2021/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。

食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。

エレイ > やがて、男の姿は遠ざかり──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 商店街」にシロナさんが現れました。
シロナ > マグメールの平民地区、商店街というのは、活気に溢れている場所だ、商人達が売り物を大声で宣伝し、客はそれを見て買い物をする。
 この国では一般的な形で、母親の商会は、何方かと言えば少ない方なのだと思う、ただ、品数や品ぞろえが尋常ではない。
 それを、ありありと見せてくれるそんな場所、別に馬鹿にしに来たわけではない。

「んーと。この辺、だったかな。」

 少女の褐色の手には一枚のメモ書きがある、其処に書かれている店を探しているのだ。
 実家に行けば大体は有るが、大体、でしかない。専門店のような、コアな物は少ないし、注文となり値段などが掛かる。
 それなら、実際にある店に言った方が、専門店の方が有用な知識もあるし、専門家にしか判らないこともある。
 母親はよく良くそれを言う、専門家や専門店には、敬意を払うべきだ、と。そして、商人と言っても、己だけで商いは回らない。
 つながりが大事なのだ、と。

 ―――詳しい事は良く判らないし、何時も途中ですぴょっと寝る。
 母親は、専門店を尊敬してる、それだけは判るという程度。
 なので、深く掘り下げたい、良い物が欲しい時は、こう言う風に買い物をすることにしている。

 武器防具を持たずに、とテトテ歩けば、其れなりに普通の女の子に見える少女は。
 地図の場所を探し、きょろきょろ、と赤い瞳で右左、と見まわしていた。

シロナ > 「この辺り、じゃなかったのか……な?」

 メモを眺めて、周囲の店舗を眺めて、少女は、うむむ?と首を傾ぐ。
 欲しいものは決まって居るのでその店を、と思ったのだけれども、貰ったメモに書いてある場所が判らない。
 というよりももっと根本的な理由にたどり着く。

「そういえば、この国って思ったよりも広いんだよね?」

 地図を持ってきていなかった、平民地区と言ってもこの国、商店街自体二つ三つ四つ五つ……沢山ある。
 つまるところ、出だしの部分で間違えていたという事に気が付く。
 こうなるともう、目的の場所を探すどころではないし、買い物も後回しにせざるを得ない。
 幸か不幸か、急いで探さねばならない、という程のものではないものだ。

「やーれやーれ。ね。」

 もう、とぷくり、と柔らかな頬を膨らませて。
 腹も立つし、何か食べたいな、と目的を食に変える。
 こういう時は、甘い物だ!と、レストランとか、そう言った類の店を探す

シロナ > 「あ、あそこにしよう、かな!」

 ふと見つけた一つの店舗、其処には美味しそうなお菓子が売っている。
 懐にあるお財布、お小遣いをひーふーみーよーと数えて、問題がないな、と少女は頷く。
 じゅるり、とよだれが垂れそうだけどそれは―――叔母のお仕事である。
 とは言って、上品かどうかでいえば、上品とは言えないのがこの娘で。

「いよっし、いくぞー!」

 でっでっでででっ、とか、何処からともなく聞こえてくるような幻聴を背に。
 少女は小走りで駆けていく。
 健康的な肉体は勢いよくレストランの方へと向かって行って。

 そのまま、お店の中に消えていくのだった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 商店街」からシロナさんが去りました。