
豊かな胸元に埋もれる瞬間、尻尾を踏まれた小犬みたいな声を吐息たっぷりに上げた。自分にはない大きな胸の感触を押しつけられながら、またもあたふたさせられたけれど、強引に引き剥がそうという行動には出ない。
大人びた肢体への羨望や、いろいろと経験が積み重なっても、なかなか慣れないスキンシップなんかに、眉を寄せたり、頬をまた赤くしたりと落ち着かない顔。
親しげな接触から解放されると、軽い運動を終えたあとみたいに、ふううっと息を吐き出して。むう、と眉を寄せて、困りますとでも言いたげな顔を作ってみせるものの、言葉にしてまでの抗議もしない。
乱れた髪を整えていると、女性がカウンターに乗り上げてくる。その行動を咎めるどころか、広げていた道具や読書中の本が彼女の邪魔にならないよう、あわててどかしてスペースを開けて。
「…あ、は、はい、お願い…しますっ。…え、と……プラーガ、の……
そう、なんですよね。大体の魔術は、知らないものでも、大まかくらいには読み取れるんですけど…
なんだか、でたらめというか、…どういった読み取り方をしていいのか、ぜんぜん、わからなくて…」
知識のない部分であろうと感覚に近い形で読み取ってくれる魔眼の力を持ってしても、この彫像にこめられた仕組みは読み解けなかった。
それが相当古いものであると聞けば、すこし納得した様子で頷いて、帳簿とは別の、小さなメモ帳を手にして、彼女の話を書きこんでいく。
「……?」
ふと、なにか思いついたような顔をする彼女を見上げて、小首をかしげ、きょとんとした表情。あいかわらず肝心なところで危機感が薄いせいで、これからなにが起こるかも想像せずに、こくんと頷いてしまい…。
■キルシュナ > 【部屋移動いたしますー。】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からキルシュナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセルマさんが現れました。
■セルマ > 平民地区にある公園が見える通りに置かれたベンチの一つ。
そこに腰を掛けて空を見上げてはぼーっとする。
数日前に気の緩みからこの国特有の洗礼を受けてしまう。
その翌日には医療院に行き対処はしたのだが本調子に戻れずにこうして無意味に時間をつぶして。
「そろそろ仕事を居ないといけないのですけど…」
未だに違和感を感じる下腹部に手をやっては大きなため息を吐き。
冒険者の仕事に集中できそうにないなら日雇いでも探す方がいいかも。
そんな事を頭の片隅に考えつつ空から通りへと視線を落として。
■セルマ > そうして考えていたがこうしていても始まらない。
ならば少しでも体を動かしていくしかないと考えを切り替えれば立ち上がってギルドへと向かっていく
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセルマさんが去りました。